PSVを4度優勝&ヨーロピアンカップ制覇(現在のチャンピオンズリーグ)、オランダ代表監督、レアルマドリッドでトヨタカップ初優勝、韓国代表監督としてWC2002ベスト4まで導いた男。
そして現在はPSVだけでなく、オーストラリア監督をも兼任し、ドイツWC2006の久々の出場を決定、今度は日本代表と相対することになった男、ヒディング。
どのようにキャプテンシーを発揮してこれだけの実績を積上げてきたのか、そして今度のワールドカップでどんな動きをしてくるか、興味の尽きないところです。
ということで、彼の本「ヒディング自伝 韓国を変えた男」を読んでみました。
前半70ページが、かれの生い立ちからレアルマドリッド優勝そして韓国代表監督就任まで、それ以降の250ページは日記形式で韓国代表監督終了までという構成です。
特におもしろかった部分を3つほど。
まず好感を持てたのは、彼の行動の基準として「サッカーを楽しめるか」「サッカーを基準にしてすべてのことが決定できるか」(つまり政治的要因を排除する)の2つを徹底して追求してきた人だということでした。実に堂々とした人生といえましょう。うらやましい限りです。
そして全く興味のなかった彼が心を動かしたのが、ヒディングからの現実的にほぼ無理な要求を短期間に調整した韓国サッカー協会。
早急かつ見事な調整に驚き、就任に至ったわけですが、2002ワールドカップの開催地決定の際の韓国の執拗に知恵を使う政治力の一端を見たような気がしました。
韓国監督就任後、ただちに手をつけ最後の最後までこだわったのが、選手の基礎体力面での強化で、その成果はまちがいなく結果を出しています。
決勝トーナメントでの闘いは全て延長戦でしたが(イタリア戦、スペイン戦)まさにそこが勝負の分かれ目だったように思います。
オーストラリアは体力は問題なく、戦術面でのコーチが中心となっているようですが、この本ではあまり戦術面の記述がなくわからずじまい(まあ当然かも。そこが監督の存在価値の大部分であり、シークレット...)
本のラストに韓国の選手たちからのメッセージが並んでいますが、戦術ではない部分で重要なキャプテンシーをいかに発揮していたかということを感じます。
韓国はヒディングとの関係を通して明かに韓国の21世紀のサッカーを創り上げていくベースを作り上げたと感じました。
ある意味、うらやましく思います(比較 with トルシェ。でも日本にはジーコがいるか...)
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