市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【報道】大同有毒スラグを斬る!…“環境行政 後退の恐れ”【毎日新聞 記者の目】

2017-01-25 23:05:00 | スラグ不法投棄問題
■有害スラグ問題を世間に知らしめた毎日新聞に、これまで大同スラグ問題に粘り強く取り組んできた記者の思いが綴られている熱血記事が再び掲載されました。前回の記者の目では「行政は環境守る気概を」と題し、“環境を守りたい”という願いが込められた記事になっていましたが、今回の記者の目は、「環境行政 後退の恐れ」となっており、悲痛な内容を予感させます。


**********2017年1月25日毎日新聞 PDF ⇒ 2017n1l.pdf
記者の目
群馬・有害スラグ 業者不起訴=杉本修作(東京社会部)
環境行政、後退の恐れ


 昨年末、環境行政の今後を左右するといっても過言ではない判断が下された。大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川工場(群馬県渋川市)から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題で、前橋地検が廃棄物処理法違反容疑で書類送検された同社や子会社など3社とその幹部ら5人を容疑不十分で不起訴処分とした。違法事業者を監督する全国の自治体は困惑している。前橋地検の判断は、監督に当たる職員の萎縮や悪質な業者の増長を生みかねず、今後に大きな禍根を残す可能性がある。

 鉄鋼スラグは製鉄の際に炉にたまる金属性の物質で、鉄鋼メーカーは高額な廃棄物処理費を抑えるため、破砕処理して道路に敷く砂利などに加工している。鉄の種類によっては、添加された化学物質がスラグに残留し環境汚染の要因になる。

 2013年6月、渋川工場から出されたスラグに、発がん性物質の六価クロムや骨の病気の原因となるフッ素が含まれていることが判明し、群馬県内の自治体が調査を始めた。県は15年9月、スラグを許可なく資材に加工したことが廃棄物処理法違反にあたるとして県警に刑事告発し、その後県警が書類送検した。これまで県と市町村が調査した工事の3分の1に当たる134カ所で環境基準を超える有害物質が検出され、このうち86カ所で周辺土壌への汚染が確認された。私は問題発覚から3年間取材し続けた。

国と県熟慮の末、刑事責任を追及

 捜査の最大の焦点は、スラグが廃棄物か否か--だった。廃棄物でなければ、そもそも廃棄物処理法の適用を受けることはなく、逆に廃棄物であれば、資材に再利用するには、法で定める資格や許可を受けなければならない。

 大同はスラグが汚染の原因となったことを認め、16年3月期の決算で対策費として53億円の特別損失を計上する一方、刑事責任については否定した。これまで同社は、スラグを「有価物」と呼び、廃棄物処理に必要な法的手続きを取っていなかった。

 これに対し、環境省は廃棄物の定義に五つの基準を設けて、有価物を装った違法なごみ処理の取り締まりを全国自治体に喚起している。群馬県は環境省と実に1年以上にわたって協議し、このスラグを有価物を装った廃棄物と認定した。環境基準を超える有害物質が含まれていることを知りながら出荷した上、「販売管理費」などの名目で販売額以上の金額を買い手に支払っていたことなどが理由だ。

地検の判断に戸惑う自治体

 この判断に、前橋地検は異議を唱えた。築(ちく)雅子次席検事は昨年末の記者会見で「廃棄物というには疑義がある」として不起訴処分を発表した。ただ、その根拠は「総合的に判断した」と述べるだけで、「証拠関係にわたる部分はお答えできない」として明らかにしなかった。資料を公表し、客観的な基準を基に説明した県の姿勢とは対照的だ。処分決定の前、ある県関係者は「仮に不起訴にするにしても、県の判断をある程度尊重してくれるはずだ」と話していたが、今は落胆しながらこう話した。「例えば、有害物質の検査について、我々は大同の検査回数では不十分だと考えており、実際に大同は基準を超えるスラグを拡散させた。しかし、地検の担当者は『一応検査はやっている』と評価する。問題のとらえ方が完全に違っていた」

 群馬のスラグ問題は、監督官庁である全国都道府県の担当者も固唾(かたず)をのんで見守っていた。結果を受け、複数の担当者は「何が駄目だったのか。地検の説明では大事なことが分からない」と戸惑いを隠さない。中国地方の担当者は「これまでグレーゾーンについては、廃棄物と判断するよう環境省から言われてきたが、今後はこうした指導が変わるのか」と声を落とした。

 渋川工場のスラグの処理は、別の問題もはらんでいる。大同はスラグに含まれる有害物質が検査で基準値を超えないよう天然砕石と混合していた。大同と共に不起訴処分となった建設会社はこの処理を担当し、同社の社長は私に「毒でも薄めれば安全になる」と言い放った。しかし、有害物質がなくなるわけではなく、環境省もこうした「希釈処理」を認めていない。地検の判断はこうした処理にお墨付きを与えたと受け止められかねず、日本環境学会顧問の畑明郎元大阪市立大大学院教授は「悪質な処理が横行する可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 資源の再利用は大切だが、そのためにこの国の環境が汚されてはならない。私は地検が、環境行政のあり方を理解したうえで処分を決めたのか疑問に思う。行政の監視が後退しないことを切に願う。
**********

■専門用語の使用を極力抑え分りやすい言葉で、複雑で詐欺まがいな業界ぐるみで隠ぺい・脱法工作がおこなわれた有害スラグ事件を、良くぞ限られた紙面のなかで簡潔にまとめ上げた特集記事となっています。

 よくできた記事ですのでポイントをあげるまでもありませんが、流れを整理してみたいと思います。

●ポイント①やっとこぎつけた刑事告発であったこと
●ポイント②捜査の最大の焦点
●ポイント③不起訴処分とその大きすぎる影響
●ポイント④大同スラグ処理の別の問題・不法投棄の暗黒時代の幕開け

 それではそれぞれのポイントごとに検証してみましょう。

●ポイント①
やっとこぎつけた刑事告発であったこと、について

 前回2015年9月30日毎日新聞全国版に掲載の“記者の目”の表題「行政は環境守る気概を」については、次に示す当会のブログでも紹介しましたように、群馬県が、スラグを許可なく資材に加工したことが廃棄物処理法違反にあたるとして群馬県警に刑事告発した大同特殊鋼や佐藤建設工業やその幹部ら5人が、その後書類送検されたことが紹介されています。
○2015年10月15日:大同スラグ問題を斬る!…スラグ不法投棄撲滅を目指すリットン調査団の目(その1)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1758.html

 また、その被害について、「これまで県と市町村が調査した工事の3分の1に当たる134カ所で環境基準を超える有害物質が検出され、このうち86カ所で周辺土壌への汚染が確認された。私は問題発覚から3年間取材し続けた。」と、この3年間に亘り大きすぎる被害を目の当たりにしてきたことが紹介されています。群馬県はもはや有害物質のない安全な土地を探す方が難しいのではないかと思われるほどです。

●ポイント②
捜査の最大の焦点

 警察による刑事事件の第一次的な捜査の結果として、前橋地方検察庁に書類送検された有害スラグ事件の起訴・不起訴を決定するための捜査の最大の焦点は、―スラグが廃棄物か否か―だったことが紹介されています。廃棄物でなければ廃棄物処理法の適用を受ける事は無いからです。

 この点について当会は、「スラグが廃棄物か否かは廃棄物の監督官庁である群馬県が決めること」であり、「群馬県が廃棄物と認定すれば検察がその判断に口を挟むことはできないのではないか?」と考えています。もちろん見解の相違で争いが起これば最終的な判断は、法廷の場で、つまり裁判所が下すことになるはずです。

 廃棄物認定について“記者の目”では次のとおり紹介しています。

「環境省は廃棄物の定義に五つの基準を設けて、有価物を装った違法なごみ処理の取り締まりを全国自治体に喚起している。群馬県は環境省と実に1年以上にわたって協議し、このスラグを有価物を装った廃棄物と認定した。環境基準を超える有害物質が含まれていることを知りながら出荷した上、『販売管理費』などの名目で販売額以上の金額を買い手に支払っていたことなどが理由だ。」

 この廃棄物の定義に五つの基準を設けたのは最高裁判決を参考にして考えられています。今回の捜査の焦点はこの最高裁判決を参考にした廃棄物認定にイチャモンをつけ問題のすり替えを謀られたと考えられます。
 
 「大同はスラグが汚染の原因となったことを認め、16年3月期の決算で対策費として53億円の特別損失を計上する一方、刑事責任については否定した。これまで同社は、スラグを『有価物』と呼び、廃棄物処理に必要な法的手続きを取っていなかった。」と大同特殊鋼は場面場面で態度を変えていることが記事の中で紹介されています。大同特殊鋼は一貫して「有価物」と呼んでいたと捜査関係者に刑事責任を逃れるために主張していたようですが、これは嘘です。次の写真をご覧ください。


管理者は小林製工運送株式会社となっていますが、実質的には大同特殊鋼の最終処分場です。この処分場は変更申請を行っているようですが、それを見ると以下のようになっているようです。
<産業廃棄物として処理する廃棄物の種類>
 鉱さい(無害)、汚泥(無害)、がれき類、廃プラスチック類(無害の物)
と、この処分場に捨てる物は全て無害の物となっています。
処分所の看板にも「鉱さい」の文字が見えます、大同特殊鋼は以前よりスラグが鉱さいという名の廃棄物であることを知っているのです。



天然石とスラグを混合していた場所に掲げられた看板。大同グループは群馬県廃棄物リサイクル課より「廃棄物処理に関する指示書」が発出され、スラグが鉱さいという廃棄物であることを指摘されると、あっさりこれを認めています。しかし刑事責任を問われると態度をガラリと変え、またしても有価物だったと主張し始める悪党ぶりを発揮しています。まさかこんな悪人のいう事を鵜呑みにする輩がいるとは信じられません。

●ポイント③
不起訴処分とその大きすぎる影響について

 大同有害スラグ事件をめぐっては、前橋地検が廃棄物処理法違反容疑で書類送検された同社や子会社など3社とその幹部ら5人を容疑不十分で不起訴処分としてしまいました。静かに不起訴とすればよいのに、わざわざ記者会見まで開き「廃棄物というには疑義がある」と裁判所でもないのに群馬県の廃棄物認定を斬って捨てた様子が紹介されています。

 はなから廃棄物であることを否定することが目的だったのように、前橋地検は、その根拠を「総合的に判断した」と述べるだけで「証拠関係にわたる部分はお答えできない」と説明責任を放棄しました。具体的に資料を公表し、客観的な基準を説明した群馬県と対照的だったことや、有害物質について地検の担当者が「一応検査をしている」と評価をしていたことが熱血記事の中で紹介されています。

 “きれいな群馬ちゃん”がこれほどまでに汚染されてしまったのに、前橋地検は現実問題から目を背け「問題のとらえ方が完全に違っていた」のです。何が前橋地検を狂わせてしまったのでしょうか?

 この不起訴処分、とりわけ「廃棄物というには疑義がある」と前橋地検が記者会見したことに対し、違法事業者を監督する全国の自治体は困惑していることが紹介されています。実際に悪徳業者と対じし「監督に当たる自治体職員の萎縮や業者の増長を生みかねず、今後に大きな禍根を残す可能性がある」そうです。

 「群馬のスラグ問題は、監督官庁である全国都道府県の担当者も固唾(かたず)をのんで見守っていた。結果を受け、複数の担当者は『何が駄目だったのか。地検の説明では大事なことが分からない』と戸惑いを隠さない。中国地方の担当者は『これまでグレーゾーンについては、廃棄物と判断するよう環境省から言われてきたが、今後はこうした指導が変わるのか』と声を落とした。」

 記事の中でこのように紹介されていますが、悪徳業者を取り締まるお役人様にとって仕事がさぞかしやりにくくなることでしょう。逆に悪徳業者にとっては刑事責任が問われないのですから、この世は天国となることでしょう。


国土交通省・半田その4改良工事で施工された補強土壁の様子。雨が降ると大量の赤い水が噴出する。前橋地検の判断により、今後、悪徳業者が全国で有害物質の不法投棄活動を活発化させることだろう。なぜなら「一応検査をやっている」ことにすれば廃棄物とするには疑義がでて、刑事責任は問われないのだから。

●ポイント④
大同スラグ処理の別の問題・不法投棄の暗黒時代の幕開け

 さて、今まで読んできた特集記事・“記者の目”は、全て大同特殊鋼渋川工場内でのスラグの取り扱いについての議論です。記者の目は、さらに別の問題にも向けられています。それは渋川工場から運び出された有害スラグがどのように取り扱われたか、ということです。

 「渋川工場のスラグの処理は、別の問題もはらんでいる。大同はスラグに含まれる有害物質が検査で基準値を超えないよう天然砕石と混合していた。大同と共に不起訴処分となった建設会社はこの処理を担当し、同社の社長は私に『毒でも薄めれば安全になる』と言い放った。しかし、有害物質がなくなるわけではなく、環境省もこうした『希釈処理』を認めていない。地検の判断はこうした処理にお墨付きを与えたと受け止められかねず、日本環境学会顧問の畑明郎元大阪市立大大学院教授は『悪質な処理が横行する可能性がある』と警鐘を鳴らす。」

 このように、記事の末尾に熱血記者の思いが凝縮されています。

 もしかしたら、大同特殊鋼から外部に運び出され天然石と混ぜ合わせたスラグについて、刑事告発した群馬県も「廃棄物として扱っていない」などと別問題として扱っていたのでしょうか? 嘘のような話ですが、群馬県も「毒も薄めれば安全になる」と考えているのかもしれません。

■他の県のことは分りませんが、とりわけ我らが群馬県については「悪質な処理が横行する可能性がある」と言わざるを得ない状況にあります。なぜならブラック佐藤建設工業がいるからです。

 なにしろ平然と有害物と盛り土を混合する「常習者」であり、今回、晴れて検察の不起訴処分を勝ち得たわけですから、有害物を混ぜることについてお墨付きを与えてもらった、というふうに受け止め、更なる不法投棄に迷わず邁進することでしょう。もう群馬県は人が住める場所ではなくなったも同然です。


