市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ問題を斬る!…警察の強制捜査に併せて群馬県が公表した大同スラグの調査結果から見えてくるもの

2015-09-13 21:53:00 | スラグ不法投棄問題
■今回、ようやく刑事告発に踏み切った群馬県は、どのような内容の告発状を県警に提出したのでしょうか?県によれば、県警に告発状を提出したのは9月7日(月)だったそうです。そして実際に県警が関係先のガサ入れを実行したのは9月11日(金)でした。僅か4日間で告発状の内容を吟味して犯罪性を確認することは時間的に不可能ですから、従前に県と県警との間で、準備期間があったものと推察できます。しかし、群馬県は次のようにホームページで告発に至った経緯等を説明していますが、告発状の内容は公表していません。おそらく今後も公表する予定はないものと見られます。当会としては今後の成り行きによっては、この告発状の内容を確認する必要が出てきた場合、情報公開請求が必要かもしれません。

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群馬県公式ホームページ
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700084.html
【9月11日】大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について(廃棄物・リサイクル課)
《大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について》
 大同特殊鋼株式会社渋川工場の製鋼過程で副産物として排出された鉄鋼スラグが建設資材として使用されたことについて、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)に基づき調査を行ってきたところ、その結果は次のとおりです。
1 調査経過
(1)立入検査(廃棄物処理法第19条第1項)
・平成26年1月27日 大同特殊鋼(株)渋川工場
・平成26年1月31日 大同エコメット(株)渋川事業所
・平成26年2月27日 (株)佐藤建設工業
(2)報告の徴収(廃棄物処理法第18条第1項)
・平成26年4月18日 大同特殊鋼(株)、大同エコメット(株)、(株)佐藤建設工業
・平成26年7月 7日 大同特殊鋼(株)、大同エコメット(株)
・平成26年7月25日 大同特殊鋼(株)
・平成27年8月 4日 大同特殊鋼(株)
2 調査結果
(1)大同特殊鋼(株)渋川工場は、工場が操業を開始した昭和12年頃から、副産物である鉄鋼スラグを土地造成材等として再利用してきたとみられるが、当時の関係資料が存在せず解明は困難である。
 なお、廃棄物処理法の施行は、昭和46年9月である。
(2)平成13年にふっ素の土壌環境基準が設定され、平成15年にふっ素の溶出量及び含有量に係る指定基準を設定した土壌汚染対策法が施行された。
 これにより、路盤材など土壌と接する方法で鉄鋼スラグを使用する場合、周辺土壌や地下水を汚染しないよう、土壌環境基準等と同等の基準を満たすことが求められ、鉄鋼業界では、ふっ化物(蛍石)を使用しない操業への移行や、鉄鋼スラグに含まれる有害物質の検査を行い、環境安全性を確認して路盤材等に再生利用する方法がとられてきた。
 しかし、大同特殊鋼(株)渋川工場は、その後もふっ化物(蛍石)の添加を止めることなく、また、鉄鋼スラグの大半がふっ素の土壌環境基準等を超過していることを承知したうえで出荷を続け、当該スラグが使用された施工箇所の一部で基準を超える土壌汚染を生じさせた。
(3)平成14年4月から平成21年6月までの間、大同特殊鋼(株)は、大同原料サービス(株)(平成18年に大同エコメット(株)に社名を変更)とスラグの委託加工、売買に関する契約を締結した。
 この契約は、大同特殊鋼(株)が大同エコメット(株)に地金回収後の鉄鋼スラグを製品原料として1トン当たり10円で売却し、大同エコメット(株)が体積安定化処理(エージング)を行った後に販売するというものであったが、大同特殊鋼(株)から大同エコメット(株)にエージング処理費等の名目で鉄鋼スラグ購入代金を上回る金員が支払われており、いわゆる逆有償取引であった。(別紙図1参照)
(4)平成21年7月から平成24年6月までの間、大同特殊鋼(株)は、大同エコメット(株)及び(株)佐藤建設工業との3者でスラグ混合再生路盤材の製造・販売等に関する契約を締結した。
