この本を一言で表現すると、序章のタイトルが適切だろう =「イメージ」が現実を凌駕する
メディアのカタチが代わり、CNN、BBC etc… などの報道系メディアがグローバルに拡張している時代。
その時代には、世界情勢を動かしていくのに、国際メディアでいかに露出されるかが重要な時代になった。
その露出でいかに「イメージ」を作る事が、現実を凌駕するのだ。
ただし作者も強調しているが、「作る」のはウソをつくとかいうレベルではなく「主張」を正しく伝えよう、ということ。
この「主張」の影には 腕利きのPRのプロがかかわっているが、彼らがやっていることは「陰謀」という感じはしない。
(not 「ヤラセ」「捏造」)
そう誤解されやすいが、彼らがやっているのは「フェアな場」において、あくまでも知力を尽くした闘い。
<ジャーナリズムの現場において、取材相手との関係は「信頼」や「共感」といったポジティブな面と、
<「緊張」や「追求」といった対立的なせめぎあいの中にあることは常に実感している
例えばどんな事をするのだろうか?
いくつかのキーワードが面白いので引用してみる。
「サウンドバイト」「バズワード」「サダマイズ」
言葉の意味は解説しないので、ぜひこの本をお読みいただきたい(笑)
これらはスピーチがうまい人が自然に実行していることだが、それをメディア相手に実行するのだ!
さてオープニングの序章が終わると、さらに深くグローバルな具体例に踏み込んでいく。
それらは…(2行めは当ブログでつけています)
第2章 地上で最も熾烈な情報戦―アメリカ大統領選挙
テレビの歴史に残る名場面 クリントン vs ブッシュ
第3章 21世紀最大のメディアスター―ビンラディン
アルカイダ、ビンラディンは極端に「国際メディア情報戦」に特化
第4章 アメリカの逆襲―対テロ戦争
カリスマとの対決、そして「ゼロ・ダーク・サーティ」
第5章 さまようビンラディンの亡霊―次世代アルカイダ
ボストン爆弾テロを生んだ、アメリカナイズされたおしゃれなアルカイダ雑誌...
続いて最後にくるのが、当ブログとしては見逃せないネタ、
第6章 日本が持っている「資産」(=2020東京オリンピック)
<これは日本が世界を相手に「PR戦略」的な手法を競って大きな成果を上げた希有な例である
上記で伝わったと思うがこの本、読みながら、おおっ!!が連発。
このため、そうない「ページをめくるのが勿体無い」感覚に(笑)
実際この本の読後、
直接的にはアメリカの現代政治もの→「マーケティング・デモクラシー」
オリンピックネタ関連で→「オリンピックの光と影 東京招致の勝利とスポーツの力」
上記 × 2冊を読破中。
先に読んだ「Communication Shift」もかなり刺さったが、この「国際メディア情報戦」も双璧。
早くも、当ブログ毎年恒例「今年2014年の読書トップ5」に2冊もランクインか?
PS 今日(3/23)の朝日新聞の書評欄でも取り上げられています。ご参考まで。
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