暑い夏の日、蕨市ですすめてきた住宅を引き渡しました。本当に、終わるのが名残惜しくなるような素晴らしい現場でした。
どちらかというと小住宅の規模ですが、ぎゅっと思いが詰まった密度の高い仕事となりました。
皆で作り上げた作品。そんなふうに呼びたい気がします。
庭に面した特等席にキッチンが配され、そして窓辺のコーナーに大きなダイニングテーブルが置かれます。
姿かたちが特徴的、という家ではないけれど、間取りや物事の配され方に、暮らし方への意図がはっきり表れた家になりました。
街道に面した界隈に建つ家。
その奥に静かな居心地の良い場所ができあがったように思います。
この場所があればそれでいい。
そんなふうにじんわりと思える気がして、満ち足りた気持ちになりつつ、現場を後にしました。