 この契約は、大同特殊鋼(株)から大同エコメット(株)に地金回収後の鉄鋼スラグを製品原料として1トン当たり10円で売却し、大同エコメット(株)がエージング処理を行った後、(株)佐藤建設工業に1トン当たり100円で売却するというものであったが、一方で、大同特殊鋼(株)から大同エコメット(株)に対してエージング処理費等の名目で鉄鋼スラグ購入代金を上回る金員が支払われ、大同特殊鋼(株)から(株)佐藤建設工業に対して販売管理料等の名目で、(株)佐藤建設工業が大同エコメット(株)に支払った鉄鋼スラグの購入代金を上回る金員が支払われており、いわゆる逆有償取引であった。(別紙図2参照)
(5)平成24年7月以降、大同特殊鋼(株)は、大同エコメット(株)とスラグ処理業務及びスラグ混合路盤材等製造に関する委託契約を、(株)佐藤建設工業とスラグ混合路盤材の販売に関する契約を、それぞれ締結した。
 これらの契約は、大同特殊鋼(株)から大同エコメット(株)に対してエージング処理や天然砕石との混合を委託し、(株)佐藤建設工業に対してスラグ混合路盤材を販売するというものであって、契約形態を変えただけで、平成21年7月から平成24年6月までの間と一連の行為の内容は同じであった。(別紙図3参照)
(6)平成26年1月28日以降、これらの契約に基づくスラグ混合路盤材の製造及び販売は行われていない。
(7)ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。
(8)スラグ再生路盤材等を購入した建設業者は、当該スラグの性状等を知らされておらず、有責性は認められない
(9)記録が確認できた平成14年11月から出荷を停止した平成26年1月までの間、大同特殊鋼(株)渋川工場から出荷された鉄鋼スラグの総量は、29万4,330トンである。
3 鉄鋼スラグの使用箇所の解明及び環境への影響調査
(1)これまで大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグの使用が確認された工事は、別表のとおり公共工事で225箇所である。
(2)環境影響については、工事実施主体が、使用したスラグ再生路盤材の品質規格証明書によって、同証明書がない場合については施工現場におけるスラグ再生路盤材や土壌の検査によって確認し、土壌汚染が確認された場合には、県が直接周辺地下水の調査を実施し、確認をしてきている。これまでの調査の結果では、地下水への影響は認められない。
(3)今後とも鉄鋼スラグの使用箇所の解明を進める。公共工事については工事実施主体に調査を要請、民間工事については大同特殊鋼(株)に対し、調査及び県への報告を指示する。
 新たに使用箇所が判明した場合は、これまでと同様の方法で環境調査を行い、その結果を速やかに公表する。
(4)判明した使用箇所はすべて県がリスト化し、今後も継続して、地下水の常時監視の中で、環境への影響について監視を行っていく。
別 表
【 大同特殊綱(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグの使用箇所 】
 工事実施主体/所在市町村/使用箇所数/土壌環境基準等の超過箇所数(スラグ・土壌・周辺地下水)
●国土交通省関東地方整備局
    /前橋市/27/14・2・0
    /長野原町/22/9・0・-
    /渋川市/6/3・2・0
    /東吾妻町/3/0・0・-
    /吉岡町/2/2・1・0
    /みなかみ町/2/0・-・-
    /太田市/1/0・-・-
    /嬬恋村/1/0・-・-
    /小計/65/27・5・0
●独立行政法人水資源機構
    /前橋市/14/7・1・0
    /渋川市/1/0・-・-
    /榛東村/1/1・0・-
    /小計/16/8・1・0
●群馬県
    /渋川市/25/0・-・-
    /吉岡町/11・0・-・-
    /東吾妻町/9/0・-・-
    /みなかみ町/4/1・0・-
    /中之条町/4/0・―・-
    /榛東村/2/0・-・-
    /長野原町/2/0・-・-
    /昭和村/1/0・-・-
    /小計/58/1・0・-
●渋川市/渋川市/72/49・41・0
●前橋市/前橋市/14/8・7・0
 計      /225/93・54・0
(注)本表は、現時点までの工事実施主体ごとの公表資料を整理したものである。
別紙
大同特殊鋼(株)、大同エコメット(株)、(株)佐藤建設工業の間の契約関係


