昨日アップしたMoMA:2018 秋 (上)
Bodys Isek Kingelez の未来志向の ユートピア都市 の模型の展示を紹介した。
が、そこで強い印象を残したのが、このユートピア都市の中を歩き回れる、VR(Virtual-reality)体験コーナー(写真)
当ブログ的には「ゲーム類」との連動が危険だと考え、VRとはやや距離を置いてきた。
が、こういう使い方ならあり! だと思い直す機会になった。
実はこのNY旅行にたまたま、この本を持っていていて未読だった。
なのでMoMA後から、さっそくバリバリと読破(笑)
まず冒頭で驚く。
現在のVRブームは ザッカーバーグの Facebook が、ベンチャーVR企業「オキュラス社」を巨額で買収したことから始まった、とのこと
(つい先日の 9月26日 発表→メディア報道されたばかり!)
その買収劇のわずか数週間前、ザッカーバーグは本書の著者の研究室を訪れ、最新のVRを自ら体験していた。
で者名 ジェレミー・ベイレンソンの経歴をみてこの驚きに意味があることを悟る。
スタンフォード大学教授で、VR(バーチャル・リアリティ、仮想現実)研究の第一人者!
その驚きのオープニングに続き、本のタイトル、EXERIENCE ON DEMAND に近い展開。
VRにどんな需要があるか、を解き明かしていく。
そして次々と登場する、びっくりの事例たち。
・NFLの某チームでは、作戦・戦略を「インストール」し170種もある作戦をアタマに埋め込む
これによってビデオもタブレットPCも「太古の技術」に!
「練習を繰り返して経験を積む以外に上達する道はない」
「がVRトレーニングは練習を繰り返すのに限りなく近い」
・VRドキュメンタリーは観客の感情を激しく揺さぶる
例:「シドラの上にかかる雲」(8分半)→見てみたい!
・仮想の体を「自分のもの」と簡単に思い込ませる力がVRにはある。
911のPTSD患者2000人をトラウマから救ったVRソフトが実在
・VRが患者の「痛みからの解放」に寄与し、医療の現場が注目。
苦痛を伴う理学療法を「楽しかった」と報告する子供!
VRで麻痺に苦しむ患者に「幻の腕」を経験してもらうことで精神的な救いを得る
こんな具合で、「見る」から「する」に移行する違いは極めて大きいことを学んだ。
≒「人間の脳はVR内での経験を現実の経験と同じように扱う」
昨日アップの MoMA:2018 秋(上)も本来は「総論」から入ろうと思ったが変更。
MoMA で体験したばかりのVRとこの本がアタマの中で連動し、貴重な「気づき」を得た。
もうひとつ、本では指摘していなかったが感じたことを。
あと日本企業にとり大きなビジネスチャンスになると思うのがHMD(ヘッドマウントディスプレイ)
「より軽く」「より小さく」を追求するのは日本企業のお得意の分野(じゃない?)
「X-MEN: アポカリプス」でサイクロップスが作ってもらった眼鏡のようなコードレスの HMD はどうだろう(笑)