愛人の娘を誘拐して逃亡する女性と、その成長した娘のストーリーが平行して物語を進む。
井上真央演ずる、0才~4才まで誘拐され、その時に刷り込まれた「母」のイメージのトラウマを持ったまま、大学生になった恵理菜。
ちょっとしたきっかけで自分のルーツを探る旅に。
一方、愛人の娘を誘拐して逃亡する女性を、永作博美が。
この永作が素晴らしい。
間違いなく、日本アカデミー賞を取るのではないか。
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」などの演技も印象的だったが、今回はいくつかのシーンで、さらに飛び抜けて強い印象を残す。
彼女から発せられる「切なさ」の波が、鑑賞者を巻き込んでいく(全く違う感想の人もみかけたけど)
この永作が素晴らしいゆえに、一方のプロットでの井上真央の弱さが目立ってしまう。
彼女は子役上がりで女優歴は長いのだけど、いまひとつ主人公の不幸が、私の感情を揺さぶるほどには伝わってこなかった。
このため、ラストも鑑賞のピークにならない。
原作ものだからストーリーもいじりようがないのだろうが、その部分を補う「工夫」の方法はあったように思う。
例えば、その部分を逆張りにするとか、永作のベストショットをもう一度リフレインするとか。
エンディング音楽への入り方も、やや唐突に感じたのも、そのへんが原因だろうか?
<(全く違う感想の人もみかけたけど)
という具合で、この映画って感じ方の落差が激しいかと。。。
どう感じましたか?