<図1>平成14年4月から平成21年6月まで


<図2>平成21年7月から平成24年6月まで


<図3>平成24年7月から平成26年1月まで

環境森林部廃棄物・リサイクル課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-2861
FAX 027-223-7292
haikirisaka@pref.gunma.lg.jp
**********

■群馬県が発表した内容では、告発書の最も重要な部分である容疑・罰条が明らかになっていません。通常は告発状には、告発趣旨で容疑・罰条を示すことが求められます。本当は口頭でもよいのですが、警察は文書にこだわるからです。

 したがって、この事件が廃棄物処理法違反のどれに抵触したのか、あるいはその他にも、例えばウソの材料証明を提出したりして、刑法の文書偽造罪も適用されるのか、きちんと告発状に明記してあるはずだからです。

 その他、上記の群馬県の発表で気になった個所は次のとおりです。

(1)平成14年4月から平成21年6月までのスラグ販売先
 この期間。大同特殊鋼が子会社の大同エコメットにスラグを製品原料として販売していたとされるが、そのあと大同エコメットがどこにスラグを販売していたのか?当然、記録が有るはずだから、すぐに判明するはず。

(2)大同スラグを購入した建設業者の取り扱い方
 県の発表では「スラグ再生路盤材等を購入した建設業者は、当該スラグの性状等を知らされておらず、有責性は認められない」として、今回の告発の対象外とされている。違法な土木資材を公共事業で使えば使うほど、正規の土木資材とのコストの差額が大きくなり、巨額の利益を生み出すことができたはず。工事に際して、建設業者は材料試験証明書を役所に提出しなければならない。大同スラグの本当の性状について、建設業者が知らない筈がない。この公金の行方について、県は疑問を感じないのだろうか。「どうせ税金はアブク銭だから、スラグを使った者勝ち」とでも思っているとしたら、納税者県民はいい面の皮だ。おそらく群馬県としては、建設業者に免罪のお墨付きを与えられるかどうかが最重要課題だったに違いない。

(3)平成14年11月以前に六価クロムやフッ素等を含んだスラグの取り扱い方
 記録が確認できたのは平成14年11月以降の出荷分28万4330トンだけだという。ということは、それ以前の有毒スラグについては、不問にするということなのか。平成14年11月以前の出荷分と思われるスラグ不法投棄現場では、いまでも環境基準を遥かに超える汚染が検出されているところが多数存在する。これらの原状復元は一体誰がやるのだろうか。もしこれらの撤去費用を県が大同から徴収することをせず、税金から出資するとした場合、そのようなことは決して許されない。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

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大同スラグ問題を斬る!…強制捜査から一夜明けたマスコミ各紙の報道ぶり(その3)

2015-09-13 12:56:00 | スラグ不法投棄問題
■そのほかのマスコミ各紙のこの事件の報道記事は次のとおりです。

**********2015年09月12日読売新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20150911-OYTNT50427.html
八ッ場ダム関連の大同特殊鋼強制捜査 スラグ不正処理12年間か

鉄鋼スラグを廃棄物と認定した経緯を説明する青木勝・県環境森林部長(中央)(11日午前10時42分、県庁で)=石原宗明撮影
◆県「廃棄物にあたる」認定
 鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(渋川市石原)から出た鉄鋼スラグを巡る問題は11日、県警が廃棄物処理法違反容疑で同社などを捜索し、強制捜査に発展した。県は緊急記者会見を開き、同工場のスラグについて「廃棄物にあたると認定した」と説明。同社が約12年間にわたって、不正な処理を続けていたとの調査結果を明らかにした。環境基準を超えるスラグの使用は県内93か所で確認されており、さらに膨らむ見通しだ。
 「販売名目でも、実際は廃棄物処理の委託だった」
 県庁で記者会見した青木勝・県環境森林部長は、大同特殊鋼が行っていたスラグの取引を、そう断じた。県は昨年1月に渋川工場などに立ち入り調査し、実態解明を進めてきた。
 県の調査によると、渋川工場のスラグは2002年4月から、同社の子会社「大同原料サービス(現・大同エコメット)」(愛知県東海市)が購入していた。09年7月、地元の建設会社「佐藤建設工業」(渋川市小野子)も購入するようになった。2社は大同特殊鋼と委託や売買契約を結び、購入したスラグを加工した後、土木資材として出荷。県内の工事現場などで使われてきた。
 スラグは無害であれば、土木資材として有効活用できる。実際、全国でも広く売買されている。一方、廃棄物とみなされれば、同法の規制対象となる。県が着目したのは、3社の金の流れだった。
 大同特殊鋼は09年7月~12年6月、スラグを1トン当たり10円で大同エコメットに販売していた。大同エコメットはスラグを安定化処理した上で、佐藤建設工業に同100円で販売。佐藤建設工業が天然砕石と混ぜた後、路盤材として出荷していた。
 一方、大同特殊鋼は、2社に「処理費」「販売管理料」などの名目で金を払っていた。その金額は、スラグの購入代金を大幅に上回るという。大同特殊鋼はスラグを販売していたのではなく、2社に金を払って処理させていた形となる。
 こうした取引は「逆有償取引」と呼ばれており、スラグを廃棄物と認定する根拠となる。県の調査では、ほかの期間についても同様の取引形態だった。
 2社は、鉄鋼スラグを廃棄物として処理する許可を得ていない。大同特殊鋼から委託を受け、廃棄物であるスラグを無許可で処理したなどとして、県は7日、3社を同法違反容疑で県警に刑事告発した。これまでの県の調査に対し、3社は「スラグは(廃棄物ではなく)製品だ」との見解を示しているという。
 昨年1月に県の立ち入り調査を受けた後、大同特殊鋼は渋川工場のスラグの販売を停止した。記録が確認できる02年11月以降、販売されたスラグは29万4330トンに上る。
 大同特殊鋼は11日、ホームページで「当局による捜査には誠実に協力する。今後も当該路盤材が使用された場所の特定や対応工事への協力を通じて会社としての責任を果たす」などとするコメントを発表した。
◆スラグ使用公共工事  93か所で基準超有害物質
 大同特殊鋼の渋川工場から出荷された鉄鋼スラグは11日現在、県内225か所の公共工事で使われたことが確認されている。このうち93か所のスラグから、環境基準を超える有害物質「フッ素」や「六価クロム」が検出された。県は、民間や県外の工事も含めた使用箇所の特定を進めていく。
 基準超えの有害物質が検出されたのは、長野原町の八ッ場ダム建設代替地や、渋川市の遊園地「渋川スカイランドパーク」駐車場近くの市道など。54か所では土壌汚染も確認された。地下水への影響は確認されていない。
 県などはこれまで、有害物質を含む材料の撤去や立ち入り規制などの対策を実施。県は今後、民間工事について大同特殊鋼に調査と報告を求めたり、公共工事について市町村に調査を要請したりして、使用された場所の特定を進める。結果を公表し、環境への影響を監視していく。
 有害物質の原因について、県廃棄物・リサイクル課は「渋川工場では純度の高い鉄を抽出するために、フッ素を含む材料を使っていたからではないか」と指摘する。

