市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

フォルクスワーゲンの排ガス違法制御ソフト搭載のディーゼル車が示した企業モラルの重要性

2015-09-24 23:35:00 | 国内外からのトピックス
■ドイツを代表する自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)社を巡る不正ソフト問題で、企業モラルが問われています。VW社は今年4月に米国の評価格付会社であるレピュテーション・インスティチュート社(以下RI)が、世界各地の各企業の評判・評価のランキングで14位になりましたが、今回の不祥事で一気にその順位を下げてしまいました。

9月4日に高崎駅東口にオープンしたばかりのフォルクスワーゲン高崎店。いきなり逆風に見舞われた感じだ。

 最初にVWの不正ソフトについて報じられたのは9月18日でした。米環境保護局(EPA)が同日、排ガス規制を逃れるソフトウェアを搭載していたとして、独自動車大手のVW社に対して、米国で販売された約48万2千台のシステムを改修するように求め、EPAなどは大気浄化法に違反する疑いがあるとして調査に着手したという記事でした。

 報道では、米当局は同法違反で1台あたり最大3万7500ドルの制裁金を課すことができ、VWへの制裁金は単純計算でも最大180億ドル(2兆1600億円)に上る可能性があるということでした。

 EPAによれば、対象はVWとVW傘下のアウディの直列4気筒ターボディーゼル「TDI」エンジンを搭載した車で、該当車種は2009年から15年までに発売されたVWのゴルフ、ビートル、ジェッタ、アウディのA3と、14年から15年に発売されたパサートの計5車種。いずれもVWグループを代表する人気シリーズです。

 問題になった不正なソフトウェアは、当局の排ガス試験が行われていることを、ハンドルの動きの有無や速度パターンなどから自動的に検知し、テストをしている間だけ排ガスを低減する仕組みになっており、通常走行の場合は排ガスを抑える効果が限られ、最大で基準の40倍の窒素酸化物(NOX)を排出していたのだそうです。

■筆者もかつて青年海外協力隊に参加した1970年代末ころ、途上国で小型の舶用機関の整備の指導を行っていましたが、実際には自動車のエンジンの不具合の修理もしばしば依頼されたりしました。当時の自動車や船のエンジンは、機械的な構造で、非常に分かりやすく、修理し易かったのを覚えています。

 自動車のボンネットを開けても、ボルトを締めたり緩めたりするスパナを突っ込む隙間が十分あり、エンジンの簡単な調整や修理は自分ですることが可能でした。

 当事は、ガソリンエンジンの点火装置として、機械制御式点火装置であるコンタクトブレーカーがしょっちゅう摩耗して、隙間ゲージで定期的に調整しなければなりませんでした。ところが、CDIと呼ばれる電子制御式点火装置が登場し、煩わしいタイミング調整が不要となり、画期的な技術だと驚いたことがあります。

 その後、瞬く間に電子点火方式が普及し、間もなくエンジン全体の制御も電子化され、さらにコンピュターを使った人工知能により、エンジン各部の様子をセンサーで計測し、そのデータをもとに最適な運転条件を自動的に設定できるようになりました。

 自動車用ガソリンエンジンでは、ガソリンを空気と混ぜる気化器(キャブレーター)が姿を消して、燃焼制御がやりやすい燃料噴射方式が主流となりました。

■そのため、かつてはいかに不具合を迅速に的確に把握して、その原因をつきとめ、最小限の部品交換や適切な調整により、不具合を改善するのがエンジニアとしての責務と思われていました。しかし、今や、そんなことをしていたら、時間ばかりかかって作業効率がアップしません。

 今は部品ごとそっくり交換する、いわゆる「チェンジニア」が周流となりました。エンジンの調整も、全てマイコンチップとよばれるマイクロコンピューターが司り、中身は完全にブラックボックス化しています。

■先日、ドイツ製の船舶用高速ディーゼルエンジンを間近に見る機会がありました。軽量で高出力のエンジンですが、ディーゼルエンジンの場合、スタートと同時に真っ黒な黒煙が排気ガスとして立ち上るのが常ですが、今のこのドイツ製ディーゼルエンジンは全く黒煙が出ません。アイドリング速度も、自動的にぴったりと毎分600回転ちょうどで安定するのです。

 このドイツ製エンジンはかつて、第2次大戦中に砂漠のキツネと呼ばれたロンメル将軍の機甲師団が使っていた戦車に搭載されていたことで知られており、現在、世界中で、産業用、輸送用に使用されています。

