今日は大磯の現場で工事打合せ。工事が始まる事前に、詳細に至るまでよく検討しておいたので、現場でこれといった問題が生じるわけではないですが、それでも、検討が足りていなかったと思うことはやはりあるものです。
大工さんや工事監督さんから指摘を受けて気づくこともあり、現場でよく考えて対処していきます。
どのような場合でも絶対に大事なのは、どのようにしたいか、という意思表示。それがないと物づくりはできないとつくづく思います。
上の写真は天井の下地材が作られたところ。この家の一番奥にあるこの部屋で、平らにずっと続く天井が斜めに切れ上がっていきます。
その天井の形状にうながされるように視線を向けると、大磯の地山の風景が目に飛び込んでくる、という趣向です。
「敷地を満喫する」ための工夫を随所に散りばめながら設計しました。
誰もいない海。
工事の打ち合わせが終わった後、ぶらっと大磯の海岸に立ち寄るのが習慣になってきました。
京都で生まれ育ったぼくは、海水浴といえば琵琶湖に行くのが常でした。
淡水ですから、目に海水が染みるということはないし、果てしなく続く水平線、という感覚もありません。
ぼくにとって海は、遠い存在でした。
現場にいると目の前の光景の印象が強く、その後のできあがった状態をイメージするのはちょっと難しいもの。
そこで少し距離を置いて、海辺に座って静かに現場を思い返すと、これから向かっていく完成形が頭のなかにじわじわと浮かんできます。
お昼のお弁当を食べながらそんなことに思いを巡らせる時間もいいものです。