市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

安中市民6500名の署名を踏みにじり、安中市に引導を渡した前橋地裁が産廃業者に認めた権利とは一体何?

2017-01-05 23:28:00 | 全国のサンパイ業者が注目!
■2016年9月30日から同11月18日にかけて地元報道紙面に掲載されたニュース記事は、安中市民を驚愕させました。

2018年10月18日東京新聞群馬版記事。


2018年11月18日読売新聞群馬版記事。

**********毎日新聞2016年9月30日群馬版
産廃施設開発許可訴訟 産廃不同意取り消し命令 道路管理の裁量逸脱 安中市に地裁 /群馬
 安中市郷原で計画している産業廃棄物の中間処理施設について、市が開発許可に不同意とした処分は違法だとして、リサイクル施設業者が取り消しなどを求めた民事訴訟で、前橋地裁(塩田直也裁判長)は28日、「市の道路管理者としての裁量を超越している」として、不同意処分を取り消すよう命じた。
 訴えたのは「共和化工」(東京都)。判決によると、下水汚泥や動物のふんなどをリサイクルし、肥料を製造する産廃施設の建設を計画している。開発には、都市計画法に基づき、周辺の道路を管理する市の同意が必要で、2010年5月に許可を申請していた。市は14年8月、地元住民6481人分の反対署名が提出されたことや、騒音や悪臭、ちりの被害が危惧されることなどを理由に、不同意処分とした。
 しかし、判決は「市側の主張のほとんどは道路管理と関係がなく、市には同意を拒否できる理由はない」と判断した。
 一方、共和化工が、不同意で操業が遅れたことで求めていた損害賠償については、「将来の利益が得られなくなったとは言えない」として棄却した。
 共和化工の代理人は「基本的な主張は認められたと受け止めている」とコメントした。安中市は「判決文を精査して、今後の対応を決める」とコメントした。【杉直樹】

**********毎日新聞2016年10月15日群馬版
産廃施設開発許可訴訟 ともに控訴せず 安中 /群馬
 安中市郷原で計画されている産業廃棄物中間処理施設の開発許可を巡り、市に不同意処分の取り消しを命じた前橋地裁の判決について、被告の安中市、原告の共和化工(東京都)とも期限の14日までに控訴しないことを決めた。
 安中市は「控訴しても市の主張が認められる可能性は低い。6000人以上の反対署名を重く受け止め、住民ととともに地域の環境作りに取り組む」とコメント。共和化工の代理人は「判決が確定するまでコメントは控える」としている。
 判決は、市が、地元住民の反対署名が提出されたことなどを理由に2014年8月に出した不同意処分を裁量権の逸脱で違法とした。一方、原告が求めた損害賠償は棄却した。【杉直樹、増田勝彦】
**********

■安中市は東邦亜鉛によるカドミウム公害で全国に名を知られた自治体です。安中公害は、裁判上では和解になりましたが、工場周辺の畑地や山林、住宅地は高濃度の重金属汚染を受けたままで、現在もなお、40年前に比べれば減ったとはいえ、降下煤塵中に含まれるカドミウムや亜鉛、鉛、ヒ素、水銀による重金属の土壌汚染が続いており、周辺で収穫される農作物には1ppmを超えるカドミウムが含まれています。

 東邦亜鉛は戦時中稼働開始しましたが、当時、反対する地元住民に対して、「兵隊さんの命を守るヘルメットの材料となる高度鋼を作る工場だ」とウソを言ってこの地に進出してきました。

 いったん進出してしまえば、あとはがん細胞のように増殖し、工場から周辺に排出された亜硫酸ガスや重金属を含んだ煤塵や排水は周辺の生活環境・営農環境・自然環境を壊滅させ、生活できなくなった住民から二束三文で土地を奪い、いまや55ヘクタールもの広大な土地を所有する一大製錬工場に肥大化してしまいました。その動きは今も止まりません。