 ドイツのエンジン技術水準の高さに驚かされましたが、今回のVWの不正ソフト事件をきいて、再び驚かされました。

■VWの不正ソフト事件はその後、大きな広がりを見せて現在に至っています。不正ソフトのエンジンを搭載した車が世界に1100万台もあること、不正関与を否定していた前会長が実は不正行為を知らされていたこと、数年前から不正ソフト使用について告発情報があったがそれらが握りつぶされてきたこと。あの、生真面目なドイツ人気質からは極めて想像しにくい数々の出来事です。

■不正があったとされたのが、VWとVW傘下のアウディの直列4気筒ターボディーゼル「TDI」エンジン。該当する車種は2009年から15年までに発売されたVWのゴルフ、ビートル、ジェッタ、アウディのA3と、14年から15年に発売されたパサートの計5車種。いずれもVWグループを代表する人気シリーズです。VWは、この問題に対応する間、対象車種の米国での販売を中止するはめに追い込まれました。そして、制裁課徴金は2兆円超になると言われます。

 上記5車種はエンジン制御ECUのソフトトウエアの中に「defeat device」プログラムを挿入し、米国環境保護局(EPA)の排ガス試験の際にこのプログラムが稼働し、NOx(窒素酸化物)を無効化して試験をクリアしていたということです。米国EPAは、該当車は実際には排出ガス基準の40倍のNOxを排出していたと説明しえいます。

 今回の制裁課徴金は1台当たり3万7500ドル(約450万円)、リコール該当台数は約48万台と見られており、そうなるとVWが支払う制裁課徴金は最大180億ドル(約2兆1600億円)に上る計算になります。

 VWは9月22日になって、対策費用として65億ユーロ(約8700億円)を特別損失に計上すると発表しましたたが、今回の問題は米国だけにとどまるかどうか、予断を許しません。このエンジンを搭載した車は全世界で約1100万台販売されており、これらがすべて不正とされた場合、VWに与える影響は極めて深刻だからです。

■日本をはじめ世界市場への影響は必至と考えられます。フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VWJ)がミドルサイズセダンの新型「パサート」と、同ステーションワゴンの新型「パサート ヴァリアント」を発売してから1カ月後の7月末に、既にシリーズとして約1500台を受注。好調なスタートを切っていたばかりでした。

 折から、高崎駅東口の群馬トヨタの向かい側に、フォルクスワーゲン正規販売店「フォルクスワーゲン高崎」 が新規オープンしたのは9 月5 日(土)でした。新規オープンしたばかりなのに、この様な問題が発生し、出鼻をくじかれた形です。グローバル企業の持つ光と影の面が紙一重という観があります。

 ビジネスの世界では、このように虚偽の情報を流すことは極めて大きなリスクを伴いますが、なぜか我が国の行政では、虚偽の公文書が堂々とまかり通っています。当会では、日本社会の閉鎖性の元凶の一つである行政体制のオープン化をめざし、微力ながら全力を傾注してゆく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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サンパイ処分場化する群馬県に持ち込まれていた滋賀県からの原発汚染木くずの県内中間処理問題(その3)

2015-09-24 23:21:00 | 前橋市の行政問題
■市民オンブズマン群馬では、滋賀県に不法投棄されていた東電福島第1原発事故による放射能汚染された木くずが前橋市内の産廃中間処理施設で破砕処理されていたことを重く見て、前橋市長に対して、平成27年9月24日午前10時30分に次の内容で、行政情報公開請求書と公開質問状を提出しました。

