海で考えること

2020-09-03 21:56:09 | 大磯の家


今日は大磯の現場で工事打合せ。工事が始まる事前に、詳細に至るまでよく検討しておいたので、現場でこれといった問題が生じるわけではないですが、それでも、検討が足りていなかったと思うことはやはりあるものです。
大工さんや工事監督さんから指摘を受けて気づくこともあり、現場でよく考えて対処していきます。
どのような場合でも絶対に大事なのは、どのようにしたいか、という意思表示。それがないと物づくりはできないとつくづく思います。

上の写真は天井の下地材が作られたところ。この家の一番奥にあるこの部屋で、平らにずっと続く天井が斜めに切れ上がっていきます。
その天井の形状にうながされるように視線を向けると、大磯の地山の風景が目に飛び込んでくる、という趣向です。
「敷地を満喫する」ための工夫を随所に散りばめながら設計しました。




誰もいない海。
工事の打ち合わせが終わった後、ぶらっと大磯の海岸に立ち寄るのが習慣になってきました。
京都で生まれ育ったぼくは、海水浴といえば琵琶湖に行くのが常でした。
淡水ですから、目に海水が染みるということはないし、果てしなく続く水平線、という感覚もありません。
ぼくにとって海は、遠い存在でした。

現場にいると目の前の光景の印象が強く、その後のできあがった状態をイメージするのはちょっと難しいもの。
そこで少し距離を置いて、海辺に座って静かに現場を思い返すと、これから向かっていく完成形が頭のなかにじわじわと浮かんできます。
お昼のお弁当を食べながらそんなことに思いを巡らせる時間もいいものです。

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山の家 野の家

2020-09-01 21:14:42 | 大磯の家


大磯の現場では、家の形や窓の位置がだいたい見えてきたところで、施主を交えて庭づくりの打ち合わせを行いました。
桂離宮のようにジグザグと雁行する間取りに絡むように、雑木の庭をつくっていく予定です。
工事の途中から何度も植栽の打ち合わせをする機会は多くはないけれど、やはりじっくり時間をかけて案をつくっていくことで、とても良い庭になりそうです。

庭づくりを担当してくださるのは、アトリエたね さん。
大磯の風土にあった樹種を選んだり、管理するうえでのポイントを丁寧に説明してくださいます。
そして、ぼくが一人で考えていても出てこないようなアイデアを出してくれて、楽しい暮らしの場がイメージされていきます。
うーん、この家もヒュッゲになりそうだ。
資料集やイメージスケッチ、事例写真、素材サンプルを交えながら、暑い中でも楽しい打ち合わせになりました。




大磯の現場を後にし、向かった先は都内の経堂の現場。
この日は棟上げでした。
35度は超えようかという猛暑のなか、日陰も無い現場で一日中作業に取り組んでいただいた現場の皆さんには本当に頭の下がる思いです。
ええ、地獄でしたよ~、と笑顔で話される工事監督のOさん。
いやあ、夕方にのこのこやってきてすみません・・・。

この家は住宅街のど真ん中に建ちます。2階建てですが、角地で圧迫感がないように建物のプロポーションに気を配りました。
1階の大きな屋根の下は回廊になっていて、行ったり来たり移動するのが楽しい空間になりそうです。


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