Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

横浜みなとみらいホール主催「椿姫&トスカ」2012.02.03批評(No.1993)

2012-02-03 21:31:29 | 批評

歌手もピアニストも良かったのに「執拗なブーイング」を浴びせ続けられた横浜みなとみらいホール主催「椿姫&トスカ」


 状況は正確に書かなくてはならない。「椿姫」の後には「ブーイング」は全く無かった。「執拗なブーイング」が掛かったのは、「トスカ」の後であり、「ブーイング」を掛けていたのは2階正面席の1人だけ。冒頭に記載したように「歌手」も「ピアニスト」も良かった。それなのになぜ「執拗なブーイング」を食らったのか? について詳述する。

徹頭徹尾「マイク&スピーカ三昧」でスピーカから大音量を垂れ流したから


である。
 「バイロイト音楽祭出演ソリストにお越し頂きました!」って音量にしてたわな > ヴェルディ「椿姫」もプッチーニ「トスカ」も。それほどの歌手では無いんだが、『何でマイク&スピーカ三昧にしたの?』が全く意味不明だった。これはムゴい(泣


 新国立劇場オペラ を初めとして、『安易にマイク&スピーカ三昧』公演は多い。新国立劇場次回オペラ「沈黙」も相当にヤバげ。佐伯周子 がチケットかっぱらっていないので、おそらく私高本が聴きに行く(泣

 基本的な「安易発想」は次のことが多い。(「沈黙」は違うよ)


  1. 「セリフ」があるので、マイクを使う


  2. マイク使うのだったら、(ソリストが)私の「アリア」にも入れて!



ってパターン。これは「ぎりぎり」受容する聴衆が多い。つまり「アリア」までは受忍する、だ。大馬鹿な新国立劇場でもここまで。聴衆を欺き、偽り、騙し続けてきたが、さすがに「重唱ではマイク&スピーカ三昧」はしない。理由は「聴衆が発狂するから」である。


 「椿姫」冒頭から「トスカ」結末まで「マイク&スピーカ三昧」を聴かされた。柳沢涼子 は「音割れ」していたし、「音響技術」最悪。不要だろが > 柳沢涼子に「マイク&スピーカ三昧」

横浜みなとみらいホール「椿姫」&「トスカ」は演出や音響の責任者を明記せず


であった。結果が「ブーイング」である。日本第2位の人口の横浜(大阪より多いんだとなあ!)として恥ずかしく無い公演だったのだろうか? 少なく言っても「東京文化会館」や「東京芸術劇場」主催公演でこんなスカな構想の演奏会は1回も聴いたことがない。「ブーイング」を浴びせられたソリストとピアニストは気の毒だ。これは主催者の問題なのだから。
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日本モーツァルト協会例会「ドン・ジョヴァンニ」2012.01.29批評(No.1992)

2012-02-02 21:05:52 | 批評

素晴らしい声楽陣を揃えたゴージャスな永竹由幸企画&演出「ドン・ジョヴァンニ」


 ピアノ版で大道具どころか小道具まで一切無し、当然合唱団無しの「ドン・ジョヴァンニ」上演。演奏会形式では無く、演技はド派手。ドン・ジョヴァンニとレポレッロが通路にまで飛び出しての熱烈な演技付き。東京文化会館小ホール公演だったが、「前売り完売」で当日券が出ないほどの人気だったが、その人気に「応える名演」だった、と感じる。プログラムノート記載順に

  1. 宮本益光:ドン・ジョヴァンニ


  2. ジョン・ハオ:騎士長


  3. 大山大輔:レポレッロ


  4. 布施雅也:ドン・オッターヴィオ


  5. 山口佳子:ドンナ・エルヴィーラ


  6. 照屋博史:マゼット



が素晴らしく、「モーツァルトオペラの男声の魅力」に浸れた公演であった。


 この手の「縮小版オペラ」は『企画立案』する人によって、全く異なる結果を産む。2ヶ月前に全く同一演目を「オペラくご」でも聴いているが、印象は全く違う。

企画&演出の 永竹由幸 は、「ベルカントが歌えるソリストを集める」を最優先して実現した!


