■学校での体罰は、いわゆるパワーハラスメントとしてアカデミックハラスメント(通称アカハラ)の一つと見なすことができます。群馬高専での例にもあるように、学校内でアカハラが発生した場合、内部で穏便に幕引きを図るケースが多くみられます。体罰についても、こうした傾向が強く働くようです。2015年11月に安中市内の小学校で発生した体罰事件について検証してみました。
公立学校における教育職員の懲戒処分等について文科省では毎年統計データを発表しています。
※懲戒処分等の状況一覧
PDF ⇒ i23nxj.pdf
※体罰に係る懲戒処分等の状況一覧
PDF ⇒ wi23nxj.pdf
これを見るとお分かりのとおり、懲戒処分の運用について、現状の体制ではマスコミが騒いだり、刑事や民事の訴訟にでも発展しない限りは体罰を振るった教師を懲戒処分(特に免職)にするのは難しいのが実態です。
■この事件に関するマスコミ報道を見てみましょう。
**********2016年1月6日毎日新聞
小6けが ぬれぎぬ判明 教師、謝罪せず 安中市 /群馬
安中市内の小学校で昨年11月、6年の男児が男性教師(56)から体罰を受けて負傷していたことが5日、市教委への取材でわかった。下級生に暴力をふるったと疑われて無実を訴える男児に、胸元をつかんで「本当のことを言え」と迫った教師は、ぬれぎぬと判明した後も謝罪しなかったという。【増田勝彦】
市教委によると、体罰があったのは昨年11月24日午後0時半ごろ。校内の廊下で男児の胸元をつかんで揺らしたり押したりし、男児は頭が壁か窓枠に当たったほか、床に倒れた。さらに教師は男児の胸元をつかんだ状態で押すようにして移動し、男児は再び床に倒れたという。男児は頭にこぶができ、あごや膝などの打撲、首と左指のねんざで全治10日と診断された。
この日の朝、3年生の保護者から「6年生にヘッドロックされ、教室のロッカーに頭を入れられた」と連絡があり、名指しされた別の児童を問いただしたところ、別の子がやったと主張して名前を挙げたため、男児を詰問したという。教師は校長の事情聴取に対し「男児の態度がはっきりしなかったため強く迫った。気持ちがあせり、感情的になっていた」と説明。男児は「していないと何回も言ったが、信じてもらえなかった。怖くて痛かった」と校長に話した。
教師は名指しされた児童の担任で学年主任。男児は別のクラスだった。教師が教室に戻って尋ねると、複数の児童が名指しされた児童の行為と証言し、この児童も事実を認めた。名指しされた児童には男児に謝らせたが、教師自身は謝罪しなかったという。
安中市教委の桑原幸正教育長は「教師の体罰についての認識が甘かった。当該校だけでなく、市内の全学校に注意喚起し、二度と起きないように努める」と語った。
**********2016年1月9日東京新聞
【群馬】安中・小学教諭の男児暴行 担任・学年主任から外す
安中市の市立小学校で昨年十一月、六年男児が男性教諭(56)から暴行を受けてけがをした問題で、市教育委員会は八日の市議会全員協議会(全協)で対応に問題があったことを認め陳謝した。同日夜、小学校は教諭が担任する学級の保護者会を開き、この教諭を学年主任と学級担任から外すと決めたと報告した。
全協の冒頭、桑原幸正教育長が「心から陳謝する」と謝罪した。
この問題では、市教委などの調査で、男児が下級生に暴力をふるったと疑った教諭が、男児が無実を訴えているのに暴行し男児は全治十日のけがをした。直後に別の男児が「自分がやった」と認め、ぬれぎぬだったことが判明した。市教委は教諭の暴行を体罰と判断している。
ある議員は「事実確認してから指導するのが当然。順序が違う」と指摘した。市教委は「児童への指導は複数の教員であたるよう(教員に)指導しているが、守られなかった」と学校側の対応の仕方も誤っていたことを認めた。
また、けがをした児童や保護者への事後の対応についても複数の議員が問題視。子どもの立場を考えて十分な心のケアをするよう求めた。市教委は同小に職員を派遣するとともに、スクールカウンセラーが対応するなどと説明した。教諭自身による男児らへの謝罪がないことについては「教諭に謝罪させる。市教委も訪問して正式に謝罪をしたい」とした。 (樋口聡)
**********2016/01/07 NHK News Web
群馬県安中市の小学校6年男子が、ぬれぎぬで男性教諭から体罰で怪我を
去年11月、安中市の小学校で6年生の男子児童が実際は暴力をふるっていないのに、下級生に暴力をふるったとして、男性教諭から床に倒されるなどしてけがをしていたことが分かりました。
安中市教育委員会によりますと、去年11月、市内の小学校に通う3年生の男子児童の保護者から「子どもが6年生に暴力をふるわれた」と連絡がありました。
6年生の学年主任の男性教諭(56)が確認したところ、6年生の男子児童の1人が別の男子児童を名指ししたことから、教諭は聞き取りを行いました。
しかし、名指しされた男子児童は身に覚えがなく、「やっていない」と否定したものの、男性教諭に体を揺さぶられたうえ、床に倒されるなどしてあごや首などを打撲したということです。
このあと、男子児童は関係なかったことが分かり、学校側の調べに対し男性教諭は、「感情的になった」と説明しているということです。
安中市学校教育課の樺沢雅弘課長は、「あってはならないことで、体罰への意識を改善するなど再発防止に努めたい」と話しています。
けがをした男子児童の保護者は警察に被害届を出していて、県の教育委員会も男性教諭の処分を検討しています。
**********2016.1.19 11:10産経新聞
勘違いで児童に体罰か、小学校教諭を書類送検
群馬県安中市で昨年11月、小学6年の男子児童に体罰をしたとして、安中署が傷害の疑いで同市の小学校に勤務する男性教諭(56)を書類送検したことが19日、前橋地検などへの取材で分かった。送検は15日付。
安中市教育委員会によると、男性教諭は11月24日昼、男子児童が下級生を教室に連れて行き頭をロッカーに入れるなど悪ふざけをしたと疑って、ゆすったり押したりした際、ひざや指などにけがをさせた。実際は別の男子児童が悪ふざけをしていたという。
**********2016年5月31日東京新聞
【群馬】安中の小学校教諭体罰事件 損害賠償50万円で和解
安中市内の市立小学校で昨年十一月、六年男児(当時)が男性教諭(56)から体罰による暴行を受けてけがをした事件で、市側が男児の保護者に損害賠償として五十万円を支払うことで和解したことが三十日、分かった。この日開かれた市議会全員協議会で市教育委員会が報告した。
市教委は四月の人事異動でこの教諭を学校現場から外し、市教委で勤務させていることも分かった。体罰問題を受けての措置だという。
この問題では男児の保護者と市側双方が弁護士をたてて協議が持たれ、十九日に和解書を取り交わした。
市教委は本紙の取材に「体罰があったことは事実であることや、児童や生徒への教育的配慮を優先すべきだとの判断をふまえ、裁判などをせずに早期に解決するためこの金額で和解することにした」と説明した。
市教委などの調査で、男児が下級生に暴力をふるったと疑った教諭が、男児が無実を訴えているのに暴行した。男児は全治十日のけがをした。直後に別の男児が「自分がやった」と認めたため、ぬれぎぬだったことが判明した。市教委は教諭の体罰と判断。県教委は二月に、男性教諭を戒告処分にしている。
安中署は二月に男性教諭を傷害の疑いで書類送検している。 (竹島勇)
**********
■こうした経緯を経て、2016年10月14日に東京新聞が報じた記事を見た当会では、この事件を検証するために、次の内容で安中市教育長宛に同10月17日付で行政文書開示請求を行いました。
*****行政文書開示請求書*****PDF ⇒ 20161014sjiswsj.pdf
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
2016年10月14日の東京新聞群馬版の報道によれば
「児童に体罰の元教諭 高崎区検が起訴猶予」
と題して
