だらだら日記goo編

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第九が響く

2012-12-21 22:39:05 | インポート
年末である。
ということで、日本では、ベートーヴェンの第九の季節だ。
第九は、ヨーロッパでは、創造主を讃える歌だから、神聖でめったに演奏されないし、指揮者も特別の心構えで臨むのだが、日本では、年末の風物詩だ。まあ悪いことではない。
僕の気にいっている第九は
フルトヴェングラー指揮したのと、ミュンシュがボストンを振ったやつ、ミュンシュの後任のラインスドルフがやはりボストンを振ったやつ、ワルターがコロンビアを振ったやつ、イッセルシュテットがウィーンフィルを振ったやつなどだ。
フルトヴェングラーは誰も異論ないだろう、1942のナチス演奏会とか、1951のバイロイトとか、1943のストックホルムとか、何種類もありそれぞれに素晴らしい。フルトヴェングラーの音楽は生成する音楽だ。初めはぎこちなくはじまっても、ラストになると圧倒的な迫力を産む。
ミュンシュの第九はとても情熱的だ。何しろテンポが速く、全体60分強。フルトヴェングラーが大体75分くらいかかるのと正反対だ。
ラインスドルフは日本では、人気がないが、ボストン最晩年のこの演奏を聴くと圧倒される。
ミュンシュの情熱に理知的な要素を加えた演奏で、特にティンパニーの最強打、弾むようなリズム感に圧倒される。第九は重々しいと思っていると、それと正反対の解釈を貫いた演奏、こんな演奏が1969に実現していたとは。
ワルターは声楽部が弱いのが残念だが、強い意志を感じる第一楽章、夢見るような第三楽章とやはり老練の技が光る。
イッセルシュテットも地味な指揮者だが、ウィーンフィルの弦の優しさを巧みに操り、そこに意志の力を加えて充分聴かせる。
最近の指揮者の演奏は古楽器の影響か何か知らないが、せせこましく、第九のイメージを損ねているように思う。
さて今日は誰の第九を聴きましょうか。