京都の漬け物で、とても好きなものがあります。その名も実山椒。つまり山椒の実ですね。上賀茂神社の傍にある老舗の漬け物屋「なり田」のものが絶品。「実さんしょ」という名前で売られています。
用事あって京都に行った父親が、ミヤゲで買ってきてくれました。この味は何と表現したらいいんでしょうかね、なにやらす~っとする感じ。温かいゴハンにそのままのせるも良し、お茶漬けにするも良し。それだけで充分なほど、いい意味で刺激的な(?)味なのです。本当は料理にぱらぱらっと振りかけたり隠し味にしたりするものなんでしょうけど。
それにしてもこの漬け物屋「なり田」。京漬け物「すぐき」をはじめ、美味しいのが評判で、遠方から買いに来る人もいるそうです。上賀茂社家町に面した風流な佇まいをしたお店です。支店は京都駅内の伊勢丹などにあるようですが、やはり品数は揃わないようです。交通の便は悪いですが、漬け物好きの方は、ぜひとも一度上賀茂へ。
もうだいぶ前のことになりますが、NHKの朝ドラで、漬け物屋が舞台になったときがありました。僕が中学生ぐらいのときだったかな。それで漬け物屋が急に脚光を浴びて、「漬物屋さんはぎょーさん儲かってはるみたいやでぇ」なんて会話をよく耳にしました。そして確かに「なり田」の看板おばちゃんも、高級国産車に乗り、ご自慢の前歯の銀歯が「金歯」に変わったのを見つけ、衝撃を受けた(笑)記憶があります。
それからもう何年も経ちますが、「なり田」の漬け物は変わらぬ美味しさを保ち続けています。どこぞやの料亭みたいに品格を落とさずに、よう頑張ってくれはった。今日の「実さんしょ」も絶品でしたよ。
いよいよ冬も間近。京漬け物は、これからが一番美味しいシーズンを迎えます。上賀茂名産「すぐき」も、ぜひ多くの人に召し上がっていただきたいものです。僕も機会があれば、今冬にまた行きたいなあ。
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