**********2015年9月12日産経新聞群馬版
大同特殊鋼捜索 「環境への影響監視」 鉄鋼スラグを廃棄物認定
 鉄鋼メーカー大同特殊鋼の本社(名古屋市)や渋川工場(渋川市)などに11日、県警の強制捜査が入り、同工場から出た有害物質を含む鉄鋼スラグ問題は事件へと進展した。県は昨年1月に渋川工場などに立ち入り検査を実施し、約1年半に及ぶ調査の結果、同工場から出たスラグを廃棄物と認めた。県環境森林部の青木勝部長は「(同工場の)スラグ使用箇所は全てリスト化し、環境への影響を監視していく」と話した。
 県がこれまでに実施した調査によると、同社と子会社の大同エコメット、渋川市の廃棄物処理業、佐藤建設工業の3社は鉄鋼スラグをめぐり「逆有償取引」と呼ばれる製造・販売契約を結んでいた。
 3社が平成21年7月から行っていた取引では、大同特殊鋼がスラグをエコメットに販売する一方、スラグを安定化させるための処理費として、販売額を上回る金をエコメットに支払い、エコメットは処理したスラグを佐藤建設工業に販売。さらに大同特殊鋼は佐藤建設工業にも販売管理料名目で、販売額を上回る金を支払っていた。
 県廃棄物・リサイクル課の担当者は「相場からみれば、正規の方法でスラグを廃棄物処理するより、安くすんでいる」と話す。
 佐藤建設工業にわたった鉄鋼スラグはアスファルトの下に敷く「路盤材」に加工され、一般の建設業者に販売されていたが、県は「建設業者はスラグが環境基準を超える有害物質を含んでいたことなどは知らされておらず、責任は問えない」と判断した。
 記録が確認できた平成14年11月から出荷を停止した26年1月までの間に同工場から出荷されたスラグは計約29万トンとみられ、今後新たに使用箇所が判明する可能性はある。
 県によると、大同特殊鋼など3社は取引の事実は認めているものの、スラグを廃棄物ではなく、製品として認識し、取引していたという。
 大同特殊鋼は「(スラグが)使用された場所の特定や対応工事への協力を通じて会社としての責任を果たす所存です。皆さまにあらためて深くおわびします」とのコメントをホームページ上で発表した。