「高崎区検は12日までに、安中市の市立小で昨年11月、6年だった男子児童に体罰をしたとして、障害の疑いで書類送検された元教諭の男性(56)に暴行罪を適用した上で起訴猶予とした。7日付。前橋地検は『証拠を精査し、市側が賠償金を支払ったことも考慮した』としている。市教委によると、男性は児童が下級生に悪ふざけをしたと勘違いして暴行し、全治10日のけがを負わせた。安中署が書類送検し、5月に市側が児童の保護者に賠償金50万円を支払うことなどで和解した。」
とあります。
これに関連して、次のことがわかる情報。
(1)体罰を与えた経緯と勘違いの根拠。
(2)市側が児童の保護者に賠償金50万円を支払った過程と根拠。
(3)賠償金50万円の出所。
(4)体罰を行った教諭が元教諭になった過程と理由。
(5)賠償金50万円のうち、元教諭による負担の有無。有の場合、その金額と支払い時期と方法。
**********
この結果、次の3通の通知書が安中市教育長から届きました。
●平成28年10月24日付安教学発第2546号「行政文書開示決定通知書」
PDF ⇒ 20161024sjm.pdf
●平成28年10月24日付安教学発第2546号「行政文書部分開示決定通知書」
PDF ⇒ 20161024sjm.pdf
●平成28年10月24日付安教学発第2546号「行政文書不存在通知書」
PDF ⇒ 20161024ssm.pdf
●平成28年10月24日付「写しの一覧」
PDF ⇒ 20161024.pdf
そして2016年10月31日(月)午前8時半から安中市役所2階の総務部行政課内で当該情報の開示を受けました。開示された資料は次のとおりです。
*****体罰報告書*****PDF ⇒ 20151202e.pdf
平成27年12月2日
安中市教育委員会
教育長 桑原 幸正 様
安中市立安中小学校
校長 三浦 一彦
教職員による体罰調査書
本校職員が体罰を行つたので、下記のとおり調査結果を報告します。
記
1 体罰を行った教職員 教諭 ●●●● 〇男・女(56歳)
教職経験:33.8年 現在勤務校年数:6.8年
6年1組担任、6学年主任、小2、中専(保体)、高1(保体)
2 被害児童・生徒 6年2組 ■■■■ 〇男・女(12歳)
3 体罰の発生日時、場所 平成27年11月24日(火曜日)午後0時30分頃
西校舎1階3年3組教室前の水道付近の廊下 給食の準備時間
西校舎から東校舎までの通路
4 体罰及び負傷の程度 胸元を掴んで揺する等の有形力の行使による児童の負傷
左頬、左胸、左人差し指、右膝、首項部の打撲、頭部こぶ
5 体罰の原因と経緯
(1)当該教職員からの聴取内容の概要
・24日の朝3年担任から「担任している児童の保護者から家の子どもが6年生のAにヘッドロックをされて6年1組の教室に連れて行かれ、ロッカーに頭を入れられたと訴えている。」との相談が金曜日にあったと●●に話があり、8時15分頃、●●、3年担任、3年児童の3人で西校舎3階の算数教室に向かった。3年児童はAを見て、「この人にされた」と言った。●●はAを呼び事実確認をしたところ、Aは「自分はしていない。■■君がやった。」と主張した。それを聞いた●●は■■君を呼び、事実確認したが「やっていない。」と答えた。授業が始まるので、二人をいったん教室に戻した。●●は担任しているAに何度も確認したが、Aはその都度自分ではないと主張した。給食の準備時間になり、●●はAと■■君のニ人を呼び、1階3年教室前峰連れて行き、再度3年児童に確認してもらった。3年児童は、「Aにやられた」と言ったので、確認するとAは「自分ではない。」と言った。■■君にも確認したところ、はっきりしない態度だったので胸元を掴み、強い口調で本当のことを言うように迫った。胸元をもって押したり揺すったりしたため、■■君の後頭部が塾に当たり、転ばされた。立ち上がった■■君の胸元もって、再度胸元を数回付きながら本当のことを言うように迫った。その後、●●は■■君を通路の方へひきずりながら強引に連れて行った。連れて行く途中で■■君が転ばされた。●●はAと■■君の二人を連れ3階に戻り、6年1組で今回の出来事を聞くと、4、5人くらいの児童がAの行為を見たと言った。Aが当事者であることが分かったが、自分の口で言わせようと算数教室に連れていった。■■君は給食があるため2組の教室に戻したが、泣いていて給食が食べられないため中津瀬先生に付き添われて戻ってきた。Aはずっと泣いていたが、自分がやったと自らで話し始めた。■■君を疑った事への謝罪は、そのときはしていない。●●の中には、担任しているAの日常の行動に信頼を寄せていたため、■■君がやったのではないかという偏った見方があった。出来事の判断材料や児童への聞き方もたくさんあったが、当時は、気持ちばかりあせり感情的になっていたため、胸元を掴んだりする行為にでてしまった。
(申立と相違ないことを本人が確認)
(2)被害児童・生徒及び保護者からの聴取内容の概要
・朝教室で遊んでいたら、●●先生に肩をたたかれ、6年生のトイレの前に行った。そこには、A君と3年児童と木戸先生がいた。●●先生から「3年児童をヘッドロックして6年1組の教室に連れてきて、ロッカーに頭を入れたことはないか」聞かれた。普段から他のクラスに入らないように先生から言われていたし、自分はしていなので、「やってません。」というと●●先生はAにも聞いた。Aも「やってない。」と答えた。そんなやりとりが進む中で、Aが「■■が連れてきてロッカーに頭を入れた。」と先生に言った。僕は「やってない。」と言ったけど信じてもらえなかった。教室に戻り、授業を受けて20分休みにAに「何で僕がやったと言ったの」と聞いたけれど「持久走の練習中は、話してはだめ。」など言われて無視された。
給食準備の時間に●●先生から呼ばれAと一緒に算数教室へ行った。「どっちがやったんだ。」と聞かれたが二人とも「してない。」と答えた。●●先生に連れられて、1階の3年3組教室前の廊下に行った。3年児童を呼んで確認したが、朝と同じように「Aがやった。」と言った。Aは「してない。」と答え、僕も「してない。」と答えた。「本当はどうなんだ」言いながら●●先生に胸元を掴まれて揺すられ胸元を掴まれながら廊下の窓枠に何度も頭をぶつけられて頭に、こぶができた。転ばされて、左顎、左手、右膝を床に打ち付けた。立ち上がったらまた胸元を掴まれ「本当のことを言え。」と胸を3回くらい突かれ、そのまま通路へ連れていかれた。その途中でまた転び膝を打った。立ち上がったとき先生がいなかったので、3年教室前に戻った。●●先生が戻ってきて、Aと一緒に3階6年の算数教室の前に行った。●●先生が6年1組に入ってAが3年児童を連れてきたのを見た人がいるかどうか聞いた。廊下にいたので中の様与は分からなかった。後で友達に聞くと、見ていた子どもが大勢いたと聞いた。算数教室に入るとAはまだ泣いていた。2組の教室に戻されたが、中津瀬先生から、「■■君がやってないことを信じているよ」といわれ、泣き出してしまった。泣いていて給食が食べられないので中津瀬先生に付き添われて給食をもって算数教室に戻った。算数教室には、●●先生とAがいた。給食を食べているときAは泣きながら「自分がやった」と言った。●●先生がAに「■■君に謝れ」と言ってAは謝ったが、いいよとは言えなかった。僕は、「していない。」と何回も言ったのに信じてもらえず、●●先生に胸元を掴まれとでも怖かったし、痛かった。教室で誰がやったか聞いたあとも、「やってないか」と聞かれ、何で開かれるか分からなかったし、仲が良かったAに裏切られて悔しい気持ちです。(児童) (申立と相違ないことを本人が確認)