**********
様式第1号
          行 政 情 報 公 開 請 求 書
                    平成27年9月24日
(あて先)前橋市長 山本 龍 様
          郵便番号:371-0801
          住所(所在地):前橋市文京町一丁目15-10
          氏名(名称・代表者の氏名):鈴木庸
           (市民オンブズマン群馬・事務局長、代表者氏名:小川賢)
          電話番号:027-224-8567(事務局)
 前橋市情報公開条例第5条の規定により、次のとおり行政情報の公開を請求します。
<公開の請求に係る行政情報の内容>
別紙のとおり。
<公開の請求に係る行政情報の公開の方法>
① 閲覧  2 視聴  3 写しの交付(□郵送)
(別紙)
 9月17日付で共同通信から次の報道がありました。
―――――以下、引用―――――
<共同通信2015年09月17日 18:41>
汚染木くず、前橋で処理 滋賀から持ち込み
 滋賀県高島市の河川敷に放射性セシウムに汚染された木くずが不法投棄された事件で、前橋市は17日、東京のコンサルタント会社が2013年末から昨年2月の間、河川敷から撤去した木くず約310立方メートルを前橋市内の産業廃棄物中間処理業者に持ち込み、処理されたと発表した。
 処理された木くずは市外の業者に売却されたが、市は「風評被害につながる」として売却先を明らかにしなかった。
 市は昨年12月に滋賀県からの情報提供を受けて業者を立ち入り検査したが、違法性はなく、施設内の空間放射線量も問題はなかったという。市は「業者間で適正に処理されたと認識している」と話した。
―――――引用終わり―――――
 このことに関連する、次の情報を含む行政情報の開示を請求します。
(1) 昨年12月に滋賀県から提供を受けた一切の情報
(2) 上記(1)を受けて、市内廃棄物中間処理業者を立ち入り検査した際の復命書および検査報告書にかかる一切の情報
(3) 市内業者が市外の業者に売却されたとする根拠を示す一切の情報
(4) 立ち入り検査の結果、違法性がないと判断した根拠を示す一切の情報
(5) 市内業者の施設内の空間放射線が問題なかったと判断した根拠を示す一切の情報
(6) 業者間で適正に処理されたと認識している根拠を示す一切の情報
                    以 上
**********

■併せて、次の公開質問状を提出しました。

**********
                    2015年9月24日
前橋市長 山本 龍 様
                    市民オンブズマン群馬
                     代表 小川 賢
          公 開 質 問 状
 拝啓、貴殿ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。水と緑と詩のまちの前橋市におかれましては平素より市民の安全・安心な健康と生活のために、日々ご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
 当会は、群馬県において、行政を外部から監視し、行政による税金の無駄遣いや関連する権限を不当に行使することによる住民・関係者の権利・利益の侵害に対する調査及び救済の勧告を図る活動をしているボランティア団体です。
 さて、最近のマスコミの報道によりますと、2013年3~4月、滋賀県高島市の河川敷に、福島県内で発生した原発事故の放射性物質を含む大量の木くずが不法投棄された事件で、滋賀県は、高島市から撤去された木くずが、前橋市にある産業廃棄物の処理施設に搬出されたことを示す文書を初めて公開しました。
 この不法投棄事件では、原発事故で放出された放射性物質を含む大量の木くずを不法投棄したとして東京のコンサルタント会社社長が去年、廃棄物処理法違反の罪で、有罪判決を受けました。
 木くずは高島市からこの社長が撤去しましたが、このほど住民の情報開示請求に基づき、滋賀県の三日月知事は、搬出先が前橋市の産業廃棄物処理施設であることを示す文書を初めて公開しました。
 前橋市によれば、滋賀県から、東京のコンサルタント会社が2013年12月~2014年2月にかけて市内の処理施設に放射性セシウムに汚染された木くず約310立方メートルが搬入されたと知らされたのは2014年12月5日で、その時点では既に木くずは市外の複数の業者に売却済みで、施設内の空間放射線量は除染を必要としない値だったということです。2013年12月から2014年2月にかけて市内の産廃中間処理業者に持ち込まれ、破砕処理をされた後、市外の複数の業者に売却されたということです。
 そして、前橋市は滋賀県からの情報提供を受けて昨年12月5日、今年4月23、24日の計3回にわたり業者への立ち入り検査を実施しましたが、その結果、廃棄物処理法や放射性物質汚染対処特措法などの違法はなく、4月24日に行った放射線量の測定でも、施設内で除染を必要とする値は検出されず問題はなかったとし、「業者間で適正に処理されたと認識している」と話しました。また、前橋市の担当者は「持ち込まれた時点で知らされていれば、その時に線量を測ることもできたが、知る手立てがなかった」と話しました。処理された木くずは破砕処理後に市外の業者に売却されましたが、風評被害につながるとして市は売却先を明らかにしませんでした。
 この情報に接し、当会は事実関係の確認を行う必要性があると考えております。
 つきましては今回、福島県で発生して滋賀県に不法投棄された放射能を含む木くずが前橋市に持ち込まれ中間処理されて、市外の複数の業者に売却された件について、質問形式で確認をさせていただきます。そこで、次の質問があります。

1.今回のマスコミ報道について
●質問1-1
 今回のマスコミ報道について、貴殿としては、その内容について、事実と異なっていたり、あるいは違和感があったりする箇所などはありませんか?
●質問1-2
 もし、事実と相違していたり、違和感を抱いたりする箇所があれば、該当する個所と、それぞれの相違点や違和感についての具体的な理由を教えてください。
●質問1-3
 貴殿は、市内の処理施設に放射性セシウムに汚染された木くず約310立方メートルが搬入されたと知らされた2014年12月5日と、2015年4月23、24日の計3回にわたり業者への立ち入り検査を実施し、同4月24日には放射線量の測定を行っていますが、こうした一連の事実について、これまで市民に対して公表しなかった理由は何でしょうか?