■これと同様に、共和化工によるリサイクル施設の設置計画を耳にした周辺住民は敏感に反応しました。この施設が本当に周辺の生活・営農・自然環境に対してリスクを及ぼさないのかどうか、はっきりと確信するに至らなかったからです。こうした地元住民が署名活動を展開し、たちまち6481名もの反対署名が集まり、安中市長に提出されたのでした。

 そして、その声を受けてこの地域の行政権を有する安中市は、この施設の周辺の道路の管理する立場から、サンパイ業者から求められたサンパイ中間処理設置計画の同意書の発出を当然ながら拒みました。安中市には市民の生活と財産と健康を守る義務があるからです。

 業を煮やした業者は、顧問弁護士を使って法廷にこの問題を持ち込み、安中市に損害賠償請求をしかけてきたのでした。そして、それから2年が経過し、前橋地裁はなんと行政側を敗訴させたのです。

■この仰天ニュースを聞いた当会は、今回の裁判がどのような経緯で提起されたのか、どのような観点から業者との間で争点が議論されたのか、そして、なぜ行政が敗北させられたのかをきちんと検証しておく必要があると考えました。なぜなら、この種の裁判で行政が敗北するとそのニュースは直ちに全国のサンパイ業者の知るところとなるためです。

 なぜ裁判所は業者を勝たせたのか、なぜ安中市は行政権を死守できなかったのか、それらのことをきちんと検証するために、当会では2016年11月22日付で次の内容の行政文書開示請求書を安中市長あてに提出しました。

*****行政文書開示請求書*****
安中市情報公開条例第6条第1項の規定により、次のとおり行政文書の開示を請求します。
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
2016年10月18日の東京新聞群馬版の報道によれば「産廃、一転同意へ 安中の中間処理施設建設問題 市が議会前胸に報告」と題して「市はこれまでの方針を変更し、設置業者の開発の協議・同意の申請に対し同意する方針を決め、17日の市議会全員協議会で報告した。近く地元住民説明会を開く」とあります。これに関連して、次のことがわかる情報。
(1) 9月28日の前橋地裁の判決文の内容
(2) 10月17日の全員協議会での市の報告内容
(3) 設置業者による処分取消しなどを求めた訴状の内容
(4) それに対する市の答弁書の内容
(5) 口頭弁論期日開始後から判決受入までの、原告と被告の間で交わされた準備書面および 証拠説明書の内容など、係争の攻防の推移が判る情報
(6) 10月14日までに控訴をしないことを決めた理由と経緯が判る情報
(7) 設置業者が市に出した開発の協議・同意の申請の内容
(8) それに対して市が出した不同意処分の内容
(9) 11月8日付の同意書の内容
(10) この産廃中間処理施設建設を巡り住民から出された意見書、陳情書、請願書、要望書の類
<開示の実施方法>
① 閲覧   ② 写しの交付(□郵送希望)   3 視聴
(希望する公開の実施方法の番号を○で囲んでください。)

**********

■この結果、2016年12月2日までに次の決定通知書が安中市長から発出されました。

①平成28年11月29日付行政文書開示決定等期間延長通知書:事務担当課「建設部都市整備課
PDF ⇒ 20161129sjmissj.pdf

②平成28年11月30日付行政文書部分開示決定通知書:事務担当課「総務部秘書課
PDF ⇒ 20161130sjmij.pdf

③平成28年12月2日付行政文書部分開示決定通知書:事務担当課「総務部行政課
PDF ⇒ 20161202sjmisj.pdf

 このうち、②と③について、2016年12月26日(月)午前8時30分から安中市役所行政課で請求した情報の部分開示を受けました。

 部分開示された情報は次のとおりです。

●行政課:平成22年9月3日決裁「共和化工(株)産業廃棄物中間処理施設設置反対署名簿について」
PDF ⇒ 20161227ahjr.pdf

●行政課:平成23年2月7日付「要請書(産業廃棄物中間処理施設建設計画中止の要請について)」
PDF ⇒ 20161227ahjq.pdf

●秘書課:平成23年12月20日決裁「要望書(産業廃棄物中間処理施設の建設に伴い協定書締結について)」
PDF ⇒ 20161227ahjs.pdf

●行政課:平成24年2月14日決裁「陳情書の提出について―共和化工(株)産業廃棄物中間処理施設の事前協議終了の撤回について―」
PDF ⇒ 20161227ahjp.pdf

