■平成26年10月16日に発売された「週刊新潮」10月23日号がすっぱ抜いた小渕優子代議士のデタラメな政治資金の使途の一部が明らかになってから、まもなく1年が経過しようとしています。有権者の買収ともとられかねない格安での明治座貸切観劇会、政治資金50万円を使い後援者御一行を東京ドームに招待した「巨人戦」観戦会、秘書に買ってやったオーダーメイドのスーツの“制服代”としての計上、姉夫婦の経営する南青山のブティックに3年で330万円の売上げ貢献、パーティーで配る1万円のネクタイを姉夫婦の店で何度も購入、地元農家の「下仁田ネギ」4000本を60万円で購入し交際費に計上などなど、まさにデタラメのオンパレードというべき状況が我が国国民の政治不信をさらに深めたのでした。
【9月14日午後8時追記】
本日の初公判で「国家老」は、容疑を全て認めたそうです。これで有罪が確定してゆくのでしょ
うが、同時に「執行猶予付き」となる公算が大きいため、そうなれば、実質的には「国家老」にとって痛くもかゆくもないことでしょう。むしろ「姫」の身代わりになれた、として、かつて仕えた殿様(故小渕恵三首相)の墓前で胸を張って報告できる歓びに浸れるのでしょう。
裁判所によれば、「執行猶予は、前科がない者などについて、3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡すときに付けることができる」とあります。しかし実際には1千万円を超える罰金でも役人の犯罪の場合には執行猶予が付くことが多いようです。さらに、安中市元職員で51億円を横領したタゴの場合には、巨額の不当利得に対する課税が棒引きとなりました。罪が小さくても、或いは罪が巨大でも、執行猶予や免税措置が適用されるのです。また、執行猶予と同時に保護観察に付して、猶予の期間中、保護観察所の保護観察官や保護司の指導を受けるようにすることもあります。もちろん、「国家老」の場合には、誰の指導も受けることはないに違いありません。
刑罰を科す目的には、悪いことをすればそれ相応の苦痛を与えられるべきだということと、罪を犯すとこのような重い刑を受けるのだということを世間の人に知らせ、他の者が罪を犯さないようにすることが考えられます。
しかし裁判所によれば、刑罰には、犯人のその過ちを自覚反省させ、社会の役に立つ人間として立ち直らせるという働きがあることも見逃せないというのです。そして近代においては、刑罰のこのような働きが重視されるようになってきたため、比較的軽い罪を犯したような場合で、犯人が自分の非を悟り、今後はまじめな生き方をしていきたいと心に誓っているようなときは、もはや刑の執行をする必要はないともいえるので、このような人を刑務所に入れると、世間の人から特別の目で見られたりして自暴自棄になり、せっかく立ち直ろうとした決意が崩れて、かえって以前よりも悪くなるといった事態も考えられるのだそうです。
こうして、執行猶予の制度が考え出されて、明治38年からスタートし、次第に適用範囲が広げられ、現在のような形になったのだそうですが、「国家老」の場合、世間の裏の裏まで知り尽くしており、自暴自棄になることもなく、反省をすることも有り得ません。
だから執行猶予付きは「国家老」にはなじまない筈ですが、さて、判決はどうなることやら・・・。
その後、当会では小渕代議士のみならず、同代議士の秘書だった折田謙一郎・前中之条町長を、東京地検特捜部に告発をしていました。しかし遺憾ながら平成27年4月28日付で小渕代議士は不起訴処分となり、折田謙一郎のみが在宅起訴となりました。
当会は、小渕優子代議士の不起訴処分を不服として7月23日に東京検察審査会に対して審査申立てを行いました。現在、審査会で審議中と思われます。また、折田謙一郎前中之条町長の場合は、自身の後援会が受け取った選挙カーのレンタル費用を収支報告書に記載していなかったことから、これについても7月23日付で審査申立てをしています。
しかし共に未だに東京検審から連絡は有りません。まだ審査の真っ最中だと思われます。
■そうした中、在宅起訴から4か月半ぶりに、国家老の折田謙一郎・前中之条町長の初公判が今日開催されることになりました。残念ながら初公判の時刻や公判場所など詳細は不明です。
たまたま9月11日付の上毛新聞に、関連記事が掲載されたので、ご紹介します。
**********上毛新聞2015年9月11日
【論説】小渕氏元秘書初公判 自身の言葉で
小渕優子前経済産業相の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、元秘書2人の初公判が14日東京地裁で開かれる。昨年10月の問題発覚から間もなく1年。国民の政治不信を招いた政治とカネの真相が公開の法廷で明らかにされる。