2.市内の産業廃棄物処理施設について
●質問2-1
 マスコミ報道では、放射性物質を含む不法投棄された大量の木くずを破砕処理した施設を運営する事業者の名前が見当たりません。マスコミの取材に対して、貴殿はこの事業者の名前を伝えていなかったのですか?
●質問2-2
 この事業者の名前をマスコミに伝えなかったのであれば、その理由は何でしょうか?とりわけ、市民の安心・安全な健康と生活の観点からお答えください。
●質問2-3
 当会が入手した情報によると、今回のマスコミ報道で取り上げられている前橋市内の産業廃棄物処理施設は、市内■■■■■■■■■の■■■■■■■■■であると認識していますが、当会のこの認識に間違いありませんか?
●質問2-4
 東京のコンサルタントは、この施設における破砕費用として、市内の事業者に、いくら支払ったのでしょうか?
●質問2-5
 それとも、東京のコンサルタントではなく、それ以外の東電などが破砕費用を支払ったのでしょうか?
●質問2-6
 滋賀県から前橋市内の事業者までの木くずの運搬費は誰が支払ったのでしょうか?

3.市外の売却先について
●質問3-1
 貴殿によるマスコミ発表によれば、処理された木くずは破砕処理後に市内の業者から市外の複数の業者に売却されたそうですが、風評被害につながるとして売却先を明らかにしませんでした。「風評被害」については、用語解説によると、「根拠のない噂のために受ける被害。特に、事件や事故が発生した際、不適切な報道がなされたために、本来は無関係であるはずの人々や団体までもが損害を受けること。例えば、ある会社の食品が原因で食中毒が発生した場合、その食品そのものが危険であるかのような報道のために、他社の売れ行きにも影響が及ぶことなど」とあります。貴殿が理由に挙げた風評被害とは、どのような根拠のない情報のために誰が被害を受けることを想定しているのでしょうか?分かり易く教えてください。
●質問3-2
 市外の複数の業者とは、2社でしょうか?それとも3社以上でしょうか?
●質問3-3
 それらは県内の業者でしょうか?それとも県外の業者でしょうか?あるいは、1社が県内の業者で、そのほかは県外の業者でしょうか?
●質問3-4
 市外の複数の業者に売却された際の単価(1立方メートルもしくは1トン当たり)は、いくらだったのでしょうか?
●質問3-5
 破砕済みの木くずの売却代金は、購入先の市外の業者から前橋市内の業者に全額、支払われたのでしょうか?
●質問3-6
 購入先の市外の業者は、破砕済みの木くずをどのような目的で購入したのでしょうか?
●質問3-7
 購入先の市外の業者は、前橋市内の業者の施設から直接引き取ったのでしょうか。それとも、市内の業者が、市外の業者の指定場所まで破砕済みの木くずを運搬したのでしょうか?あるいは、第三者が輸送用トラック等を手配して運搬したのでしょうか?
●質問3-8
 市内の業者から前橋市外の業者までの破砕済みの木くずの運搬費は誰が支払ったのでしょうか?

4.違法性の有無の判断について
●質問4-1
 貴殿が市内の業者を立ち入り検査した結果、違法性がないと判断した根拠は、どのようなものでしょうか?
●質問4-2
 市内の業者から市外の業者に売却された経緯があるようですが、運搬費などの補てんや手数料と称する補てんなど、いわゆる逆有償取引等の問題は見られあいことをきちんと確認しましたか?
●質問4-3
 業者間で適正に処理されたと認識している根拠は、どのようなものでしょうか?