ソフトバンクエナジーのホームページより。右から阿久沢前村長、右から3人目の方が佐藤社長。ソフトバンクソーラーパークは直下の土壌までフッ素毒で汚染されてしまいました。こんな悪事をしてもおとがめ無。次はどんな有害物質を天然石と混ぜるのだろうか?
http://www.softbank.jp/corp/news/sbnews/sbnow/2012/20120711_01/

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料:前回の“記者の目”
**********毎日新聞2015年09年30日
<記者の目>鉄鋼スラグ 有害物質問題=杉本修作(特別報道グループ)

大同特殊鋼東京本社に家宅捜索に入る群馬県警の捜査員=東京都港区で2015年9月11日、田口雅士撮影
◇行政は環境守る気概を
 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から排出された鉄鋼スラグに有害物質が含まれていた問題で、群馬県警は11日、強制捜査に乗り出した。有害スラグを再生資源と偽って出荷する「リサイクル偽装」に捜査のメスが入るのは過去に例がない。取材を始めて2年余。企業の刑事責任は今後の捜査で解明されるが、私はここで、これまでの行政の対応を問いたい。
 この問題は一昨年6月、渋川市の遊園地の駐車場で環境基準を超える有害物質が検出されたのが始まりだった。群馬県は昨年1月、大同やスラグ販売先の建設会社に立ち入り検査し、その結果を今月公表。大同はスラグに有害なフッ素が含有されていることを知りつつ販売額以上の費用を販売管理費などの名目で支払う「逆有償取引」で出荷していたことなどから、県は大同のスラグを廃棄物と認定し、廃棄物処理法違反容疑で大同や建設会社を刑事告発した。
 取材で入手した大同の内部文書の中に、2011年11月にスラグの利用拡大に向けて大同と建設会社が開いた会議の資料がある。出荷状況などに加え「国土交通省へもアプローチ検討」「県議も使う」などと記され、行政や議員の取り込みを画策していたことがうかがえる。建設会社は県OBの天下りも受け入れていた。これらが奏功したかは分からないが、建設会社はその後、国が推進する八ッ場ダム(群馬県長野原町)の住民移転代替地の関連工事3件を計約4億円で受注し、そこにスラグを運び込んでいた。
◇「事なかれ主義」、告発まで2年余
 私は昨年5月、この移転代替地工事にスラグが無許可で使われていることを確認した。国交省のダム事務所に写真を送って調査を求めたものの「受注した建設会社に確認したがスラグ砕石は使用していないとの回答で、目視点検でも写真のような砕石は見つけられなかった」などとして調査は不要と判断された。
 しかし、建設会社が不正をしたとすれば、素直に「スラグを混ぜました」と言うはずがない。その後、国交省は昨年7月、建設会社を「優良受注者」として表彰。私たちが昨年8月5日朝刊で「八ッ場ダム代替地整備に有害資材」と報じたことを受けて、国交省はようやく重い腰を上げて調査を始め、有害スラグの無許可使用などを認めた。
 県も一部の担当部署が当初は「火消し」に回った。環境森林部が廃棄物処理法に基づく検査を進める一方、県道を所管する県土整備部は昨年5月、県道6カ所をサンプリング調査して「安全性が確認された」と表明した。県関係者はこう漏らす。「県土整備部は検査や刑事告発に消極的だった。問題が大きくなれば、自らの職責を問われるからだ」。スラグは県道でアスファルトの下の緩衝材として広く利用されていた。撤去となれば交通網への影響は避けられず、行政の責任を追及する声が上がる可能性がある。
 有害スラグの利用はその後も次々明らかになり、国交省と県土整備部は昨年11月、対策会議を発足させて調査範囲を拡大せざるを得なかった。発注工事についてはサンプリングではなく、資料などで利用が疑われる工事も調査対象に加えられた。県内93カ所で環境基準を超えるスラグが見つかり、54カ所で周辺土壌に汚染が広がっていることが判明、昨年末には県庁内で刑事告発の方針も固まった。現時点で地下水への影響は確認されず、深刻な汚染が起きる前に調査が進んだことは良かったが、報道などによる指摘がなければどこまで調査したのか、また刑事告発まで踏み切ったのか、疑問は残る
◇近隣県も対象に、調査ためらうな
 現在の調査対象は国と県、県内2市の発注工事のみだが、他の市町村や近隣県を含めて徹底した調査を求めたい。また、八ッ場ダムの移転代替地の多くは住民に分譲済みで「私有地」を理由に調査対象から外れているが、苦渋の決断で移転を容認した人々に禍根を残さないためにも調査をためらうべきではない
 これまでも「リサイクル偽装」が確認される度、行政の対応は問題になった。有害物質を含む土壌埋め戻し材「フェロシルト」が01〜05年に不法投棄された事件では、問題のフェロシルトを三重県がリサイクル推奨品に認定していたとして批判された。ごみ減量のため国はリサイクル製品の利用を後押しし、自治体が率先して使うことを全て悪いとは言えないが、問われるのは偽装を生まない監視と起きた場合の行動だ。今回のスラグ問題は氷山の一角かもしれない。行政は「事なかれ主義」でなく、環境を守る気概を示してほしい
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官僚の天下りを組織ぐるみでしていた文科省の体質から見えてくる群馬高専の天下り校長とアカハラ事件の相関

2017-01-21 00:34:00 | 群馬高専アカハラ問題
■文部科学省の再就職あっせん問題で、私学の雄である早稲田大学があっせん先となったことから、補助金行政の弊害としての癒着が取りざたされています。文科省に限らず厚労省や国交省など、どの省庁でも天下り体質は似たり寄ったりで、こうしてときどき社会問題の事件発生として取りざたされますが、しばらくして騒ぎが収まると、またぞろ水面下でより巧妙に天下りが行われているのが常です。今回の文科省の天下り事件の報道に接すれば接するほど、現在当会が取り組んでいる群馬高専を巡るアカハラ事件への対応で、ひたすら情報を隠蔽しようとする文科省出身の校長の姿勢が重なって見えてきます。

平成25年5月17日(金)に行われた群馬工業高等専門学校名誉教授称号授与式。竹本廣文 前校長、斎藤 斉 元一般教科(自然)教授、青井 透 元環境都市工学科教授の3名に名誉教授の称号が授与された。写真上段左から:鈴木学生課長、宮越専攻科長、大島学生主事、青木教務主事、木村寮務主事、植田事務部長、渡邉総務課長。写真下段左から:斎藤特命教授、西尾学校長、竹本前学校長、青井特命教授。天下りのわたりで3年だけ群馬高専に校長名義で在籍しただけで名誉教授の称号を、同じく天下りの後任校長から受けられるのはいかがなものか。【群馬高専HPより】

 今回は慶応大学とともに私学の雄と称される早稲田大学が、文科省の再就職あっせん対象としてターゲットにされましたが、実は国立大学の場合は、さらにひどい天下りの実態が取りざたされています。

 国立大学法人法案等関係6法案が国会で成立したのは平成15年7月でした。そして翌16年4月に国立大学法人に移行しました。法人化により一切に「理事」職が新設され、過半数を大きく超える大学で事務局長が理事職に就きましたが、更にその事務局長出身理事は文科省からの役員出向者であることが判明したのでした。つまり、財政削減のため大学の自助努力を促す法人化でしたが、実際には文科省官僚の天下りのポジション増設が目的だったのです。

 しかも、国立大学の理事から別の国立大学の理事へと「わたり」と称する退職金の多重取りまで行われる始末で、法人化による大学の自主性の尊重という大義名分の裏では、中期目標の作成、評価制度の施行により、むしろ文部科学省による各大学への関与は増大しているとの見方もあります。次の報道記事を参照ください。

**********東京新聞2014年9月1日
【政治】国立大9割に 文科省「天下り」 理事ら幹部77人出向
 全国の国立大学法人八十六校のうち約九割にあたる七十六校で、計七十七人の文部科学省出身者が理事や副学長、事務局長などの幹部として在籍していることが分かった。事実上の「天下り」を通じ、国立大の運営に文科省の意向が反映されている恐れがある。
 文科省が自民党の無駄撲滅プロジェクトチーム(PT)に提出した資料で明らかになった。PTでは、文科省と国立大との人事交流を若手職員に限るなどの改善を提起する方針だ。
 資料は四月一日現在で、文科省から国立大への出向者をまとめた。課長級以上の管理職は国立大ほぼ全ての八十三大学で、計二百三十九人が在籍している。
 二〇一三年の同省幹部の出向者は、七十五大学で七十五人。管理職は八十三大学で二百四十七人いた。一二年は幹部が七十大学で七十人、管理職は八十大学で二百三十九人だった。
 六月に国会で成立し、来年四月から施行される改正学校教育法は教授会の権限を限定し、 学長主導の大学改革を促す。同法の改正では、学長を補佐する副学長の職務範囲を拡大した。 副学長への出向を通じ、国立大への文科省の影響力が一層強まる可能性がある。
 文科省は「各学長から要望があった際、該当する人がいれば協力をする」(人事課)と要請に応じた人事交流と説明している。
 文科省出身の理事二人がいる東京大は「文部科学行政全般に幅広い知識や経験を有した人材は、本学の発展に貢献いただけると期待し、総長(学長)が任命した。出向終了後は文科省に戻るので天下りではない」(広報課)としている。
**********


私大「天下り事務職員」ワースト20(2008年当時)

■私立大学に加えて、国立大学がこのような有様ですから、国立の高等専門学校は、文科省の官僚の格好の餌食です。群馬高専のアカハラ事件の情報隠蔽の背景には、文科官僚出身の校長によるワンマン体制が見え隠れします。

 群馬高専の場合、歴代の校長は次の方々です。(敬称略)
   下田 功 S37.4.1~S52.4.1
   安保英司 S52.4.1~S59.4.1
   林 博男 S59.4.1~H4.3.31
   桑形昭正 H4.4.1~H12.3.31
   吉澤晴行 H12.4.1~H16.8.31
   本間 清 H16.9.1~H22.3.31
   竹本廣文 H22.4.1~H25.3.31
   西尾典眞 H25.4.1~

 西尾校長時代に頻発した電子情報工学科を舞台にした学科長(当時)によるアカハラ事件に加えて、竹本前校長時代から物質工学科においてもアカハラ事件が起きていたことが発覚しました。

 当会のブログでも報告したように、群馬高専の現校長の西尾典眞氏は、2013年4月1日に群馬高専に来る前は、次のポストを経由していたことがわかります。
 ・国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部長(2001~2003年ごろ)
 ・文部科学省研究開発局・地震・防災研究科長(2004~2005年)
 ・日本私立学校振興・共済事業団参与(2006年~)
 ・国立大学法人信州大学医学部付属病院・理事(2010年4月ごろ)
 ・国立大学法人信州大学環境マインド推進センター副センター長・理事(2011年ごろ)
 ・国立特別支援教育総合研究所・理事(2011年6月~2013年3月31日)
 ・独立行政法人国立高等専門学校機構群馬工業高等専門学校・校長(2013年4月1日~)
○参照:2015年4月21日:アカデミックハラスメント被害に揺れる群馬高専の学校長からオンブズマンに「一切回答拒否」と返事
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1590.html#readmore

 また、前校長の竹本廣文氏は、ネット検索したところ、およそ次のとおりです。
 ・国際交流基金人物交流部長(2000年4月~)
 ・文部科学省大臣官房付(~2004年4月1日辞職)
 ・国立大学法人信州大学総務・戦略・政策担当理事・生協監事(2004年4月~2006年3月)
 ・独立行政法人国立青少年教育振興機構理事(2006年4月~2008年ごろ)
 ・国立大学法人東京農工大学副学長(2008年4月1日~2010年3月31日)
 ・独立行政法人国立高等専門学校機構群馬工業高等専門学校・校長(2010年4月1日~2013年3月31日)

 こうしてみると、お二方とも隣の長野県の信州大学に職員として在籍していたことが共通点として明らかです。今回の古巣である文部科学省で起きた不祥事件についてどのような感想をお持ちなのか聞いてみたいものです。

【ひらく会・情報部】

※参考情報「組織的な文科省官僚の天下り」に関する報道記事
**********東京新聞2017年1月19日 朝刊
【政治】文科省、天下りに組織的関与か 人事課から経歴送付
 文部科学省が元局長の早稲田大への天下りをあっせんした疑いがもたれている問題で、再就職に際し、人事課の職員が大学に元局長の職務経歴に関する書類を送っていたことが、文科省関係者への取材で分かった。国家公務員法は省庁が職員や退職者の情報を企業などに提供することを禁じているが、同省は違反行為を組織的に行っていた疑いがあり、内閣府の再就職等監視委員会が調べている。
 また元局長が大学側に自身の経歴を伝えていたとの情報もある。監視委は、同法が規制する本人による求職活動に当たる疑いもあるとみて調べている。政府関係者は「厳しく対応する」としており、前川喜平事務次官ら文科省上層部の責任問題に発展する可能性がある。
 監視委は十九日にも調査結果をまとめる見通し。同法に基づき、文科省に関係者の処分を勧告する可能性もある。勧告すれば一二年の監視委の実質稼働後、初となる。
 調査対象になっているのは二〇一五年八月四日付で退職した元高等教育局長。約二カ月後の十月一日、高等教育政策や著作権制度を専門分野とし、五年間の任期付きで早稲田大大学総合研究センターの教授に再就職した。
 高等教育局は私立を含む大学への助成金配分や運営の監督を所管。同センターは教育内容や経営の向上に資する研究をしており、職務上、密接な関係にある。
 早稲田大広報課は「元高等教育局長が本学教授に就任したのは事実。再就職等監視委から事実確認を受けたが、調査結果が出ておらず、コメントできない」としている。

