桜の季節に思ったこと

2010-04-06 20:47:53 | 日々

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 いつのまにか桜もすっかり満開を迎えましたね。これから段々と散っていく桜を見遣っていくのは少し寂しい思いもありますが、幻想的な雰囲気の桜吹雪は、いつまで見ていても見飽きません。そんななかでお花見をしていたら、さぞ楽しいことでしょう。

どのくらい昔のものか判りませんが、古いお花見道具が、昔の実家の物置から出てきたので、飾ってあります。ずいぶん痛んではいますが、重箱と徳利のセット。これを持ってお花見をしたことは、かつてあったのだろうか??

今では、和室の片隅で静かに佇んでいます。昼前に、高窓から入る柔らかい光に照らされると、黒漆のなかの金色の葉が輝き、徳利の灰緑色が深みを増します。桜吹雪のなかで見たら、どんな色に見えるのかな。そんなことを想像しつつ、結局、今年も使わぬまま。もう使うこともないのだろうけど、見ているだけで、道具のもつ独特の気品に癒されます。

遠い昔の置きみやげから、新しい日常使いの小物まで。生活をとりまくいろいろな器物が、家の中や外でゆったりと美しく見えること。そんな雰囲気が、僕はとても好きです。家の姿カタチというよりも、そんな器物が織りなす「空気感」が、家の居心地の良さや美しさを決めているようにも思います。そして、そんな「空気感」をつくり出すのは、物事の間合いや、窓から入ってくる自然光の具合だったりするようにも思います。肩の力の抜けた、家の設計。いい意味での脱力感が、気持ちの良い居場所をつくるのには必要なのかも知れないな、と、最近ちょっと思ったりもしています。

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コメント
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