平和の使者

2021-08-31 22:32:09 | 阿佐ヶ谷 古木と暮らす家


杉並で進行中の現場。ここは古い家の建て替えで、主要な庭木を残し、それらの庭木に寄り添うようにプランニングをして設計した家です。
道路に面した前庭には立派な百日紅があります。百日紅は花の期間が長く楽しめますね。
工事中のブルーシートが張られた写真ではお伝えしづらいですが、室内のいたるところからこの百日紅が印象的に眺められるように設計してあります。
こうしてみると、百日紅に寄り添うような家の佇まい。思い通りの雰囲気になってきました。



と、そんなことを思っていたら、ブルーシートのなかの方からカサコソという羽音が。
ヒョイと覗いてみたら、なんとつがいの鳩が足場の上でくつろいでいました。
この家を気に入ってくれているのでしょうか。
こちらのことは気にも留めず、足場の上を行ったり来たり。

古い百日紅に見守られるようにして、つがいの鳩が遊ぶ光景。
そんな平和な趣に、しばし見入りました。

コロナ禍や自然災害、海外に目を向ければ混迷を極める社会情勢。
悲しい事件も多く、気持ちが重くなります。

ぼくのできることとして、少しずつでも癒しの場所をつくっていこう。


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古木と。

2021-07-04 22:52:43 | 阿佐ヶ谷 古木と暮らす家


雨の間隙をぬって、杉並の現場では上棟式が行われました。
古い街並みのなかにある土地での、建て替えの計画です。
昔から残る庭の古木を、残せるものはなんとか残しました。
土留め壁のやりかえや解体などの関係で、当初に思い描いたほどは木々を残すことはできなかったけれども、造園家の尽力で、主要な古木は残したり、一部植え替えたりしながら、これからも守り神のようにして土地に残りました。

設計は、古木といかに寄り添うか、ということをテーマに進めていたように思います。
もとからある木を避けるようにして建物を配置しています。
窓から古木が見える風景は、どこか守られるような安心感があります。

建て替えのときにはいつもそのようなことを考えているように思いますし、何も残らないまっさらな土地のときには、新しく植える木が、その土地で暮らす原風景になるように願いながら、家のデザインを考えているように思います。
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