**********2015年9月12日東京新聞群馬版
「鉄鋼スラグ」「環境基準超過を認識」
大同特殊鋼家宅捜索 県、告発理由示す
 県警が大同特殊鋼渋川工場(渋川市)などを廃棄物処理法違反の疑いで家宅捜索したのを受け、同社など三社を刑事告発した県は十一日、県庁で記者会見して調査結果を明らかにした。県は、同工場が製造工程で出た「鉄鋼スラグ」の環境基準超過を認識した上で出荷を続けたと判断。取引の形態なども総合的に勘案し、スラグが同法に問われる廃棄物だったと認定した、と告発に至った理由を説明した。
 鉄鋼スラグは精製時に排出される砂利状の副産物。同工場では二〇〇二~一四年に約二九万四千トンを出荷し、路盤材に利用された。
 大同特殊鋼、子会社の大同エコメット(愛知県東海市)、佐藤建設工業(渋川市)の三社は、いずれもスラグを県の許可を得ずに取引したとされる。
 大同特殊鋼は子会社にスラグを売却する際、売却代を上回る経費を逆に支払った。子会社が佐藤建設工業にスラグを転売した一時期にも、大同特殊鋼は佐藤建設工業に転売代を上回る経費を逆に支払っていた。
 大同特殊鋼はスラグが廃棄物と認定されれば、多額の処理費用が掛かるため、費用を浮かせようと事実上は処理の委託となる取引をしていた可能性がある。こうした取引は「逆有償取引」と呼ばれ、場合によって違法となる。
 県は一四年一~二月、同法に基づいて三社に立ち入り検査。県は三社が逆有償取引をしていたなどとみて、廃棄物と認定した。佐藤建設工業は同法でスラグとは別の許可を県から受けているため、県は同社には行政処分を検討している。
 県環境森林部の青木勝部長は「三社ともお金のやりとりなど取引があったことは認めているが、スラグは廃棄物ではなく、製品だったと主張している。三社に逆有償取引との認識があったのかは確認していない」と語った。
 大同特殊鋼は「路盤材が使用された場所の特定を対応工事への協力を通じ、会社としての責任を果たす所存です。多大なるご心配やご迷惑をお掛けし、深くおわびもうしあげます」とのコメントを出した。
 同工場のスラグをめぐっては、逆有償とみられる取引の結果、県内各地の公共工事で使用され、九十三カ所が環境基準を上回った。このうち骨折のリスクが高まるというフッ素は基準の最大六・八倍、発がん性が指摘される六価クロムは同四・六倍が検出された。(菅原洋)

**********日本経済新聞2015年9月11日 14:51
<東証>大同特鋼が年初来安値 鉄鋼スラグの不正処理で刑事告発
(14時35分、コード5471)大幅に続落し、午後には一時前日比28円(6.5%)安の406円まで下落し、年初来安値を更新した。同社工場から出荷した鉄鋼スラグに関し、不正に処理した疑いで工場などが警察の家宅捜索を受けたと伝わったことが重荷となっている。14時20分に同社が刑事告発されたことを発表すると一段安となった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

**********時事通信 9月11日(金)11時28分配信
大同特殊鋼本社を捜索=廃棄物処理法違反の疑い―群馬県警
 鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」が群馬県渋川市の工場から製鉄過程で排出された鉄鋼スラグを不正に処理した疑いが強まったとして、群馬県警は11日、廃棄物処理法違反容疑で名古屋市東区の同社本社を家宅捜索した。
 県は今月7日、同社などを同法違反容疑で県警に告発していた。
 県によると、大同特殊鋼は2002年4月から14年1月まで、同社子会社と渋川市の建設会社に鉄鋼スラグを販売する一方、スラグを安定化させる処理費用との名目で、販売代金を上回る金額を両社に支払っていた。
 県は販売代金と安定化処理費用の差額を廃棄物処理費用として支払ったと判断しているが、子会社などは鉄鋼スラグを廃棄物として処理する許可を得ていなかったという。
 一方、大同特殊鋼など3社はスラグを製品として販売しただけで、廃棄物との認識はなかったなどと主張している。県警は捜索を通じ、スラグ処理の実態解明を進める方針だ。 
**********

■以上のマスコミ各紙の報道で、今回の事件の表向き概要が知ることが出来ます。しかし、今回の事件の本質は、さらに根深いものが有ると当会は見ております。その一端として次のことが挙げられます。

(1)なぜ大同スラグは、公共事業に大量に使用されることができたのか。
 この背景として、地元政治家が役所に働きかけてお膳立てをしていた可能性があります。とくに大同特殊鋼渋川工場が位置する渋川市にかかわりのある元・県会議員の存在が取り沙汰されています。

(2)佐藤建設工業が大同スラグを取り扱う以前は、大同スラグはどのようにして不法投棄されていたのか。
 ブラック佐藤は、平成21年7月から大同とスラグ引き受けのための契約を締結していました。しかし、それ以前の不法投棄ルートが不明です。大同が操業している限り、スラグの排出は不可避ですから、実際にはそれ以前にも誰かがスラグを引き受けて再生砕石を偽装して不法投棄していたはずです。平成20年10月16日に破産した井上工業の子会社が絡んでいたという情報もありますが、確証は得られていません。今後の調査で明らかにしていきたいと思います。
※参考:佐藤建設工業の工事履歴リスト↓
koji201309.pdf