5.最終処分、その他について
●質問5-1
 当会では、破砕された木くずが、焼却されて、最終的に最終処分場に運搬されたものと考えております。貴殿は、滋賀県に不法投棄された福島原発事故で放射能汚染された木くずの最終処分に至るまでの実態について、どのように確認しましたか。それとも、そこまでは確認しませんでしたか?
●質問5-2
 貴殿は、福島原発事故による放射能汚染ガレキ類の受け入れ自治体として手を挙げていたことがあります。今回の市内の業者による不法投棄された放射能汚染の木くずの受け入れについては、市内の業者が受け入れて破砕処分をしてから、貴殿は約1年後に滋賀県から通知を受けたわけですが、通報の遅れについて滋賀県に説明を求めた経緯があるでしょうか?
●質問5-3
 貴殿は、もともと放射能汚染ガレキ類の受け入れ自治体として手を挙げていましたが、今回の事件について、事件の違法性がないとする見解を示していますが、道義的にはどのような見解をお持ちでしょうか?

なお、貴殿のご回答を得た上で、あるいは得られなかったときに、記者会見で回答の有無及び内容を明らかにしてまいりたいと考えます。同時に当市民オンブズマン群馬のホームページ上でも明らかにし広く群馬県民に広報してまいる所存です。つきましては、平成27年10月1日(木)限り、下記にFAXにてご回答いただきますよう、お願い申し上げます。
          記
市民オンブズマン群馬  事務局長 鈴木 庸
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
電話027-224-8567  FAX027-224-6624
                    敬具
**********

■情報開示が有り次第、及び回答書が届き次第、順次報告してまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

【9月25日追記】
この件で、本日朝刊に次の記事が掲載されました。また、本日午前中に当会事務局宛に前橋市役所秘書課から電話がありました。山本龍・前橋市長が、当会の公開質問状の内容その他に関して直接当会と面談して話し合いたいというので、9月29日(火)午前11時に、市長室で面談する予定となりました。

**********2015年9月25日上毛新聞社会面P24
汚染木くず中間処理 前橋市に公開質問状 オンブズマン群馬
 東京電力福島第1原発事故で放射性セシウムに汚染された木くずが滋賀県に不法投棄され、撤去された木くずの破砕処理を前橋市内の産業廃棄物中間処理業者が受け入れたことについて、市民オンブズマン群馬(小川賢代表)は24日、山本龍市長に市民に公表しなかった理由などを問う公開質問状を提出した。
 質問は破砕木くずの売却先、違法性がないと判断した根拠などを問う内容。10月1日までの回答を求めている。
 投棄された木くずの放射性セシウム濃度は3900ベクレルで、指定廃棄物(8千ベクレル以上)に当たらないことから通常の産業廃棄物として破砕処理された。市は2014年12月に滋賀県からの情報提供で把握した。山本市長は24日の定例会見で「一定の放射線を帯びた廃棄物を自治体が管理監督でいる仕組みをつくるべきではないか」と述べ、国への申し入れを検討する方針を示した。

**********2015年9月25日東京新聞群馬版
汚染木くず処理問題 前橋市長「法に不備ないか
 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性セシウムに汚染された木くずが滋賀県で不法投棄され、前橋市内に運ばれて破砕処理されていた問題で、前橋市の山本龍市長は二十四日の定例会見で、民間業者同士のやりとりで処理された過程で市側に何も知らされず関与できなかった点を「法的に不整備があるのでは」と疑義を呈し、国に問題提起する考えを示した。
 市によると、不法投棄された二〇一三年時点の木くずのセシウム濃度は最大で一キロ当たり三九〇〇ベクレルで、国の責任で処理する「指定廃棄物」の基準となる八〇〇〇ベクレルを下回っていた。
 山本市長は「指定廃棄物ではないから民間の流通で良いというのでは市民の不安を払拭(ふっしょく)するに足りない。全国的な流通の仕組みの中で政府として関わりが求められるのでは」と指摘。今回の事例のような汚染された木くずなどの処理をめぐる管理・監督で、自治体も関与できる仕組みを作るべきだと主張した。
 木くずは、不法投棄した事業者が一四年二月までに自主撤去し、前橋市内の産廃中間処理業者に運び破砕され、市外業者に売却されていた。前橋市は同年十二月に滋賀県から連絡があるまで、一連のやりとりを把握していなかった。
 市は今年四月にこの施設の空間放射線量を測定。除染が必要となる国の基準値を下回っていたが、山本市長はこの日の会見で「多くの市民に不安を与えたことをおわびしたい」と陳謝した。 (川田篤志)
**********






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サンパイ処分場化する群馬県に持ち込まれていた滋賀県からの原発汚染木くずの県内中間処理問題(その2)