**********2017/1/19付日本経済新聞夕刊
文科次官が辞意 天下りあっせん問題巡り
 文部科学省の元幹部が組織的あっせんを受けて再就職したとされる問題で、前川喜平事務次官が辞任する意向を固めたことが19日、分かった。国家公務員の天下りあっせんを監視する再就職等監視委員会は同日にも同省に調査結果を通知。松野博一文科相は前川次官や当時の人事課長ら職員7人を懲戒処分する見通し。(関連記事を社会2面に)
 前川次官は1979年に旧文部省入省。初等中等教育局長や文科審議官を経て、2016年6月に次官に就任した。
 菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で「再就職等監視委員会の調査結果を受け、国民の疑念を払拭するのは政府として当然のことだ」と述べ、厳正に対処する考えを示した。
 元高等教育局長以外の数十件の再就職にも文科省が組織的に関与した疑いがあり、政府内では事務方トップである前川次官の引責辞任が避けられないとの見方が広がっていた。
 松野文科相は記者団の取材に対し、「大変遺憾で、監視委からの指摘をしっかり踏まえ、対応を進めたい」と述べた。その上で「報告内容をよく踏まえ、再発がないような形を取っていくのは当然だ」として、同省としても原因究明を進め、再発防止に取り組む考えを示した。
 問題となっているのは、文科省の元高等教育局長の再就職。15年8月に退職して2カ月後、早稲田大教授に就任した。その際、同省人事課の職員が元局長の履歴書を早大に送るなどして再就職を後押ししたとされる。

**********毎日新聞2017年1月19日 15時00分(最終更新 1月19日 18時26分)
文科次官辞意
天下りあっせん「他省庁でも

 「国民の批判は強い」「やむを得ない」。文部科学省の「天下り」あっせん問題で同省事務方トップの前川喜平事務次官(62)が辞任の意向を固め、省内に衝撃が広がった。「他の省庁ではもっと大規模な天下りあっせんがあるのは霞が関では公然の秘密。文科省だけで収束するとは思えない」。他省庁への波及の可能性を指摘する声も出た。
 関係者によると、文科省では以前から、人事課の幹部職員らが中心になって、個室が与えられる各局の幹部職員らの天下りをあっせんしてきたという。ある職員は「実際にあっせんに関わるのはごく一部だが、前から続いている」と明かした。
 2007年の改正国家公務員法成立で天下りの規制が強化されたこと自体は多くの職員が認識しているが、再就職については定年退職が近くならなければ意識することは少ないため、細かな規制の内容について知る職員は多くはないという。
 一方、この職員は「他省庁ではもっと大規模に天下りが行われ、人事課の課長級以下の職員までかかわっている役所もあると聞く。再就職等監視委員会に情報提供があって調査が始まったと考えられるが、『なぜ文科省だけが責められるのか』と多くの職員が感じているのではないか」と省内の“本音”を代弁した。
 また、ある幹部職員は「首相官邸としては次官の辞任で幕引きを図りたいのだろうが、他省庁でも天下りがあるのは霞が関の常識で、他の役所にも問題が発展する可能性がある。その場合にも次官を辞めさせるのかどうか。あしき先例になる恐れがある」と話した。【佐々木洋】
●最近の主な省庁トップの辞任・退任(※組織名、肩書は当時)
2011年8月 原発シンポジウムの「やらせ問題」の責任を取り、経済産業省の松永和夫事務次官ら関連省庁トップ3人が辞任
 10年12月 元特捜検事の証拠改ざん事件後、大林宏検事総長が辞任
 09年9月 公務員制度改革を巡り政府・自民党と対立した谷公士人事院総裁が辞任
 07年8月 小池百合子防衛相と対立した守屋武昌事務次官が退任
 02年1月 牛海綿状脳症(BSE)問題を受け、農林水産省の熊沢英昭事務次官が辞任
 02年1月 小泉純一郎首相が国際会議でのNGO排除問題を巡り、外務省の野上義二事務次官を更迭
1999年11月 茨城県東海村の臨界事故とH2ロケット打ち上げ失敗を受け、科学技術庁の岡崎俊雄事務次官が辞任
 98年11月 防衛庁調達実施本部の背任事件を巡る証拠隠滅疑惑を受け、秋山昌広事務次官が辞任
 98年1月 大蔵検査官の接待汚職事件を受け、大蔵省の小村武事務次官が辞任
 96年11月 社会福祉法人からの利益供与問題で厚生省の岡光序治事務次官が辞任

**********日本経済新聞電子版2017/1/20 1:22
文科省が虚偽説明 天下りあっせん、再就職監視委に
 文部科学省の元幹部が組織的なあっせんを受けて再就職したとされる問題で、国家公務員の天下りあっせんを監視する政府の再就職等監視委員会の調査に対し、同省側が当初、虚偽の説明をしていたことが19日分かった。人事課の職員らが過去に数十件の再就職をあっせんしていた疑いがあり、監視委は引き続き調べる方針。
 不正が疑われているのは、2015年8月に文科省を退職し、同10月に早稲田大の教授に就任した元高等教育局長の再就職。同省幹部や人事課職員が組織的にあっせんしたとされ、監視委は20日午前に公表予定の報告書で、幹部らの関与を認定したとみられる。
 早大によると、元局長は学部生と大学院生に著作権に関する授業などを受け持っている。大学ホームページでは「国の高等教育政策の動向の調査研究、文科省等の各種事業関係に関する連絡調整等への関与(大学への助言)を行う」と紹介されている。
 関係者によると、監視委は昨年から元局長の再就職に関する調査を開始。文科省の人事課などに事実関係を確認した際、同省側はいったん「組織的な再就職のあっせんはしていない」との趣旨の説明をしたという。
 しかし監視委がその後、大学側にも聞き取りをしたところ、説明は虚偽と判明。人事課の職員が大学に元局長の履歴書を送るなどし、組織的に再就職に関与したとみられる。元局長自身も在職中、大学側に再就職を相談するなどした可能性もある。元局長はこれまでの取材に「監視委の報告が出るまではコメントできない」と説明している。
 文科省によると、11~15年度で退職後2カ月未満に大学など学校法人に再就職した元職員は42人いる。関係者への取材では、元局長以外のケースでも数十件の再就職あっせんが行われた疑いがあり、監視委はこうした過去の再就職事例でも不正がなかったか詳しく調べる方針。
 文科省の高等教育局は大学行政を所管し、教育研究や入試のほか、私立大への補助金や大学・学部の設置認可なども担当している。

**********産経2017.1.20 05:02
【主張】文科省の天下り 大学を役人天国にするな
 文部科学省が天下りを斡旋(あっせん)した国家公務員法違反が発覚した。
 元局長が自らの監督下にあった私立大の教授に就く。誰もが首をひねる再就職が組織的に行われていたとすれば、天下り規制強化の流れに逆行するものだ。官僚のモラルの欠如にあきれる。
 教育をつかさどる官庁として恥を知るべきだ。背景を含めてさらに調査し、再発防止を図ってもらいたい。
 内閣府の再就職等監視委員会が調査した。監視委は規制強化の一環で平成20年に設置された。違反行為を調べ、懲戒処分を勧告する権限がある。発覚後、直ちに文科省事務次官の引責に発展したのは、深刻な事態といえる。
 判明しているのは27年、当時の高等教育局長が退任2カ月後、早稲田大の教授に再就職した問題だ。文科省の人事課が斡旋に関与した疑いがある。
 国家公務員法は、利害関係がある民間企業や団体への天下りを規制している。自分の求職活動のほか、省庁OBの職歴情報を企業側に提供する斡旋行為などが禁止されている。
 まさか、文科省と私大は利害関係にはないと思ってはいまい。国から多額の助成金が支払われている。早稲田大への年間経常費補助は90億円規模だ。文科省は学部新増設などの許認可権限を握っている。緊密すぎる関係から「人事異動」の感覚だったのか。
 官僚組織は、同期が次官に就くと、定年前の局長らが関連財団などに天下る慣行が続き、批判をあびてきた。そこに厳しい目が注がれ、天下り先は減ると思われた。たくさんある大学なら目立たないとでも考えたか。「役人天国」に使われては大学の名も泣く。
 文科省以外の官僚出身者を含め、大学の職に就く例は少なくない。個人の専門性を生かすにも透明性は欠かせない。
 第1次安倍晋三内閣時代、官製談合などを排する天下り規制強化とともに、背景にある省庁縦割り主義や年功序列など一体で見直す方針が示されたはずだ。その改善が伴わなければ、天下り根絶は図れないだろう。
 その後も各省庁で天下り違反が相次ぐ。議席数が多くても、官僚の身勝手を許す政権の指導性の欠如を示す。「文科省はやり方が下手だった」。今回の問題をそんな揶揄(やゆ)に終わらせてはならない。

**********日経2017/1/20 11:49
前川次官もあっせん関与 文科省天下り別案件
 文部科学省元幹部が組織的なあっせんを受け再就職した問題で、不正が疑われる別の案件のなかに前川喜平事務次官=依願退職=自身がかかわっていたものが2件あることが20日、分かった。また規制の網をすり抜けるため人事課OBを使ったり、再就職等監視委員会に虚偽説明を繰り返したりするなど、悪質な行為も複数認められた。
 監視委や文科省によると、前川氏による不正なあっせん行為は、文部科学審議官だった2015年12月と16年3月の2件。文科省OBの再就職のため、学校法人理事長だった別の文科省OBに退任する意向の有無を問い合わせたとされる。
 また、別の学校法人から文科省職員の求人を受けた際には、退職予定の職員に意向を打診。文科省の人事課OBを介し、その意向を法人側に伝えていた。
 監視委の調査では、人事課による再就職あっせんにはOBを使って法規制を逃れるための「マッチング」の枠組みができていたとも指摘した。文科省によると、この方式は09年ごろから運用され、違反が疑われる再就職の多くはこのOBを介しているという。

処分対象者と内容
 早稲田大学に再就職した吉田大輔元高等教育局長については、退職前に再就職の活動をしていたことも分かった。
 15年7月に人事課職員と共同で履歴書を作成したり、早大側と面談の日程を調整したりしたという。翌月4日に退職し、2日後の同6日には採用面談を受けていた。
 人事課職員も15年6月下旬、早大側に文科省職員の受け入れを打診。同7月中旬以降、退職予定だった吉田氏の履歴書を送っていた。
 人事課の職員は15年9月末、早大側に対してこの再就職に文科省が関与したことを隠蔽するよう依頼。16年5月に人事課が監視委の調査を受けた際には、文科省で吉田氏の3年先輩だった元早大職員による仲介で再就職が行われたとの虚偽の話をまとめ、吉田氏や早大側にも口裏合わせをするよう求めたり、調査への想定問答集を作ったりしていた。こうした虚偽説明は16年10月まで繰り返されたという。

**********日本経済新聞 電子版2017/1/20 10:55 (2017/1/20 12:16更新)
文科省天下りあっせん38件 首相、全省庁調査を指示
 政府の再就職等監視委員会は20日午前、文部科学省の元局長が組織的あっせんで再就職したとされる問題で、調査報告を公表した。同省人事課の組織的な天下りあっせん行為があったと認定。文科省によると、国家公務員法に違反したのは10件で、他にも違反が疑われる行為が28件あり、合わせて計38件にのぼる。安倍晋三首相は国家公務員制度を担当する山本幸三行政改革相に全ての府省庁での実態調査を指示した。

記者会見で「天下り」問題に対して、陳謝する松野文科相(20日午前、文科省)
 政府は20日の閣議で前川喜平事務次官を交代させ、後任に同省の戸谷一夫・文部科学審議官を充てる人事を決定した。発令は同日付。
 また松野博一文科相は前川氏ら幹部ら7人を懲戒処分とし、OB2人を減給相当などとする処分を発表した。記者会見で「省全体として法令順守の意識が不足していた」と述べた。省内の再就職担当部門を人事課から分離するなどの再発防止策を決めた。
 元高等教育局長の吉田大輔氏は2015年8月の退職から2カ月後、早稲田大学の教授に就いた。監視委は、在職中に文科省人事課の職員と履歴書を作成したり、職員が面談の調整をしたりしたと認定した。
 国家公務員法は公務員による再就職のあっせん行為、職員自身が在職中に利害関係のある企業や団体に求職活動を行うことを禁じている。高等教育局は大学への助成などを所管するため、早大が利害関係者にあたるとした。
 監視委は吉田元局長の再就職を巡って、違反行為を隠すために人事課職員が監視委に虚偽の報告を行っていたことも明らかにした。前川氏については職員を再就職先に紹介するなどの違反行為があったとした。監視委は文科省に、省内での調査結果を報告するよう求めた。

**********日テレNEWS24 2017年1月20日 12:33
文科省事務次官も「天下りあっせん」に関与
人事課長らがウソの説明で違反の隠ぺいも

“あっせん”辞職の次官も関与、隠ぺいも
 文科省職員による「天下りのあっせん」問題で、再就職等監視委員会は、長年組織的にあっせんを続け、辞職した前川事務次官も直接関わったと認定。前局長の再就職について委員会から説明を求められた際、現人事課長や職員らがウソの説明で違反行為を隠ぺいも。
 文部科学省職員による「天下りのあっせん」問題で、再就職等監視委員会は、人事課が長年、組織的にあっせんを続け、20日に辞職した前川喜平事務次官も、直接あっせんに関わったと認定した。
 文科省による再就職のあっせんは、8年前から組織的に行われていたとされ、事務次官も関与した異例の事態となった。
 再就職等監視委員会は、大学などを所管する文科省・高等教育局の吉田大輔前局長が2015年、退職した後に早稲田大学の教授として再就職した際、当時の人事課職員2人が、当時の人事課長に報告をした上で、前局長の履歴書を大学に提出し採用面談を取り付けるなどしたことが、国家公務員法違反の再就職のあっせんにあたると認定した。
 また、この件に関して、去年、委員会から説明を求められた際、現在の人事課長や別の職員2人がウソの説明をして、違反行為を隠ぺいしていたことも調査でわかった。
他にも、人事課の職員が文科省の人事課にいた元職員を仲介役にして、利害関係のある法人に人事情報を提供していたなどとして、9件が違反行為と認定され、そのうち2件には前川事務次官も関わっていたという。
 調査結果を受けて文科省は、吉田前局長と当時の事務次官の他、前川事務次官や当時の人事課長など7人に停職や減給などの懲戒処分を行い、松野文科相は局長らに再発防止の徹底を指示した。前川事務次官は20日午前に辞任し、後任には、旧科学技術庁出身の戸谷一夫審議官が就任した。
 委員会からは他にも28件の疑わしい行為が指摘されていて、文科省は今後、調査室を設置して調べる方針。