・仕事から家に戻ると子どもが泣いていた。理由を開くと、濡れ衣を着せられた。先生に怪我をさせられた。友達に裏切られた。という内容だった。詳しく聞けば聞くほど先生の対応に怒りを覚えた。24日6時10分頃学校に連絡を入れ事実を確認し、学校から家に説明に来たいとの連絡があったが受け入れられる状態では無かった。翌日午後6時に学校に叫向き、話を阿いたが●●先生の。説明には、何一つ納得できるものは無かった。自分の子どもに少しでも落ち度があれば、仕方がないとも思うが、何も落ち度はなく、あれほど「自分ではない」と主張しているのに、なぜ家の子どもの言葉を信じでもらえなかったのか、親として納得できず、怒りがこみ上げでくる。●●先生は自分のクラスの子どもだけ信じて、他は信じないという行為は教育者の立揚の人間が取るべき行動ではない。■■は、自分は何もしていないで何が起きているか分からず、すぐに返事ができなかったのだと思う。元気のある子どもならはっきり返事ができただろうが、名前の通り優しい友達思いの子なので、元気な子どもから比べたらそこではっきり言えるような子ではない。先生から怒られれば、どうしてよいかとまどってしまう気持ちの小さい人間です。本人が「やっていない」と子どもの言葉を信用してもらえず、■■の心理状態がどんなだったと思うとかわいそうでならない。今後、この事件が原因で先生に対して不信感が強く、これまで素直に育ててきたのに、●●先生に対する指導力に懸念を抱かずにはいられない。責任をとってもらうより仕方がない。●●先生の罪の大きさは、計り知れない。これから■■の心理状態がどうなってしまうか、●●先生のやったことは許されない。親として12年間素直に問題無く育ててきたのに、この事件でかなりショックと精神的にも大きな打撃を受け、人間恐怖感を味わわされ、大切な子ども時代を踏みにじられた。これからの人生、頭から離れることなく生活していかなくてはならない重圧に耐えて行かなくてはなりません。全くの被害者としてこの事件の重さを痛感して頂きたい。●●先生は、自分のストレスを子どもに向けているとしか思えない。学校で子ども心をケアという話をされたが、学校に●●先生がいること自体で子どもは怯えている。弟まで怯えている。最大のケアは子どもの前から●●先生が居なくなることだと思う。仕事をしていても、今日はまた●●先生に何か言われるのではないかと、毎日が不安でー杯である。何で何もしていない家の子どもや私たち親がこんな辛い思いをしなければならいのか。また、あれだけの行為をした先生が平気な顔をして学校に出てきているのか納得できない。県教育委員会及び市教育委員会には早急の対応をお願いしたい。(保護者:母)(申立と相違ないことを本人が確認)
(3)関係者からの聴取内容の概要
・給食の準備時間、●●が3年3組の廊下に■■君とAをつれてきて、3年児童を交えて再度事実確認をした。Aは「自分ではない」と明言したが、■■君は3年児童と面識がなく、なぜ自分が疑われているのか戸惑っているような表情でした。●●は「はっきり言え」といって胸元を掴み持ち上げたとき■■君か床に崩れ落ちたように見えた。●●は転んだ■■君の胸元を掴み立たせ、東校舎通路の方へ強引に連れていった。その後のことは見えなかったのでわからない。(3年3組担任)。
・3年生にヘッドロックをして6年教室に連れていったのは1週間か2週間前くらいだと思う。●●先生が怖くて正直に言えなかった。■■君にはいやな思いをさせたけど、嘘をついてしまい「本当は自分です」と言うともっと怒られると思い、言うことができなかった。親にも叱られ、本当の事を最初に言えば良かったと思っている。(A)
6 事後対応等
(1)学校の対応、
・保護者からの連絡を受け、24日に●●、中津瀬の両教諭から説明を受け、保護者宅へ連絡を入れ25日に来校していただく事で了解を得る。市教育委員会ヘ一報を入れ概略を説明する。
・25日に保護者に来校して頂き、校長、教頭、●●の3名で対応する。●●が■■君や弟へ対応する場合は保護者が立ち会う。学校での●●と■■君及び弟の接触を絶対に避ける。来年度●●が安小に残った場合弟の在籍学年に配置してほしくない。●●が来年度、安中地区にいないようにしてほしいとの要望を受ける。
・市教委と連絡を取り、指示を仰ぐ。校内で生徒指導にあたる香合、必ず二人体制で行うこと。事案の管理職への報告を必ずすること。生徒指導主任を機能させることを職員に再確詔させた。
・担任へは、■■君の様子をこれまで以上によく見るように指示した。市教委との協議から、管理職はこれまで以上に校内巡視を行うとともに、担任外、市の指導主事が校内巡視を行うようにした。
(2)その他
特になし
7 教職員に対する日常の指導状況等
・日常から事が起きてからの指導ではなく、起きないようにする指導について職員会議や朝会で確認している。また、体罰等について県の発行しているガイドラインを使い共通理解を図ってきた。学校の規模から、組織的な対応ができるように生徒指導主任が事案に関わり、管理職への報告・相談をするように努めてきている。職員の複数対応(プラス1)を進めているが、それが十分機能していなかった。
8 校長所見
・4月の赴任以来、子ども達が「分かった。できた。」と感じて帰宅できる学校にしようと職員に呼びかけ、これまで努めできた。指導にあたっても複数体制であたり、連絡・報告はするように指示してきたが、今回の事案が起きてしまい、児童やその保護者に大きな辛い思いをさせてしまったことに大変申し訳なく思っている。今回の事案については全て職員の落ち度であり、何の言い訳もできない。その落ち度は職員だけでなく、管理職の目配り、配り、職員の把握等の力のなさだと感じている。県教委、市教委の指導を仰ぎながら、■■君の不安を少しでも少なくするよう、また二度と同じ事案が起きないよう学校をあげて取り組んでいきたい。
9 その他
特になし
*****市議会全員協議会での報告*****PDF ⇒ 20160530sc.pdf
全員協議会次第
平成28年5月30日
委 員 会 室
1 開 会
2 事 件
(1)小学校教諭の体罰事案経過報告について
(2)平成28年度一般会計補正予算の専決処分について
3 閉 会
=====全員協議会資料(学校教育課)=====
小学校教諭の体罰事案経過報告について
2月 3日(水) 市に損害賠償請求の通知
・被害児童保護者の弁護士から「受任のご連絡」が届く。
高崎市八千代町1-19-5田中善信法律事務所担当弁護士木村仁美
・市長、副市長、教育長、教育部長、学校教育課長で相談し法制課長に弁護士の手配を依頼。
2月 5日(金) 市が弁護士に相談
・教育部長が弁護士に相談。
高崎市片岡町1-1-7弁護士采女英幸
2月12日(金)
・采女弁護士が木村弁護士に受任の連絡。
2月18日(木)
・教育部長、学校教育課長、法制課長で相談。
采女弁護士と木村弁護士との面談に向けて相談
2月24日(水)
・采女弁護士と木村弁護士との話し合いがもたれる。
木村弁護士より賠償金額の提示はなされなかった。
3月23日(水) 市に損害賠償額50万円の提示あり
・市長、副市長、教育長、教育部長、学校教育課長、市民部長(前法制課長)、采女弁護士で相談
損害賠償額50万円を了承。
和解書案に今後一切紛争が起こることのないよう条項を定める。
4月26日(火) 采女弁護士より和解書(案)を受領
5月 6日(金) 損害賠償額了承の連絡
・木村弁護士より采女弁護士に損害賠償額50万円で了承したと連絡があった。
・和解書案も了承。
5月19日(木) 和解書の取り交わし
*****起案用紙*****PDF ⇒ 20160519np.pdf
年度 平成28年度
文書種類 発
文書番号 安教学第772号
保存年限 10年
受付年月日 平成 年 月 日
保存期限 平成 39年 6月 1日
起案年月日 平成28年 5月19日
廃棄年度 平成39年度
決裁年月日 平成28年 5月19日
施行年月日 平成 年 月 日
分類番号 大8 中1 小2 簿冊番号11 分冊番号2
完・未完別
簿冊名称 教職員交通事故等
完結年月日 平成 年 月 日
分冊名称 体罰
公 開 開示 ○不開示 部分開示 存否応答拒否
起案者 教育部学校教育課 職名 課長 氏名 田島浩之 内線(2230)
決裁区分 市長
決裁 市長・茂木、副市長・茂木、教育長・桑原、部長・田村、課長・田島 公印・大谷5/19
関係部課合議 会計管理者・品川、秘書課長・-、行政課長・藤巻、財政課長・大塚、教委総務課長・杉山、教委総務課庶務係長・萩原
課内供覧 -
宛先 市議会議長 吉岡 完司
差出人 安中市長 茂木 英子
件名 小学校体罰事件に係芯損害賠償の決定及び和解についての専決処分について(伺い)
平成27年11月24日(火)に発生した安中市立小学校勤務の教諭による同校児童への体罰事件について、下記当事者間において、別紙「和解書」のとおり合意してよろしいか伺います.
また、損害賠償については、地方自治法第180条第1項の規定により専決処分とし、同条第2項の規定に基づき市議会へ報告してよろしいか併せて伺います.