2015-09-24 01:14:00 | 前橋市の行政問題
■このように、東電原発事故由来の放射能汚染の大量の木くずが、一体どこにどうやって運搬され、どのように処分されているのか、事件の全貌が皆目つかめません。しかし、今回の前橋市内での中間処理業者の関与により、いよいよ群馬県でも住民の安心・安全な健康と生活への脅威を不安が現実のものになっていたことが判明したのです。

 当会がこれまでに入手した情報によれば、今回の放射能汚染木くず不法投棄事件を含む一連の問題は、東京電力の体質がもたらしたものであり、早急に行政側や司直が東電やその取り巻きの関係者らの事情聴取を行う必要があると考えております。

以下は当会が、これまでの調査をもとに想定している東電福島第1原発事故由来の放射能汚染木くず処理の構図です。

■この構図の背景にあるのは、福島第1原発事故を起こした東京電力が、この事故の除染や賠償のために支払っている巨額のカネです。

 東電は、2013年1月1日に、福島復興本社(電話0240-25-5310)を福島県双葉郡楢葉町大字山田岡字美シ森8番Jヴィレッジ内に設置しました。東電のHPによると、「福島県にある全ての事業所の復興関連業務を統括し、原子力事故で被災された方への賠償、除染、復興推進などについて、迅速かつ一元的に意志決定し、福島県の皆さまのニーズにきめ細やかに対応するため」とあります。

 しかし東電は、表向きは加害者として反省を示す言葉を発していますが、その一方で、今回の放射能汚染木くず不法投棄事件に関して、マスコミの取材に対して、「賠償金は、申請書類をもとに支払いの適否を判断するが、個別の案件については回答できない」と回答しました。これが東電の本質です。

■今回の木くずは、福島県中通りの中央部にある本宮市高木駒込29-1にある浜崎製材㈱(電話0243-33-4400)から排出されました。浜崎製材は、福島県木材協同組合連合会(通称「福島県木連」)の組合員221社のひとつです。福島県木連の概要は次のとおりです。
●福島県木材協同組合連合会
 ・URL:http://www.fmokuren.jp/publics/index/2/
 ・所在地:〒960-8043 福島県福島市中町5番18号林業会館
 ・電話番号:024-523-3307
 ・代表者:会長 朝田宗弘、 専務 宗形芳明
 ・設立年月日:1964年3月25日
 ・資本金:17,910千円(出資金)
 ・会員数:27組合(221組合員)
 ・事業内容:組合員のためにする各種共同事業 (木材、木製品の受注・斡旋・購買)、木材産業振興対策 、製材JAS認定工場の指導、各種認定制度、団体事務受託

 福島県木連の組合員の木材チップ・バーク(樹皮)業者としては、浜崎製材㈱をはじめ、次の各社が挙げられます。
●郡山チップ工業㈱
 URL:http://k-chip.co.jp/
 住所:郡山市土瓜1丁目71-2
 電話:024-961-1412
 備考:設立1970年7月、資本金1,000万円、代表者は代表取締役社長・大内雅晴。事業内容は製紙用チップ、各種木製パレット・梱包材の製造・販売、住宅用パネル(軸組工法、2×4工法等の製造)、チップ(紙、炭、遊歩道敷材、他)、オガ粉(椎茸栽培、畜舎敷料、他)、バーク(肥料、燃料、畜舎敷料、他)、杭木。
●㈱荒海チップ
 URL:http://www.uyou.gr.jp/arakai/
 住所:南会津郡南会津町川島字土橋1205
 電話:0241-62-1054
 備考:1962年 6月設立、資本金2000万円、代表取締役は渡部東。従業員は男子5名(工場) と女子1名(事務)、事業内容は木材チップの製造。
●浜崎製材㈱
 URL:http://hamazaki-seizai.co.jp/company.html
 住所:本宮市高木字猫田46-2
 電話:0243-33-2481
 備考:1959年8月開業、代表取締役会長は濱崎喜一郎、代表取締役社長は濱崎さちえ。業務内容は木材チップ製造(紙原料)及び木材チップ関連機械の設計・製造・販売。
●千葉製材所
 URL:http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2011/12/post_2822.html
 住所:南相馬市原町区丑来字穴田42-1
 電話:0244-22-3442
 備考:代表者は千葉喜之助。