東京地検特捜部が同法違反罪で在宅起訴したのは、前中之条町長の折田謙一郎被告(67)と、資金管理団体「未来産業研究会」(未来研)の元会計責任者、加辺守喜被告(62)。2人とも小渕氏の父親、恵三元首相時代から秘書を務めていた。
起訴状などによると、未来研の簿外支出を穴埋めするため、未来研など4団体の2009~13年分の政治資金収支報告書に、団体間で架空の寄付金を記入するなどしたとされる。虚偽記入は総額約3億2千万円に上る。順法精神が欠如していると言わざるを得ない。
簿外支出は飲食代や贈答品代などの経費に充てられていたというが、なぜ簿外支出をしたのか。公判での検察側立証や2人の証言に注目したい。
小渕氏本人は、嫌疑不十分で不起訴処分となった。刑事責任を問われなかったものの、2人の起訴重く受け止め、「政治的、道義的責任を痛感しています」とのコメントを出した。昨年10月の経産相辞任会見で、「政治家としての説明責任を果たしていきたい」と述べた。だが、これまでに小渕氏が事実関係について公の場で説明する機会は一度もない。事務所は「弁護士らで構成する第三者委員会に調査を委ねており、その結果を待ちたい」としている。失った信頼を取り戻すためにも、調査結果を踏まえて自身の言葉で国民にきちんと説明するべきだろう。
「政治とカネ」にまつわる問題は後を絶たない。その昔はロッキード事件、リクルート事件が政界を大きく揺るがした。今通常国会でも、2月に西川公也農相が辞任した。自身が代表を務める自民党支部が国の補助金対象だった木材加工会社から寄付を受けていたなどとして批判を浴び、責任を取った格好だ。
同様な問題は地方議会でも見受けられる。記憶に新しいのが、号泣会見が世間の話題になった元兵庫県議だ。政務活動費訳910万円をだまし取ったとして、詐欺罪などで在宅起訴されている。調査研究や研修に使われる政務活動費をめぐっては、全国で不適切な支出が相次いでいる。
公正な政治活動を確保する目的で1948年に施行された政治資金規正法は大きな事件のたびに改正され、厳格化されてきたが、現在も不明朗な問題は無くならない。「ザル法」との指摘もある。
投票率の低落傾向に象徴されるように、国民の政治離れが叫ばれて久しい。厳しい視線が注がれる「政治とカネ」の問題も一因だろう。政治不信の払しょくへ、国会全体で抜本的な対策を講じる必要に迫られている。
**********
■公判でどの程度、容疑者らの陳述があるのかどうかも全く分かりません。おそらく翌日のニュースではどこかの放送局が公判開催の事実などを報告すると思いますが、あらかじめ皆様にも報告しておきます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
【9月14日午後8時追記】
本日の初公判で「国家老」は、容疑を全て認めたそうです。これで有罪が確定してゆくのでしょ
うが、同時に「執行猶予付き」となる公算が大きいため、そうなれば、実質的には「国家老」にとって痛くもかゆくもないことでしょう。むしろ「姫」の身代わりになれた、として、かつて仕えた殿様(故小渕恵三首相)の墓前で胸を張って報告できる歓びに浸れるのでしょう。
裁判所によれば、「執行猶予は、前科がない者などについて、3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡すときに付けることができる」とあります。しかし実際には1千万円を超える罰金でも役人の犯罪の場合には執行猶予が付くことが多いようです。さらに、安中市元職員で51億円を横領したタゴの場合には、巨額の不当利得に対する課税が棒引きとなりました。罪が小さくても、或いは罪が巨大でも、執行猶予や免税措置が適用されるのです。また、執行猶予と同時に保護観察に付して、猶予の期間中、保護観察所の保護観察官や保護司の指導を受けるようにすることもあります。もちろん、「国家老」の場合には、誰の指導も受けることはないに違いありません。
刑罰を科す目的には、悪いことをすればそれ相応の苦痛を与えられるべきだということと、罪を犯すとこのような重い刑を受けるのだということを世間の人に知らせ、他の者が罪を犯さないようにすることが考えられます。
しかし裁判所によれば、刑罰には、犯人のその過ちを自覚反省させ、社会の役に立つ人間として立ち直らせるという働きがあることも見逃せないというのです。そして近代においては、刑罰のこのような働きが重視されるようになってきたため、比較的軽い罪を犯したような場合で、犯人が自分の非を悟り、今後はまじめな生き方をしていきたいと心に誓っているようなときは、もはや刑の執行をする必要はないともいえるので、このような人を刑務所に入れると、世間の人から特別の目で見られたりして自暴自棄になり、せっかく立ち直ろうとした決意が崩れて、かえって以前よりも悪くなるといった事態も考えられるのだそうです。
