市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

放射能から子どもを守ろう安中の会の学習会を欠席した岡田市長の放射能汚染度(その1)

2012-08-11 15:03:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■世界で唯一の被爆国が、66年後、今度は発事故により多数の国民と広範囲に国土を被曝させてしまいました。とりわけ、我が国の将来を託す子どもたちへの影響が心配されます。

学習会の後、松井田文化会館脇の芝生に生えている木の下の放射線レベルを測定したら0.50と0.48を記録した。岡田市長はこれでも除染の必要な対象区域は市内に存在しないと言い張るのか。
 当会でも、東電福島第一原発事故のあと、逸早くロシアから線量計を調達して、地元の放射能汚染状況を定点観測してきましたが、事故から半年くらい経過したころから、空間線量だけでなく、放射能汚染による食料や飲料の摂取を通じての内部被曝について、とくに小さな子どもさんを持つ主婦の方々の関心が高まってきました。

 当会では、今年の4月には、高崎市内の主婦グループの皆さんの要請により、食品汚染をチェックできるベラルーシ製の計測器の調達について協力させていただいた経緯もあり、子どもたちの被曝問題について、関心の高まりを痛感してきたところです。

 そうした状況下で、安中市でも同じ問題意識をお持ちの皆さんが市民団体を立ち上げて活動を始めています。先日、7月29日(日)の午後2時から4時過ぎにかけて、松井田文化会館小ホールで、放射能から子どもを守ろう安中の会(代表:岡崎るみ氏)主催の学習会が開催されたので、出席して講演を聴講しました。

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日時:平成24年7月29日(日)午後2時~4時15分
場所:松井田文化会館小ホール
参加者:約70~80名
講師:群馬県立県民健康科学大学大学院 診療放射線学研究科 倉石政彦氏

市民団体代表:それではお待たせいたしました。本日はお忙しいところ、私たち放射能から子どもを守ろう安中の会の学習会にいらっしゃって頂きまして、ありがとうございます。私は放射能から子どもを守ろう安中の会の岡崎るみと申します。どうぞよろしくお願いします。私たちは今年の3月から放射能の事を知り、考える場を、皆さまにご提供するという考えの下に、放射能についての学習会を開催してまいりました。1回目が3月、内部被曝を防ぐ調理法というもので、2回目が5月、放射線の健康への影響というもの。3回目の本日、安中市の現状を専門家のかたにどう考えたらよいかと言う、見解をうかがうという本日の学習会に至りました。私たちが今回の学習会を企画したきっかけなんですけれども、今年の5月中旬に、安中市の各戸に配布されました安中市における放射能物質についてという書類があったのですけども、そちらには放射線の測定をしたということしか、国の除染基準を超える場所は安中市には存在しなかったという結果が出ております。その結果を踏まえて、専門家の方に一度アドバイスをしていただき、私たちに出来ること、というものを教えていただきたいと思いまして、本日の開催の運びとなっております。先日、岡田安中市長との懇談会も実現いたしまして、その場で、岡田市長ご本人に、本日の学習会に来ていただいて私たちと一緒に放射線について学んでいただきたいという旨をお話をしましたところ、ご検討いただけるというお話だったのですが残念ながら、高崎で先からお約束されていたものがあるということで。すいません、今日はですね、代理で安中市の教育長の中沢四郎さんに、ご出席いただいております。では折角ですので、安中市の教育長にご出席いただいておりますので、一言ここでご挨拶をお願いいたします。

