明日発表される アカデミー賞 の本命?「ノマドランド」が公開中。
監督 クロエ・ジャオ への注目が集まっている。
で先日、まずは彼女の前作、ザ・ライダー を鑑賞。
「ノマドランド」のタッチは前作の延長上、と聞いたので。
・実話ベース のストーリー
・「プロ俳優」を極力、起用していない
・いちいちグサグサ刺さる、「引き」のショット
は前作同様に今作でも共通し、彼女の演出の特徴だと言える。
2年前にオスカーを獲得、フランシス・マクドーマンドが前作をみて惚れ込み、頼み込んだそう。
彼女は 原作「ノマド;漂流する高齢労働者たち」(2017) の権利をすでにキープしていた。
誰に監督してもらうか迷っていたところに解答を導き出したわけ!
ストーリーはいたってシンプル。
主人公は自然に囲まれた新興の街に夫婦で住んでいたはずが、夫とは死別…
さらにリーマンショックが襲いかかり、街自体が滅び消滅してしまう( 郵便番号 さえ消滅!)
いかにも現代っぽい話で、リアリティありすぎ(汗)
主人公は仕方なくワゴン車に最低限の荷物を積み込み、放浪生活に入る。
そうしてみると、そういう生活をしているのは自分だけではないことに気づく。
友達もでき(実際にノマド生活している方達 = リアリティ抜群!)本格的なノマド民となる。
自由ではあるが、苦労を伴わざるえないノマドな生活を淡々と描いていく…
終盤、ノマド生活者をサポートした人物がその厳しさをあえてポジティブに言い換えて語る。
主人公はその後…
予想はしていたものの、鑑賞後は作品のインパクトよりも数々の風景が強く焼きついていた。
ドキュメンタリー色が強いので。
となると、今作が主要部門(×6)を総ナメするという確信には至らなかった、というのが正直なところ。
とはいえ、そのテーマ性において極めて現代的であり、高く評価される可能性は十分。
「プロ俳優」を極力起用せずとも、彼らをきっちり導き完成度高く仕上げる監督の技量も含め。
結論:「プロ俳優」を極力起用せずとも、完成度高く仕上げる監督の技量はもちろん、極めて現代的なそのテーマ性において、貴重な一本。
人の生き方には色々あって良い、ということを言っているように思いました。正に現代的。
>「プロ俳優」を極力起用せずとも、彼らをきっちり導き完成度高く仕上げる監督の技量
僕が注目したのも正にここですね。
日本の河瀬直美がアマチュアとプロを交えるという作風でずっとやって来ていますが、本作は彼女の作品以上にアマチュアがアマチュアとして重要な役目を負って出ていて、かつ、機能しています。これはなかなか大したものだなあと感心しました。
<言っているように思いました。正に現代的
私もそう思いました。
ノマドな彼らが不幸のようにも? 幸福なようにも
みえ、自分の意識が「ゆらゆら」させられるのに
こういうのこそ、現代の映画だな! と思いました。