(3)有毒な大同スラグの10倍希釈方法は誰が考えだし、誰がお墨付きを与えたのか。
 この件で気になるのは、鉄鋼業界団体の元締めの日本鐵鋼協会の傘下にある鐵鋼スラグ協会が、大同の作成したマニュアルを5年間に亘り合法的なものとして認めていたことです。また、大同のISO認証機関である日本検査キューエイ㈱が、品質管理の観点から問題性を指摘してこなかったことです。彼らは当会の公開質問に対していずれも回答拒否をしています。さらに、希釈方法については経産省なども研究会を作ってスラグ排出の基準値の見直しに向けた動きもしていた形跡があります。ということは、鉄鋼業界ぐるみでこの方法の合法化を図るべく、大同がその先鞭をつけるために実績作りの役割を果たしていたかもしれないのです。

(4)本当に大同と佐藤の所業がサンパイの不法投棄犯として立件・送検・告訴されるか。
 群馬県のこれまでの環境行政のやり方を見ていると、こうした不祥事が発生した場合、超法規的な措置を取るケースが多々あります。例えば、赤城山麓で夜陰に乗じて熊谷ナンバーの深アオリを付けたダンプトラックが得体の知れない物体を投棄しているのを群馬県のサンパイ110番に通報しても、怖がって全く調べようとしません。今回の事件では、大同スラグを好んで公共事業に使用していた地方の一部の土建業者らが、自民党県連などに多額の政治献金をしています。八ッ場ダムの現場に大同スラグが大量に使用されたことも、象徴的です。明日、東京地裁で初公判が予定されている小渕優子・前経産相の国家老は自民党の選挙の陰の仕切り役でした。こうした政官業の力学から、今回の事件がどのように幕引きを迎えるのか、予断は許されないでしょう。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
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大同スラグ問題を斬る!…強制捜査から一夜明けたマスコミ各紙の報道ぶり(その2)

2015-09-13 00:26:00 | スラグ不法投棄問題
■全国紙のなかでは、この問題を平成26年1月28日から一貫して報じている毎日新聞が、他紙に比べ一歩踏み込んだ報道をしています。

**********2015年09月12日毎日新聞東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20150912ddm012040028000c.html
有害スラグ問題:強制捜査 全撤去に200億円超
◇幹線交通への影響懸念
 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題は11日、群馬県警による強制捜査により刑事事件に発展した。実態解明が進む一方、八ッ場ダム(同県長野原町)の住民移転代替地や国道など幅広い工事で使われた有害スラグの撤去は、交通などへの多大な影響が懸念される上、200億円超ともされる費用負担が重くのしかかる。【杉本修作、尾崎修二】
 家宅捜索は大同の本社や渋川工場に加え、子会社の「大同エコメット」(愛知県東海市)やスラグ販売先の建設会社「佐藤建設工業」(渋川市)にも及んだ。
 同日行われた群馬県の会見によると、大同は2002〜14年、エコメットや佐藤建設工業にスラグを建設資材として販売しつつ、販売額以上の金を販売管理費などの名目で支払う「逆有償取引」をしていた。スラグは県内で国などが発注した工事225カ所で使われたが、93カ所では環境基準を超えるフッ素などが検出され、県は建設資材ではなく廃棄物と認定。エコメットと佐藤建設工業は廃棄物を処理する許可を得ていないことを知りながら大同が処理を委託したとして、3社を同法違反容疑で7日付で県警に刑事告発した。
 一方、有害な廃棄物を巡り、都道府県は業者側に撤去を指示する「措置命令」を出すことができるが、群馬県は今回命令を出さず、工事を発注した国や自治体に、誰が撤去を担うか、そもそも撤去するかどうかを含めて判断を委ねた。
 背景にあるのは、一つは交通への影響だ。スラグが使われた国道17号バイパスは東京と新潟をつなぐ幹線道路で交通量も多い。調査対象の十数キロのうちでは19カ所でスラグが確認され、道路表面に近い路盤だけでなく、道路を数メートルかさ上げする盛り土にも混入されていた。国土交通省の関係者は「盛り土まで撤去すると相当な時間がかかり、再舗装も必要だ。長期間の通行規制は避けられない」と話す。
 加えて、撤去には多額の費用が掛かる。管内49カ所で有害物質が検出された渋川市は撤去費用を1トン当たり3万円と試算。大同が出荷したのは計約76万トンとされ、全撤去となると228億円も掛かる計算だ。渋川市は市内分の撤去費を少なくとも5億7000万円と試算するが、市幹部は「住民からの要望もあり直ちに撤去したいが財源の問題で難しい」という。
 大同は11日、「使用場所の特定や対応工事への協力を通じて責任を果たす。多大なご心配やご迷惑をお掛けしたことに改めて深くおわびします」とのコメントを公表した。

