2016年現在でもまだ進行中の事件が映画化。
今年のアカデミー作品賞「スポットライト」は聖職者のスキャンダル追及の物語で迫力があった。
「伝統」との闘いだったわけだが、こちらは「現在進行中」かつ「最高峰のコンテンツ」のスキャンダル。
その「最高峰のコンテンツ」とは、米の「国技」アメリカン・フットボール!
脳振とう = Concussion を繰り返し受けることに起因する慢性外傷性脳症(CTE)
引退した有名プレーヤーが悩まされ、人生・家族が破壊され自殺に至るケースが続出。
この CTE の名付け親がオマル医師で、演じるは元ラッパー、ウィル・スミス。
いつも流暢な英語の彼が、アフリカ出身の医師を演じ、訥々とした口調で語る。
その訥々とした語り口から、真実があぶり出されるのだ!
これだけでも、既に痺れる...
彼が死体解剖することで「気づき」が起こり、この仮説を実証すべく、NFL との軋轢と戦い抜く。
アカデミー賞は撮り損なったが、ウィル・スミスは十分ノミニーとして胸の張れる演技だった。
落ち込み「なぜ自分がこんな目に」状態に陥り、精神的危機を迎えるオマル。
その時、教会から頼まれ面倒を見ていたがその縁で結婚した妻は言う。
「世の中に偶然はない。あなたがアメリカに来てこの事実に向き合っているのは神の意志」
そしてこっそり故郷の父に電話して聞いた話をして本人を諭す人が現れる。
「あなたの名前の意味は、If you know, you must come forth and speak」
解釈するに「事実を知ったならば、しっかり自分を把握し姿を現し、しっかり語れ」
結論:今、公開すべき映画が遂に。映画館に走れ!
なぜって?
映画が世の中を動かす(こともある)