記
1 当事者(甲) 安中市
当事者(乙) 親権者 安中市安中■■■番地■ ■■■■(父) ■■■■(母)
被害者 〃 ■■■■
2 損害賠償額 金500,000円
3 歳出科目 10.1.2.22(予備費対応)
=====専決処分の報告について=====
安教学 第772号
平成28年5月19日
安中市議会議長
吉 岡 完 司 様
安中市長 茂 木 英 子
専決処分の報告について
地方自治法第180条第1項の規定により、議会において指定されている下記事項について、別紙のとおり専決処分しましたので、同条第2項の規定により報告します。
記
1.損害賠償の決定及び和解について
=====専決処分書=====
専 決 処 分 書
地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条第1項の規定に基づき、議会の議決により指定された市長の専決処分事項(1件100万円以下の損害賠償の決定及び和解に関すること。)について、次のとおり専決処分する。
平成28年5月19日
安中市長 茂 木 英 子
記
1.損害賠償の決定及び和解について
=====体罰による損害賠償に関する和解及び損害額について=====
平成27年11月24日(火)、安中市立安中小学校においで、教諭が児童に対して行った体罰事件について、和解事項及び損害賠償の額を次のとおり定める。
1.和解事項
甲 安中市安中一丁目23番13号
安中市長 茂 木 英 子
乙 親権者 安中市安中■■■番地■
■■■■
■■■■■■
被害者 ■■■■
(1)甲は乙に対し、500,000円を支払う。
(2)甲、乙両者は、本件について一切の紛争が解決されたものとし、今後円満な関係が維持されるよう双方ともに配慮する。
2、損害賠償額 金500,000円
*****支出負担行為書*****PDF ⇒ 20160519xoss.pdf
平成28年度
支出負担行為書
○主管課決裁(課長)
市長・/、副市長・/、教育長・/、部長・/、課長・田島、係長・萩原、係・西
決裁年月日 平成28年5月19日
○合議(合議無し)
会計管理者・/、会計課長・/、財政課長・/、契約検査課長・/
平成28年度一般会計 2605
所 属 教育委員会総務課
起 票 者 主事 西 亜里沙
款 10 教育費
項 1 教育総務費
目 2 事務局費
事 業 2 事務局運営事業
細 事 業 1 事務局運営事業
節 22 圃場補填及び賠償金
細 節 3 賠償金
起票年月日 平成28年5月19日
予算区分 歳入歳出予算
予算現額 500,000
配当現額 500,000
金額 500,000
控除額 0
差引額 500,000
負担累計 500,000
予算残額 0
配当残額 0
執行区分 単体
契約区分 その他
支出区分 通常払
支払方法 口座手振
分割区分 一括
控除区分 なし
負担行為日 平成28年5月19日
説明1 1 賠償金 500,000
控除情報 -
件名 管内小学校体罰事件に係る和解金
金額 500,000円
適用 賠償金
債権者 住 所 群馬県高崎市八千代町1-19-5
会 社 田中善信法律事務所
代 表 者 弁護士 木村 仁美
振 込 先
口座種別 口座番号
名義人
伝票番号 28-8409-14-1-1
教育委員会総務課→会計課(支出命令書に添付)
*****支出命令書*****PDF ⇒ 20160606xo.pdf
平成28年度
支出命令書
○支出命令(課長)
市長・/、副市長・/、教育長・/、部長・/、課長・田島、係長・萩原、係・西
決裁年月日 平成28年5月19日
○支出決定(会計管理者)
会計管理者・品川、課長・/、係長・森田、係・宮口
決裁年月日 平成28年6月6日
平成28年度一般会計 2605
所 属 教育委員会総務課
起 票 者 主事 西 亜里沙
款 10 教育費
項 1 教育総務費
目 2 事務局費
事 業 2 事務局運営事業
細 事 業 1 事務局運営事業
節 22 圃場補填及び賠償金
細 節 3 賠償金
起票年月日 平成28年5月19日
予算区分 歳入歳出予算
予算現額 500,000
配当現額 500,000
金額 500,000
控除額 0
差引額 500,000
負担累計 500,000
予算残額 0
配当残額 0
執行区分 単体
契約区分 その他
支出区分 通常払
支払方法 ○口座手振
分割区分 一括
控除区分 なし
負担行為日 平成28年5月19日
検収日 平成28年5月19日
請求日 平成28年5月19日
説明1 1 賠償金 500,000
控除情報 -
件名 管内小学校体罰事件に係る和解金
金額 500,000円
振込先 みずほ銀行高崎支店(普)■■■■■田中法律事務所 田中善信
適用 賠償金
債権者 住 所 群馬県高崎市八千代町1-19-5
会 社 田中善信法律事務所
代 表 者 弁護士 木村 仁美
振 込 先
口座種別 口座番号
名義人
請求書No.
支払年月日 支払済28.6.17会計課 領収書裏面添付
伝票番号 28-8409-14-1-1
支払予定日 平成28年6月17日
教育委員会総務課→会計課
*****起案用紙*****PDF ⇒ 20160707npij.pdf
年度 平成28年度
文書種類 発
文書番号 安教学第1235号
保存年限 10年
受付年月日 平成 年 月 日
保存期限 平成39年 6月 1日
起案年月日 平成28年 6月 24日
廃棄年度 平成39年度
決裁年月日 平成 28年 7月 7日
施行年月日 平成 年 月 日
分類番号 大8 中1 小2 簿冊番号11 分冊番号2
完・未完別 ―
簿冊名称 教職員交通事故等
完結年月日 平成 年 月 日
分冊名称 体罰
公 開 開示 ○不開示 部分開示 存否応答拒否
起案者 教育部 学校教育課 氏名 田島浩之 内線(2230)
決裁区分 市長
決裁 市長・茂木、副市長・茂木、教育長・桑原、部長・田村 公印・-
関係部課合議 会計管理者・品川、行政課長・藤巻、財政課長・大塚、教委総務課長・杉山、教委総務課庶務係長・萩原
課内供覧 -
宛先 -
差出人 -
件名 小学校体罰事案に係る当該教諭への損害賠償額の求償について(伺い)
平成27年11月24日に発生しました市内小学校教諭による児童への体罰事案につきましては、先の平成28年第2回(6月)安中市議会定例会におきまして、「損害賠償の決定及び和解についての専決処分」について報告したところです(報告第3号)。また、6月17日に、本市より当該児童保護者の代理人を通して50万円の損害賠償金か支払われています(10-1-2-2事務局運営事業より)。
国家賠償法第2条第2項では「前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。」と定められておりますが、今回の小学校体罰事案に係る当該教諭への損害賠償額の求償につきましては、県内公立高校の判例等を参考に下記のとおりとしたいがよろしいか伺います。
なお、地方教育行政の組織と運営に関する法律第43条において「市町村教育委員会は、県費負担教職員の服務を監督する。」と定められておるところから、公金の支出に対しては重く受け止めており、再発防止に全力で取り組むとともに、教職員の教育に対する意欲と情熱を大切にしながら、健全な児童生徒の育成が図られるよう欧育委員会としてしっかりと責任を果たしていきたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
記
1 対象者 元 安中小学校 教諭 ●● ●● 56歳(現安中市○○○○○課主査)
2 求償の有無 なし
3 理 由
○今回の事案が教育現場における指導中の行為であり、対応の誤り、行き過ぎた指導行為は明白であるが、故意または重大な過失が認められていないこと。
○こうした事案での個人に対する求償が、教職員全体の生徒指導や保護者対応への意欲や積極性の低下を招き、今後の適切な教育活動の推進に支障をきたす恐れがあること。
=====(参考)=====
部活顧問の暴行で県に賠償命令 前橋地裁:日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1703U_Y2A210C1CC0000/
部活顧問の暴行で県に賠償命令 前橋地裁
2012/2/18付
群馬県立高崎商業高校(高崎市)の女子バレーボール部で顧問から暴行を受け、転校を余儀なくされたとして、元生徒(19)が顧問だった元教諭(62)と県に約440万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、前橋地裁の西口元裁判長は17日、県に143万円の支払いを命じた。元教諭への請求は退けた。
西口裁判長は、元教諭による平手や竹刀による暴行を認め「うつ状態などと診断され転校したことは、暴行が無関係とは言えない」と指摘。公務員が職務において他人に損害を与えた場合に相当すると認定し、県に賠償責任があるとした。
判決によると、元生徒は2008~09年の部活動で、元教諭から日常的な暴行を受けた。その後、不登校となり、転校した。
元教諭は09年10月、県教育委員会から減給1カ月の懲戒処分を受けた後、定年退職した。
H28.6.17(金)
西部教育事務所 大澤主任管理主事より
・ここ数年、教諭の体罰で損害賠償請求の裁判はこの1件のみ
・本人への求償はなし
・理由
判決文に「故意または重大な過失」が認められなかったため(第三者の判断として裁判所の判決を精査した結果)
**********
■以上のとおり、開示資料を見る限り、体罰をした元教諭は、暴行罪が適用されましたが、和解金が支払われたことで検察から起訴猶予処分を受け、刑事罰は科せられませんでした。また、特段の処分を受けることもなく、学校勤務を外れて教育委員会関連部署に異動していることがわかりました。なお、新聞報道では、2016年2月県教委から「戒告」処分を受けたとされています。
この戒告処分というのは、 公務員の職務上の義務違反に対する懲戒処分(他には免職・停職・減給がある)の中でも一番軽く、職員の服務義務違反の責任を確認し、その将来を戒める処分をいい、 具体的には所属長に呼び出され直接説諭されるようです。
