安倍元首相のもとに集まった「積極財政派」議員と、岸田首相のもとに集合した「緊縮財政派」議員との対立報道
長い言葉ですが、検討作業の過程で発見したネットの記事の内容です。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々には、紹介しなくてなりません。
〈 ネットの記事 NHK「政治マガジン」 令和3年12月24日付 〉
自民党「財政本部」が2つ ! ? 新たな主導権争い勃発か
記事は何枚もの写真入りの詳細な説明で、党本部の会議室で2つの「財政本部」が議員を集めて会議をする様子を紹介しています。
このような記事があったと知りませんでしたが、岸田派と安倍派の対立の激しさが伝わってきます。
NHKの説明は、これまでの「ねこ庭」の推察に根拠を与える貴重な情報です。予定外になりますが、今回は記事を中心に検討作業を進めることにしました。
記事はおよそ5,800文字を超える長さで、NHK政治部記者森田あゆみ氏の名前入りです。氏の略歴も紹介されています。
・平成16 ( 2004 ) 年入局、佐賀局、神戸局などを経て政治部。自民党安倍派担当
記事をそのまま紹介すると、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に分かりやすいのですが、クレームがついてgoo事務局に迷惑をかけることになりかねません。
必要な部分だけを紹介し、あとは「ねこ庭」の補足説明で作業を進めようと思います。書き出しの文章を、転記します。
・「財政健全化」か、「積極財政」か。自民党内で財政をめぐる議論が活発になりつつある。
・今秋の自民党総裁選挙で争った総理大臣の岸田文雄と、政務調査会長の高市早苗。その2人のもとに財政政策を議論する2つの組織が、12月7日発足した。
1. 「財政健全化推進本部」
・最高顧問・・党副総裁の麻生太郎
・本部長 ・・額賀福志郎
2. 「財政政策検討本部」
・最高顧問・・元首相の安倍晋三
・本部長 ・・西田昌司
岸田氏は首相、高市氏は政調会長のため、組織の役職に名前を出していませんが、実質は二人のもとに議員が集まっています。
記事はその1週間後、12月13日の衆議院予算委員会での高市氏と岸田氏の質疑を紹介しています。秋の総裁選挙での戦いを経て、首相と政務調査会長となった二人でした。
「総理は、今回の国債発行額(22兆円)の規模は大きすぎるとお考えでしょうか」
トップバッターで質問に立った高市氏は、かねてから財政規律よりも積極的な財政出動を求めている議員です。首相の所信表明演説に、「財政健全化」の文言が盛り込まれたことの真意をただしたのだそうです。
政権発足から2か月余りを経て、2人の路線に違いを感じている自民党議員は少なくなかったと言います。その象徴とも言えるのが、財政政策でした。
「22兆円の国債発行は決して小さなものではないと思いますが、必要なものをしっかりと用意することが政治の責任だ」
これが、その時の岸田首相の答弁でした。
論戦の1週間ほど前に、自民党本部で2つの組織の会合が開かれ、「財政健全化推進本部」の初会合には、岸田氏本人が駆けつけていました。政策を議論する党の会合に、現職の総理大臣が出席するのは珍しいことでした。
〈 「財政健全化推進本部」 〉・・岸田派
ここで氏は、次のように意見を述べたそうです。
・経済あっての財政であることは、言うまでもない。
・コロナ禍で経済が傷んでいる今は、財政出動を優先する時だ。
・しかし自民党は「責任政党」であるから、中長期的な財政健全化に向けて議論することが重要である。
・財政は国の信頼の礎だ。国の信頼を維持し、財政健全化について考えていく姿勢は、責任政党である自民党にとって大切な使命だ。
そして氏は、プライマリーバランス( 基礎的財政収支)を、2025年度に黒字化する目標に向けた動きを本格化させるとして、党でも議論を急ぐよう要請したそうです。
記事では、次のように書かれています。
・岸田直轄の「財政健全化推進本部」は、名前の通り、財政規律を重視する議員の集まりと目されている。
・この5時間半後。党本部の別の部屋で開かれたのが、もう1つの「財政政策検討本部」。最高顧問は安倍晋三。
・これに先立つ12月1日の初会合で、安倍は積極的な議論を呼びかけ、財務省が重視するプライマリーバランスの黒字化だけによらない、新たな財政指標の検討に意欲を示した。
同じ日に党内に2つの本部が開かれ、安倍、岸田両氏がそれぞれの本部で違った意見を述べているのですから、NHKが注目するはずです。
次回は、安倍元首相が主導する「財政政策検討本部」について報告します。