真摯に想いを伝えたはずが、相手はそれを受け止めるどころか、話はさらにあらぬ方向へ。
遂には相手が誰にも語られなかった話が吐露されるが、流れでまともに受け取れない。
そういう状態のまま、会話は全く別のベクトルに押し込まれ、終了してしまう。
と、こんな名シーンがあった(おっと! 恋愛映画ではないので誤解なきよう 笑)
それは女性監督ならではの細やかさで成功しているように思う。
そう、これは西川美和の最新作なのだった!
出演陣も見事な選択。
初の出演らしい笑福亭鶴瓶をはじめ、瑛太、余貴美子、井川遥、香川照之、 八千草薫.、井川遙と豪華。
にもかかわらずそう感じさせない!のは、ハマり役が多いせいか。
奥深い山の中の診療所で働くドクター伊野が失踪することを暗示するオープニング。
静にはじまるのだが、この立ち上がりで動揺しまくる瑛太とともに一気に惹き込まれた。
この失踪事件をめぐる心理劇なのだが、次々と入り乱れる時間軸にストーリーが破綻するどころか、ドライブがかかってくる演出力に驚嘆した。
日本映画でついぞ感じたことのない、味わい深い感動とともに、映画が終了。
「本物」「うそ」の意味の間をぐるぐるまわっている自分がいた。
う~む、評判に違わず、日本映画を切り拓く一作と言い切ろう。
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