このため当会では、公金で和解金が支払われたことにより、暴行罪が起訴猶予になり不起訴処分(起訴猶予)となったのだから、和解金は原因者である元教諭が負担することにより、安中市の損害を回避しなければならないのではないか、と考えて、住民監査請求をすることにし、本日付で市監査委員宛に郵送しました。
※住民監査請求書 PDF ⇒z.pdf
市監査委員がどのような判断をするのか注目したいと思います。
【ひらく会情報部】
※参考情報「小中学校の不登校の実態」
体罰やアカハラによる不登校の理由も十分ありうるのではないでしょうか。
**********2016年10月28日東京新聞【群馬】
小中学生の不登校1962人 7年間で最多 県教委の昨年度調査
二〇一五年度に県内の公立小中学校で不登校だった児童・生徒数が計千九百六十二人(前年度比11%増)に上り、〇九年度以降の七年間で最多となった実態が二十七日、県教育委員会の調査で分かった。原因は家庭の状況、友人関係、学業不振の順で、学校の指導によって登校できるようになった児童・生徒は三割に満たなかった。
不登校と判断するのは一年間に三十日以上欠席した場合。内訳は小学生の四百十六人に対し、中学生が千五百四十六人と三・七倍になった。全体のうち、九十日以上の欠席者は千百四十五人と半数以上いた。
不登校の原因は家庭の状況が小学生百九十六人、中学生四百九十四人といずれも最多。次いで友人関係が小学生六十人、中学生三百十一人で、続いて学業不振が小学生五十七人、中学生二百八十九人だった。
学校の指導によって登校できるようになった小学生は26%、中学生は29%にとどまった。
県教委は「病気などを理由に長期欠席している子どもに対し、学校が不登校へ判断を変更して登校を指導しているため、集計が増えた面もある。ただ、学校に行きたくないという、本来の不登校の子どもが全体的に増加しているのは確かではないか」とみている。
一方、一五年度の小中学校と高校などのいじめ認知件数は計千七百二十五件となり、前年度の計二千五十六件から減った。 (菅原洋)
**********
公立学校における教育職員の懲戒処分等について文科省では毎年統計データを発表しています。
※懲戒処分等の状況一覧
PDF ⇒ i23nxj.pdf
※体罰に係る懲戒処分等の状況一覧
PDF ⇒ wi23nxj.pdf
これを見るとお分かりのとおり、懲戒処分の運用について、現状の体制ではマスコミが騒いだり、刑事や民事の訴訟にでも発展しない限りは体罰を振るった教師を懲戒処分(特に免職)にするのは難しいのが実態です。
■この事件に関するマスコミ報道を見てみましょう。
**********2016年1月6日毎日新聞
小6けが ぬれぎぬ判明 教師、謝罪せず 安中市 /群馬
安中市内の小学校で昨年11月、6年の男児が男性教師(56)から体罰を受けて負傷していたことが5日、市教委への取材でわかった。下級生に暴力をふるったと疑われて無実を訴える男児に、胸元をつかんで「本当のことを言え」と迫った教師は、ぬれぎぬと判明した後も謝罪しなかったという。【増田勝彦】
市教委によると、体罰があったのは昨年11月24日午後0時半ごろ。校内の廊下で男児の胸元をつかんで揺らしたり押したりし、男児は頭が壁か窓枠に当たったほか、床に倒れた。さらに教師は男児の胸元をつかんだ状態で押すようにして移動し、男児は再び床に倒れたという。男児は頭にこぶができ、あごや膝などの打撲、首と左指のねんざで全治10日と診断された。
この日の朝、3年生の保護者から「6年生にヘッドロックされ、教室のロッカーに頭を入れられた」と連絡があり、名指しされた別の児童を問いただしたところ、別の子がやったと主張して名前を挙げたため、男児を詰問したという。教師は校長の事情聴取に対し「男児の態度がはっきりしなかったため強く迫った。気持ちがあせり、感情的になっていた」と説明。男児は「していないと何回も言ったが、信じてもらえなかった。怖くて痛かった」と校長に話した。
教師は名指しされた児童の担任で学年主任。男児は別のクラスだった。教師が教室に戻って尋ねると、複数の児童が名指しされた児童の行為と証言し、この児童も事実を認めた。名指しされた児童には男児に謝らせたが、教師自身は謝罪しなかったという。
安中市教委の桑原幸正教育長は「教師の体罰についての認識が甘かった。当該校だけでなく、市内の全学校に注意喚起し、二度と起きないように努める」と語った。
**********2016年1月9日東京新聞
【群馬】安中・小学教諭の男児暴行 担任・学年主任から外す
安中市の市立小学校で昨年十一月、六年男児が男性教諭(56)から暴行を受けてけがをした問題で、市教育委員会は八日の市議会全員協議会(全協)で対応に問題があったことを認め陳謝した。同日夜、小学校は教諭が担任する学級の保護者会を開き、この教諭を学年主任と学級担任から外すと決めたと報告した。
全協の冒頭、桑原幸正教育長が「心から陳謝する」と謝罪した。
この問題では、市教委などの調査で、男児が下級生に暴力をふるったと疑った教諭が、男児が無実を訴えているのに暴行し男児は全治十日のけがをした。直後に別の男児が「自分がやった」と認め、ぬれぎぬだったことが判明した。市教委は教諭の暴行を体罰と判断している。
ある議員は「事実確認してから指導するのが当然。順序が違う」と指摘した。市教委は「児童への指導は複数の教員であたるよう(教員に)指導しているが、守られなかった」と学校側の対応の仕方も誤っていたことを認めた。
また、けがをした児童や保護者への事後の対応についても複数の議員が問題視。子どもの立場を考えて十分な心のケアをするよう求めた。市教委は同小に職員を派遣するとともに、スクールカウンセラーが対応するなどと説明した。教諭自身による男児らへの謝罪がないことについては「教諭に謝罪させる。市教委も訪問して正式に謝罪をしたい」とした。 (樋口聡)
**********2016/01/07 NHK News Web
群馬県安中市の小学校6年男子が、ぬれぎぬで男性教諭から体罰で怪我を
去年11月、安中市の小学校で6年生の男子児童が実際は暴力をふるっていないのに、下級生に暴力をふるったとして、男性教諭から床に倒されるなどしてけがをしていたことが分かりました。
安中市教育委員会によりますと、去年11月、市内の小学校に通う3年生の男子児童の保護者から「子どもが6年生に暴力をふるわれた」と連絡がありました。
6年生の学年主任の男性教諭(56)が確認したところ、6年生の男子児童の1人が別の男子児童を名指ししたことから、教諭は聞き取りを行いました。
しかし、名指しされた男子児童は身に覚えがなく、「やっていない」と否定したものの、男性教諭に体を揺さぶられたうえ、床に倒されるなどしてあごや首などを打撲したということです。
このあと、男子児童は関係なかったことが分かり、学校側の調べに対し男性教諭は、「感情的になった」と説明しているということです。
安中市学校教育課の樺沢雅弘課長は、「あってはならないことで、体罰への意識を改善するなど再発防止に努めたい」と話しています。
けがをした男子児童の保護者は警察に被害届を出していて、県の教育委員会も男性教諭の処分を検討しています。
**********2016.1.19 11:10産経新聞
勘違いで児童に体罰か、小学校教諭を書類送検
群馬県安中市で昨年11月、小学6年の男子児童に体罰をしたとして、安中署が傷害の疑いで同市の小学校に勤務する男性教諭(56)を書類送検したことが19日、前橋地検などへの取材で分かった。送検は15日付。
安中市教育委員会によると、男性教諭は11月24日昼、男子児童が下級生を教室に連れて行き頭をロッカーに入れるなど悪ふざけをしたと疑って、ゆすったり押したりした際、ひざや指などにけがをさせた。実際は別の男子児童が悪ふざけをしていたという。
**********2016年5月31日東京新聞
【群馬】安中の小学校教諭体罰事件 損害賠償50万円で和解
安中市内の市立小学校で昨年十一月、六年男児(当時)が男性教諭(56)から体罰による暴行を受けてけがをした事件で、市側が男児の保護者に損害賠償として五十万円を支払うことで和解したことが三十日、分かった。この日開かれた市議会全員協議会で市教育委員会が報告した。
市教委は四月の人事異動でこの教諭を学校現場から外し、市教委で勤務させていることも分かった。体罰問題を受けての措置だという。
この問題では男児の保護者と市側双方が弁護士をたてて協議が持たれ、十九日に和解書を取り交わした。
市教委は本紙の取材に「体罰があったことは事実であることや、児童や生徒への教育的配慮を優先すべきだとの判断をふまえ、裁判などをせずに早期に解決するためこの金額で和解することにした」と説明した。
市教委などの調査で、男児が下級生に暴力をふるったと疑った教諭が、男児が無実を訴えているのに暴行した。男児は全治十日のけがをした。直後に別の男児が「自分がやった」と認めたため、ぬれぎぬだったことが判明した。市教委は教諭の体罰と判断。県教委は二月に、男性教諭を戒告処分にしている。
安中署は二月に男性教諭を傷害の疑いで書類送検している。 (竹島勇)
**********
■こうした経緯を経て、2016年10月14日に東京新聞が報じた記事を見た当会では、この事件を検証するために、次の内容で安中市教育長宛に同10月17日付で行政文書開示請求を行いました。
*****行政文書開示請求書*****PDF ⇒ 20161014sjiswsj.pdf
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
2016年10月14日の東京新聞群馬版の報道によれば
「児童に体罰の元教諭 高崎区検が起訴猶予」
と題して
「高崎区検は12日までに、安中市の市立小で昨年11月、6年だった男子児童に体罰をしたとして、障害の疑いで書類送検された元教諭の男性(56)に暴行罪を適用した上で起訴猶予とした。7日付。前橋地検は『証拠を精査し、市側が賠償金を支払ったことも考慮した』としている。市教委によると、男性は児童が下級生に悪ふざけをしたと勘違いして暴行し、全治10日のけがを負わせた。安中署が書類送検し、5月に市側が児童の保護者に賠償金50万円を支払うことなどで和解した。」
とあります。
これに関連して、次のことがわかる情報。
(1)体罰を与えた経緯と勘違いの根拠。
(2)市側が児童の保護者に賠償金50万円を支払った過程と根拠。
(3)賠償金50万円の出所。
(4)体罰を行った教諭が元教諭になった過程と理由。
