Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

ベーゼンドルファー旧型 鍵盤はなぜ重い?(No.2645)

2023-03-10 15:24:28 | グランドピアノの買い方・選び方

スタインウェイC~Ⅾ 47-52g、S~B 47g、ベーゼンドルファーインペリアル 52-55g


低音が88鍵盤ピアノより9鍵盤多い97鍵盤なので、低音鍵盤が重いのは誰でも理解できるが、中高音が5g重いのは、理解し難い、ヤマハ幹部も理解出来なかったwww


ベーゼンドルファー旧型鍵盤が重い = ハンマーが重いから


ハンマーは重いほど大きな音が出る。「100gのハンマーの音量 >>> 1gハンマーの音量」は誰でも理解出来る。約60gと言われるカワイ鍵盤は「重い」が定評。「音量が豊か」については、私高本が43年前に亡き母に「カワイKG6C」を買ってもらった時に「ヤマハC7に比べて豊か」を感じた。ハンマーだけが原因か? 響板の影響が大きいか? わからない。ヤマハ鍵盤重量は 50gと言われている。尚、ヤマハCF-X は「鍵盤鉛調整」されているが「SX以下全機種鍵盤鉛調整無し」なので、何g設定なのか? は重量測定しても断定は不可能><


大きな誤解が存在している。

誤解 : ベーゼンドルファーインペリアル は スタインウェイD より音量が小さい


「ベーゼンドルファーインペリアルの方が大音量」が正しい。
東京文化会館小ホールで『伊福部昭 : リトミカオスティナータ 2台ピアノ版』演奏時に舞台上で確認したので間違い無し。
ちなみに、ソロピアノ=スタインウェイD、オケピアノ=ベーゼンドルファーインペリアル を使用した。音量小さい スタインウェイD をソロにしたのである。

スタインウェイD が音の立ち上がりが鋭く、細かな音符で和音連打のソロピアノが浮かび上がるから


ベーゼンドルファーインペリアルをソロピアノにすると、「音の保持が良過ぎて重なってしまう」のである。伊福部昭は「スタインウェイDを想定して作曲」を明言している。尚、1944年作曲(2台のピアノとオーケストラのための)『フィリッピン國民に贈る管絃樂序曲』初演時、きちんとしたスタインウェイD が用意されなかったため、「ピアノが小さい」感想をもらしている。
伊福部昭デビュー作「日本組曲」(1934)第4曲「佞武多(ねぶた)」もスタインウェイD 想定の曲であり、ベーゼンドルファーインペリアルだと細かな和音が残ってしまう。
第2曲「七夕」はベーゼンドルファーインペリアル向きだが。


ベーゼンドルファー は「重いハンマーで、立ち上がりは遅めだが、音量大きく、保持音が長い」が魅力


のピアノ。

ベーゼンドルファー は木管楽器に近い響き


と言い換えても良い。K449以降のモーツァルトピアノ協奏曲、ベートーヴェンピアノ協奏曲を聴けば、木管楽器との調和を確かめることが出来る。グルダの録音、聴いて下さい。


2008年ヤマハがベーゼンドルファー社買収後、次のように「改善」した。

  1. 155 → 廃番
  2. 170 → ヤマハアクション + ヤマハハンマー = 170VC
  3. 185 → ヤマハアクション + ヤマハハンマー = 185VC
  4. 200 → ヤマハアクション 型番変えず
  5. 225 そのまま & ヤマハアクション + ヤマハハンマー = 230VC
  6. 275 → ヤマハアクション + ヤマハハンマー = 280VC
  7. 290 そのまま

97鍵盤290 と 92鍵盤225 だけ旧型アクションを残し、他(=88鍵盤)は全部ヤマハアクションにした。
290、225、200 のハンマーは旧型、他は全部ヤマハハンマーにした。多分、225 と 200 は(鍵盤数は違うが)同じハンマー。
155cmアクションはまともなモノが無かったので廃番。(さすがにGB1Kアクションは無理と悟っていた)
92鍵盤225 & 275 は響板面積を同等にするため、230 & 280 にした様子。170 と 185 はフレーム旧型のまま運用している様子。

軽くなったよ、新型アクション。多分CF用アクション。基本的にCX用アクションとほとんど変わらない。ヤマハディスクラヴィーアが取付可能。勿論、鍵盤鉛調整してあるはずなのでご安心のほどを。
ただ、「木管楽器的響き」も消え失せたことだけは間違い無い。
コメント
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