教育長:えーみなさん、こんにちは。

場内:こんにちは。

教育長:大変ですね、暑い中を、大勢のですね、皆さんに、参加していただいて、ということで大変御苦労さまでございます。えー、さきほど岡崎さんの方からですね。お話がありましたように、市長が、参加ということで有りますが、きょうですね、今紹介がありましたように高崎で、上毛新聞のですね、ほうの、ですね、えー、行事が、えー、こう、入って、おります。ま、そういう関係でですね。ひとつ、時間が、なくなってしまったので、代理の私、教育長の中沢でありますが、参加させて頂きました。えー、安中のですね、現状というようなことで、今日ですね、御講演を頂けるということになっておりますけれども、あのう、安中のですね、様子等、いろいろ専門的なですね、そういう方のですね、お話をお聞きし、これからのですね、また、問題、課題、そういうものもですね、あるかなあというふうにと思っております、なかなかですね。この放射能問題についてはですね。えー、あの、初めて、というかね。そういう経験かなあと、いうふうに思います。いろいろと、専門家の、皆さんの、お知恵をですね、頂く中で、これからの、ですね。えー、あのう、問題、を解決をしていがなければならない、いうふうに、思っております。とくに、子どもたちに関わる、ですね、こと、についてですね、教育委員会、と、いたしまして、今、いろいろとですね、あの、測定をしたり、対策をしたり、えー、給食関係食材、等においですね。測定器を購入し、まあ、測定をしてですね、して、おります。そういうことで、ですね。いろいろな面で、問題視されているような、そういうところをですね、専門的な、見地から、あの、検討させて頂いている、今、現状で、ございます。まあ、そういう面で、いろいろとですね、また、今日お話をですね、お聞きし、そして、できるところはですね、できるだけ、対応をしていくような、そういう措置をとって行けたらなあと思っています。ぜひ、あのう、ここにも掲げられておりますけども、やはり、先生のですね、お話。それから、あの、子どもを思う安中の会のみなさんのですね、えー、あの、お話がですね。それですね、本日祈念を申し上げまして、皆さんがたには、また、ご支援ご協力をよろしくお願いをぜひ申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。


場内:(拍手)

代表:中沢様、ありがとうございました。では、さっそくではございますが、群馬県立県民健康科学大学大学院診療放射線学研究科の倉石先生、お願いいたします。

講師:えー、皆さん、今日は。倉石でございます。

場内:(拍手)

講師:あのう、まあ、専門家、専門家って、ずっとこう二人のお話の中で出されて、そんなに専門家かなあと思うんでございますけれども、多分皆さんよりは放射線について学んだ機会も長いですし詳しいというか、まあいろいろなことを調べたりとか、そんなことを経験していますので。なんか、すごい放射線汚染、安中市の現状と、とかって言われると、そんなに現状知っているかと、困る部分もあるんですけども、まあ、私の分かっている範囲、理解している範囲で皆さんに情報提供できればと、そんなふうにお考えください。この写真の右上はですね。

まあ、ご存じの方はご存知かもしれませんが、向かって、左側のほうが、私、ではなくて(笑い)、アインシュタインという、ノーベル賞をもらった人。右側に居るのもノーベル賞もらった湯川秀樹。この二人が、原子力の、まあ、エネルギーを使うことについて、まあ、知見を与えてくれた。あとはアインシュタインというのが、物に重さがあるんだったらそれをエネルギーとして取り出せるぞ、ということを理論的に示した。じゃあそのエネルギーがどれくらいあるのか、どれくらい利用できるのか、どれくらいの力があるのか、というのを計算したのが湯川ということ。まあ、この二人がいなかったら、今の利用がまあ少し遅れていたかなと思う。実際どれくらいなのか、なんですけども、先に少し放射線とか放射能の話をさせて頂きます。まあ、モノは原子とかで出来ている。もっと小さく細かくありますけれども、ヒッグス素粒子が見つかったとかといって、ニュースになっていますけども、それも生活する上では、学生にも質問されるのですが、関係ないと言っていますけれども。その、モノにエネルギーがある。で、そのエネルギーが高すぎると、原子が、原子の持っているエネルギーが高すぎると、自然界はエネルギーの低い状態を好むというのがあるので、エネルギーを低くしようという。

