日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
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2018年、2022年のワールドカップがそれぞれ、ロシア、カタールに決定したことがサッカー・ファンにショックを与えている今日この頃(その国のファンを除いて)
今、実に響くタイトル=「ワールドカップは誰のものか」に惹かれ、積ん読状態になっていたこの本、引っ張りだして一気読みした。


そうしたら、この本がアフリカワールドカップ直前に発売されたものの、ちょうど良いタイミングでの「周回遅れ」となった(笑)

立ち上がりは、なぜ南アフリカが選ばれたのか、というタイトルで、第1部は「ワールドカップと政治」
政治権力、特に独裁者たちによるワールドカップ介入の時代、その後からはFIFAのどんな思惑がからみあい、開催地が決定してきたか。
そしてそれを取り巻く権力闘争をあぶり出す。

さらには、日本がおおいに揺れた「2002年ワールドカップ招致」にまつわる韓国側の野心が生みだした「日韓共催」の顛末を。
余談だが、前にサッカー協会の川淵会長の『私の履歴書』に出ていた時の「ヨハンソン激昂事件」を思い出した(2008-02-28 アップ)
組んでお世話になったヨハンソンを激昂させるのだから、韓国もたいしたものだ(笑)


こう読み通していくと、いかにワールドカップが理事たちの政治駆け引きで決定していくか、よ~く理解できる。
大枚をかけた「招致レポート」なんて、そんなには関係ないのだ!
カタール大会について、どうせ今後何か出てくるだろうと思っていたら、先日FIFAから「必ずしもカタール国内だけでのみ行わなくても良い」発言が飛び出した。
だんだんと、今回の決定が「中東全体」を視野に入れたものであることが見えてきた。
今後も「日程変更」も含め、招致レポートにはとてもないような FIFAの思惑による拡大解釈が、次々と発生することが予想される。


一方、第2部 南アフリカ開催の意義、もなかなかに読み応えがあった。
ラクビーワールドカップについては、映画化(インビクタス 2010-01-28 アップ)されてもいて理解しやすいのだが、南アフリカのサッカーの苦難の歴史(黒人サッカーの歴史とワールドカップ)についてていねいにふれており、アパルトヘイトによって サッカーも(ラクビーも)孤立していく過程など、こちらも映画化できそうなくらい暗く、重い内容で興味深い。

ということで、めずらしく「周回遅れ」読書が、ちょうど良いタイミングとなっただけでなく、読ませる1冊だった!


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