■これらの資料を見ると、次のことが分かります。

○平成20年10月6日
 この日、原市地区第6区、第7区および松井田町大日向区の代表区長3名が、岡田義弘安中市長(当時)に面会し、同日付「共和化工(株)産業廃棄物中間処理施設設置反対署名簿」6481名分を提出しました。
 この中で、関係地域住民の皆さんは、群馬県西部県民局高崎環境森林事務所長宛に、次の意見を申し立てたことを市長に報告しました。
<生活環境保全上の見地からの意見>
1.地元説明会(平成20年9月13日開催)によれば、この施設は中間処理による堆肥化を行う工程のみであり、廃棄物の収集運搬は他の収集運搬業者に委託となているので、運搬業者のモラルに拠る面が多く、生活環境保全上の管理が行き届かない懸念がある。
2.搬出入経路のうち、県道は狭い上に歩道もなく通学路でもある。学童・高齢者が日常的に通る道でもあり、現在でも大型車が頻繁に通っている上に、更に加えて1日40台ほどの大型車が通行することに恐怖を感じ、交通災害につながる懸念がある。
3.施設から発生する臭気・振動・騒音に関しては、定性的な説明のみで、実際に稼働した時点で環境基準を超えた場合、生活環境保全上の問題が懸念される。
4.安中市としては平成14年3月13日、市の基本方針として産業廃棄物の中間処理施設の設置は、これを認めないと決議している。事前協議書の閲覧、及びこの度の地元説明会の内容からは安中市の基本方針を覆してまで当施設を設置することには、大方の関係地域住民は反対の意向である。我々地域住民代表としては住民の意向を踏まえて、これらの施設の設置には同意できないとの結論である。  以上

 なおこの時、上記のとおり、この反対署名簿の宛先は群馬県西部県民局高崎環境森林事務所長とされており、岡田市長(当時)については宛先としては記載されていませんでした。岡田市長はこの時、この反対署名簿を環境推進課で保管するように指示したようです。但し、今回の開示資料にはこの経緯を示す行政文書は含まれていませんでした。

○平成22年9月3日
 その後、共和化工のサンパイ中間施設の計画手続きが一向に止まらないのを懸念した原市地区第6区、第7区および松井田町大日向区の代表区長3名が、再び岡田義弘安中市長(当時)に面談し、平成20年10月6日付「共和化工(株)産業廃棄物中間処理施設設置反対署名簿」6481名分の写しとともに、「2年前に提出したこの反対署名簿には、提出時点で宛先として岡田市長(当時)の記載がなかったものの、共和化工(株)が郷原に建設を予定しているサンパイ中間処理施設に対する設置反対の地元住民としての強い意志表示として、岡田市長に提出したものであること、そして、市のサンパイ処理施設設置に係る基本方針(新規サンパイ処理施設建設を認めないこと)に従った内容であること」を記した文書を岡田市長に提出しました。

