日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 





義務教育9年そしてその後6年で大学を卒業し、社会人となってあらためて「学び」について痛感する。
至極当たり前の事だが、「学ぶ意思」を強く持っているか否かで、学ぶことの効率が全然違う、ということ。
自己反省することもしきりだし、現社会のいろいろな局面でも、この点について考えさせられることがよくある。
「英語を学ぶのは40歳からがいい」なんて本も最近出版され、大人が目的をもって行う効率の良さがテーマだったように思う。

という中、「ソーシャルメディアがもたらす人と組織の知識革命」をサブタイトルとするこの本に強く惹かれた。


本の冒頭で、半世紀も前に「集合知 IQ」のことを考えていたパーソナルコンピューティングの父、ダグ・エンゲルバードのこんな発言の引用が。
「もしも、突然進化論的な意味において、我々が社交的生物としてのまったく新しい神経系系統を進化させられたらどうだろう? 
 もしも、我々が新しい集合知を開発し活用するために、高度なネットワークでつながるコンピュータのツールや手法を形成し、
 戦略的に協力的アライアンスを組み始めたらどうだろう?」

冒頭ふれた「学び」について、その定義をどう考えるかについても明確な答えが提示されていてうれしい。
「情報を取り込むことによる変革のプロセス」
「学びとは、新しい視点や初めての経験を求めてもっと力強く世界に拘っていくことだ。
 自分が学んだことと他者が学んだことを共有すると、我々の周りにさざ波が広がり、知識や企業、エコシステム、そして社会が変わっていく」

そして、企業の研修についても議論が進む。
その抜粋を以下。
「研修というものは、既存の定量のコンテンツを提供する「外側から掘り下げるアプローチ」と説明できる。
 一方、学びは最近の出来事や長く興味を持っていたり自然に発生したりする学習環境を育む。そして、時代が求めるものに出会える場所でもある。
 ソーシャル・ラーニングは、以下のものを提供する点で、これまでの研修や過去の職場での学習を凌ぐと言える。
 ・より多くの情報ソース
 ・より多くの情報ポイント
 ・ワークフローを助けてくれるコラボレーターとの、オープンな幅広いネットワークの活用」


どこまでを巻き込むか、というのは重要な悩みだが、CIAの内部で使用されているWIRe、企業デロイトの実例を紹介し、そのおさまりどころを示す。
そして続いてその実践法のお勧めのアプローチや、批判への答え方も含め、解説している(第2~4章)

卑近なところでは、311直後の福島第二原発をめぐる情報共有のお粗末さがメディア露出し、非常に見苦しい環境が続いている。
(実は当ブログでは 3-16 に「個人的な直感だが今日「分水嶺」を迎えた様な気がする」と予測していた、って恐ろしい....)

この本では第6章で、こうも記述している。
「新しい技術は結果をドラマチックに演出する。現実よりはるかに多くの場面を提供することができる仮想的な訓練環境においては、特にそうである。
 危険が伴い、実環境面での訓練が事実上不可能な高付加価値商品の生産者、特にインフラ業界、エネルギー業界においては、なおさらそうだ」

どこまでオープンにするかはともかくとしても、スモールスタートでもいいから早急に情報共有の動きを開始しなければならない、という認識を私は改めて持った。


本全体を通してみると、まだまだ始まったばかりのことであるがゆえんのまどろっこしさも感じる(慎重なゆえか、英語本ならではか、翻訳のせいか?)
が、これまで記述しているように「刺激」は十分に含まれているので、お勧めの1冊と言えよう!


最後に、本の中で気に入ったフレーズを以下。
絶え間ないひっきりなしのオンライン情報のアップデートについて、クライブ・トンプソン(WIRED)が語った言葉。

「小さくしかも煩雑にアップデートされる人の情報の数々は、それ事態はたいしたものではない。
 あるいは、とてつもなく退屈なものだ。
 しかし、長時間の間に集積された小さな情報の破片は、あなたの同僚の生き様を驚くほど雄弁に語るポートレートなのだ。
 まるで画家のスーラの絵が幾千もの小さな点から構成されるのと似ている。
 溢れるほどの情報まるでテレパシーのように我々の頭上に浮かび、見えない次元を構築するようなものだ。」


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