日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 





田中直毅氏が著者。
中国とは40年近い関係持つそう。


章立ては、以下のよう。

第1章 長期停滞の10年に向かう中国
第2章 凄まじいバブルの崩壊
第3章 膨れ上がる金融リスク
第4章 色褪せる「中国の夢」
第5章 集権国家の罠:習近平改革の限界
第6章 中国は世界秩序を生み出せない
第7章 日本の近代が照らす中国のいま
第8章 日本は中国にどう向き合うのか


やはり読ませどころは、第2章〜第3章。
氏は元々経済出身経済評論家なので、中国の現状で最も気になる「経済」を斬っている。
中国人とのパイプも多いことから、生情報も時々織り交ぜながら論述している。

実際、国家統計局が発表するデータは当てにならない、と世の中の人は感じている現状がある。
氏はそこで2011年に自ら、最新の景況感を現地住む日本人にヒアリングする「写真機プロジェクト」を始めた。
これは、ひとつの指標として参考になる。



懸念される事象を指摘している部分をざらっと抜き出し、当ブログなりに整理してみた。

1.国営企業で高い人事評価を得るためにつぎ込まれる大金 ≒ 責任と非効率の掛け合わせ
                                            ↓
2.生産過剰能力に陥っているが、過剰整備の廃棄が進まないー国営企業なので
                                            ↓
3.中国国内の、潜在成長力が低下し、他業界にも悪影響が波及していく



面白いなと思った議論が、この危機の図式はまるでサブプライム・ローン問題の構図そのままである、という指摘。
確かに政府発の危機という点で、似ているかも?!

特に2.については、つい最近の日経新聞 記事でも指摘されており、

<中国、影で膨らむ不良債権
<景気の腰折れや失業増を招かない範囲で不採算企業を徐々に整理するのか
<痛みを覚悟して抜本処理に踏み出すのか

 


経済問題もさることながら、もう一つだけこの本でより詳しくわかったことを。

中国の今の体制では言論自由どころか、禁止されている「7つ」の「議論禁止対象」があるという。


それらは、
1.人類の普遍的価値
2.報道の自由
3.公民社会
4.公民の権利
5.当の歴史的錯誤
6.特権試算階級
7.司法の独立

このどれかに抵触した時点でその議論は止まり、次の議題にすり替えられてしまうよう。
こんな状況では、失速どころでは済まないのでは?!


 今の現状は、未だ長期にわたる停滞への入り口に過ぎない、という指摘が俄然リアルに感じてしまう...



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