**********2015年09月12日毎日新聞東京朝刊
有害スラグ問題:強制捜査 全撤去に200億円超
日本環境学会顧問の畑明郎・元大阪市立大大学院教授の話
◇撤去費用は大同に
 廃棄物なら撤去命令を出すのが原則だが、現実的に市民生活への影響が考えられるので個別判断は致し方ない。ただ、露出したスラグは有害物質が飛散する恐れがあるため直ちに撤去し、その費用は大同が責任を持つべきだ。撤去を当面見合わせる道路は環境への影響を継続的に調べ、改修時に天然砕石などと入れ替えるのが望ましい。

**********2015年09月12日毎日新聞群馬版
大同特殊鋼捜索 環境への影響心配の声 有毒スラグに工場周辺住民
 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」から出た鉄鋼スラグは「建設資材」か「産業廃棄物」か――。産廃を不正に処理していた疑いがあるとして県警が11日、大同に強制捜査のメスを入れた。本社や工場など関係先を一斉に家宅捜索した県警は今後、有害物質の「リサイクル偽造」について刑事責任を問うことになりそうだ。【尾崎修二、高橋努、杉直樹】

大同特殊鋼渋川工場に家宅捜索に入る捜査員ら=渋川市入原で
 渋川市石原にある大同特殊鋼の渋川工場は11日、臨時休業となった。正門には「事務所休日」と書かれた看板。午前10時10分ごろ、スーツ姿の捜査員が工場内に立ち入り、家宅捜索を始めた。夕方には押収資料を入れた段ボールが次々にトラックに積み込まれた。緊張した表情の従業員は、報道陣の問いかけに「会社のホームページの内容以外は知りません」と言葉少な。2歳の孫娘を背負って工場の前を歩いていた近所の無職女性(65)は「まともな処理もせず廃棄物を出荷していたのなら絶対に許せない。孫もいるので環境への影響も心配」と憤っていた。
 スラグの販売先だった佐藤建設工場(渋川市小野子)には捜査員約15人が立ち入り、2トントラックに段ボール約20個を積み込んだ。

★公共工事の使用 県が確認要請へ
 県は11日、県内の全市町村に対し、スラグ使用が疑われる公共工事がないか確認するよう要請する方針を明らかにした。
 県によると、国土交通省、独立行政法人水資源機構、県、渋川市、前橋市が公表したスラグ使用個所は計225カ所。記者会見した県の青木勝・環境森林部長は「ほかの市町村の公共工事にもスラグが使われていると考えている。民間工事についても大同に調査を指示する。使用個所は集約して公表し、環境への影響も監視を続けていく」と述べた。

===有害スラグの闇 大同特殊鋼「再生資材」強制捜査 (上)===
【70万トンの「廃棄物」撤去問題】
多額の費用 方針定まらず
 大同特殊鋼渋川工場の鉄鋼スラグからは、環境基準を超えるフッ素や六価クロムが検出されている。「建設資材」の名で200カ所以上にばらかま(ママ)れた「廃棄物」は計70万トン以上。大部分は撤去方針が定まっていない。県は、これまでの調査で地下水への影響はないとして、工事を発注した国や自治体に判断を委ねる方針だ。
 渋川市では公共施設の駐車場や公園など72カ所でスラグ使用が判明し、30カ所以上で環境基準を超えるフッ素を含んだスラグが露出。立ち入り禁止場所の柵には「県の指導に基づき適切な対応をとる」と掲示されているが、その文字は風雨でかすれつつある。市民から苦情が相次ぎ、市議会は6月、措置計画の早期策定を求める決議を可決した。
 遊園地「渋川スカイランドパーク」では駐車場や周辺の遊歩道が立ち入り禁止に。隣接する住宅地に住む男性(74)は「定年後、自然環境のよさにひかれて引っ越して来たのにこの事態。妻と散歩を楽しんでいた遊歩道も通れなくなった。これからどうするのか」と憤る。県警への刑事告発を受けて国、県、市による連絡会議の第3回会合が予定されているが、ある市議は「復旧には多額の費用が必要。大同に何とかしてほしいが、市にとっては法人税の大口納税者。法的処分が決まるまで手の打ちようがない」と打ち明ける。
 前橋市富士見地区では8か所で市道の敷き砂利から環境基準を超えるフッ素が確認された。市道路建設課は「大同に撤去費用を出すよう調整を重ねてきたが、7月以降は交渉が止まった。撤去には相当な費用が予想され、市税投入は難しい。県がスラグを廃棄物と認定したことが周知されれば、早期撤去を求める声が市民から出るかもしれない」と説明する。
 「廃棄物」と認定されたスラグは、八ッ場ダムの移転代替地(長野原町)にも使用されていた。ダム用道路の2工事では毒性の強い六価クロムが検出された。有害物質が検出された移転代替地の2軒の住宅では、敷地内のスラグが撤去された。代替地への移転を予定している70代の男性は「県や国は安全だというが『想定外』があっては困る。廃棄物が違法に処理されたのなら撤去が筋ではないのか。スラグ問題を抱えたままでは周辺の観光業者も悪影響を受ける」と不安そうに話した。
          ◇
 大同特殊鋼の鉄鋼スラグ問題は刑事事件に発展した。闇の部分の実態解明が期待される環境汚染事件の現場から報告する。