○平成23年2月7日
 この日付で、吉岡完司・安中市議、池田泰弘・原市地区代表区長、針ヶ谷忠・原市地区第6区区長、悪澤文雄・原市地区第7区区長、茂木弘道・九十九地区大日向区区長及び当該区の区長代理9名が、群馬県森林環境部の遠藤一誠部長宛(他に環境森林部の笛田浩行課長、岩井均・県議、茂木英子・県議宛)に、次の内容の要請書が提出されました。
<産業廃棄物中間処理施設建設計画中止の要請について>
 日頃は安中市の行政に対し、ご高配を賜り、有り難く御礼申し上げます。
 さて、平成17年12月7日に、共和化工㈱より産業廃棄物中間処理施設の事前協議の申請があり、その後、設置許可手続きの流れに沿って、協議が進み、ここへきて、事前協議の最終段階に至り、聞くところによりますと「事前協議に関する規定」第22条の合意書の取得が済んだとの事であります。
 先般、「事前協議に関する規定」第14条の規定により、群馬県から、住民の意見書の提出を求められ、6,481人の住民がこの施設の設置に反対して、強く反対の意思表示をしており、地域を代表する私どもといたしましては、既に、平成20年10月6日に、群馬県支部県民局高崎環境森林事務所長宛に、別添の住民の意見書を提出し反対の意向をお伝えしてあり、現在に至ってもこの産業廃棄物中間処理施設に対する「設置反対の住民の強い意思表示」は変わっておりません。どうか私どもの、この共和化工㈱の産業廃棄物中間処理施設の設置に対しての「設置反対の住民の強い意思表示」に特段の御理解を頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。


○平成23年12月19日
 原市地区代表区長及び九十九地区代表区長他4区長より、岡田義弘市長(当時)に対して要望書が提出されました。
 この中で、区長らは、次の要望をしました。
<産業廃棄物中間処理施設の建設に伴う協定書締結について>
 日頃、安中市の環境行政に、ご尽力戴きありがたく御礼申し上げます。
 さて、平成17年12月7日に、共和化工(株)が産業廃棄物中間処理施設を郷原に建設する申請を群馬県に提出し、地元説明会を平成20年9月13日に実施しました。説明会の中で会社は、廃棄物の収集運搬や臭気等の住民の質問に対して、曖昧な回答を繰り返し誠実な企業であると微塵も感じられませんでした。この説明会を受け地元住民は、生活環境の悪化への不安から、地元住民の意見として「建設反対」の意見書を県に提出し反対の意思表示を示し、さらには、地元の環境保全への危険感から6,481人の住民の反対署名を募り安中市長宛に提出しました。その後平成23年2月7日に群馬県庁に出向き建設計画中止の要請書を沿道環境森林部長に提出してまいりました。
 今般、安中市より群馬県からの平成23年11月30日付の「産業廃棄物中間処理施設の建設に伴う協定書の締結について(回答)」について資料提供を受け大変驚かされました。その文書の中で「地元地区住民が協定の締結を希望した」との記載がありますが、私たちは県に建設中止の要請を行いにいったものであり、協定書の締結を希望したものではありません。県の沿道環境森林部長との話の中で、仮定の話として、県側から「反対しても施設が出来た場合にはどう対応を考えているのか」との質問があったが、その質問自体でも中間処理施設を容認しようとしたものではないか、その話につられて例え話とされた中で最悪の場合を考えて協定が必要ではないかと話したに過ぎません。もしその言葉を件お都合よく勝手に解釈されたのでは、憤りさえ覚えます。私たちはあくまでも施設建設を反対し計画の撤回を希望するものであり大変遺憾であります。この点については県に対しても抗議の文書を提出する予定であります。このような状況を安中市長にご理解戴きたくよろしくお願いいたします。

