嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

加齢なる遠足(爆)湯治2014-4 東鳴子 いさぜん旅館

2014-12-01 16:50:43 | 加齢なる遠足(爆)

画像は、いさぜんさんのブログより拝借いたしました(汗)。

東鳴子の街並みには特有の「活気のなさ」が漂っています。けして悪い意味ではなく、なんというか、ゆるい。となりの鳴子とはまったく違う空気。おとなりの鳴子もまた昭和の温泉町の空気が横溢しており、味わい深いわけですが、とにかくそれぞれが独特。風情のある建築物や、温泉街につきもののせせらぎなどもなく、統一感もこれといってなし。あるのは豊富な湯量と一連のボロ宿(失礼)。さらにここのボロ加減はすげーわ。と思い感心していると、とっくに廃業済みだったりいたします(脱力)。

が、それらすべての要素が、この東鳴子を訪れるものを落ち着かせてくれるのもまた事実。飲食店もあるにはあるのですが、やる気なさそう~。ですから、こちらも寄らずにすむ、というわけ。なにもかもが、静かに湯治を楽しむのにはうってつけなわけです。おまけに街外れにはコンビニや食品も扱う大型ドラッグストアーもあって、ごく一般的な日常生活に必要なものは徒歩で調達できる仕組み。

だいたい、いまどき湯治だなんだといったって、普段の生活習慣なんてそうそう変えられないものです。農民の家(鳴子いちの大規模温浴施設)に、冬季の数ヶ月入り浸って湯治をしているぢいぢゃんばあちゃんだって、カップ麺大好きですからね(きつぱり)。

夕暮れ前には夕食の支度が静かに始まり、各部屋を作品が行ったり来たりするのが大体午後5時頃。それからみなさまお風呂に入って、お腹を空かせて、夕餉を囲むのが午後5時30分頃。

こんかいは、私が持ち込んだシャラン産の窒息鴨のロースト(赤ワインソースですぜ)や宮崎牛のサーロインなどでたまげていただきますたともさ(爆)。

そうして一応盛り上がるかに見せておいて、午後7時には館内はシーンと静まりかえってしまいます(驚愕)。

最初はあまりの夜の長さにガクゼンとなったものですが、なに2日も暮らせば、こういうものだ、ということで慣れてしまいます。こちらもみなさまに習い、8時には就寝か、となるのですからたまりません(爆)。

いさぜんさんのキャパは大まかに言って、50名以上は常にあるはずなのですが、私の滞在中には5名内外で推移しておりましたから、館内はキホン静か。

混浴のお風呂や、それぞれのお風呂もほとんど貸し切りで浸かっていましたが、こりゃあ非常に贅沢なキブンです。たまに混浴風呂でお客様とであって、会話を始めはするのですが、反響するほかに、東北弁が難解でなかなか理解できないために聞き手に回るしかないのが残念。話してみたら、従業員のおばちゃんだったりして、さらに笑えたりする。こうして、夜が更けてゆくのですた。

温泉ののちビール、さらにヌコ(爆)。このサイクルを午前中からまあ4、5回は繰り返したでしょうか。うう~、ニンゲンだめになりそ(とっくでしょう)。


加齢なる遠足(爆)湯治2014-3 銀山温泉

2014-12-01 11:59:26 | 加齢なる遠足(爆)

さて、銀山温泉。NHK朝ドラ、どころか過去の全テレビドラマ中、最高視聴率記録をいまだに保持する金字塔が「おしん」です。

放送当時には「おしんドローム」という流行語まで産み出して、社会現象をまきおこしたほかに、連綿と続く橋田壽賀子ドラマの潮流を作り出した、とまでいわれる大傑作。

私も当時、リアルで毎朝毎昼(爆)、テレビにかじりついては観ていたものですが、そもそもこのおしんの語り口は、家族との折り合いに悩んで逃避してきた老齢の主人公が孫を相手に、銀山温泉の宿の一室で幼い頃からの回想をしてゆく、という展開をいたします。

