市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

アカデミックハラスメント被害に揺れる群馬高専の学校長に対して実態把握と善処を求める公開質問状を提出

2015-04-15 23:03:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬工業高等専門学校(群馬高専)と言えば、技術系の即戦力のある卒業生を輩出する国立の教育機関で、我が国産業界に多大な貢献をしていることで知られています。筆者も、1967年に中学を卒業し、進学の際に、最後まで選択肢として検討したことを思い出します。当時は、入学する学生は殆ど男子に限られていましたが、現在は女子学生も多数在学しているようです。同校のHPはこちら↓
http://www.gunma-ct.ac.jp/





正面にある学校モニュメント。

 高専は、産業発展に伴って科学技術教育の重要性が認識されたため、1961年第38国会で学校教育法の一部を改正する法律が成立し、昭和37年度から「深く専門の学術を教授し、職業に必要な能力を育成することを目的」として創設され、群馬高専も全国12校の一つとして設置されました。

 高等専門学校は、5年間の一貫教育による一般科目及び工業に関する専門科目を教授して、豊かな教養と高度の専門技術を身につけた視野の広い科学技術者を育成することを目的としています。専門科目においては、理論とともに、実験・実習・設計製図などの実技を重視し、人間形成という観点から一般科目にも力を入れ、また、一学級40人の少人数の編成で教員と学生の緊密な触れ合いを図り、学習面のみならず生活面にも行き届いた指導を行っています。(同校HPより)


校内案内図。

■ものづくりで世界をリードする我が国産業界の次代を担う学生が学ぶ重要な教育機関ですが、つい最近、同校にある5つの工学科(機械、電子メディア、電子情報、物質、環境都市)のうちの一つの工学科内で、指導的立場にある人物が、学生や教職員らに対してパワーハラスメント、セクシャルハラスメントなど、いわゆるアカデミックハラスメントを頻繁にはたらいているという情報が当会に寄せられました。情報によれば、とくに2014年4月から被害が酷くなっているようです。




キャンパス内にはあちこちで各種の桜が咲き誇る。学習のための周辺環境は申し分ないのだが…。

 そのため、事実関係を確認するために、当会では、4月15日午後2時ごろ、同校を訪れて、ハラスメント問題を担当しているという学生課の学生支援係長と面談し、次の内容の公開質問状を手渡しました。

**********
                    2015年4月15日
〒371-8530 群馬県前橋市鳥羽町580番地
独立行政法人 国立高等専門学校機構
群馬工業高等専門学校
 校長 西尾 典眞 様
                    市民オンブズマン群馬
                    代表 小川 賢
          公 開 質 問 状
 拝啓、貴学ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。
 当会は、群馬県において、行政及びその関連機関を外部から監視し、当該機関による税金の無駄遣いや行政及び関連する権限を不当に行使することによる住民・関係者の権利・利益の侵害に対する調査及び救済の勧告を図る活動をしているボランティア団体です。
 さて、当会に最近よせられた情報によると、貴学の内部で、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなど、いわゆるアカデミックハラスメント(アカハラ)が頻発しているにもかかわらず、それを外部に対して隠ぺいしてきた実態が、取りざたされております。
 この情報に接し、当会は事実関係の確認を行う必要性があると考えております。
 一般的に高等教育機関という閉鎖的な空間では、指導者は悪気がなくても、いつしか、学問の自由を相手の権利を侵害して、意見を押し付ける権利、アカデミアで支配権をとる権利であると誤解し、特権意識を持ち、自身に与えられた学生への評価権を乱用し、討論でも学生を「目下」として卑しみ、その意見に耳を傾けない態度をとる傾向が見られます。
 今回、貴学に関して指摘されているアカハラの実態について、質問形式で確認をさせていただきます。そこで、次の質問があります。

1.アカハラの実態について

質問1-1:2011年4月から、2015年4月現在に至るまで、学内におけるアカハラに関する貴殿への連絡、報告、相談、抗議、申立て等がありましたか?
質問1-2:アカハラに関するそうした事例等があった場合、それぞれ年度ごとの件数を教えて下さい。
質問1-3:また、それらの概要をご教示願えますか?
質問1-4:それらのうち、学生へのハラスメント行為は、何件ありましたか?
質問1-5:学生へのハラスメント行為があった場合、どのようなアカハラ行為が学生に加えられたのか、それぞれの事例について、貴殿は調査を命じましたか?
質問1-6:調査を命じた場合、その結果にもとづいて、貴殿は被害学生に対してどのような対応(とくに精神的なケア)をしましたか? あるいは、しませんでしたか?
質問1-7:学生へのハラスメント行為があった場合、貴殿は、その事実について、全学の学生や保護者らに対して、どのように情報共有化をはかりましたか? あるいは、はかりませんでしたか?

2.アカハラの防止策について

質問2-1:貴学では、アカハラ行為を行ったとされる人物について、特定していますか?
質問2-2:この人物にたいして、貴殿は2015年1月22日に厳重注意をしたようですが、その数日後に、アカハラ被害を訴えた学生に向かって、この人物が再度、アカハラ行為をした事実については、把握していますか?
質問2-3:アカハラ行為が原因と思われるケースで、過去5年間に、長期登校困難(あるいは長期欠勤)や入院をしたり(あるいは、入院をしている)、退学(あるいは退職)に追い込まれたりした学生や教職員がいますか?
質問2-4:学生へのハラスメントがあった場合、貴学では、その再発防止策について、全学の学生や保護者に、どのような指針を学生、教職員に周知徹底させていますか? あるいは、周知徹底させていませんか?
質問2-5:貴学では、アカハラ行為に関して告発等があった場合、どのような組織体制で対応していますか? あるいは、対応していませんか?(通報受付窓口、告発者本人保護体制、アカハラ対策部署などの設置の有無)
質問2-6:貴学では、学生による教員評価制度はありますか? 制度がある場合、どのような制度なのかご教示願えますか?
質問2-7:貴学では、卒業した後も、在学中のアカハラについて卒業生からその事実を貴学に申し出た場合、どのように対応しますか? あるいは、しませんか?

なお、貴学のご回答を得た上で、あるいは得られなかったときに、記者会見で回答の有無及び内容を明らかにしてまいりたいと考えます。同時に当市民オンブズマン群馬のホームページ上でも明らかにし広く群馬県民に広報してまいる所存です。つきましては、平成27年4月22日(水)限り、下記にFAXにてご回答いただきますよう、お願い申し上げます。
          記
市民オンブズマン群馬  事務局長 鈴木 庸
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
電話027-224-8567  FAX027-224-6624
                    敬具
**********

■面談した学生課の担当係長は、「非常に重いテーマなので、いただいた質問状は学校長に上げて、学内で慎重に検討したうえで、指定された期限までに必ず回答いたします」とコメントしました。

 追って、新たな情報があれば逐次報告する予定です。


同校の訪問を終えた後、空を見上げると寒気の進入により突然、空模様が風雲急を告げ始めた。何やら象徴的な天候を感じた。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (1)
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