(5)賠償金50万円のうち、元教諭による負担の有無。有の場合、その金額と支払い時期と方法。
**********
この結果、次の3通の通知書が安中市教育長から届きました。
●平成28年10月24日付安教学発第2546号「行政文書開示決定通知書」
PDF ⇒ 20161024sjm.pdf
●平成28年10月24日付安教学発第2546号「行政文書部分開示決定通知書」
PDF ⇒ 20161024sjm.pdf
●平成28年10月24日付安教学発第2546号「行政文書不存在通知書」
PDF ⇒ 20161024ssm.pdf
●平成28年10月24日付「写しの一覧」
PDF ⇒ 20161024.pdf
そして2016年10月31日(月)午前8時半から安中市役所2階の総務部行政課内で当該情報の開示を受けました。開示された資料は次のとおりです。
*****体罰報告書*****PDF ⇒ 20151202e.pdf
平成27年12月2日
安中市教育委員会
教育長 桑原 幸正 様
安中市立安中小学校
校長 三浦 一彦
教職員による体罰調査書
本校職員が体罰を行つたので、下記のとおり調査結果を報告します。
記
1 体罰を行った教職員 教諭 ●●●● 〇男・女(56歳)
教職経験:33.8年 現在勤務校年数:6.8年
6年1組担任、6学年主任、小2、中専(保体)、高1(保体)
2 被害児童・生徒 6年2組 ■■■■ 〇男・女(12歳)
3 体罰の発生日時、場所 平成27年11月24日(火曜日)午後0時30分頃
西校舎1階3年3組教室前の水道付近の廊下 給食の準備時間
西校舎から東校舎までの通路
4 体罰及び負傷の程度 胸元を掴んで揺する等の有形力の行使による児童の負傷
左頬、左胸、左人差し指、右膝、首項部の打撲、頭部こぶ
5 体罰の原因と経緯
(1)当該教職員からの聴取内容の概要
・24日の朝3年担任から「担任している児童の保護者から家の子どもが6年生のAにヘッドロックをされて6年1組の教室に連れて行かれ、ロッカーに頭を入れられたと訴えている。」との相談が金曜日にあったと●●に話があり、8時15分頃、●●、3年担任、3年児童の3人で西校舎3階の算数教室に向かった。3年児童はAを見て、「この人にされた」と言った。●●はAを呼び事実確認をしたところ、Aは「自分はしていない。■■君がやった。」と主張した。それを聞いた●●は■■君を呼び、事実確認したが「やっていない。」と答えた。授業が始まるので、二人をいったん教室に戻した。●●は担任しているAに何度も確認したが、Aはその都度自分ではないと主張した。給食の準備時間になり、●●はAと■■君のニ人を呼び、1階3年教室前峰連れて行き、再度3年児童に確認してもらった。3年児童は、「Aにやられた」と言ったので、確認するとAは「自分ではない。」と言った。■■君にも確認したところ、はっきりしない態度だったので胸元を掴み、強い口調で本当のことを言うように迫った。胸元をもって押したり揺すったりしたため、■■君の後頭部が塾に当たり、転ばされた。立ち上がった■■君の胸元もって、再度胸元を数回付きながら本当のことを言うように迫った。その後、●●は■■君を通路の方へひきずりながら強引に連れて行った。連れて行く途中で■■君が転ばされた。●●はAと■■君の二人を連れ3階に戻り、6年1組で今回の出来事を聞くと、4、5人くらいの児童がAの行為を見たと言った。Aが当事者であることが分かったが、自分の口で言わせようと算数教室に連れていった。■■君は給食があるため2組の教室に戻したが、泣いていて給食が食べられないため中津瀬先生に付き添われて戻ってきた。Aはずっと泣いていたが、自分がやったと自らで話し始めた。■■君を疑った事への謝罪は、そのときはしていない。●●の中には、担任しているAの日常の行動に信頼を寄せていたため、■■君がやったのではないかという偏った見方があった。出来事の判断材料や児童への聞き方もたくさんあったが、当時は、気持ちばかりあせり感情的になっていたため、胸元を掴んだりする行為にでてしまった。
(申立と相違ないことを本人が確認)
(2)被害児童・生徒及び保護者からの聴取内容の概要
・朝教室で遊んでいたら、●●先生に肩をたたかれ、6年生のトイレの前に行った。そこには、A君と3年児童と木戸先生がいた。●●先生から「3年児童をヘッドロックして6年1組の教室に連れてきて、ロッカーに頭を入れたことはないか」聞かれた。普段から他のクラスに入らないように先生から言われていたし、自分はしていなので、「やってません。」というと●●先生はAにも聞いた。Aも「やってない。」と答えた。そんなやりとりが進む中で、Aが「■■が連れてきてロッカーに頭を入れた。」と先生に言った。僕は「やってない。」と言ったけど信じてもらえなかった。教室に戻り、授業を受けて20分休みにAに「何で僕がやったと言ったの」と聞いたけれど「持久走の練習中は、話してはだめ。」など言われて無視された。
給食準備の時間に●●先生から呼ばれAと一緒に算数教室へ行った。「どっちがやったんだ。」と聞かれたが二人とも「してない。」と答えた。●●先生に連れられて、1階の3年3組教室前の廊下に行った。3年児童を呼んで確認したが、朝と同じように「Aがやった。」と言った。Aは「してない。」と答え、僕も「してない。」と答えた。「本当はどうなんだ」言いながら●●先生に胸元を掴まれて揺すられ胸元を掴まれながら廊下の窓枠に何度も頭をぶつけられて頭に、こぶができた。転ばされて、左顎、左手、右膝を床に打ち付けた。立ち上がったらまた胸元を掴まれ「本当のことを言え。」と胸を3回くらい突かれ、そのまま通路へ連れていかれた。その途中でまた転び膝を打った。立ち上がったとき先生がいなかったので、3年教室前に戻った。●●先生が戻ってきて、Aと一緒に3階6年の算数教室の前に行った。●●先生が6年1組に入ってAが3年児童を連れてきたのを見た人がいるかどうか聞いた。廊下にいたので中の様与は分からなかった。後で友達に聞くと、見ていた子どもが大勢いたと聞いた。算数教室に入るとAはまだ泣いていた。2組の教室に戻されたが、中津瀬先生から、「■■君がやってないことを信じているよ」といわれ、泣き出してしまった。泣いていて給食が食べられないので中津瀬先生に付き添われて給食をもって算数教室に戻った。算数教室には、●●先生とAがいた。給食を食べているときAは泣きながら「自分がやった」と言った。●●先生がAに「■■君に謝れ」と言ってAは謝ったが、いいよとは言えなかった。僕は、「していない。」と何回も言ったのに信じてもらえず、●●先生に胸元を掴まれとでも怖かったし、痛かった。教室で誰がやったか聞いたあとも、「やってないか」と聞かれ、何で開かれるか分からなかったし、仲が良かったAに裏切られて悔しい気持ちです。(児童) (申立と相違ないことを本人が確認)
・仕事から家に戻ると子どもが泣いていた。理由を開くと、濡れ衣を着せられた。先生に怪我をさせられた。友達に裏切られた。という内容だった。詳しく聞けば聞くほど先生の対応に怒りを覚えた。24日6時10分頃学校に連絡を入れ事実を確認し、学校から家に説明に来たいとの連絡があったが受け入れられる状態では無かった。翌日午後6時に学校に叫向き、話を阿いたが●●先生の。説明には、何一つ納得できるものは無かった。自分の子どもに少しでも落ち度があれば、仕方がないとも思うが、何も落ち度はなく、あれほど「自分ではない」と主張しているのに、なぜ家の子どもの言葉を信じでもらえなかったのか、親として納得できず、怒りがこみ上げでくる。●●先生は自分のクラスの子どもだけ信じて、他は信じないという行為は教育者の立揚の人間が取るべき行動ではない。■■は、自分は何もしていないで何が起きているか分からず、すぐに返事ができなかったのだと思う。元気のある子どもならはっきり返事ができただろうが、名前の通り優しい友達思いの子なので、元気な子どもから比べたらそこではっきり言えるような子ではない。先生から怒られれば、どうしてよいかとまどってしまう気持ちの小さい人間です。本人が「やっていない」と子どもの言葉を信用してもらえず、■■の心理状態がどんなだったと思うとかわいそうでならない。今後、この事件が原因で先生に対して不信感が強く、これまで素直に育ててきたのに、●●先生に対する指導力に懸念を抱かずにはいられない。責任をとってもらうより仕方がない。●●先生の罪の大きさは、計り知れない。これから■■の心理状態がどうなってしまうか、●●先生のやったことは許されない。親として12年間素直に問題無く育ててきたのに、この事件でかなりショックと精神的にも大きな打撃を受け、人間恐怖感を味わわされ、大切な子ども時代を踏みにじられた。これからの人生、頭から離れることなく生活していかなくてはならない重圧に耐えて行かなくてはなりません。全くの被害者としてこの事件の重さを痛感して頂きたい。●●先生は、自分のストレスを子どもに向けているとしか思えない。学校で子ども心をケアという話をされたが、学校に●●先生がいること自体で子どもは怯えている。弟まで怯えている。最大のケアは子どもの前から●●先生が居なくなることだと思う。仕事をしていても、今日はまた●●先生に何か言われるのではないかと、毎日が不安でー杯である。何で何もしていない家の子どもや私たち親がこんな辛い思いをしなければならいのか。また、あれだけの行為をした先生が平気な顔をして学校に出てきているのか納得できない。県教育委員会及び市教育委員会には早急の対応をお願いしたい。(保護者:母)(申立と相違ないことを本人が確認)
(3)関係者からの聴取内容の概要
・給食の準備時間、●●が3年3組の廊下に■■君とAをつれてきて、3年児童を交えて再度事実確認をした。Aは「自分ではない」と明言したが、■■君は3年児童と面識がなく、なぜ自分が疑われているのか戸惑っているような表情でした。●●は「はっきり言え」といって胸元を掴み持ち上げたとき■■君か床に崩れ落ちたように見えた。●●は転んだ■■君の胸元を掴み立たせ、東校舎通路の方へ強引に連れていった。その後のことは見えなかったのでわからない。(3年3組担任)。
・3年生にヘッドロックをして6年教室に連れていったのは1週間か2週間前くらいだと思う。●●先生が怖くて正直に言えなかった。■■君にはいやな思いをさせたけど、嘘をついてしまい「本当は自分です」と言うともっと怒られると思い、言うことができなかった。親にも叱られ、本当の事を最初に言えば良かったと思っている。(A)
