Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

マーラー「復活」対決! 下野竜也+読響 vs. インバル+都響 後編(No.2144)

2012-10-09 18:15:11 | 批評
 下野竜也 は「マーラー指示通り」に振るだけではない。

第5楽章で、「バンダのトランペット4名」を指示の無い箇所で「パイプオルガン奏者席」の左側で吹かせる


も実行。出たり入ったりバンダ隊トランペット4名は足の運動量は凄かった! 

 下野竜也 は「決め所は溜める」が、頂上前のポイントでは「クライマックスはまだ後ろ」をはっきり意識した指揮。そして

 最強音のクライマックスも「響かせる」! 「鳴らす」ではない!

下野竜也 + 読響:マーラー「復活」の最大の特徴は、『響きの豊かさ』を狙い実現したこと。部隊上の弦楽器の左右の響き、管打楽器 & ソリスト、合唱の奥行き だけでなく、部隊外のバンダの巧みな演奏、高い位置に置いた「トランペット4本」と「ホルン4本」が『響く』



アルトソロの 清水華澄 は豊かな響きに支えられた美しい声が魅力


東京音楽大学の合唱は、声が若いが「音程の正確さ」が極めて精度高く、無伴奏のピアニッシモでもハーモニーがとても美しかったことが印象深い




インバル は各楽章にピークを作り、聴衆を「短い時間の内に愉しませよう」のサービス精神に溢れている


 強烈な第1楽章に続く「牧歌的な第2楽章」でさえも、第1楽章と同じフォルティッシモも鳴らす。第3楽章も同じ(第5楽章を予感させるところだけでなく)。
 だが、第4楽章は「鳴らす」が不可能な楽章。この楽章が最も扱いがうまく行かず、「アルトソロ」にオーケストラをかぶせてしまったことは唖然とした。(尚、これだけにとどまらなかった!)
 第5楽章は第1楽章同様、冒頭からフォルティッシモを鳴らすので、中間楽章以上に快調。だが、声楽が出てくる箇所で、またもやオーケストラをかぶせて来る! 特にフーガの後のフォルティッシモの箇所は、合唱の声を打ち消すようにかぶせていた。この上なく開放的、開放的。

インバルは「女声44名+男声36名」の二期会合唱団について「鳴らない」の判断


だった。第3番、第8番「千人」では、インバルが満足できる「鳴る声量の合唱団」を用意して頂きたい。

 終演後のブラヴォーは、それはそれは盛大。インバルもご満悦だった。この路線で「インバル + 都響 :マーラー交響曲全曲」は進んで行く、と考えられる。

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