**********朝日新聞デジタル2017年1月20日16時38分
隠蔽工作に口裏合わせ… 天下りあっせん、文科省ぐるみ

会見する松野博一文科相=20日午前10時52分、東京・霞が関、時津剛撮影

 人事課長が隠蔽(いんぺい)に加担、早稲田大への口裏合わせ依頼……。文部科学省の「天下り」あっせん問題で、20日に発表された内閣府再就職等監視委員会の調査結果からは、官僚トップ自らの関与に加え、組織的に規制違反の発覚を免れようとした行為も浮かび上がった。
●天下り問題、前川事務次官も関与 違法10件7人を処分
 「最初に事実を見た時には驚いた。現在までの調査の中で、こうした組織的なものが発覚したのは初めてということになると思う」
 20日午前、東京都内で記者会見した再就職等監視委員会の担当者は、こう語った。文科省での組織的な天下りは、再就職あっせんなどを規制した改正国家公務員法施行直後の2009年ごろから行われていたという。
 監視委は、調査時に同省の人事課職員が「天下り」に関する事実を隠蔽した行為について「想定問答を作成し、関係者間でメール、電話などで調整していた」などと説明。こうした行為の報告を受けた人事課長は、監視委の調べに対し、「隠蔽行為に加担した」と認めたという。
 今回の監視委の調査では、同省の組織的なあっせんの仕組みも明らかになった。人事課は、同課のOBに、大学からの求人情報、退職予定の職員や文科省OBの個人情報などを伝え、再就職につなげていたという。
 こうした仕組みについて監視委は「法が定める再就職等規制違反を免れる目的で構築し、運用していた」と認定。監視委は、前川喜平事務次官もこの仕組みを使って再就職あっせんに関わっていたことを確認した。
 会見で、前局長の早大への再就職について、報道陣から「再就職の働きかけは文科省の人事課が最初に打診したのか」と問われると、監視委は「前局長自身が退職前に、履歴書を人事課職員と一緒に作成して研究業績をまとめ、職員から『先方と調整致します』というメールを受け取ったりしていた」と説明。履歴書は人事課職員が早大側に提出していたという。
 大学の関与については「証拠書類、証言から、文科省に対し再就職の依頼、要求があったことは確認できていない」とした。
 今後の対応について、監視委の担当者は「文科省から適宜報告をもらい、監視し続けながらやっていく」と話した。
■文科相「おわび申し上げる」
 松野博一文部科学相は20日、閣議後の記者会見で「文部科学行政の信頼を著しく損ねたことをおわび申し上げる」と陳謝した。今年度内に再発防止策を講じる考えを示した。
 再就職あっせんへの組織的関与や、規制違反に問われることを避けるための隠蔽(いんぺい)については「省全体として規制への理解が不十分だった。違反行為を例示しつつ、職員を対象に研修を行いたい」と話した。

**********日経2017/1/20 19:33
文科省元局長が早大教授辞職 総長陳謝「理解不足」
 文部科学省の天下りあっせん問題で、早稲田大の鎌田薫総長が20日、記者会見し、早大に教授として再就職した吉田大輔元高等教育局長(61)が同日付で辞職したことを明らかにした。吉田氏が辞表を提出した。
 鎌田総長は「再就職の規制に関する理解が不足し、文科省の違法なあっせん行為を止められなかったことを反省している」と陳謝。その上で「不当な癒着はない。不適切な利益供与、便宜供与を求めたこともなければ、受けたことも一切ない」と強調した。
 また、再就職等監視委員会の聞き取りに対し、早大の職員が当初、文科省の依頼に基づき、虚偽の内容の想定問答に沿って説明していたことに触れ「一時的に調査を混乱させたことをおわびする」と陳謝した。
 監視委の調査結果によると、文科省の人事課職員は2015年6月、吉田氏の受け入れを早大側に打診。吉田氏と共同で作成した履歴書を早大に送り、面談日程を調整するなど組織ぐるみで再就職をあっせんした。〔共同〕

**********NHK News Web 2017年1月20日 18時46分
文科省の組織的な天下りは38件 監視委
 文部科学省の幹部らが元幹部の大学への再就職をあっせんしていた問題で、調査に当たった政府の「再就職等監視委員会」は調査結果を公表し、人事課職員が元幹部とともに履歴書を作成して大学に送るなど法律に違反する行為をしていたことや、文部科学省が組織的な天下りを38件行っていたことなどを明らかにしました。これを受けて文部科学省は事務次官を含む幹部や職員合わせて7人を懲戒処分にしました。
 文部科学省の幹部らが元高等教育局長の早稲田大学への再就職をあっせんしていた問題で、官僚の天下りを監視する政府の「再就職等監視委員会」は20日午前、調査結果を公表しました。
 それによりますと、人事課の職員は、元高等教育局長が在職中のおととし7月に元局長の履歴書を作成し早稲田大学に送付したほか、元局長も採用面接を受けていたということです。
 委員会は、これらの行為はいずれも再就職を目的に利害関係のある団体に対して、在職中の職員が就職活動したり職員がほかの職員の情報を提供したりすることを禁じた、国家公務員法に違反すると判断しました。
 また、文部科学省が違反行為の発覚を免れるため、人事課の職員が早稲田大学の担当者に口裏を合わせるよう依頼していたことも明らかにしました。
 さらに委員会は、文部科学省が天下りの規制が厳しくなった平成21年ごろから、省内と天下り先とを仲介するOBを使った組織的な天下りを行っていたことを明らかにしました。
 こうした天下りは平成25年から確認できただけで38件行われ、このうち10件は法律に違反するということです。
 委員会は文部科学省に対して詳しい調査を指示しました。
 一方、文部科学省はこうした調査結果を受けて、20日に松野大臣が記者会見し、一連の問題に関わったとして、前川喜平事務次官や当時の人事課長など合わせて7人の幹部や職員を停職や減給の懲戒処分にしたことを明らかにしました。
 また、省内に新たな部署を設けて、今後も調査を行い、再発防止を徹底する考えを示しました。
●処分の事務次官「認識なかった」
 処分を受け依願退職した前川喜平事務次官は20日夕方、報道陣の取材に対し、「国民の信頼を損ねたことについては大変申し訳なく思っている。あとは残った人たちで文部科学省の立て直しを図ってほしい」と話しました。
 そのうえで、自身の関与や認識について聞かれると、「監視委員会が認定したとおりのことを受け止めるしかない。その時点で認識はなかったが、監視委員会が認定したので、それはしかたない」と話しました。
 事務次官に20日付けで就任した戸谷一夫氏は、20日午後に総理大臣官邸で開かれた次官連絡会議に出席したあと、記者団に対し、文部科学省の元幹部の再就職をめぐる問題について「大変残念だ」としたうえで、「しっかりやるしかないと思っている」と述べました。
●OB使い「マッチング」
 監視委員会は、国家公務員法が改正され、天下りの規制が厳しくなった平成21年ごろから、文部科学省が法律に違反せずに天下りを組織的に行うためにOBの職員を使っていたと指摘しました。
 このOBは文部科学省と大学の間を仲介する役割をしていました。
 まず、みずからも在籍していた文部科学省の人事課から、退職予定者の名前や住所、職歴などの個人情報の提供を受けます。
 OBは大学などから集めた求人情報を人事課に提供するとともに、退職予定者が希望する勤務地や年収などをもとにマッチングしていました。
 そして、大学などに対して、条件に適した退職予定者を紹介していたということです。
 監視委員会は、こうしたOBを使ったあっせん行為は違法とはいえないものの、法律違反を免れる意図で行われていたと指摘しました。
●官房副長官「疑わしい事案は監視委がさらに調査」
 萩生田官房副長官は記者会見で、文部科学省の幹部らによる再就職あっせん問題を受け全府省庁を対象に行う調査について、まずは各府省庁が実施したうえで、疑わしい事案があれば、再就職等監視委員会が重ねて調査する考えを示しました。
 この中で萩生田官房副長官は、この問題を受け全府省庁を対象に行う調査について、「第三者機関である再就職等監視委員会と、どういう視点やどういう項目、どういう形で調査すべきかについてフォーマット、ひな形となるものを作り、各省が自分たちの尺度で判断するのではなく、同じ尺度で調査した結果を報告してもらう」と述べました。
 そのうえで、萩生田副長官は「まずは各省で確認してもらい、疑わしき事案があった場合には再就職等監視委員会に連絡し、さらに調査をしてもらう仕組みをとっていきたい。各省に丸投げで『調査してください』というお願いではない」と述べました。
●再就職規制違反の認定 過去に4省庁7人
 政府の再就職等監視委員会によりますと、過去に再就職の規制に違反すると認定されたのは、4つの省庁の合わせて7人にのぼっています。
 最初の認定は平成25年で、国土交通省の元審議官がOBの再就職に関連して所管する団体の理事長に退任を促すなどしたとして違反と認定されました。
 平成26年と27年には総務省の室長級の元職員、農林水産省の出先機関の課長級の2人の元職員が、いずれも在職中に利害関係企業に再就職する意思を示していた行為が違反とされました。
 さらに消費者庁の長官が退任する前、利害関係企業などとの間で役職に就く約束を行っていたとして、違反と認定されました。
 去年も、消費者庁の課長補佐級の元職員、それに総務省の出先機関の課長級の職員が、在職中に利害関係企業に再就職することを要求したり、誘いを受けて約束したりしたとして違反と認定されました。

**********毎日新聞2017年1月20日 11時40分(最終更新 1月20日 19時55分)
天下りあっせん
文科省、組織的に隠蔽 別に違法9件


記者会見をする再就職等監視委員会の加藤真理再就職等監察官(左)と原田泰孝再就職等監察官=東京都千代田区で2017年1月20日午前10時48分、西本勝撮影
 文部科学省が元高等教育局長の早稲田大への天下りを組織的にあっせんしたとされる問題で、政府の再就職等監視委員会は20日、文科省人事課の職員らが元局長の履歴書を大学に送付した行為などが、天下りのあっせんを禁止した国家公務員法違反に当たるなどとした調査結果を発表した。調査に対し、人事課職員が違法行為を隠蔽(いんぺい)するため虚偽の説明をしていたことも判明。この他にあっせんの疑いが37件確認され、うち9件は違法と指摘された。監視委は文科省にこれらの調査と再発防止を指示した。
 監視委によると、吉田大輔元局長(61)は2015年8月に退職し、同10月に早稲田大に教授として再就職したが、当時の人事課長の藤原章夫・教育再生実行会議室長(52)ら人事課職員6人は吉田元局長が作成した履歴書の早稲田大への送付や、採用面接の日程調整などのあっせんをした。
 更に人事課職員らは天下りの組織的なあっせんを隠蔽するため「元局長は早稲田大に再就職していた別の文科省OBの仲介で再就職した」という虚偽の話をつくって偽装工作。早稲田大の人事担当者らに口裏合わせを依頼し、調査に備えた想定問答も作るなどして監視委に虚偽の説明をしたという。
 吉田元局長が早稲田大の採用面接を受けたのが、文科省退職のわずか2日後だったことから、監視委が在職中の再就職準備やあっせんを疑い調査に乗り出した。
 この他にも、文科省は改正国家公務員法施行(08年12月)で天下り規制が強化された直後の09年ごろから規制を逃れるため、人事課にかつて所属したOBを介して再就職をあっせんする仕組みを構築していたことも発覚。違法と指摘された9件中2件は、前川喜平事務次官(62)=20日付で依願退職=がこの仕組みを利用してあっせんした。ある法人で理事長を務めていた文科省OBの後任に別のOBを再就職させようとした行為などが該当した。
 早稲田大は「調査結果の詳細が分からないため、現時点でのコメントは控えたい。調査結果が明らかになれば、何らかの対応をしなければならないと考えている」としている。
 安倍晋三首相は20日、山本幸三国家公務員制度担当相に対し、全府省庁で同様の事案がないか調査するよう指示した。【佐々木洋、金秀蓮、田中裕之】
再就職等監視委報告(骨子)
・吉田大輔元高等教育局長は在職中に利害関係がある早稲田大に求職活動をした。人事課職員が調整に当たった
・人事課職員らが国家公務員法違反行為を隠蔽するため再就職等監視委員会に虚偽の説明をした
・人事課は同法の規制を免れる目的で文部科学省OBを介して再就職をあっせんする仕組みを構築していた
・前川喜平事務次官はこの仕組みを利用し、文科省OBの再就職あっせんに関与した