6 事後対応等
(1)学校の対応、
・保護者からの連絡を受け、24日に●●、中津瀬の両教諭から説明を受け、保護者宅へ連絡を入れ25日に来校していただく事で了解を得る。市教育委員会ヘ一報を入れ概略を説明する。
・25日に保護者に来校して頂き、校長、教頭、●●の3名で対応する。●●が■■君や弟へ対応する場合は保護者が立ち会う。学校での●●と■■君及び弟の接触を絶対に避ける。来年度●●が安小に残った場合弟の在籍学年に配置してほしくない。●●が来年度、安中地区にいないようにしてほしいとの要望を受ける。
・市教委と連絡を取り、指示を仰ぐ。校内で生徒指導にあたる香合、必ず二人体制で行うこと。事案の管理職への報告を必ずすること。生徒指導主任を機能させることを職員に再確詔させた。
・担任へは、■■君の様子をこれまで以上によく見るように指示した。市教委との協議から、管理職はこれまで以上に校内巡視を行うとともに、担任外、市の指導主事が校内巡視を行うようにした。
(2)その他
特になし
7 教職員に対する日常の指導状況等
・日常から事が起きてからの指導ではなく、起きないようにする指導について職員会議や朝会で確認している。また、体罰等について県の発行しているガイドラインを使い共通理解を図ってきた。学校の規模から、組織的な対応ができるように生徒指導主任が事案に関わり、管理職への報告・相談をするように努めてきている。職員の複数対応(プラス1)を進めているが、それが十分機能していなかった。
8 校長所見
・4月の赴任以来、子ども達が「分かった。できた。」と感じて帰宅できる学校にしようと職員に呼びかけ、これまで努めできた。指導にあたっても複数体制であたり、連絡・報告はするように指示してきたが、今回の事案が起きてしまい、児童やその保護者に大きな辛い思いをさせてしまったことに大変申し訳なく思っている。今回の事案については全て職員の落ち度であり、何の言い訳もできない。その落ち度は職員だけでなく、管理職の目配り、配り、職員の把握等の力のなさだと感じている。県教委、市教委の指導を仰ぎながら、■■君の不安を少しでも少なくするよう、また二度と同じ事案が起きないよう学校をあげて取り組んでいきたい。
9 その他
特になし
*****市議会全員協議会での報告*****PDF ⇒ 20160530sc.pdf
全員協議会次第
平成28年5月30日
委 員 会 室
1 開 会
2 事 件
(1)小学校教諭の体罰事案経過報告について
(2)平成28年度一般会計補正予算の専決処分について
3 閉 会
=====全員協議会資料(学校教育課)=====
小学校教諭の体罰事案経過報告について
2月 3日(水) 市に損害賠償請求の通知
・被害児童保護者の弁護士から「受任のご連絡」が届く。
高崎市八千代町1-19-5田中善信法律事務所担当弁護士木村仁美
・市長、副市長、教育長、教育部長、学校教育課長で相談し法制課長に弁護士の手配を依頼。
2月 5日(金) 市が弁護士に相談
・教育部長が弁護士に相談。
高崎市片岡町1-1-7弁護士采女英幸
2月12日(金)
・采女弁護士が木村弁護士に受任の連絡。
2月18日(木)
・教育部長、学校教育課長、法制課長で相談。
采女弁護士と木村弁護士との面談に向けて相談
2月24日(水)
・采女弁護士と木村弁護士との話し合いがもたれる。
木村弁護士より賠償金額の提示はなされなかった。
3月23日(水) 市に損害賠償額50万円の提示あり
・市長、副市長、教育長、教育部長、学校教育課長、市民部長(前法制課長)、采女弁護士で相談
損害賠償額50万円を了承。
和解書案に今後一切紛争が起こることのないよう条項を定める。
4月26日(火) 采女弁護士より和解書(案)を受領
5月 6日(金) 損害賠償額了承の連絡
・木村弁護士より采女弁護士に損害賠償額50万円で了承したと連絡があった。
・和解書案も了承。
5月19日(木) 和解書の取り交わし
*****起案用紙*****PDF ⇒ 20160519np.pdf
年度 平成28年度
文書種類 発
文書番号 安教学第772号
保存年限 10年
受付年月日 平成 年 月 日
保存期限 平成 39年 6月 1日
起案年月日 平成28年 5月19日
廃棄年度 平成39年度
決裁年月日 平成28年 5月19日
施行年月日 平成 年 月 日
分類番号 大8 中1 小2 簿冊番号11 分冊番号2
完・未完別
簿冊名称 教職員交通事故等
完結年月日 平成 年 月 日
分冊名称 体罰
公 開 開示 ○不開示 部分開示 存否応答拒否
起案者 教育部学校教育課 職名 課長 氏名 田島浩之 内線(2230)
決裁区分 市長
決裁 市長・茂木、副市長・茂木、教育長・桑原、部長・田村、課長・田島 公印・大谷5/19
関係部課合議 会計管理者・品川、秘書課長・-、行政課長・藤巻、財政課長・大塚、教委総務課長・杉山、教委総務課庶務係長・萩原
課内供覧 -
宛先 市議会議長 吉岡 完司
差出人 安中市長 茂木 英子
件名 小学校体罰事件に係芯損害賠償の決定及び和解についての専決処分について(伺い)
平成27年11月24日(火)に発生した安中市立小学校勤務の教諭による同校児童への体罰事件について、下記当事者間において、別紙「和解書」のとおり合意してよろしいか伺います.
また、損害賠償については、地方自治法第180条第1項の規定により専決処分とし、同条第2項の規定に基づき市議会へ報告してよろしいか併せて伺います.
記
1 当事者(甲) 安中市
当事者(乙) 親権者 安中市安中■■■番地■ ■■■■(父) ■■■■(母)
被害者 〃 ■■■■
2 損害賠償額 金500,000円
3 歳出科目 10.1.2.22(予備費対応)
=====専決処分の報告について=====
安教学 第772号
平成28年5月19日
安中市議会議長
吉 岡 完 司 様
安中市長 茂 木 英 子
専決処分の報告について
地方自治法第180条第1項の規定により、議会において指定されている下記事項について、別紙のとおり専決処分しましたので、同条第2項の規定により報告します。
記
1.損害賠償の決定及び和解について
=====専決処分書=====
専 決 処 分 書
地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条第1項の規定に基づき、議会の議決により指定された市長の専決処分事項(1件100万円以下の損害賠償の決定及び和解に関すること。)について、次のとおり専決処分する。
平成28年5月19日
安中市長 茂 木 英 子
記
1.損害賠償の決定及び和解について
=====体罰による損害賠償に関する和解及び損害額について=====
平成27年11月24日(火)、安中市立安中小学校においで、教諭が児童に対して行った体罰事件について、和解事項及び損害賠償の額を次のとおり定める。
1.和解事項
甲 安中市安中一丁目23番13号
安中市長 茂 木 英 子
乙 親権者 安中市安中■■■番地■
■■■■
■■■■■■
被害者 ■■■■
(1)甲は乙に対し、500,000円を支払う。
(2)甲、乙両者は、本件について一切の紛争が解決されたものとし、今後円満な関係が維持されるよう双方ともに配慮する。
2、損害賠償額 金500,000円
*****支出負担行為書*****PDF ⇒ 20160519xoss.pdf
平成28年度
支出負担行為書
○主管課決裁(課長)
市長・/、副市長・/、教育長・/、部長・/、課長・田島、係長・萩原、係・西
決裁年月日 平成28年5月19日
○合議(合議無し)
会計管理者・/、会計課長・/、財政課長・/、契約検査課長・/
平成28年度一般会計 2605
所 属 教育委員会総務課
起 票 者 主事 西 亜里沙
款 10 教育費
項 1 教育総務費
目 2 事務局費
事 業 2 事務局運営事業
細 事 業 1 事務局運営事業
節 22 圃場補填及び賠償金
細 節 3 賠償金
起票年月日 平成28年5月19日
予算区分 歳入歳出予算
予算現額 500,000
配当現額 500,000
金額 500,000
控除額 0
差引額 500,000
負担累計 500,000
予算残額 0
配当残額 0
執行区分 単体
契約区分 その他
支出区分 通常払
支払方法 口座手振
分割区分 一括
控除区分 なし
負担行為日 平成28年5月19日
説明1 1 賠償金 500,000
控除情報 -
件名 管内小学校体罰事件に係る和解金
金額 500,000円
適用 賠償金
債権者 住 所 群馬県高崎市八千代町1-19-5
会 社 田中善信法律事務所
代 表 者 弁護士 木村 仁美
振 込 先
口座種別 口座番号
名義人
伝票番号 28-8409-14-1-1
教育委員会総務課→会計課(支出命令書に添付)
*****支出命令書*****PDF ⇒ 20160606xo.pdf
平成28年度
支出命令書
○支出命令(課長)
市長・/、副市長・/、教育長・/、部長・/、課長・田島、係長・萩原、係・西
決裁年月日 平成28年5月19日
○支出決定(会計管理者)
会計管理者・品川、課長・/、係長・森田、係・宮口
決裁年月日 平成28年6月6日
平成28年度一般会計 2605
所 属 教育委員会総務課
起 票 者 主事 西 亜里沙
款 10 教育費
項 1 教育総務費
目 2 事務局費
事 業 2 事務局運営事業
細 事 業 1 事務局運営事業
節 22 圃場補填及び賠償金
細 節 3 賠償金
起票年月日 平成28年5月19日
予算区分 歳入歳出予算
予算現額 500,000
配当現額 500,000
金額 500,000
控除額 0
差引額 500,000
負担累計 500,000
予算残額 0
配当残額 0
執行区分 単体
契約区分 その他
支出区分 通常払
支払方法 ○口座手振
分割区分 一括
控除区分 なし
負担行為日 平成28年5月19日
検収日 平成28年5月19日
請求日 平成28年5月19日
説明1 1 賠償金 500,000
控除情報 -
件名 管内小学校体罰事件に係る和解金
金額 500,000円
振込先 みずほ銀行高崎支店(普)■■■■■田中法律事務所 田中善信
適用 賠償金
債権者 住 所 群馬県高崎市八千代町1-19-5
会 社 田中善信法律事務所
代 表 者 弁護士 木村 仁美
振 込 先
口座種別 口座番号
名義人
請求書No.