で、その時に起こるのが、この二つのどちらか。分裂するか、崩壊、壊変というふうなことが起きる。どちらか。まあ、分裂と言うのは2つ、3つに分かれること。崩壊、壊変と言うのは、壊変と言うのが分かり易いかもしれない。壊れて変わる。別の物質に変わるということ。そのときエネルギーを少々出すと。核分裂の時には熱エネルギーが、莫大な熱エネルギーが出ます。で、崩壊の方では、そんなに大したエネルギーは出ない。その時出るのが、放射線ですね。で、まあ、放射線というのは、そのまま、“放射される線”の事なんですけども。エネルギーが空間を伝わっていく、それを放射線というふうに呼んでいる。ですからエネルギーそのもののことですね、放射線というのは。で、核分裂はこんなふうにして起きます。ウラン235と言うのがその辺にあると、そこに中性子がぶつかる。で、中性子が何かの物質にぶつかる。そうするとエネルギーが高い状態になってしまうので、まあ、このウラン236という状態になるんですけども、これがエネルギーの高い状態。それが壊れようとして2つに分かれる。まあ、例えば、ここに書いてあるのは、ルビジウム95というのとセシウム137、この二つになる。その時に熱エネルギーが出て、中性子が出て、その中性子がまた、近くにあるウランに当たると、次々と、分裂が起こる。で、分裂がどんなものに分かれるかというのは決まっていないんです。大体、重さで言うと90対140くらいに分かれる。というのが決まっているだけで、どれかこの2つに必ず分かれると言うのが決まっているわけではない。何ができるかは、その時の気分次第。で、有名な所で、今話題になっているセシウム135とか137。それから、昨年の事故直後にはヨウ素131というのが、話題になっている。それからまた、つい何日か前のニュースでストロンチウムというのが話題になったところだと思う。で、ウランのエネルギーと言うのは、1個が壊れると3×10のマイナス11乗ジュール。…そんなことを言われても分からない。私も分からない(笑い)。キロワットだと少しは分かるかもしれない。ウラン235が1グラムあって、それがみんな核分裂すると22キロワットというエネルギー。それもまだ分かりが悪いかもしれない。で、これは25mプールでしたら殆ど全部、が、一瞬で蒸発。50mのプールでも大半の水が蒸発して、お湯になっちゃう。まあ、お湯になって蒸発する。それが、ウラン1グラムが核分裂するときのエネルギー。結構大きいですね。その、お湯になっちゃったら、そのお湯で、お湯は蒸気になりますから、蒸気でタービンを回してやると、電気ができる。それが原子力発電ですね。これは別に原子力発電じゃなくても、火力発電も同じ。石油、重油を燃やしてやるとお湯が沸いて、お湯が沸くと蒸気が出て、その蒸気でタービンが回せる。タービンが回れば電気が起こる。で、水力発電の場合には、蒸気で回すのではなくて、水が上から落ちてくると、水車みたいなもので、それで、くるくるタービンが回って電気が起きる。要するに、タービンが回れば、歯車が回れば、電気が起きる。どうやって回してやるかっていうだけの問題なんです。で、その、気長に次々とゆっくりと、そのタービンを回してやれば、発電という形になりますし、一瞬で終わっていいぞ、というのが、爆弾という形。ですから内容的には何も変わらない。変わるのはここに書いてあるとおり、ウラン235の含有率。もともとの材料が、ゆっくりゆっくり、その核分裂が起こればいいんだったら、235はそんなに沢山要らないんですよね。数パーセント含まれていればいい。ただ、爆弾の場合には、それ、一瞬で、次々と核分裂を起こしてもらいたいわけですから、235の濃度を高めておかなければいけない。で、ここに書いてあるように、80%から90%くらいですね。かなりの高濃度に235を濃縮してやる。で、これが核、ウランの濃縮技術というやつです。IEAEとかが、イラクとか北朝鮮に査察に入るのはこれの技術のことです。原子爆弾作ってくれるかどうかは、誰も見せてはくれないので。ただ、ウランを濃縮する技術があれば原子爆弾を作れると、そういう判断。ですから濃縮技術があるかどうか。濃縮工場があるかどうか、そういうのを査察に入るんですね。で、一方、原子力発電の方で、230がそんなに多くなくでもいいぞ、じゃあ残りはというと、238というやつなんです。ウラン238というのは、これは中性子を抱え込むとプルトニウムになっちゃうんですね。下に書いてあるように、238に中性子が入るとウラン239になって、それがネプチウムっていうやつになって、プルトミウムになる。そういう経過でプルトニウムになる。このプルトニウムというものが悪者の代名詞みたいに言われていますよね。これは半減期がべらぼうに長い。アルファ崩壊線を出す半減期がべらぼうに長いので、プルトニウムが悪者と言われていますけども、まあ別にプルトミウムだけが悪いわけじゃなくて、ウランも悪者ですね。まあ、そんなものが原子爆弾と原子力発電との違いで、結局はまあ、核分裂というのがそんなことを起こさせる、エネルギーを使うということ。一方、あのう、ずっとここのところ話題になっているのは、本当は放射能のほうが悪いんですけども、そこから出てくる放射線、そいつが悪いことをするのと、いうことで、放射線というのが、話題になっています。それを出すのが最初に言ったように崩壊とか壊変とか呼ばれるもの。これはまあ、あの、セシウムとかヨウ素とかが、何かの拍子に、エネルギーがいっぱいになっちゃう。まあ、セシウム137なんてものは、そもそも自然界にはないんです。