約500台収容の駐車場が使用できなくなっている渋川スカイランドパーク=渋川市金井で

【9月13日追記】
===有害スラグの闇 大同特殊鋼「再生資材」強制捜査 (下)===
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20150913ddlk10040004000c.html
企業と行政の「共依存」関係
◇住民の安全を軽視
 有害スラグを無許可で建設資材に再処理したとして県警の強制捜査を受けた「大同特殊鋼」は問題発覚前、毎日新聞の取材に対し、安全管理に自信を見せていた。有害スラグが拡散した背景には、法令や環境への影響を軽視して利潤追求に走る企業と、原状回復に向けた取り組みに消極的な行政との「共依存」関係が見え隠れする。
 「スラグにフッ素含有は避けられない。うちは特殊鋼メーカーだから、どうしても含まれる」。2013年11月、大同渋川工場の環境室長は取材に応じ、有害物質の含有をあっさり認めた。渋川工場では金属精製の過程で不純物を取り除く目的で蛍石(フッ化物)を添加するため、フッ素が発生する。環境室長は「天然砕石と混ぜてフッ素を低減化している」と胸を張った。
 環境省は「有害物質を希釈するための混合は認められない」との立場で一貫している。県も11日の会見で「01〜03年にフッ素に関する土壌環境基準の設定や土壌汚染対策法の施行があり、鉄鋼業界は対策を取ってきた。しかし大同渋川工場はフッ化添加を止めず、スラグの大半が基準を超えるフッ素を含むと知りながら出荷を続けた」と指摘した。
 県のまとめでは、225カ所の公共工事で大同のスラグが使用され、渋川市52▽前橋市29▽長野原町8▽吉岡町2▽榛東村1▽みなかみ町1の計93カ所から環境基準を超える有害なフッ素や六価クロムが検出された。
 大同からスラグの再処理や販売を委託された「佐藤建設工業」の元社員は毎日新聞の取材に「スラグはどんどん発生し、どんどん使った。認められた工事だけじゃ使い切れなかった」と明かした。大同との契約が「逆有償取引」だったことから、スラグを買えば買うほどもうかる仕組みだったのだ。社長は取材に対し「スラグにリスクがある以上、お金はいただかないと面白くない」と述べていた。
 一方、遊園地「渋川スカイランドパーク」の駐車場から撤去したスラグの処理費用約2400万円は13年に市が負担した。阿久津貞司市長が「大同に費用負担を求めない」との方針を打ち出したからだ。ところが、市民から処理費を大同に請求するよう求める訴訟を起こされると、判決を待たずに大同が任意で支払った。
 環境汚染を防ぐ費用は、原因を作った者が負担する「汚染者負担原則」が国際的に確立されたルールだ。渋川市の50代男性は「有力な税収源が少ない渋川で大同が大事な納税者であることは分かるが、市は住民の安全を第一に考え、速やかにスラグ全量を大同に撤去させてほしい」と話す。【尾崎修二】

■毎日新聞の上記の報道記事で注目したいのは、次の点です。

(1)撤去費用について、具体的に「200億円超え」と具体的数字で示していること。
渋川市では1トンあたりの撤去費用を3万円と試算しているが、これは最終処分場の受け入れ費用という見方もある。その場合、処分場までの運搬費や、現場から有毒スラグを掘り出してダンプに積むまでの費用、そして安全な天然砕石を使った埋め戻し等原状復元のための費用がさらに必要になる。すると、この倍以上になる可能性もある。

(2)群馬県が廃棄物処理法違反容疑で3社を刑事告発したこと。
 当事者として大同特殊鋼、大同エコメット、佐藤建設工業の3社が告発されたとあるが、大同のグループ会社の群馬丸太運輸も輸送業者として関与していた。群馬丸太運輸の容疑を不問としたのはなぜだろうか

(3)大同渋川工場が11日臨時休業になったこと。
 地元紙では、従業員らの話として、9月11日の強制捜査の日には、「いつも通り操業しており、何が起きているのか分からない。会社から何も説明はない」ということだったが、毎日新聞は、「正面に“事務所休日”と書かれた看板が掲げられて、臨時休業となった」と報じており、食い違いを見せている。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
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