**********毎日新聞2017年1月20日 12時02分(最終更新 1月20日 19時56分)
天下りあっせん
文科省天下り調査結果(要旨)

 再就職等監視委員会は文部科学省職員及び元職員による再就職等規制違反行為が疑われた事案について、国家公務員法に基づき調査を実施した。
 <調査結果>
 ア 文科省大臣官房人事課職員2人は、上司である当時の藤原章夫人事課長に報告の上、役職員である吉田大輔元高等教育局長を、元局長にとって利害関係企業等に該当する早稲田大に再就職させることを目的として、元局長の履歴書を作成・送付し、早大と採用面談の日程調整をするなどし、藤原課長も職員2人と共同して、国家公務員法106条の2に違反したものと認定した。
 イ 吉田元局長は、利害関係企業等に該当する早大に再就職することを目的として、人事課職員2人とともに履歴書を作成し、職員が元局長の履歴書を早大に送付した。また、元局長は職員2人を通じて早大との面談日程の調整をした。これらは、いずれも元局長が在職中に行われ、実質的に元局長の早大に対する求職活動であり、元局長は国家公務員法に違反したものと認定した。
 ウ 文科省大臣官房人事課職員2人は、先輩職員と協議の上、再就職等監察官に対し、当時の藤原人事課長と職員2人及び吉田元局長の再就職等規制違反行為が発覚することを免れようと、文科省OBで早大に再就職していた元職員を仲介とする虚偽の再就職等経緯を作り上げ、その旨関係者に供述させるなど、関係者と当該事案の隠蔽(いんぺい)を図った。
 エ 豊岡宏規人事課長は、上記ア及びイの再就職等規制違反行為を認知し、部下である人事課職員によるウの隠蔽行為を認知したにもかかわらず、かえってこれを黙認し、上記ウの隠蔽行為に加担した。
 オ 当委員会の上記アからエまでの調査過程において、文科省大臣官房人事課は、元人事課職員の文科省OBに対し、法人等からもたらされた求人情報や、現職・退職予定者・OBの個人情報等、さまざまな情報を伝え、OBによる再就職あっせんを行わせていたことが判明した。これは、法が定める再就職等規制違反を潜脱する目的をもって、当該枠組みを構築して運用していたものであった。
 カ さらに、当時の前川喜平文科審議官は、上記オの枠組みを利用して再就職あっせんに関わっていたほか、ある法人に再就職していた文科省OBに対し、後任に他の文科省OBを再就職させることを目的として、その退任の意向の有無を確認して、再就職先の地位に関する情報の提供を依頼し、また、文科省退職予定の出向職員に退職後の再就職先を示して意向を打診し、それをOBを介して再就職先に伝えるなど、法106条の2に違反したものと認定した。
 また、同様に人事課職員3人も上記オの枠組みを利用した再就職のあっせんにおいて自ら違反行為を行ったものである。
国家公務員法106条の2
 職員は、営利企業等に対し、他の職員もしくは行政執行法人の役員をその離職後に、もしくは役職員であった者を、当該営利企業等もしくはその子法人の地位に就かせることを目的として、当該役職員もしくは役職員であった者に関する情報を提供し、もしくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、または当該役職員をその離職後に、もしくは役職員であった者を、当該営利企業等もしくはその子法人の地位に就かせることを要求し、もしくは依頼してはならない。

**********毎日新聞2017年1月20日 11時50分(最終更新 1月20日 20時58分)
天下りあっせん
関係者で口裏合わせ メールからも裏付け


天下りのあっせん問題を受け、記者会見で頭を下げる松野博一文科相=東京・霞が関の同省で2017年1月20日午前10時48分、森田剛史撮影
 文部科学省の天下り問題で「組織的あっせん」が認定された。再就職等監視委員会によると、文科省職員らは虚偽の説明をして不正の隠蔽(いんぺい)を図り、関係者間で口裏合わせもしていたという。「国民のみなさまにおわびする」。20日の記者会見で松野博一文科相は頭を下げて何度も陳謝し、「信頼回復に努める」と苦渋の表情をみせた。
 「このような組織的な天下りは初めて。調査をして驚いた」。20日午前、記者会見した再就職等監視委員会の加藤真理監察官は文科省を厳しく批判した。
 加藤監察官らによると、問題の端緒は2016年3月に内閣人事局がとりまとめた再就職届だった。文科省の吉田大輔元高等教育局長が早稲田大へ再就職していたことが判明。文科省と早大が利害関係にあるため監視委が任意で調査を開始したところ「疑義が生じた」という。
 監視委は昨年8~12月、文科省人事課職員ら30~40人を対象にヒアリングを実施した。これに対し、職員は想定問答を作成。メールや電話を使って関係者間で意思疎通を図るなどして口裏合わせし、違法行為を隠蔽するため、監視委に虚偽の説明をした。
 人事課長は職員からこうした事実について報告を受けていたにもかかわらず、上司に報告せずに黙認した。これらの隠蔽工作は、関係者の供述だけでなくメールなどの客観的な証拠からも裏付けられたという。
 「国民の皆さまにおわびする。省を挙げて信頼の回復に努めていきたい」。監視委の発表を受けて文科省内で会見した松野文科相は、カメラのフラッシュを一斉に浴びながら、こわ張った表情で頭を下げた。その後、監督責任を認め、6カ月分の給料を返納する方針を明らかにした。
 組織的に不正が行われた背景について記者から問われると「省として再就職の規制に関する理解が不十分だった。関係法令の順守の意識も不足していた」と述べた。
 文科省は3月をめどに、09年以降に退職した元管理職職員のうちで民間企業などに再就職したすべてのケースで違法な行為がなかったか全容解明を進める方針だ。【伊澤拓也、杉本修作、岸達也、金秀蓮】

**********毎日新聞2017年1月19日 20時26分(最終更新 1月20日 09時43分)
天下り
背景に補助金、悪弊消えず…文科次官辞任へ


臨時閣議後、報道陣の質問に答える松野博一文部科学相=首相官邸で2017年1月19日午前10時45分、川田雅浩撮影
 文部科学省の天下りあっせん問題は、事務方トップの辞任へと急展開した。再就職等監視委員会が発足するなど規制強化へと手は打たれてきたが、違反行為は後を絶たない。【伊澤拓也、大場弘行】
 天下りのあっせんは、2008年施行の改正国家公務員法で全面的に規制された。従来は離職後2年間について、離職前5年間に在職した国の機関と密接な関係がある営利企業への再就職を原則禁止しただけだった。改正のきっかけとなったのは、06年に発覚した国土交通省の水門工事談合事件と、農林水産省所管の緑資源機構談合事件。省庁OBらの受け入れが多い企業に優先受注させたことが厳しく批判された。
 改正とともに設置した政府の再就職等監視委員会を12年に始動させ、癒着につながるような天下りに目を光らせるが、これまで違法と認定したのは2例にとどまる。この2例はいずれも個人の不正行為と結論付けており、今回、組織ぐるみの違法な天下りを認定すれば初のケースとなる。

主な天下りと規制をめぐる経緯
 こうした規制強化の後も文科省で天下りあっせんが疑われる背景には、特有の事情がありそうだ。私立大は文科省から私学助成金などさまざまな補助金を受け取っており、文科省とのパイプが補助金確保に有利となるとの見方がある。日本私立学校振興・共済事業団によると、私立大の運営費に占める国の補助金の割合は15年度で9.9%。年々減少しているものの、文科省は特色がある教育を支援する特別補助金事業を創設するなど、一律ではない新たな補助金もつくっている。
 天下りについて詳しい太田肇・同志社大教授(組織論)は「経営難に苦しむ私立大は予算配分に強い関心を持っており、文科省の影響力は大きい」と指摘。そのうえで「補助金を受けやすくするために天下りを受け入れることはあり得る」と警鐘を鳴らす。
 一方、退職後に自ら申し込んで大学に再就職した元文科省大臣官房審議官の寺脇研・京都造形芸術大教授は「法改正以前は特殊法人のトップなどに多くの人が天下りしていた。文科省はもともと民間企業との付き合いが希薄なので、規制が強化されて天下りポストが減り、大学に再就職先を求めたのではないか」と推測。新藤宗幸・千葉大名誉教授(行政学)は「文科省は過去に多くの職員を天下りさせており、組織の中に悪弊として残っていたのではないか。不正を根絶するために、定年まで省庁で働く人を増やすような取り組みが必要だ」と指摘した。

**********The Huffington Post 執筆者:吉川慧 2017年01月20日 20時21分 JST 更新
文科省「天下り」あっせん、早稲田大が口裏合わせに応じていた 鎌田総長は「癒着はない」と釈明

 文部科学省の吉田大輔・前高等教育局長が2015年に省内の「天下り」あっせんを受け、早稲田大学の教授(任期付き)に再就職していたとされる問題で、内閣府の再就職等監視委員会(監視委)が1月20日、文科省が国家公務員法に違反して組織的に「天下り」をあっせんしたとする調査結果を公表した。朝日新聞デジタルなどが報じた。
 吉田前局長のケースのほかに9件で国家公務員法違反のあっせん行為などがあり、うち2件では、当時の文部科学審議官だった前川喜平・事務次官が直接関与していたと認定した。
吉田前局長は2015年8月に文科省を退職後、同年10月に早大の「大学総合研究センター」の教授(任期付き)に就任した。しかし、監視委の調査では、吉田前局長が文科省在職中(2015年7月)に同省人事課を通じて履歴書を早大に送り、「同省人事課が早大側と採用面談の日程を設定していた」ことが判明。監視委は「国家公務員法が禁じる在職中の求職活動にあたる」と認定した。
 毎日新聞によると、監視委が早大の人事担当者にヒアリング調査をすることを受けて、文科省人事課は早大側に「別の文科省OBが再就職を仲介した」などとする虚偽の想定問答を渡し、口裏合わせを依頼していたという。
 調査を受け、松野博一文科相は、前川次官を減給とするなど幹部ら7人の懲戒処分を発表。すでに退職した吉田前局長は「減給相当」とし、当時の事務次官だった山中伸一・ブルガリア大使には給与の一部の自主返納を求める。松野文科相も大臣俸給6カ月分を全額返納する。
 前川事務次官は20日付で依願退職した。
■早大が会見、鎌田総長が見解を説明
 監視委の調査結果を受けて、早大の鎌田総長らが20日午後、東京・新宿区の同大学内で記者会見した。
 鎌田総長は元局長を教授として採用するに至った経緯について、「高等教育行政に関する高い知見と研究業績があり、本学の教授にふさわしいと判断し、採用を決定した」と述べた。
 その上で、文科省人事課から「教員としての採用は再就職等規制に抵触しない」「早稲田大学における正規の採用手続きが文科省退職後に開始されたものであれば問題ない」という見解が示されたため、元局長の退職後に採用を進めたと説明。違法性の認識はなかったとした。
 また、文科省人事課が早大側に口裏合わせを依頼したことについて、鎌田総長は「(早大の人事担当者は)文科省の依頼に基づき、同省作成の想定問答に沿って供述した」と事実関係を認めた。守田芳秋常務理事によると、文科省からは「調査があるが、形式的な調査なので、想定問答に沿った回答をして欲しいと依頼があった」ため、早大の人事担当者が「文科省の意向に沿った回答をした」という。
 一方で、鎌田総長は「事の重大性に鑑み、2回目(のヒアリング)以降は積極的に事実を供述し、委員会の調査に真摯に協力した」と釈明した。
 鎌田総長は「再就職に関する本学の理解が不足していたことにより、文科省の違法なあっせん行為を止められなかったことについて反省しています」「一時的とはいえ、調査を混乱させたことをおわびします」と謝罪した。
 その上で鎌田総長は「文科省との関係で不適切な利益供与・便宜許与を求めたこともなければ、これを受けたことも一切ない」と、癒着について強く否定した。
 守田常務理事の会見での説明によると、早大が吉田前局長を採用した経緯は以下のとおり。
<2014年>
2月
早大が大学総合研究センターを設立
<2015年>
・6月下旬
文科省人事課の職員2名が大学側に接触
※監視委は調査報告で「文科省人事課職員が15年6月26日、早大側に文科省職員の受け入れを打診」としているが、早稲田側は会見で「そういう認識はなかった」としており、説明が食い違っている。
・7月13日
文科省人事課が、前局長に関する情報を早大人事課に提供
※大学側は「研究センター設立当初から、教育行政に高い識見を持つ人材を探していた。その中で、文科省から情報提供があった」と説明。
・7月下旬
文科省人事課が、吉田前局長の採用にあたっての面談スケジュールの調整を早大側に依頼
・8月4日
吉田前局長が文科省を退職
・8月6日
吉田前局長と早大人事担当者が面談。その後、吉田前局長が早大側に「教員任用履歴書」を提出
※早大側は「大学研究センターの説明や教育研究業績などが生かせるかなど、双方で懇談した」とし、「採用に関わる面談ではない。あくまで懇談だった」と主張。
・9月24日
吉田前局長から提出された「教員任用履歴書」を元に採用について審議し、大学の法人会議で教授(任期付き)として採用決定
------
■吉田前局長、どんなことを教えていた?
 早大の研究者データベースによると、吉田前局長は2016年度に「メディア専門研究セミナー」「コンテンツの創作と利用に関する法律知識」など著作権制度に関する講義を担当した。著作権に関する著書もある。
 同大のホームページでは「文部科学省等の各種事業関係に関する連絡調整等への関与(大学への助言)を行う」と紹介されている。
 会見の中で鎌田総長は、吉田前局長が20日付で辞表を提出し、早大教授を辞職したと発表した。

**********THE PAGE 2017.01.20 19:24
https://thepage.jp/detail/20170120-00000009-wordleaf
文科省天下りあっせん問題、早稲田大が記者会見(全文1)職員の処分は検討中

文科省天下りあっせん問題、早稲田大が記者会見(THE PAGE編集部)
 文部科学省の再就職あっせん問題で、政府の再就職等監視委員会の調査結果を受け、元局長が教授として再就職した早稲田大学が20日午後5時から記者会見した。
 同監視委員会の調査結果は「組織的なあっせん」を認定し、計10件が国家公務員法違反に当たると指摘。2015年10月に元高等教育長が早大に再就職した問題では、人事課職員による虚偽報告も明らかにされた。文科省は同日、7人を懲戒処分にした。

鎌田薫総長の見解

司会:皆さま、ご多忙の中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。早稲田大学広報室長の恩藏と申します。本日、内閣府再就職等監視委員会の調査結果が公表されましたので、まずこの件について、本学の見解を述べさせていただきます。そののち、まとめてご質問をお受けしたいと存じます。
 それでは本日の出席者をご紹介させていただきます。総長、鎌田薫です。