原子炉の内でしかできないんですけども、原子炉の中でセシウム137という状態で作られると、作られた時から、不安定、エネルギーが高い状態。ヨウ素131というのは、これは自然界にもちょっぴりあるんですけども、これも原子炉の中で作られて、エルギーが高い状態。そうすると、そいつはエネルギーが高いので、放射線を出して、エネルギーを低くしようとする。その時に出るのはベータ線。これは、実際には電子。電子を1個出すと、その時にはバリウムという物質に変わります。もともと原子核のなかに電子はないんですけども、中性子が陽子に変わって電子が出てくる。まあ、そんな細かいことはどうでもいいんですけども、とにかく電子が出てきてバリウムになる。ただバリウムに変わっても、ベータ線を出す時には、まだエネルギーが高い状態です。まだまだ元気で137mの状態。で、今度は、ガンマ線をその後出して、バリウム137、それからキセノン131。そういうものに変わってエネルギーが下位になってくる。だから、セシウムにしてもヨウ素にしてもこういう具合で壊変して、バリウムやキセノンになるんですけど、ベータ線とガンマ線が1本ずつ出てくる。それがどれくらいのスピードで起こるかっていうのが、放射能というふうに呼ばれる。そこにどれだけ放射線を出すモノがあるかということは、どれだけ放射線が出ているかという量で測ります。1秒間に1個、放射線が出ると言うか、1秒間に1個、セシウムがバリウムに変わるようなのが、1ベクレル。1秒間に2個変わるだけの量がそこにあれば2ベクレル、100個あれば100ベクレル。そんなふうに考えてください。実際にそこにある原子の数ではないんですよ。実際にそこにある原子の数ではなくて、どれだけ別のモノに変わるか、というスピードで表しているんです。これ、ちょっと分かりにくいかもしれないんですけども、実際にある量でいうと、全然、同じ1ベクレルといっても、ものによって変わってきます。後でちょっと計算結果をお見せします。で、まあ、よくご存じなのはコバルトというやつだと思いますけど、コバルトは1回崩壊するとベータ線が出て、それからガンマ線が2本出ます。コバルト60というやつはガンマ線が2本、バリウムといったら5本、セシウムとかヨウ素というのはガンマ線は1本しか出ない。で、ベクレルとグレイ、シーベルトは、これはまあ、大体いいと思いますけども。

