日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



数年前からはじまった、NYにあるアメリカの代表的オペラハウス、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)のライブ・ビューイング。
最新のオペラ公演を、高品質のHD映像と最新の音響で収録し、映画館で上映、というシリーズ。

ロベール・ルパージュが演出した「リング」が見られるというので、遂にそれを体験(10月 9日公演)
「マシン」と呼ばれる45トンの映像も映し出す巨大装置を、最新の技術を使っての縦横無尽展開は壮観。
これまでにない、21世紀ならではの「リング」に仕上がっていた。
前回はルパージュに寄ったエントリーになったが、ここではライブ・ビューイング を初体験してみて感じたことを。


まず素晴らしい点として、
1.「字幕が出ること」で、過去になく自然にストーリーに入り込む事が可能になった。
(ライブでは、字幕スクリーンなどでフォローするが、視線がいったりきたりとなる)

次に、
2. 歌い手にカメラが寄ることで、実際のライブよりも、たいへんに迫力ある体験となる。
アップによって、ライブで歌っている歌い手の表情、息づかいまで感じれる。
これは大きい!

この結果が前回の感想となる。
<出口を出て、いつもの映画館の風景がなぜかまぶしく、これまでになく素晴らしい場所のように思えた(笑)
<というくらい、間違いなく入場料(3500円)の価値はある


オペラは究極の芸術によくたとえられるが、そのような高揚感を、このライブ・ビューイングによって、本当にNYメトロポリタン歌劇場で体験したような、いやそれ以上のそういう高揚感に酔うことができることを実感した。
このためできる限り通うことに決め、この「ドン・パスクワーレ」にも出かけた。
今回はドニゼッティ晩年の喜劇オペラなので、ニコニコ楽しく鑑賞していれば良い。

配役がはまっている。
主役のアンナ・ネトレプコも、実力と美貌で人気の高い(彼女は来年に来日予定)
ここも注目のポイントだったが、美女だけに(笑)「悪女」ぶりがなかなかはまっていた。
最近、こういう美女から「強烈に濃い毒」を浴びせかけられ、かなり面白がっていたところだったので、ものすごく実感できた(笑)

主人公ドン・パスクワーレを演じるポレンザーニ マリウーシュも素晴らしい。
ひとつひとつの彼の仕草が笑いを誘う展開。

そして脇を固めるキーチェンが演ずるマラテスタも、実になめらか。
ネトレプコとの掛け合いが楽しい(写真)

幕間のインタビューでわかるのだが、この演目は5年前からやっているものだった。
これで、このスムーズさに腑に落ちた。

一方、強いて言うと、ネトレプコが2008年に出産したこともあって、体型が微妙に....
5年前に観たかった、というのは酷いかな..........(女性は難しい!)


今後、こうやってどっぷりと、ホンモノ以上の迫力で陶酔の時間を味わえる、このライブ・ビューイングに通うことになりそうだ。
幕間の通常見れないステージ裏のセッティング変更の様子やインタビューも必見ものだし、指揮はレヴァインだし。
ただし、このシリーズの公開期間は実に短い!(映画と違って)
この演目は、10日(金)まで。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



     


 
編集 編集