鎌田:よろしくお願いします。

司会:副総長・学事統括、橋本周司。

橋本:よろしくお願いします。

司会:副総長・法人統括、島田陽一。

島田:よろしくお願いいたします。

司会:常任理事・職員組織統括、守田芳秋。

守田:よろしくお願いします。

司会:それでは、総長、鎌田より本学の見解を述べさせていただきます。

鎌田:この紙、渡ってる? あとで。はい。
 それでは、本学の見解を述べさせていただきます。本日、内閣府再就職等監視委員会、以下、委員会と略称させていただきます、から調査結果、および文部科学省への処分、是正勧告が公表されました。本学は大学自らが、大学の在り方を探求していくことを目的として2014年に大学総合研究センターを設置し、自律的・持続的な大学改革を推進するため、センター設立当初から高等教育行政に精通した人材を求めていました。同センターは元高等教育局長が、高等教育に関する高い識見および著作権制度についての優れた教育研究業績を有しており、本学の教授、かっこ任期付きとして、ふさわしいと判断し採用を決定いたしました。この教員採用は、教員としての採用は、再就職等規制に抵触しない。あるいは早稲田大学における正規の採用手続きが文部科学省退職後に開始されたものであれば問題ないという文部科学省大臣官房人事課の見解に基づいて、元局長が文部科学省を退職したのちに、所定の手続きにのっとって、進められたものであります。
 しかしながら、委員会のご指摘するように文部科学省大臣官房人事課を通じて、退職直前の高等教育局長に関する情報提供が、本学人事部にあり、文部科学省および元局長の当該行為が国家公務員法第106条の2第1項、および、第106条の3第1項に違反するものと認定されました。再就職等規制に関する本学の理解が不足していたことにより、文部科学省の違法な斡旋行為を止められなかった。このことについては反省をいたしております。
 さらに、その後の委員会調査の過程において、本学人事部担当者は1回目の事情聴取では、文部科学省の依頼に基づき、同省作成の想定問答に沿って供述しましたが、事の重大性に鑑み、2回目以降は自ら積極的に事実を供述し、委員会の調査に真摯に協力いたしました。本学といたしましても、一時的ではあれ、委員会の調査を混乱させたことについて関係各位におわびを申し上げます。
 なお、本学といたしましては、少なくとも2008年の改正法施行後は、文部科学省出身者を専任の教授として採用したのは、これが初めてであり、不当な癒着はありません。また、今回の採用の前後を問わず、文部科学省との関係で、不適切な利益供与、便宜供与を求めたこともなければ、これを受けたことも一切ありません。
 本学は委員会が公表した調査結果を真摯に受け止め、国家公務員の再就職等に関わるガイドラインを順守し、私立大学と文部科学省との関係にあらぬ疑いを抱かれ、国民全体、学生、教職員の高等教育に対する信頼を失うような事態が生じることのないように万全の対策を徹底してまいります。以上でございます。
司会:本学の見解を述べさせていただきました。それでは、ここから皆さま方から、ご質問をお受けしたいと存じます。なお、多くの質問を受けられますように、ご質問は、お1人2つまでとさせていただきたく、ご協力をお願いいたします。またご質問の際には、ご所属、お名前をお願いいたします。それでは、どうぞ。

共同通信:共同通信のオオエと申します。

鎌田:マイクが(※判別できず)。

共同通信:質問2つあります。まず元局長、そして現在、教授の処遇についてと、あと、この口裏合わせに応じた人事担当者の処遇について伺いたいんですが。

橋本:ちょっと聞きたいのは、処遇という意味は、処分とか、そういうことでしょうか。それに関しては。

鎌田:じゃあ僕のほうから。まず、元高等教育局長、本学任期付教授に関しましては、本日、辞表が提出されまして、大学としてこれを受理いたしました。それから職員の処分につきましては、さらに詳細を検討した上で、誰がどのような形で責任を取ることが適切かということを詰めて、検討したいというふうに考えます。

司会:ほかにいかがでしょうか。

時事通信:時事通信社のヨネダと申します。すいません、今のお答えで確認なんですけども、元局長、今日、辞表を提出されて、大学として注意したということですけれども、もうこれで辞職されたという形になる、本日付でもう辞職されたということになるのでしょうか。

鎌田:はい、そうです。

文部科学省からの接触というのはいつからなのかを具体的に

読売新聞:読売新聞のイシカワと申しますが、1問だけまず。この文部科学省からの接触というのはいつから、時系列で何日に、要するに早稲田側が文科省にこういう人が欲しいみたいなっていう、そういう、文科省じゃないですけども、そういう公募みたいなのがあって、それを見た人事課が接触してきたとか、局長が接触するとか、そういう時系列でちょっと、教えていただけますか。
橋本:はい、先ほどお話にありましたように、大学総合研究センターを設立したのが2014年の2月でありますけれども、そのときからこの目的であります高等教育研究、あるいはそれに関連する行政、そして教育方法を新しく開発していくということに関する人材をまとめるということは、初めからやっていたことでありまして、どこにどういう人がいるかということは常に、これに限らないのですけど大学としては、(※判別できず)になる人材はどこにいるかといったことは常に見ているところであります。その中で文部科学省のほうから情報提供があって、依頼というよりはそういう人がいるということを把握したと。

読売新聞:具体的に何日ですか。

橋本:守田さん

守田:記録では6月下旬、26日という。

男性:ちょっとこれ、マイク使ったらどうですか。

守田:この調査結果の中身では6月26日、最初に大学に接触というふうに書いてございますけれども、その日は私もお会いしましたけれども、いわゆる新任のごあいさつということで、私どもとしてはこの日が特にあったというわけではなくて、7月の13日になりまして文科省のほうの人事課から先生に、吉田元局長の情報提供があったということが最初でございます。

鎌田:これちょっと、今の、6月26日に最初の、この監視委員会の資料によりますと受け入れ打診があったという、6月26日に最初に会ったという、これは局長に会ったのではないですから。人事課の職員がこの日にあいさつに来たと。こちらとしては別に、新任のあいさつの名刺交換のつもりであいさつしたのだけれども、文科省としてはその日に打診をしたという供述をされているのですけれども、そういう認識はなかったというのが今、説明したことの趣旨であります。

読売新聞:それはどなたがそう言ったのですか。

守田:具体的には、ごめんなさい。ちょっとだいぶ前で、名前を今、持ってきていなかったのですけど、ちょっと今、メモをもらいますので少々お待ちください。

読売新聞:ご本人ではないのですか。

島田:それは関係ない。

守田:人事課の2名の方ですけど、はい。

読売新聞:ここで13日に、局長の情報提供が、どこにある。

守田:人事課にあります。

読売新聞:こちらの人事課。

鎌田:大学の。

守田:大学の人事課です。文科省の人事課から大学の人事課でございます。

読売新聞:それからどういう経緯でなったんですか。

守田:少し時系列でお話をさせていただきます。7月の13日にそういうことで、吉田元高等局長に関する情報、退職、そろそろするということも含めてそういった情報提供がございまして、そのあと7月の具体的な日はありませんけども下旬になりまして、やはり文科省の人事課から吉田先生の採用に当たって、面談のスケジュールを調整しましょうということで7月下旬にその調整を行いました。その結果8月6日に吉田先生と教務部の教員人事担当者との面談を設定させていただきました。
 ご承知のとおりその間に、8月4日には吉田元局長が、当時ですけど、文科省を退職されているということでございます。8月6日にそこの面談をしましたけどそれはいわゆる採用の手続きの面談ではなくて懇談といいますか、今、先ほど橋本副総長のほうから大学総合研究センターが目指すべきものはこういうものだということの理念なり、あるいはやっていただけるような仕事はこういうことですってご説明を申し上げていると同時に、吉田元局長のこれまでの研究業績、あるいは教育業績といったものがそこで生かせるかというような形で双方で懇談をして、そういうことであれば今後、採用のほうのところにお互いがうまく合えば、次へ進めますねということでの懇談でございまして、繰り返し申し上げますが、採用に関わる面談ではございませんで、あくまでもそういったことで懇談を行ったのが8月6日でございます。
 それを経まして、そういうことで吉田元局長も早稲田でぜひ働きたいということでございましたので、教員用履歴書が本学に提出されました。この教員用履歴書と申しますのは研究業績等も入っているいわゆる履歴書でございますので、これを基に大学のほうではそのあと教授としての審査の材料というか、資料に使わさせていただく資料でございます。
 そして時間が過ぎまして9月の24日に本学の大学総合教育研究センター管理委員会というのがございまして、そこで開催され、吉田元局長から出された教員用履歴書を基に研究業績、その他、あるいは大総研でこの方にやっていただくにふさわしいかどうかという審議が行われ、採用のことが通りました。で、それを受けて大学の法人本部の、法人会議におきまして最終的に吉田元局長の教授任期付の採用が決定してございます。採用の決定のところまでのプロセスというところでございますので、そのようにお答えさせていただきました。よろしいでしょうか。

読売新聞:任期付きっていうのは、ごめんなさい、なんか。任期付きと、専任の教授っていうのは同じ。

守田:もちろん任期の定めのある人と、任期の、そうですね、有期の雇用と無期の雇用ということでございます。

読売新聞:もう1点、では、すいません。文部科学省から、文部科学省出身の方を2008年、法施行以降に採用したのは何人で、その際、このように事前に接触があったことは、ありましたか。

守田:教員の採用としては、教授としては、ございません。

司会:次の方、いかがでしょうか。はい。前の。

TBSテレビ:TBSテレビのジョウジマと申します。すみません、2点あるんですけれども、第1回目の調査で、なぜ職員の方が文科省からの依頼に沿って答えられたのか。なぜ、これ、口裏合わせみたいなものを応じられたのか、その理由が1つと。もう1点、この違反行為に加担したということの責任の重みを、どういうふうに感じていらっしゃるのかお聞きしたいです。お願いいたします。

守田:当時の人事の管理職に対しまして、文科省のほうから、いわゆる再就職等規制委員会からの調査があるので、この調査は、いわゆる形式的な調査なので、こういう形でお答えいただければ、この調査は終わるので、ぜひこの内容に沿った供述をしてほしいというご依頼がございました。そういったことも含めて、担当官庁というか文科省からの、そういうご依頼もありましたので、いわゆる任意のヒアリングという形を最初、取りましたので、そういうことで、この内容でお答えしたいということでございました。
 ただ、要するに最初の供述はそういうことで、文科省の意向に沿った形で回答してしまいましたけれども、その後、同規制委員会のほうで、非常に慎重に検討されて、私どもの人事の担当者が、再度、証人として呼ばれたときには、やはり調査が相当進んでるということでございますという感じを受けましたので、私どもとしては、最初の総長のコメントにもございましたけど、本人が事の重大性を鑑みまして、自ら積極的に事実を述べるということで2回目以降、真実に沿って回答したものでございます。
 それから、なぜ違反行為になってしまったかということでございますが、先ほど、申し上げたとおり、文科省のほうから、このシナリオで形式的に答えれば、それで済むということで、最初そういうことでございましたが、今、申し述べましたとおり、事の重大性を鑑みたことで、こういう対応を取らせていただいたということで、われわれ、それ以降、規制委員会に対しては、全てお話をしてまいりました。

TBSテレビ:違反行為に関してなんですが、なぜというよりも、どういうふうに責任の重みを感じていらっしゃるかお聞かせください。

(以下略)


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フランスの日本人留学生行方不明事件のチリ人容疑者について語るアニータと14億円横領夫の出所

2017-01-20 01:10:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■安中市土地開発公社を舞台に発覚した地方自治体としては空前の51億円余りの巨額詐欺横領事件は、昨年末のクリスマスの日も、元職員タゴの尻拭いの和解金2000万円が、安中市・公社から群馬銀行に支払われました。今回が103年ローンの16回目の支払いで、あと87年間に亘り、87回の支払いが行われることになります。
 そうした中、2017年1月19日発売の週刊新潮に、最近メディアの関心の高いフランスにおける日本人留学生行方不明事件のチリ人容疑者が逃亡中のチリの事情を、青森県住宅供給公社を舞台にした14億円の巨額横領事件で一躍有名になったチリ人妻のアニータに取材した記事が掲載されました。

週刊新潮2017年1月26日号(同1月19日発売)