 福島県木連は、東電原発事故により、それまでは有価物として出荷できていた樹皮などの木材加工副産物が放射能汚染で特定廃棄物扱いになったため、当然、東電に善処を申し入れたはずです。東電では、福島復興本社農林漁業相談グループが対応にあたったと思われます。この組織の概要は次のとおりです。
 ・部署名:東京電力福島復興本社農林漁業相談グループ
 ・部長:白鳥光雄
 ・次長:武井敬一
 ・課長代理:森井正人
 ・課長代理:村田仁志
 ・電話:024-521-8450

■こうして利害が一致した福島県木連と東電農林漁業相談グループの強力なバックアップを受けたのが、福島県内の汚染木くず等の収集・運搬と中間処理の利権を一手に引き受けている遠野興産㈱です。
●遠野興産㈱
URL:http://www.toono.co.jp/
住所:福島県いわき市遠野町根岸字石田44-3
代表者:代表取締役 中野光
電話:0246-89-2214
FAX:0246-89-3316

 この遠野興産㈱が集めた福島県外の産業廃棄物中間処理業者は次のとおりです。これらの業者は、福島県外にある汚染木くずの処理先でもあります。福島県いわき市の遠野興産に一旦収集された放射能汚染木くずは、400ベクレルを超えており最大8,000ベクレルの放射線量があったと推測されます。

<栃木県>

●㈱ニューナスリサイクル工場
 住所:那須塩原市鳥野目330
 電話:0287-60-0280
 備考:遠野興産の関連会社
●㈲日光有機
 URL:http://nikko-yuki.co.jp/index.php
 住所:日光市大沢町388
 電話:0288-26-1442
 備考:堆肥製造及び産廃処理会社。2011年3月7日付で東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請した。1985年に設立、有機堆肥の製造販売を主力とし、産業廃棄物の中間処理も手掛け、2008年には産廃処理施設を新設するなど事業を拡大していた。しかし、その産廃処理施設に不備があったため想定した収益を上げられず、また、主力の堆肥販売でも競争激化で売上が減少し業績が悪化。資金繰りの行き詰まりから、自力での再建を断念し今回の措置に至った。信用調査会社などによると、関連会社の「三宝緑化」も同様の措置が取られ、2社合計の負債総額は約21億円。
●㈱フライトワン
 URL:http://www.flight-one.co.jp/index.html
 住所:足利市真砂町41
 電話:0284-40-3090
 備考:産業廃棄物中間処理。RPF製造
●㈱セルクリーンセンター
 URL:http://c-clean.co.jp/
 住所:宇都宮市平出工業団地45
 電話:028-660-6075
 備考:産業廃棄物焼却処分事業。 120t/日(24時間運転)。「(株)八幡」、「鈴運メンテック(株)」が共同出資した会社。
●神明畜産㈱
 URL:http://shinmeifarm.co.jp/
 住所:須鳥山市志鳥36310287-88-2331
 電話:0287-88-2331
 備考:資本金20,000万円。本社は東京都東久留米市。グループ企業に共栄畜産有限会社(資本金8,000万円、東京都東久留米市)、株式会社丸神運輸(資本金3,000万円、東京都東久留米市)、有限会社森林畜産(資本金3,500万円、栃木県那須烏山市)、有限会社南紀畜産(資本金1,000万円、 三重県熊野市)、農事組合法人第二姫椿牧場(資本金1,010万円、大分市日田市)、有限会社いわきファーム(資本金500万円、福島県いわき市)、有限会社飯館ファーム(資本金300万円、福島県相馬郡飯館町)、有限会社八戸ファーム(資本金300万円、青森県三戸郡階上町)、有限会社神明商事(資本金200万円、東京都東久留米市)がある。

<群馬県>

●㈱関口フレーム
 URL:http://www.sekiguchi-f.com/
 住所:高崎市倉賀野町2642
 電話:027-346-3131
 備考:産業廃棄物中間処理業。施設として、選別破砕、選別、油水分離、脱水、混合、中和(特別管理産業廃棄物を含む)、破袋分別、乳化、分解・洗浄、アスベスト含有産廃積替保管、脱水蒸留処理水貯留タンク、施設内発生汚水貯留槽からなる。

<埼玉県>

●埼原リサイクル㈲
 URL:http://www.saigen.co.jp/05_02.html
 住所:深谷市大字折之口195
 電話:048-573-2557
備考:産廃の中間処理・第一種フロン類回収業。埼玉製鐵原料㈱(廃棄物再生事業・計量測定・とび・土木工事業)のグループ会社。他に、彩原㈱(産廃の中間処理・収集運搬、遊技機リサイクル業)、関東リサイクル㈲(建築物解体・産廃収集運搬業)