 この地域住民の皆さんの要望書は、安中市役所の秘書行政課広報広聴係から環境推進課及び都市施設課に送られて処理が依頼されました。

○平成24年2月13日
 この日午後8時30分に、共和化工㈱が進める産業廃棄物中間処理施設の設置に反対する住民代表が、安中市役所環境推進課を訪れました。その際、反対住民の代表のかたが、平成24年2月16日に群馬県に提出する予定の群馬県知事あての陳情書の写しを、市民部環境推進課廃棄物対策係の職員に提出しました。
 この陳情書は、群馬県知事宛で紹介議員として、岩井均県議と茂木英子県議(当時)の名が連ねられており、内容は次のとおりでした。
<「共和化工㈱」産業廃棄物中間処理施設の事前協議終了の撤回について>
 平成23年12月21日付け「産業廃棄物中間処理施設の建設に伴う協定書締結について」の質問に対して、平成24年1月10日付け廃リ第400-143号にて回答いただきありがとうございました。
 今回の回答で、「地元が協定を希望した」ことに関しては、県の誤解を解きその点を撤回していただいた回答に関しては、反対運動を率先してきた住民代表として評価できます。我々地元住民は説明会での廃棄物の収集運搬や臭気等の質問に対する曖昧な回答から、生活環境の悪化への不安から、地元住民の意見として「建設反対」の意見書を県に提出し反対の意思を表明し、さらには、地元の環境保全への危険感から6,481人の住民の反対署名を募り安中市長宛に提出する行動を通して、当初より一貫して設置反対の意思表示をしているものであり、県が間違った理解をしたことは住民代表として不徳の致すところでありました。
 しかし、今回の回答で事前協議終了に当たり規程第23条の、各役所の受領か関係市町村長との協定書締結が絶対条件であると考えますが、もし地元が協定を希望したとの判断で、その点を付記しての事前協議を終了したものであれば、この撤回に伴い事前協議の第24条の収量も撤回すべきであると思いますが、県はどのような考えかお聞かせ願いたい。
 事前協議規程の真の目的は、「地域住民の廃棄物処理に対する不安・不信感の解消、周辺地域への適正な配慮」とありますが、今回の協議者「共和化工(株)」の合意書を折るための強引なやり方、他県同様施設の臭気の苦情等に関する対応の問題及び東日本大申請による下水道御伝統の肥料化の問題等、地元としては不安・不信感が募るばかりである。許可権者である県として、地元住民に対して十分な説明のないままに事前協議を終了させたことは、住民をないがしろにした上から目線の県の押しつけ行政そのものであり事前協議を行う意味がありません。また、問題を住民にすべて押しつけることでもあり断固として許せません。県による事前協議規程の適正な運用をお願いしたい。もしも、この事前協議終了の撤回をしないのであれば、一貫して施設建設を反対して住民は協定書の締結をするつもりはないので、許可をする県が許可権者の責任において地元住民の生活の安全・安心と環境保全のために、具体的な運搬車両の特定、運搬時間帯の設定、1日の運搬量、製品の保管場所や保管方法及び運搬経路等の法律では規制できない内容について協定書を協議者と結ぶべきであると考えるがいかがなものか伺いたい。
 なお、この件についての文章による回答を要求いたします。


■このように、地域住民のかたがたの切実な訴えにもかかわらず、群馬県はまともな対応をしないまま、どんどん手続きを進めてしまったことが分かります。結果的に住民が欲した群馬県からのきちんとした回答もないがしろにされてしまったようです。

 そして県民のことより業者のほうに加担する群馬県に代わって、住民の皆さんの安全・安心な生活環境を保全する責務のある安中市が、都市計画法による業者の開発行為に対して不同意としたことから、あろうことか共和化工(株)は、平成26年12月1日付で安中市を相手取って、同意の義務付けと損害賠償請求訴訟を提起したのでした。

 その結果、冒頭の報道記事のとおり、平成28年9月28日に前橋地裁が、安中市を敗訴とする判決を下したのでした。

■この判決を踏まえて、安中市は平成28年11月11日付で、地元原市及び九十九地区の住民に対して次の内容の文書を回覧板で伝えたのでした。

**********PDF ⇒ 2016122ahpdf.pdf

原市・九十九地区の皆様へ
      共和化工(株)と安中市の裁判について

 この裁判は、共和化工株式会社(以下「共和化工」といいます。)が産業廃棄物中間処理施設(リサイクル堆肥化工場)の設置を安中市郷原字向山地内に計画し、都市計画法による開発行為の嫌悪許可を得るため安中市に公共施設管理者としての同意・協議を求めましたが、安中市が不同意としてため、争いとなったものです。共和化工はこの不同意に対してその取り消しと、公共施設管理者の同意の義務付け、併せて損害賠償を求める訴訟を、前橋地方裁判所に平成26年12月1日付けで提訴しました。