こうして、執行猶予の制度が考え出されて、明治38年からスタートし、次第に適用範囲が広げられ、現在のような形になったのだそうですが、「国家老」の場合、世間の裏の裏まで知り尽くしており、自暴自棄になることもなく、反省をすることも有り得ません。
だから執行猶予付きは「国家老」にはなじまない筈ですが、さて、判決はどうなることやら・・・。
その後、当会では小渕代議士のみならず、同代議士の秘書だった折田謙一郎・前中之条町長を、東京地検特捜部に告発をしていました。しかし遺憾ながら平成27年4月28日付で小渕代議士は不起訴処分となり、折田謙一郎のみが在宅起訴となりました。
当会は、小渕優子代議士の不起訴処分を不服として7月23日に東京検察審査会に対して審査申立てを行いました。現在、審査会で審議中と思われます。また、折田謙一郎前中之条町長の場合は、自身の後援会が受け取った選挙カーのレンタル費用を収支報告書に記載していなかったことから、これについても7月23日付で審査申立てをしています。
しかし共に未だに東京検審から連絡は有りません。まだ審査の真っ最中だと思われます。
■そうした中、在宅起訴から4か月半ぶりに、国家老の折田謙一郎・前中之条町長の初公判が今日開催されることになりました。残念ながら初公判の時刻や公判場所など詳細は不明です。
たまたま9月11日付の上毛新聞に、関連記事が掲載されたので、ご紹介します。
**********上毛新聞2015年9月11日
【論説】小渕氏元秘書初公判 自身の言葉で
小渕優子前経済産業相の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、元秘書2人の初公判が14日東京地裁で開かれる。昨年10月の問題発覚から間もなく1年。国民の政治不信を招いた政治とカネの真相が公開の法廷で明らかにされる。
東京地検特捜部が同法違反罪で在宅起訴したのは、前中之条町長の折田謙一郎被告(67)と、資金管理団体「未来産業研究会」(未来研)の元会計責任者、加辺守喜被告(62)。2人とも小渕氏の父親、恵三元首相時代から秘書を務めていた。
起訴状などによると、未来研の簿外支出を穴埋めするため、未来研など4団体の2009~13年分の政治資金収支報告書に、団体間で架空の寄付金を記入するなどしたとされる。虚偽記入は総額約3億2千万円に上る。順法精神が欠如していると言わざるを得ない。
簿外支出は飲食代や贈答品代などの経費に充てられていたというが、なぜ簿外支出をしたのか。公判での検察側立証や2人の証言に注目したい。
小渕氏本人は、嫌疑不十分で不起訴処分となった。刑事責任を問われなかったものの、2人の起訴重く受け止め、「政治的、道義的責任を痛感しています」とのコメントを出した。昨年10月の経産相辞任会見で、「政治家としての説明責任を果たしていきたい」と述べた。だが、これまでに小渕氏が事実関係について公の場で説明する機会は一度もない。事務所は「弁護士らで構成する第三者委員会に調査を委ねており、その結果を待ちたい」としている。失った信頼を取り戻すためにも、調査結果を踏まえて自身の言葉で国民にきちんと説明するべきだろう。
「政治とカネ」にまつわる問題は後を絶たない。その昔はロッキード事件、リクルート事件が政界を大きく揺るがした。今通常国会でも、2月に西川公也農相が辞任した。自身が代表を務める自民党支部が国の補助金対象だった木材加工会社から寄付を受けていたなどとして批判を浴び、責任を取った格好だ。
同様な問題は地方議会でも見受けられる。記憶に新しいのが、号泣会見が世間の話題になった元兵庫県議だ。政務活動費訳910万円をだまし取ったとして、詐欺罪などで在宅起訴されている。調査研究や研修に使われる政務活動費をめぐっては、全国で不適切な支出が相次いでいる。
公正な政治活動を確保する目的で1948年に施行された政治資金規正法は大きな事件のたびに改正され、厳格化されてきたが、現在も不明朗な問題は無くならない。「ザル法」との指摘もある。
投票率の低落傾向に象徴されるように、国民の政治離れが叫ばれて久しい。厳しい視線が注がれる「政治とカネ」の問題も一因だろう。政治不信の払しょくへ、国会全体で抜本的な対策を講じる必要に迫られている。
**********
■公判でどの程度、容疑者らの陳述があるのかどうかも全く分かりません。おそらく翌日のニュースではどこかの放送局が公判開催の事実などを報告すると思いますが、あらかじめ皆様にも報告しておきます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】