■福島県いわき市の遠野興産㈱により、収集された放射能汚染木くずは、県外に搬出されて、上記の処理先で中間処理(破砕或は焼却、または堆肥化)が行われていたと見られます。また、汚染木くずを福島県から取集し、栃木県、群馬県、埼玉県など県外に運搬し、中間処理される費用は全て東電が支払っていたものと推測されます。

 一部は㈱セルフクリーンセンターで焼却された放射能汚染木くずもあるかもしれませんが、大半の破砕された木くずは、埼玉県にある埼原リサイクル㈲のすぐ近くにある㈱クリーンテックサーマルに持ち込まれて焼却された模様です。また、運搬・処分費用は東電が支払ったと考えられます。
●㈱クリーンテックサーマル
 URL:http://www.clean.ne.jp/thermal/index.html
 住所:深谷市折之口1985
 電話:048-572-3445
 備考:2002年4月30日設立。代表取締役は反後太郎。産廃最終処分業の㈱クリーンテックの関連会社で焼却による中間処理を業務とする。

 焼却することで、さらに放射線量が上がり、焼却灰の持つベクレル値は相当高いレベルになったと思われます。その焼却灰は、親会社の運営する福島県内の最終処分場に搬送されたようです。
●㈱クリーンテック
 URL:http://www.clean.ne.jp/cleantech/index.html
 住所:福島県飯坂町中野字赤落27
 電話:024-541-2811
 備考:資本金4,000万円、主要株主は反後堯雄、反後太郎、㈱社日本クリーンサプライ、日和サービス㈱(日立製作所グループ)、㈱熊谷組。現在、第1期処分場が満杯となり、第2期処分場で営業中。同管理型産業廃棄物最終処分場は、埋立面積104,600m2(内1工区 57,400m2)、埋立容量1,752,000m3(内1工区 637,000m3)、準好気性埋立構造、セル+サンドイッチ(中間覆土)方式、浸出水処理方式は物理化学処理+生物処理+高度処理、水処理能力330m3/日(内1工区 220m3/日)。

 または破砕後、焼却処分せずに、福島県由来の汚染木くず破砕物(バークチップ)であることを隠して家畜飼料、肥料(堆肥)として出荷している可能性もあります。

■福島県の浜崎製材㈱からは、毎月200トンほど汚染木材のバーク(樹皮)チップが排出されており、原発事故があった2011年3月からは放射能汚染の木材を加工したため、2012年12月までにバークチップが3000トン程度溜まっていたようです。

 一方、田中容疑者はその後、チップの処分費用として東電から約4億円を受け取っていることから、1トン当たりの処理費用が7万8000円とすると、田中容疑者が扱った木くずは5000~6000トンあったと推測されます。これらの放射能汚染木くずは、福島県内の産廃業者をいくつか経由して、県外に持ち出されたと推測されますが、今回の事件で発覚した放射能汚染木くずの量はわずか300トンであり、浜崎製材㈱の排出する1か月分にしかならないため、氷山の一角とみられています。

■今回の事件では、放射能汚染された木材チップは、前橋市内の産業廃棄物中間処理施設で破砕されたと報じられています。ちなみに、前橋市内の産廃処理業者のリストは次のとおりです。
○前橋市許可業者一覧(産業廃棄物処分業)↓
http://www.city.maebashi.gunma.jp/jigyousya/376/383/p002374_d/fil/sanpaisyobunmeibo270701.pdf

 このうち前橋市内の事務所を構えていて中間処理(破砕)を手掛けているのは、㈲須田工業、㈱最澄建工、高橋物産㈱、群馬アスコンセンター㈱、上毛資源㈱、久松商事㈱、太眞工業㈱、㈲前原化成産業、佐田建設㈱、㈱資源再開発興業、㈱佐藤商店、福和産業㈱、三原興産㈱、鵜川工業㈱、庭前紙業㈱、㈱大野工業、㈱カークエスト、㈲武京商会、国土緑化㈱、社会福祉法人しののめ会、エコアドバンス㈲、㈱オダワラ、㈱前橋クリーン、㈱エコ・ディスタンスです。果たして、この中に、琵琶湖沿岸に不法投棄された放射能汚染木くずを受け入れて破砕処理をした業者は含まれているのでしょうか。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項続く】

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