アトム・エゴヤン新作。
彼といえば、カンヌでグランプリを獲得したスウィート ヒアアフター が有名。
多くの子供を巻き込んだ悲惨な事件後に生きる人々の苦悩と癒し、が響く作品だった。
そして、こちらも悲惨な事件、が物語に大きく関係している。
ただしその事件のスケールは比較にならないほど、巨大。
主人公は第二次世界大戦中、アウシュビッツで家族を殺されたユダヤ人なのだ!
その主人公はすでに90歳…
彼は友人のマックスから1通の手紙を託され、動きの取れない彼に代わり、復讐の旅に出る。
4人にまで絞り込まれた、直接家族に手を下したナチスの残党を追う。
アメリカからカナダから、ちょっとしたロードムービーっぽいところもある。
が「復習」が軸にあるので、緊張感が根底にあり、そこにいろいろな人物たちが絡む。
そしてクライマックスに向かうのだが、エゴヤンの演出が緻密に組み上げていたことに気づく(後で)
それは、主人公たちの配役・ちょっとしたエピソード・登場する音楽 etc.. と全くぬかりがない。
出来のいい脚本を見事にまとめあげた、エゴヤンの名人芸、と言っていいだろう!
今年のベスト10級。
ナチの起こしたホロコーストの作品の恐ろしさに驚愕でした。
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