 安中市として同意することができないとした主な理由ですが、中間処理施設が汚泥や動物のふん尿を処理するもので臭気、騒音、交通災害等に対する危惧から市民の皆様6481名分の計画反対署名が市に提出されており、市として大変重く受け止めていること、公共施設管理者として、悪臭や運搬車輛による騒音、粉じん等により、良好な道路環境の維持、適正な管理が困難であると思われ、地元の皆様に不利益をもたらす可能性が高いこと。また、共和化工による地元説明や被害防止策が不十分であることなどによるものです。

 裁判は平成27年2月18日に第1回口頭弁論が行われ、平成28年6月22日第9回口頭弁論をもって終結し、平成28年9月28日に判決がありました。
 判決内容は、安中市長の都市計画法第32条1項に基づく同意をしない旨の処分を取り消し、共和化工への同意が義務づけられました。また、共和化工が求めた損害賠償金2億7303万8917円の請求は棄却されました。

 判決では損害賠償については本市の主張が認められた一方で、同意については、公共施設の適切な管理を確保する観点で検討して判断されるもので、安中市が管理上において支障が生じるとした理由はいずれも同意を拒否する理由にならないとして、共和化工の請求の主要な部分が認められ本市にとって極めて厳しい結果となりました。

 市としては、悪臭、騒音、粉じん被害や大型車輛の通行による交通災害等を防止するためこの裁判で争って参りましたが、公共施設の適正な管理の確保という観点から、今後新たな主張や証拠の提出は困難な状況であることや仮に控訴した場合に再度損害賠償の請求リスクが発生することなどを総合的に検討した結果、本判決に対する酵素は行わない決定をいたしました。
 これにより判決が確定し、その判決に従い安中市から新たに都市計画法第32条1項に規定する同意書を共和加工宛に送付いたしました。

 今後の対応としては、公害防止のための協定書の締結に向けて共和化工と協議を行いながら地域の環境保全がはかれるよう地元の皆様と一緒になって対策に取り組んで参りたいと考えております。

 以上、ご報告いたします。

  平成28年11月11日
                    安中市長 茂 木 英 子

        問い合わせ:建設部 都市整備課 計画開発係
              TEL:027-382-1111(内線1211、1212)

※都市計画法第4条 (第1項から第13項、第15項及び第16項省略)
 14 この法律において「公共施設」とは、道路、公園その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。

※都市計画法第29条 (第2項、第3項省略)
 1 都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省例で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。

※都市計画法第32条
 1 開発行為を申請資料とする者は、あらかじめ開発行為に関係がある公共施設の関係者と協議し、その同意を得なければならない。
 2 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為又は開発行為に関する公示により設置される公共施設を管理することとなる者その他政令で定めるものと協議しなければならない。
 3 前二項に規定する公共施設の管理者または公共施設を管理することとなる者は、公共施設の適切な管理を確保する観点から、前二項の協議を行うものとする。
**********

■結果として、地域住民の皆さん6481名の願いが無断にも打ち砕かれて、利益重視のサンパイ業者の計画が裁判所によって支持されてしまいました。なぜ、住民の安全・安心な生活環境等を守る責務を有する行政を、司法が敗訴に追い込んだのか、その理由を分析することは、非常に重要な意味のあることだと考えた当会では、裁判資料の開示を安中市長に求めています。

 なぜなら当会では、サンパイ業者に敗訴した自治体ということで、安中市がサンパイ業界で知られてしまうことを非常に懸念しているからです。

 現在、安中市では業者の共和化工(株)に対して「住民から裁判資料の開示請求があったことについて、開示しても良いかどうか」を問い合わせているとのことです。業者が裁判資料の開示についてどのような態度をとるのかどうか、平成29年1月18日までに更なる期間延長となるのか、それとも条件付きで開示通知が到来するのか、或いは無条件での開示通知が出されるのか、注目されます。

【ひらく会情報部】

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