 

「足場固め」は「ベルカントオペラ」を支えることが出来るベテランコレペティトール = 河原忠之(p)を招く


であり、狙い【全て】成功した。

永竹由幸 演出は、方向として「ドン・ジョヴァンニ」は「色気たっぷりのオペラ・ブッファ」路線


であり、女性3名がとにかく色っぽい。ここまで色っぽい「ドン・ジョヴァンニ」は滅多にお目にかかれない。私高本も目を楽しませて頂いた(爆


 男声の充実ぶりは見事なモノ。アリア直後に唯一「ブラヴォー」が掛かった 布施雅也、信じられない大声量バス = ジョン・ハオ など、感動モノ。他の3名の男声も見事! アリアだけでなく、重唱も各ソリストに声量があるので、自由自在な表現が出来ていた。
 笑ったり、悲しんだりして全曲を聴き終えた。第1幕「婚礼の場」が全部カットされていたが、まあいいか(爆


 服部譲二指揮&主宰「オペラくご:ドン・ジョヴァンニ」に比べると、感銘度が「オペラくご」の水準には達していなかったことも(小さな声で)ここに告白する。ソリストははっきりこの日の方が上。
 ・・・となると、「オケ」が原因となる。つまり

服部譲二指揮東京アンサンブル の方が、河原忠之ピアノ よりも説得力がはっきり高かった


になる。私高本は「ピアノ大好きバカ」なので楽器の問題とは思えない。おそらく

河原忠之のピアノが「ヴェルディ風」で「モーツァルトのアクセントやアーティキュレーション」を省略した、が原因


である。ドンナ・アンナ と ツェルリーナ が「ヴェルディ風に歌った」のも本人の解釈なのか? 河原忠之の指示に従ったのか? はわからない。


 誤解があるといけないので、明記しておく。私高本はこの公演を充分に楽しんだ。再演があれば(スケジュールが合えば)また聴きたい。ただ、「服部譲二指揮」の方がもっと心惹き付けられた、と言うことである。小ホールで歌うソリスト陣では無かった。日本モーツァルト協会と永竹由幸の企画には感謝するばかりである。
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上野優子チャイコフスキーピアノ協奏曲デビュー(No.1991)

2012-02-01 21:59:30 | 批評
 う~ん、気が重い。「上野優子は十全に演奏」したのだが、指揮者 = 川瀬賢太郎 が大スカだった。チャイコフスキーの真髄を「オケ=日フィル」から全く引き出せなかった。この手の指揮者はカネが続く限りはびこるので、ブログ読者は避けてほしい。これでは「チャイコフスキーの音楽」が成り立たないわな(泣


 冒頭プログラムがバレエ「くるみ割り人形」から「花のワルツ」。これがヒドかったんだよね(泣

 ホルンを無闇に押さえるし。あぁ、これは無いよな? って演奏だった。日本フィルの皆様も納得して頂けるのでは無いでしょうか?
 序奏の最後の「ハープのカデンツァ」でタクト振っているのだが、これが全く合っていないのにも唖然。序奏が終わってワルツに入ると、1小節を1拍に取って「4拍子に振る」指揮だったが

川瀬賢太郎は「打点に合わせる」だけを要求するので、チャイコフスキーらしい「横の流れ」が完全に抑えこまれてしまった


 こんな「花のワルツ」は前代未聞。


 ピアノ協奏曲はさらに悪かった。オケだけで「ハンドル操作が出来ていない」のだから、ピアノ独奏者が加われば無理か、、、

上野優子のピアノは「ロシア風の濃いロマンティシズム」満載だったが、川瀬賢太郎に被せられて聴こえないフレーズ続出、が結果


 上野優子 は ニコライ・ペトロフ のような「爆音系」では無いので、14型のオケをフォルティッシモで被せられたら、ひとたまりも無い。

アンコールの ボルトキエヴィチ「エレジー」が最も魅力的だった




 川瀬賢太郎の指揮で、チャイコフスキー交響曲第5番を聴いたら「体調不良必至」だったので、後半はチケットを捨ててアメ横に寄って帰宅した。

 4日後に同じ東京文化会館で聴いた 円光寺雅彦指揮 が素晴らしかったので、「上野優子 + 円光寺雅彦指揮」で協奏曲が聴けたらよかったのに! とつくづく感じた次第である。
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