〈 上念氏の意見 〉
上念氏は、「ねこ庭」で初めて取り上げます。ネットの世界で名前が知られていますので顔は知っていますが、どういう人なのかよく知りません。
息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々のためというより、自分のために氏の経歴をウィキペディアで調べました。
・昭和44年生まれ、56歳。経営者、経済評論家
・ファイトフィットジム「トイカツ道場」オーナー ( キックボクシングとボディメイクトレーニングを主体としたフィットネスジム )
・自身の政治的立場について「保守自由主義者」であると定義し、遠い未来に理想を求めたり、過去のある時点に理想を求めたりせず、現状をあるがままに受け入れ、社会を保守しながらより良い物を目指す立場であるとしている。
・「極左」や「極右」は対極に見えて、社会をいっぺんに改造したい「設計主義者」であるという点で同じであり、こうした過激主義は明治天皇の「五箇条の御誓文」の精神に象徴される、日本の国体とは相いれないとして拒否している。
氏の意見をすぐに紹介せず、詳し過ぎるほどの経歴を写しとっているのは、高橋洋一氏に似た違和感を感じているからです。「保守自由主義者」の意味をよく知りませんが、「ねこ庭」の考える保守とは微妙に違っているような気がします。
・反共主義者であり、戦後日本を『世界で最も成功した社会主義国』などというのは全くのウソ。共産主義というのは中国を見てもわかる通り、共産党幹部エリートだけが甘い汁を吸い、人民は辛酸をなめる社会ですと述べる
・また保守・右翼とされる言論人の中で、共産主義に近しい発言や特定の人権擁護をする者は「偽装右翼」と位置づけ、「偽装右翼」たちがTPPに反対する文書を見ると、まるで『共産党宣言』を読んでいるかのようだと述べる
・外交面では日米同盟の枠組みを堅持しつつ、日本がより積極的な役割を果たすことを希望しており、できれば日米豪印のクワッドを「太平洋条約機構」に昇格させるべきであるとしている。
・日露戦争は日米英の三国準同盟で勝ったとして、日米同盟の大事さを説いており、「アメリカは信用ならない」「日本単独でやる」といった極端な意見はチャイナの思うつぼになると批判している。
・中国、ロシア、北朝鮮、ベネズエラといった反米主義国には批判的である。
・政治家では自由民主党総裁だった安倍晋三元内閣総理大臣を日本を救った大宰相として高く評価している。
・平成24年8月、安倍晋三が自民党総裁戦への出馬の意向を伝えたことが報道で明らかとなった時、三宅久之、長谷川三千子、金美齢など保守系の著名人28人が、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」を発足させた。
・上念はグループに加入し、9月2日の総裁選で安倍が当選した。
・また自由民主党の和田政宗参議院議員、日本維新の会政調会長の音喜多 駿参議院議員、国民民主党代表の玉木雄一郎衆議院議員といった政治家との対談が多く、自由民主党、日本維新の会、国民民主党の三党に概ね好意的である。
最初は何気なく読んでいましたが、再度上記の説明を読み違和感の原因がなんとなく分かりました。
つまり氏は「憲法改正」と「皇室護持」を述べる人間を、「極右設計主義者」「過激主義者」と見ている節があります。そうなると、「五箇条の御誓文」の精神の「日本国体」に相入れない者として「ねこ庭」は拒否されます。
だが本当にそうなのでしょうか。「ねこ庭」は「日本国体」に相入れない国民なのでしょうか。安倍元首相を称賛していると述べていますが、安倍氏が掲げてきた「戦後レジームからの脱却」の旗の中身は、「皇室護持」と「憲法改正」だったのではないのでしょうか。
疑問を抱きながら氏の意見を紹介いたしますが、「戦後日本史の大河」を眺める観点は違っても、石破氏を見る視点が重なるとすれば氏の印象が変わります。楽しい話でなくなりましたが、そこに期待をかけていますので、心の広い保守の方は次回も是非お越しください。