というわけで、銀山はおしんマニヤの私にとってはアコガレの名所でございました。さよう、前日には最上川を眺めた上で、肘折へ。こんかいはさらにおしんにゆかりの深い銀山へ、というわけで、今回の湯治はおしんの里を巡る旅なわけです。おしんはここを荷車と船で移動したのに対して、ボクスターで安楽に移動する、というのが違和感丸出しでいとをかし(意味違)。

11月の末、ともなれば当然このエリアでは雪の心配がつきまとうのですが、どうやら路面はドライなままらしいので、ボクスターで遠征してみました。といっても、東鳴子からはほんの1時間程度で到達してしまいます。

ナビやガイドブックでは、通りやすい国道を中心にR47経由でR13、つまり鳴子→新庄→尾花沢→銀山温泉というぐあいに、案内されてしまうのですが、どっこい地図を広げてみれば、ショートカットできそうな山道が2、3本はありますぜ。

さっそく宿のご主人に伺ってみましたら、うち一本は冬季通行止に入っているが、残りはこの陽気ならおそらくドライ路面でしょう、と教えていただきました。

新庄には先日の肘折詣での折に寄って、気が済んでおりますので、こんかいは30kmはショートカットできるはずの、赤倉温泉経由で訪ねてみました。

もちろん険しい山道。今週にはおそらく真っ白けで、車で近寄るのもはばかられる、とそんな印象の県道でしたが、路肩が危ないとかそういうことなどなく、速度もものすごいイキオイであがってしまいます(いいのか)。ストレートからのブレーキングで、レーシングパッドの威力を思い知ります。ちなみに心配していた雪もなく、完全にドライで推移。こんかいは天候に恵まれています。

さて、銀山温泉は建物自体がよく保存されている温泉街。大正ロマンはわかるのですが、これね~、雰囲気は良くとも、気密が悪い。ようはスカスカ。冬場にどんなに暖房を焚いても、効かない、という側面も持つわけで、はなはだ効率が悪いんですよ。群馬県の四万温泉にある積善館の本館で体験いたしましたが、まあ外気温が5度以下ともなれば、まず眠れない、それくらい寒いのです。

経営者さんとしては、この建物の外観に惹かれるお客様が集まるわけで、中途半端にはいじれないし、かといって温泉由来の暖房にも限界があるだろうし、灯油頼みになったらそれこそひとつきに灯油代が百万はいっちゃうはずで、痛し痒しでしょうなあ。案の定、ビミョーに閉館しているお宿も散見されました。

温泉街自体は意外なほど小規模で、谷底にへばりつくようにしてある温泉街を往復するのにはのんびり歩いても10分かからない(爆)。そんな中で、閉館している施設が出てしまったのでは、それこそシャッター街どころではないので、まったく困りものですが、規模が規模なだけに今後は深刻だと思いました。

ま、そんなのは置いといて、そうか~、ここがあの~、といって観光客をしていたのですが、せっかくなので温泉にも浸かります。

貸切風呂50分2000円だ、などというフザけた公共風呂がありましたが、なに、すぐ下にある、「痔も泉」を覗いてみたら、だあれもいないでやんの。そりゃそうです、平日の午前中なんですから(爆)。というわけで、適温の硫黄泉につかり、悲願を果たしてまいりますた!

さて、なにかお昼ご飯でも食べようか、と思い、ひととおり物色したのですが、やはり観光モードで推移。カレーパンだのなんとか餅だのが、異様な高値で売られています。

ゆいいつ「おしんめし」というのに心惹かれたのですが(爆)、なに大根を入れて炊いたごはんですよ、たしか。ドラマでも散々語られていて、乙羽信子さん演じた、おしんによれば、食えたもんぢゃねっす(ここ山形弁)、とのことでしたので(爆)、ご遠慮申し上げ、またしても東鳴子まで戻って、宿のキッチンでせっせと「源泉スパゲティ(完全意味明瞭)」など食するのですた(爆)。

ああ、よきかな湯治。