■まずは週刊新潮の記事をご覧ください。

**********週刊新潮2016年1月26日号(同年1月19日発売)



PDF ⇒ 20170119tv126.pdf
「アニータ」が語った「チリの事情」と「14億横領夫の出所」
==========
 日本一有名なチリ人といえばこの人だろう。夫が引き起こした「巨額横領事件」で日本中を敵に回したチリ人妻のアニータ・アルバラード(44)。筑波大生殺害容疑でチリ人の男が国際手配された今回の事件、そして横領夫の現在について彼女が語った内容とは――。
==========
 今回の事件については、報道されていることしか知らないけれど、全くひどい話ね。あってはならないこが起こってしまった……。
 ⇒そう語るアニータ・アルバラードの名が突如として日本で知られるようになったのは、2001年のことだった。青森県住宅供給公社(09年解散)に勤めていた夫の千田郁司氏(59)が14億円を横領したとして逮捕。アニータがそのうち8億円を貢がせ、母国チリにプール付きの豪邸を建てていたことが発覚したのだ。“もらったお金を返すつもりはない”――アニータはそう嘯(うそぶ)いたが、結局その後、豪邸は競売にかけられ、約7000万円が弁済にあてられた。この事件で日本中を敵に回した彼女は、なぜかチリでも一躍有名人となり、タレントデビュー。現在もテレビ番組やイベントの司会に引っ張りだこだという。無論、横領事件の関係者にとって、アニータは今も忌々しい存在であるに違いない。が、彼女が日本とチリ、双方の事情に通じているのも事実。フランスの大学に留学中だった筑波大生の黒崎愛海さん(21)を殺害したとの容疑でチリ国籍のニコラス・セベダ・コントレラス(26)が国際手配された今回の事件、彼女はどう見ているのか。
 ニコラスが犯人だという証拠がはっきり出たとしても、もしかしたら彼は逮捕されないかもしれないわね。残念ながらチリって未だにそういう国なのよね。一部の特権階級の人たちは、みんな裏で繋がっていて、本人や、その親族が何か悪事を働いたとしても、お互いにかばい合うの。
 今から2年前かしら、こんなことがあったわ。ある政治家の息子が、飲酒運転のあげく、人をはねてしまった。そして、はねられた人は亡くなってしまったのでも彼は、書類に署名をしただけで、お咎めなし。もちろん彼のお父さんもそのまま政治家を続けているわ。
⇒アニータヘのインタビューは、サンティアゴにある彼女の母親の自宅で行われた。そこは、ニコラスが住んでいた高級住宅地から車で30分ほどの距離にある低所得者の居住区域だった。
 容疑者のお父さんはチリで一番大きな携帯電話会社の幹部でしょう?超のつく富裕層よ。警察や政治家とも間違いなく繋がっている。どんな証拠が出てこようとも、チリの警察が彼を積極的にフランスの警察に引き渡すなんてことはないでしょうね。日本では信じられないかもしれないけれど、それがこの国の現実。
 でも、ラ・セレナにある彼のファミリーが住むマンションには、今も日本のマスコミが大勢押しかけて、張り込んでいるんでしょう?それが唯一の希望じゃないかしら。日本のマスコミがそうやってプレッシャーをかけ続ければ、いかに特権階級といえども、国としてきちんと対応しなければならないという空気になるでしょう。日本のマスコミが頑張っているうちに、何らかの決定的な証拠が見つかれば、逮捕の可能性も出てくるかもしれない。それは時間との戦いね。
 ⇒フランスの検察当局はニコラスを「極めて危険な人物」としており、ストーカーのように黒崎さんに付きまとっていた、との証言もある。また、昨年9月にはネット上に一方的に動画を公開、「代償を払え」などと彼女を脅迫していた
 チリ人の男って、本当に束縛してくるのよ。とにかく、付き合っている女性は自分のものだという感覚。それが勝手なことをしようものなら、カンカンに怒り出して、暴力を振るうこともある。私もそういう男と何度か付き合ったことがあるわ。その彼が知らない男、といっても単なる仕事関係の人、と会っただけで暴力を振るわれたこともあった。ただ、私は気が強い女だから、殴り返してやったけどね。でも大半の女性は、男のいいなりになってしまう。
 特に女を束縛したがるのは、富裕層の男よ。彼らは幼い頃から、お母さんにめいっぱい甘やかされて育っているから、とってもワガママなの。とにかく何でも、自分の思い通りにならないと気が済まない。自分が付き合っている女が、自分が知らない男と話すだけでも、激高するのよ。
 ニコラスなんて、まさにその典型じゃないかしら。報道を見ていると、行方不明になっている日本人の女の子は、賢くて、社交的で、活発な子だったんでしょう?フェイスブックにもたくさんの友達がいたんじゃないかしら。
 おそらくニコラスが知らない男とも、交流がいっぱいあったのでしょう。そういうことの一つ一つが、彼を怒らせたのよ。独占したくてしょうがなかったのよ。でも彼女は彼のお母さんじゃないもの、全部いいなりになんてならない。彼はそれがどうしても我慢できなかったのよ。
 付き合っているだけでそうなんだから、結婚したらもっとひどいわよ。基本的にチリでは、男が家計を仕切っているの。だから女が自分の好きなようにお金を使うことは許されない。例えば、友達とお茶に行きたいからお金を下さい、と頼んでも、その相手は誰だ、いつ帰ってくるのか、何を話すのか、と執拗に聞いてくるわけ。それで気に食わなければお金を渡さない。ね、ひどいでしょう?私、日本にいた時に驚いたのが、日本の女性たちって、奥さんどうしでカラオケに行ったりしているでしょう。ビックリしちゃったわよ。そんなことが許されるんだって。チリだったら絶対に許されないと思ったわ。

千田氏からの手紙の中身

 ⇒話が一段落したところで、アニータが“ねえ、あなたタバコ吸う?”と聞いてきた。頷くと、“じゃあ一緒に行きましょう”と言って灰皿があるテラスに案内された。
 実は今年の3月、久々に日本に行くのよ。何年ぶりかしら。彼(夫の千田氏)に会うために(山形)刑務所に行って以来だから、たぶん、10年ぶりかな。彼、去年、もう出所したのよ。去年、彼からもらった手紙にそう書いてあったわ。
 手紙のやり取りは、彼に会うために刑務所を訪れた時から始めたの。最初、会いに行ったら、なかなか会ってくれないのよ。何回か行ってようやく会えたけれど、彼はただ私に「すまなかった」と言うばかり。顔もやつれちゃって。でもその時に刑務所の住所を聞いたので、手紙を書いたの。そして、彼はお金がないから、返信用のスタンプ(切手)も同封したわ。
 それから1ヵ月くらいして、彼から返事が来た。日本語で書いてあるので、友達に訳してもらって。そこには、私に対する謝罪の言葉がたくさん並んでいたわ。それと、刑務所での仕事の話。いろんな小物を作っているんだ、という話とか。それから年にI回か2回、ずっとやり取りをしていたのよ。その手紙は大切にとってあるわ。
 去年、彼から来た手紙で出所したことを知ったけれど、そこには出所した後の住所が書かれていなかった。手紙には、どこか誰も知らない山奥でひっそりと1人で暮らす、ということが書いてあったの。そして今後、手紙は、まだ服役中の彼の友人宛に送ってくれれば、時々、刑務所まで受け取りに行くから、とも。
 それを読んでどうしても彼に会いたくなって、何とかして居場所を探そうと思っているのよ。とりあえず、彼がいた刑務所にまず行こうと思っているの。彼は出所した後も定期的に刑務所に来て、私が送った手紙が届いていないか確かめているわけだから、出発前に手紙を書いて、それが届く頃に刑務所を訪ねて、彼が取りに来るところを待ち構えるつもり。でも、日本には10日くらいしかいられないから、彼に会うのは難しいかもしれない。

チリで一緒に暮らしたい

 懲役14年という長い刑を受けた彼は、ついに罪を償って出所した。もう彼を責めることは誰にもできない。彼は堂々とこの後の人生を送っていいはずなのに、隠遁生活を決め込んでいる。それっておかしいじゃない? だから、私はどうしても彼に会いたいと思っているのよ。だって、まだ私たちは夫婦の関係のままだし、確かに彼は悪いことをしたけれど、貧乏な売春婦だった私の人生をすくい上げてくれたのは、他ならぬ彼なのよ。でも、手紙の感じだと、隠遁生活をしたいという彼の意思は固いみたい。だから、とにかく1度でいいから彼に会って、話だけでもしたいのよ。
 ⇒確かに、千田氏は長い服役期間を終えた。しかし、現在は青森県に引き継がれている約14億円の債権に対する弁済義務は一生ついて回る。今も妻の立場にあるアニータは、本来、夫と協力して弁済の努力をすべきだが、彼女が口にしたのは、事件発覚当初と同様の主張だった。
 あの事件のことは、未だに、本当にビックリしている。ただそれだけです。私はお金持ちと結婚したと思っていた。ところが、彼はお金持ちではなく、そのお金は横領したものだった。そして、逮捕されてしまった。チリに帰っていた私のところにまで関係者がやってきて、ハーバード大出身の弁護士を雇い、私からも何とかお金を取ろうとした。でも結局、大したお金は取れなかった。弁護士費用が莫大にかかったと聞いているわ。バカみたいな話よ。
 今の私の仕事は、テレビ出演はたまにで、メインでこなしているのは司会業。自分で言うのもなんだけど、結構人気があるのよ。仕事の発注元が私に求めるのは、ちょっと変なことを言うおバカなキャラクター。例えば、父の日のイベントに司会で呼ばれた時には、第一声で、「今日は父の日ですが、ここに集まったお父さん方、みんな浮気していますからね!」なんて言うと、会場が大盛り上がりになるのよ。みんな私に、そんなおバカな毒舌ギャラを求めているの。そういう仕事だけで、十分に暮らせるわ。
 プライベートでは、カナダ人地理学者のパートナー、そして、9人の子どもがいるわ。長男は養子だけど、その下は全員私が産んだのよ。パートナーは今の人が6人目。みんな外国人よ。できれば私は日本で彼を説得して、チリで一緒に暮らしたいと思っている。そして、私の9人の子どもたちを見守っていて欲しい。最後まで一緒に暮らしたい。心からそう思っているの。
 彼がチリに移住してきたら、今のパートナーが嫉妬するんじゃないかって?それはないわ。だって彼はカナダ人だもの。嫉妬深いチリ人とは違うから。
**********

■14億5900万円の横領額だった青森県のアニータ事件と51億1250万円の横領額の安中市のタゴ事件とでは、事件の規模が違いすぎますが、同じ職場に長期にわたって配置していたなど、2つの事件には共通性もあります。これらについては当会でも検証してきましたので、次のブログをご覧ください。
○2008年4月16日:アニータ事件とタゴ事件、こんなに違う責任追及のやり方
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/223.html#readmore
○2008年4月19日:アニータ事件とタゴ事件、比べてみるとわかる共通性と特異性
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/226.html#readmore

■ところで、週刊新潮の記事にもあるとおり、青森県住宅供給公社の元経理担当(当時44歳)は2002年12月12日に懲役14年の判決を受け服役中でしたが、計算上から言えば2016年に出所したことになります。

 一説には山形刑務所を出所後、神奈川県にいるという未確認情報もありますが、アニータに手紙でしたためたように、丹沢の山地で隠遁生活を送っているのでしょうか。

 一方、安中市土地開発公社51億円事件では、元職員タゴは既にとっくに出所して、現在は高崎市内の安中市側に近い場所に住んでいるという未確認情報があります。アニータ事件と異なり、安中のタゴ51億円事件の場合は、14億3445万円という莫大な使途不明金があります。

 しかし、このカネは既に元職員とその取り巻き連中で山分けされてしまったことでしょう。にもかかわらず、前述のとおり安中市民は子々孫々に亘りあと87年間、支払う血税から毎年2000万円ずつ群馬銀行に支払わなくてはならないのです。

【ひらく会情報部】

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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・環境アセス不要の根拠文書不存在訴訟の1.18第1回弁論の様子

2017-01-19 00:04:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■群馬県環境影響評価条例では、「第三章 第一種事業に係る環境影響評価に関する手続等」の「第一節 第一種事業に係る方法書の作成等」の第5条(第一種事業方法書の作成)」、「事業者は、第一種事業に係る環境影響評価を行う方法(調査、予測及び評価に係るものに限る。)について、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した環 境影響評価方法書(以下「第一種事業方法書」という。)を作成しなければならない」と定めています。

 ここでいう「第1種事業の規模要件」については、別表第1に「6 工場又は事業場の新設又は増設の事業」として、「排出ガス量(温度が零度で圧力が1気圧の状態に換算した1時間当たりの湿り排出ガスの最大量をいう。以下同じ。)が4万立方メートル以上」とされており、条例により、事業者には環境影響評価方法書の作成が義務付けられています。そして、事業者から送付された環境影響評価方法書は群馬県により公告、縦覧され、県民は意見書を提出することができることになっています。

 ところが、東電グループでも最大の関電工らが計画している前橋バイオマス発電施設では、排ガス量が4万ノルマル㎥を超えるにもかかわらず、条例に基づく環境影響評価方法書の作成が為されていません。関電工の説明では、群馬県との協議により、特例扱いとされたことになっています。

 そのため、当会ではなぜ群馬県が関電工に対して「特例」措置を行ったのか、その経緯を徹底追及するため、情報開示請求を行いましたが、不存在という理由で一切開示されませんでした。

 ところがその後、当会の調査で、実際には水分20%として排ガス量を計算してもよいという起案が群馬県の環境行政内部文書として存在することが判明したのです。そこで当会は2016年11月4日に不存在決定処分の取消を求めて提訴しました。その第1回口頭弁論期日が、2017年1月18日(水)午前10時30分から前橋地裁の第21号法廷で開催されました。以下にその時の模様を報告します。

 これまでの経緯は次のブログをご覧ください。
〇2016年11月6日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・環境影響評価条例を歪めた証拠文書不存在でオンブズが県を提訴
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2155.html
〇2016年12月12日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・環境アセス不要の根拠文書不存在訴訟で地裁から補正指示
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2184.html
〇2017年1月15日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・環境アセス不要の根拠文書不存在訴訟で被告群馬県から答弁書
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2208.html

■1月18日は快晴に恵まれました。前橋地方裁判所には9時40分に到着し、1階のロビーに掲げてある「本日の開廷表」を見ると次のように民事裁判の今日のスケジュールが記されていました。ご覧のとおり、この日は当会の副代表が提訴している「群馬県議会議長公用車の目的外使用」にかかる損害賠償請求事件」も一緒の時間に開廷されることになっています。

**********
第21号法廷(本館2階)開廷表
平成29年1月18日 水曜日
●開始/終了/予定 10:30 弁論
〇事件番号/事件名 平成28年(ワ)第390号 損害賠償請求事件
〇当事者 山内貴文 医療法人宏仁会
〇代理人 石井匠太郎 横堀太郎
〇担当 民事第1部合議係
    裁判長 塩田直哉
    裁判官 後藤英時郎
    裁判官 佐藤秀海
    書記官 本多光浩
●開始/終了/予定 10:30 弁論
〇事件番号/事件名 平成28年(ウ)第15号 議長公用車目的外使用損害賠償請求事件
〇当事者 大河原宗平 群馬県知事大澤正明
〇代理人  ―    関夕三郎
〇担当 民事第1部合議係
    裁判長 塩田直哉
    裁判官 後藤英時郎
    裁判官 佐藤秀海
    書記官 本多光浩

●開始/終了/予定 10:30 第1回弁論
〇事件番号/事件名 平成28年(ワ)第24号 公文書不存在決定処分取消請求事件
〇当事者 市民オンブズマン群馬 群馬県
〇代理人  ―         関夕三郎
〇担当 民事第1部合議係
    裁判長 塩田直哉
    裁判官 null
    裁判官 null
    書記官 本多光浩

●開始/終了/予定 13:45 弁論
〇事件番号/事件名 平成26年(ウ)第16号 群馬の森追悼碑設置期間行進不許可処分取消請求事件
〇当事者 「記憶反省そして友好」の追悼碑を守る会 群馬県
〇代理人 角田義一                紺正行
〇担当 民事第1部合議係
    裁判長 塩田直哉
    裁判官 後藤英時郎
    裁判官 佐藤秀海
    書記官 本多光浩
**********

 第1回口頭弁論は10時30分から開始されました。傍聴人は10数名ほど集まりました。書記官から「最初に24号の小川さんの事件からやります」と声がかかったため、原告2名で法廷内に入りました。被告側は例によって訴訟代理人の弁護士のほかにも、群馬県の環境政策課から数名ぞろぞろと参加してきました。