支払年月日 支払済28.6.17会計課 領収書裏面添付
伝票番号 28-8409-14-1-1
支払予定日 平成28年6月17日
教育委員会総務課→会計課
*****起案用紙*****PDF ⇒ 20160707npij.pdf
年度 平成28年度
文書種類 発
文書番号 安教学第1235号
保存年限 10年
受付年月日 平成 年 月 日
保存期限 平成39年 6月 1日
起案年月日 平成28年 6月 24日
廃棄年度 平成39年度
決裁年月日 平成 28年 7月 7日
施行年月日 平成 年 月 日
分類番号 大8 中1 小2 簿冊番号11 分冊番号2
完・未完別 ―
簿冊名称 教職員交通事故等
完結年月日 平成 年 月 日
分冊名称 体罰
公 開 開示 ○不開示 部分開示 存否応答拒否
起案者 教育部 学校教育課 氏名 田島浩之 内線(2230)
決裁区分 市長
決裁 市長・茂木、副市長・茂木、教育長・桑原、部長・田村 公印・-
関係部課合議 会計管理者・品川、行政課長・藤巻、財政課長・大塚、教委総務課長・杉山、教委総務課庶務係長・萩原
課内供覧 -
宛先 -
差出人 -
件名 小学校体罰事案に係る当該教諭への損害賠償額の求償について(伺い)
平成27年11月24日に発生しました市内小学校教諭による児童への体罰事案につきましては、先の平成28年第2回(6月)安中市議会定例会におきまして、「損害賠償の決定及び和解についての専決処分」について報告したところです(報告第3号)。また、6月17日に、本市より当該児童保護者の代理人を通して50万円の損害賠償金か支払われています(10-1-2-2事務局運営事業より)。
国家賠償法第2条第2項では「前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。」と定められておりますが、今回の小学校体罰事案に係る当該教諭への損害賠償額の求償につきましては、県内公立高校の判例等を参考に下記のとおりとしたいがよろしいか伺います。
なお、地方教育行政の組織と運営に関する法律第43条において「市町村教育委員会は、県費負担教職員の服務を監督する。」と定められておるところから、公金の支出に対しては重く受け止めており、再発防止に全力で取り組むとともに、教職員の教育に対する意欲と情熱を大切にしながら、健全な児童生徒の育成が図られるよう欧育委員会としてしっかりと責任を果たしていきたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
記
1 対象者 元 安中小学校 教諭 ●● ●● 56歳(現安中市○○○○○課主査)
2 求償の有無 なし
3 理 由
○今回の事案が教育現場における指導中の行為であり、対応の誤り、行き過ぎた指導行為は明白であるが、故意または重大な過失が認められていないこと。
○こうした事案での個人に対する求償が、教職員全体の生徒指導や保護者対応への意欲や積極性の低下を招き、今後の適切な教育活動の推進に支障をきたす恐れがあること。
=====(参考)=====
部活顧問の暴行で県に賠償命令 前橋地裁:日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1703U_Y2A210C1CC0000/
部活顧問の暴行で県に賠償命令 前橋地裁
2012/2/18付
群馬県立高崎商業高校(高崎市)の女子バレーボール部で顧問から暴行を受け、転校を余儀なくされたとして、元生徒(19)が顧問だった元教諭(62)と県に約440万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、前橋地裁の西口元裁判長は17日、県に143万円の支払いを命じた。元教諭への請求は退けた。
西口裁判長は、元教諭による平手や竹刀による暴行を認め「うつ状態などと診断され転校したことは、暴行が無関係とは言えない」と指摘。公務員が職務において他人に損害を与えた場合に相当すると認定し、県に賠償責任があるとした。
判決によると、元生徒は2008~09年の部活動で、元教諭から日常的な暴行を受けた。その後、不登校となり、転校した。
元教諭は09年10月、県教育委員会から減給1カ月の懲戒処分を受けた後、定年退職した。
H28.6.17(金)
西部教育事務所 大澤主任管理主事より
・ここ数年、教諭の体罰で損害賠償請求の裁判はこの1件のみ
・本人への求償はなし
・理由
判決文に「故意または重大な過失」が認められなかったため(第三者の判断として裁判所の判決を精査した結果)
**********
■以上のとおり、開示資料を見る限り、体罰をした元教諭は、暴行罪が適用されましたが、和解金が支払われたことで検察から起訴猶予処分を受け、刑事罰は科せられませんでした。また、特段の処分を受けることもなく、学校勤務を外れて教育委員会関連部署に異動していることがわかりました。なお、新聞報道では、2016年2月県教委から「戒告」処分を受けたとされています。
この戒告処分というのは、 公務員の職務上の義務違反に対する懲戒処分(他には免職・停職・減給がある)の中でも一番軽く、職員の服務義務違反の責任を確認し、その将来を戒める処分をいい、 具体的には所属長に呼び出され直接説諭されるようです。
このため当会では、公金で和解金が支払われたことにより、暴行罪が起訴猶予になり不起訴処分(起訴猶予)となったのだから、和解金は原因者である元教諭が負担することにより、安中市の損害を回避しなければならないのではないか、と考えて、住民監査請求をすることにし、本日付で市監査委員宛に郵送しました。
※住民監査請求書 PDF ⇒z.pdf
市監査委員がどのような判断をするのか注目したいと思います。
【ひらく会情報部】
※参考情報「小中学校の不登校の実態」
体罰やアカハラによる不登校の理由も十分ありうるのではないでしょうか。
**********2016年10月28日東京新聞【群馬】
小中学生の不登校1962人 7年間で最多 県教委の昨年度調査
二〇一五年度に県内の公立小中学校で不登校だった児童・生徒数が計千九百六十二人(前年度比11%増)に上り、〇九年度以降の七年間で最多となった実態が二十七日、県教育委員会の調査で分かった。原因は家庭の状況、友人関係、学業不振の順で、学校の指導によって登校できるようになった児童・生徒は三割に満たなかった。
不登校と判断するのは一年間に三十日以上欠席した場合。内訳は小学生の四百十六人に対し、中学生が千五百四十六人と三・七倍になった。全体のうち、九十日以上の欠席者は千百四十五人と半数以上いた。
不登校の原因は家庭の状況が小学生百九十六人、中学生四百九十四人といずれも最多。次いで友人関係が小学生六十人、中学生三百十一人で、続いて学業不振が小学生五十七人、中学生二百八十九人だった。
学校の指導によって登校できるようになった小学生は26%、中学生は29%にとどまった。
県教委は「病気などを理由に長期欠席している子どもに対し、学校が不登校へ判断を変更して登校を指導しているため、集計が増えた面もある。ただ、学校に行きたくないという、本来の不登校の子どもが全体的に増加しているのは確かではないか」とみている。
一方、一五年度の小中学校と高校などのいじめ認知件数は計千七百二十五件となり、前年度の計二千五十六件から減った。 (菅原洋)
**********