中期前半のシューベルトは、なぜ連弾曲を作曲しなかったのか?
中期前半 = 1819.11 - 1822.09 ミサ曲第5番変イ長調作曲期間&「オペラの時代」 D678 - D758 は、連弾曲が1曲も無いことは前述の通り。実は連弾曲だけでなく、「ソロピアノソナタ」も1曲も作曲していない。ピアノ曲はわずかに舞曲が1集だけ作曲されただけである。(6つのエコセーズD697。1820.05)
実は器楽曲に対して信じられないほど興味が無かった時代であり、交響曲2曲(D708A,D729)と 弦楽四重奏曲1曲(D703)があることはあるのだが、全部未完成のまま放置された次第。
では何を作曲していたのか? の疑問があるだろう。
怒涛の「オペラ時代」 = シューベルト中期前半
ミサ曲第5番変イ長調D678 1819.11 -1822.09
「ラザロ」(宗教劇 or 復活祭カンタータ or 舞台上演用オラトリオ)D689 1820.02
オペラ「魔法の竪琴」D644 1820.04 - 08
オペラ「シャクンタラー」D701 1820.10 -
オペラ「アルフォンソとエレストレッラ」D732 1821.09.20 -1822.02.22
これだけオペラに集中作曲した時期はシューベルトはこの時だけである。原因ははっきりしており、
1820.06.14オペラ「双子の兄弟」D647初演 & 1820.08.19オペラ「魔法の竪琴」初演 で「オペラ作曲家に成れる夢」がかないそうだった!
からである。