西部劇、というだけでこの作品に何かのレッテルを張っているっぽく感じてしまうほど。
というのは 例えば、この映画に登場する「風景」
脳裏に焼き付いた景色やシーンがたくさん。
それが再現されることを目的に、また劇場に行ってしまうかもな自分がいる。
あるいは、だいたいの西部劇はその設定に頼りきったところから、描いているような気がする。
が、このコーエン兄弟の今作は、その時代の「人間」の営みから描かれ、それぞれにリアリティがある。
よくあるノスタルジックな感じはゼロ。
なので、
1969年の西部劇映画『勇気ある追跡』のリメイク、と言われても、「全然違うよね」としか思えない。
だから冒頭のフレーズとなる。
2年連続でまたもアカデミーにノミニーされたジェフ・ブリッジスは、そうなったのも納得の出来。
去年の「クレイジー・ハート」での獲得は、やや お情け的なものがあったように思う。
が、もし順序が逆だったら、こっちで文句なく獲得していただろう。
同様に、助演女優賞にノミネートされたマティ・ロスも、ブリッジズと堂々の立ち回りで、そのノミニーが納得できた。
今の状況では、映画なんてとても…という気持ちもある中、前を向く気持ちにさせてくれる数少ない一作と言えよう。
(鑑賞したのは10日以上前なので、保証はできないが...)
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