 裁判長から、原告の方にむけて「訴状、訴状訂正申立てが出ている」と発言があり、原告として「陳述します」と答えました。

 次に、「原告が市民オンブズマン群馬となっているが、代表の小川さんですね?」と確認があったので「はい」と答えました。「本人確認となるものは持っていますか?」と聞かれたので、身分証明書として免許証を提出しました。裁判長らはしげしげと見ていましたがとくに異論等もなく、原告に返されました。

 続いて裁判長は、「被告から、排ガス量について4万ノルマル平方メートルとの指摘がされているが、4万ノルマル立方メートルなのか?」と原告に確認を求めてきました。そこで原告は「立方メートルと記載したつもりだが、もし平方メートルと表記されていたのであればそれは誤記なので、立方メートルに訂正します」と答えました。

 さらに裁判長から原告に向けて「被告の方から1月10日付で答弁書が提出されている。この内容は法のアセスメントなのか、条例のアセスメントかということ。法律のアセスメントのほうは、第1種と第2種があり、事業の内容と規模の大きさで区別されている。本件事業は規模で言うと法律のアセスメントではなく条例のアセスメントの問題になる。条例だと事業者自身に判断してもらう基準を示しているだけで、自治体の方で判定はしないから、それに関係する書類は作らないというのが、被告の主張になるわけだ」と、答弁書の内容を要約する発言がありました。

 そして「証拠の方だが、原告から甲1から3号証がいずれも写しで提出されている。それから今回、4号証と、5号証。これが代理権限に関するものですね?」と裁判長が原告らにあらためて訊ねたので。原告は「そうです」と答えました。

 また「4号証も5号証も写し?」と裁判長に聞かれた原告は「写しです」ときっぱり答えました。

 すると裁判長は「写しの4号証だと、第6条に役員の任期は1年だとなっている。5号証だと、2015年10月17日に代表を選任している。本事件の訴状は27年11月4日だから単純に言えば、その時点では1年間の選任された任期は経過している。ここはどういうふうに解釈するのか?」と原告の当会代表に詰問してきました。

 原告は「実は、市民オンブズマン群馬の規約を前回の総会で改正して、カレンダー年度に変更しました。それは参加者の動議によるもので、総会の場でそのように承認されました。つまり、来る1月20日、第3土曜日の午後2時から当会の事務局の前橋市内で例会を開催していますが、その時に改めて役員の選任について議題を上程することになっています。つまり、前回までは今言ったように当会の設立時は8月から9月頃だったのですが、このためどうも中途半端ではないか、ということで動議があり、カレンダー年度にするということで規約を改正しています。私の任期は、1月21日午後2時から始められる定例会兼総会で、このことを会員の皆様に諮る予定です」と答えました。

 裁判長は続けて、「甲5号証の16行目に『当会の会計年度だが、長らく発足当初の8月としていたが、カレンダーの1年と合わせて12月を年度末とすることとした。以上、参加者全員の賛同で承認された』と記されているが、このことを言っているのか? 一方、甲4号証を見ると第7条の2項で『会計年度は毎年1月1日から12月31日までとする』とあるが、これは改正前なのか? そうであるとすると会計年度と任期が一致するように2015年10月17日に決議して承認したので、本当は平成28年12月末で小川さんの任期が切れることになるのだけれども、次の総会まで代表の選任の決議がされていないので、形式上、今度の総会まで小川さんが代表として活動しているということの理解でよろしいか?」と念押しを原告にしてきました。原告のひとりである当会代表は「そのとおりです」とはっきりと答えました。

 裁判長は被告の方を向いて「被告の方はこれでよろしいかね?」と確認を求めたところ、被告の訴訟代理人の弁護士は「はい」と答えていました。

 そして裁判長は「小川さんね、被告の答弁書を読んだと思うが、本件事業は法のアセスメントには該当せずに条例のアセスメントに該当する。そうすると文書は作られないという主張が被告から出てきた。これに対する反論があると思うので、この準備をしていただく。基本的には被告の方には、文書がないという主張だ」と原告に向かって訴訟指揮をしました。

 原告は、裁判長が「反論があると思うので・・・」と言うのを聞いて、思わず「ええ、反論は山ほどあります」と声を大きく発言しました。また、裁判長が「被告のほうには文書がないという主張だ」と念押しをしたことから、原告は「全く文書がないということで承っているので、反論します」と明言しました。

 裁判長から「どのくらいの期間が必要か?」と聞かれた原告は「1ヶ月あれば十分対応できます」と答えました。すると裁判長は「代表が誰になるかまだ分からないよね?」というので、原告は「新代表に他のメンバーがなった場合には、この件を引き継いでもらいます」と返事をしました。

 その上で裁判長は、「すると原告には、2月17日までに書面を出してもらいたい。次回期日は3月1日(水)午前10時30分でいかがか?」というので、原告らは「異存ありません」と言いましたが、被告の訴訟代理人は「差支えます」と述べました。

 そのため、裁判長は、「そうすると、3月8日(水)午前10時30分ではどうか?」というので。原告らは「異存ありません」と言いました。ところが被告訴訟代理人はまたもや「差支えます」と言いました。

 裁判長は「では3月15日(水)午前10時30分。大丈夫か?」というので、原告らは「大丈夫です」というと、ようやく被告訴訟代理人も「はい」と言いました。

 それを聞くと裁判長は「ではこれにて準備粗するように」と言って、次の県議会議長公用車目的外使用事件の裁判に映りました。

■以上のように、約9分間でこの事件の第1回口頭弁論期日が終了しました。副代表による県議会議長公用車目的外資料事件とともに、裁判終了後、傍聴者らととともに説明会を行いました。

 このように、行政の根幹である情報開示において、行政がウソをつくという今回の事件の真相究明と責任の所在の明確化を、裁判を通じて明らかにし、再発防止につなげてまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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公金で損賠金が支払われ不起訴になった体罰教諭に係る住民監査請求で安中市監査委員から陳述等案内通知届く

2017-01-18 22:22:00 | 安中市の行政問題
■2015年11月に安中市内の小学校で発生した体罰事件について検証した結果、2016年10月7日付で前橋地検から不起訴処分となった際に、同地検が「証拠を精査し、市側が賠償金を支払ったことも考慮した」と不起訴処分についてコメントしたとされる件で、当会は、公金での損害賠償金の支払いが妥当かどうか、1月6日付で住民監査請求を安中市監査委員に提出していましたが、このたび1月16日付で地方自治法第242条第6項に定める陳述の案内通知が、同17日に配達証明付き郵便で届けられました。どうやら当会の住民監査請求は問題なく受理された模様です。


 なお、この件の住民監査請求に至る背景及び経緯は、次のブログ記事を参照ください。
○2017年1月6日:学校での体罰に寛容な教育界・・・暴行罪適用でも損害賠償金を公金で払い起訴猶予となった安中市のケース
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2200.html#readmore

 では、さっそく、監査委員からの通知を見ていきましょう。

*****陳述案内通知*****PDF ⇒ 20170116qmijj.pdf

                         安監委発第1571号
                         平成29年1月16日

  請求人 小 川  賢 様

                   安中市監査委員 安藤忠善
                   安中市監査委員 齊藤盛久

  安中市職員措置請求書に係わる証拠の提出及び陳述について(通知)

 平成29年1月6日付けで提出のあった住民監査請求について地方自治法第242条第6項による陳述をお願いしたいので、下記のとおり御来庁くださいますよう通知いたします。
 なお、証拠の追加があれば当日提出していただきますが、証拠の提出及び陳述は、今回の請求の範囲に限定されますので念のため申し添えます。

                 記

1 日 時   平成29年 1月27日(金) 午前10時から11時まで
2 場 所   安中市役所2階監査委員室

  ※ 陳述の意思があるか24日(火)までに御回答ください。

       連絡先 安中市監査委員事務局 382-1111


*****取扱基準*****PDF ⇒ 20170116seuoqm.pdf

     住民監査請求に係る証拠の提出及び陳述等の取扱基準

                       平成26年2月26日制定
                            安中市監査委員

 地方自治法(昭和22年法律第67号)第242条第6項及び第7項の規定に基づく証拠の提出及び陳述の実施については、次のとおり行うものとする。

1 証拠の提出
(1)証拠の提出は、請求人の陳述が行われる日までに行うものとする。ただし、監査委員がやむを得ない事情があると認めたときは、この限りでない。
(2)提出する証拠は、請求の要旨に係る事実を証明する書面に限るものとする。
(3)証拠の提出は、郵送によることができる。

2 請求人の陳述
(1)陳述は、住民監査請求の受理を決定した後に、監査委員が日時及び会場を指定し、請求人又はその代理人に行わせるものとする。この場合において、代理人が陳述を行うときは、当該陳述が行われる日までに、監査委員に委任状を提出しなければならない。
(2)監査委員は、陳述を行おうとする請求人が複数の場合は、陳述をするもの(以下「陳述人」という。)の人数を制限することができる。この場合において、陳述を行う代表者は、請求人が選出するものとする。
(3)陳述は住民監査請求の要旨を補足する内容に限るものとする。
(4)陳述人は、監査委員の指示に従って陳述を行うものとする。
(5)陳述の時間は、陳述人の人数にかかわらず、おおむね1時間以内とする。

3 関係職員等の立ち会い
(1)監査委員は、請求人の陳述を行う場合において、必要があると認めるときは、関係のある市長そのほかの執行機関又は職員(以下「関係職員等」という。)を立ち会わせることができる。
(2)監査委員は、立ち会いをしようとする関係職員等が複数の場合は、立ち会いをするもの(以下F立会人)という。)の人数を制限することができる。
(3)立会人は、監査委員の指示に従わなければならない。
(4)監査委員は、立会人が陳述の内容に関する意見を述べることを認めることができる。
(5)監査委員は、立会人の立ち会いが陳述の円滑な運営に支障となると認めるときは、立会人の立ち会いを制限し、又は認めないことができる。
4 関係職員等の陳述の聴取
(1)監査委員は、必要に応じて、関係職員等の陳述の聴取を行うものとする。
(2)関係職員等の陳述の聴取は、監査委員が定める日時及び会場において行うものとする。
(3)関係職員等の陳述の聴取は、監査委員の指示に従って行うものとする。

5 請求人の立ち会い
(1)監査委員は、関係職員等の陳述の聴取を行う場合において、必要があると認めるときは請求人を立ち会わせる事ができる。
(2)請求人は、代理人による立ち会いを申し出るときは、当該立会いの日までに、監査委員に委任状を提出しなければならない。
(3)監査委員は、陳述の内容が個人情報、公にすることにより市の事業等の執行に支障を及ぼすおそれかおる情報等を含むと認められるときは、請求人の立ち会いを制限し、又は認めないことができる。
(4)3(2)から(4)までの事項は、請求人の立ち会いについて準用する。

5 陳述の中止等
(1)監査委員は、陳述(2に定める陳述及び4に定める陳述を言う。以下同じ。)の際、陳述人が監査委員の指示に従わず、円滑な運営が困難であると認められるときは、当該陳述を中止することができる。
(2)監査委員は、陳述の際、立会人が監査委員の指示に従わず、円滑な運営が困難であると認められるときは、当該立会人に退場を命ずることができる。

7 陳述の傍聴
(1)監査委員は、陳述の傍聴を認めることができる。ただし、監査委員は3(5)又は5(3)により立ち会いを制限し、又は認めないときそのほか監査委員が適当でないと認めるときは、傍聴を制限し、又は認めないことができる。
(2)監査委員は会場その他の都合により、傍聴するもの(以下「傍聴人」という。)の人数を制限することができる。
(3)監査委員は、陳述が行われる日、その会場において、先着順により、傍聴人を決定するものとする。
(4)傍聴人は、陳述の会場の受付において、所定の用紙にその住所及び氏名を記入しなければならない。

3 傍聴の禁止
 次のいずれかに該当するものについては、傍聴を認めないものとする。
(1)酒気を帯びていると認められる者
(2)危険物を携帯している者又は携帯していると思われる者
(3)プラカード、のぼり、旗そのほか陳述の会場に持ち込むことが不適当であると認める物品を携帯している者
(4)はち巻、たすき、腕章、ヘルメット、ゼッケンの類を着用し、又は携帯している者
(5)ラジオ、拡声器、無線機(携帯電話機を除く。)、録音機、ビデオカメラ、写真機等を携帯している者(11により許可を受けている者を除く。)
(6)(1)から(5)までに掲げる者のほか、陳述の円滑な運営を妨げるおそれのある者

9 傍聴人の守るべき事項
 傍聴人は、監査委員の指示に従い、静粛を旨とし次の事項を遵守しなければならない。
(1)陳述に対して、拍手そのほかの方法により、賛否を表明しないこと。
(2)放歌、談笑そのほか騒がしい行為をしないこと。
(3)携帯電話は、電源を切るか、又は音が出ないように設定すること。
(4)所定の傍聴席以外の場所に立ち入らないこと。
(5)喫煙又は飲食をしないこと。
(6)監査委員の指示に反する行為をしないこと。
(7)(1)から(6)までに掲げるもののほか、陳述の会場の秩序を乱し、又は陳述の妨害となるような行為をしないこと。

10 傍聴人の退場
 監査委員は、次のいずれかに該当するときは、傍聴人に退場を命ずることができる。
(1)陳述の内容から傍聴にふさわしくないと監査委員が判断したとき。
(2)傍聴人が9に定める事項に違反したとき。

11 陳述の録音
 陳述の写真並びにビデオ等による撮影及び録音(監査委員事務局の職員が職務として行うものを除く。)は、認めない。ただし、あらかじめ監査委員の許可を得たときは、陳述の開始前に限り撮影及び録音を認めるものとする。

12 その他
 この取り扱い基準に定めのない事項については、監査委員が協議して定める。
**********

■請求人による陳述予定日時は2017年1月27日(金)午前10時から約1時間となっています。実際に出席して陳述をするのか、あるいは事前に文書を送ることによる書面陳述によるのか、もしくは、本件が極めて分かりやすい事案であり、陳述したいことはほぼ職員措置請求書(=住民監査請求書)に網羅していることから陳述不要とするのか、については当日の都合を調整してみないと何とも言えませんが、関係職員等の陳述の聴取を受けるようにするためにも、なんらかの陳述を行うことが有意義だと考えています。

【ひらく会事務局】

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