まあ、今言ったように放射線を出す能力を持っているもの、放射性壊変するようなものだと、そこに、どれだけのスピードで出ているかというものがベクレルで、それが体にどれだけ影響を与えるかというのがシーベルトという量です。これは必ずしも1対1ではないんです。何ベクレルは何シーベルトになりますか?とか、よく聞かれたりしますけども、一概には、ほんとは言えない。なんとなくこれくらいと言うのは分かっていますけども、分からない部分もあるんです。それからシーベルトというのはそもそも体に対する影響なので、体調によっても人によっても違います。同じエネルギーを受けとっても、大丈夫な人もいれば、全然ダメな人もいます。これは、この、たとえ話で言うと、お酒、例えば日本酒ならいいけど、焼酎はダメとか、ビールならいいけどウイスキーはダメとか、そういうのと同じです。同じアルコールが体のなかに入るという点では同じなのですけども、モノによって違う。そんなふうな感じで受け止めて頂ければいい。そもそも放射線が体に悪いとか、危ないとかっていうのは、放射線というのは遠くまで飛ぶからなんです。アルファ線というのは実態的にはそんなに遠くまで飛ばない。陽子と中性子が2個ずつあるような、モノで言ったら、ヘリウムという原子の原子核そのものなんですけども、これは紙きれ1枚で止めることができる。そんなに大がかりな装置は要らないです。で、まあ、セシウム等から出てくるベータ線、これは紙1枚では止めることができませんけれども、アルミとかニッケルとか、軽い金属で止めてやることができる。ですけども、ガンマ線はそんなもんでは止めることができなくて・・(くしゃみ)・・すいません、重たい金属、鉛とか、そういうものがあれば、まあ何とか止めてやることができる。そうすると、なんか遠く飛ぶんで、ガンマ線が悪そうですけども、実はガンマ線はさほど悪くない。それほどね。遠くまで飛ぶって、いうのは、エネルギーをなかなか離さないから。相手に、まあ、相手にというのは、例えば空気だったら空気。あるいは紙で止められないと言うのは紙にエネルギーを与えているから。アルファ線が、紙一枚で止まってしまうのは、紙に、自分の持っているエネルギーを全部やってしまうから、止まってしまうんですね。そこで動けなくなってしまう。持っているエネルギーというのは運動エネルギー。動くもとになっている力ですから。止まってしまうというのは、エネルギーを無くした状態。ガンマ線はなかなかエネルギーを人に与えないから遠くまで飛べるんです。そうすると人間の体に当たった時も、ガンマ線というのは、皆さんエックス線写真とか、撮った事があるかと思いますが、体を通過するから写真になる。体のなかで全部エックス線が止まってしまったら、フィルムが、相手側においても写真にならないんです。通過するから写真になるんです。で、アルファ線やベータ線では写真は撮れないんです。からだの中で全部止まってしまうから。ですから、同じエネルギーを持っているとしたら、アルファ線とかベータ線のほうが、そのエネルギーを全部、体に当たれば、ですけども、からだの中に置いてきてしまう。そういうものがあれば置いていっちゃう。で、ガンマ線は置いていかないで、むしろ、影響とかいうふうに考えたら、ガンマ線の方が、まだ性質がいいんですね。遠くまで飛んで行くから。で、その影響が、どんなのがあるかというと、皆さんが思われるのは、まあ、大体がガンだと思いますけれども。まあ、からだに当たればガンになるし、それから生殖腺とかにあたると、遺伝的影響がありそうだということは皆さん多分ご存じで、そのとおり。で、どれくらい影響があるかというのも、いろいろ測る測り方だとか、それから測り方によっては違うんですけども、今、分かっている、私たちが知っているのは、人間に対する影響で一番よく分かっているのはヒロシマ、ナガサキの不幸な経験です。で、ヒロシマ、長崎のその経験から分かっている事でいうと、からだに、まあ、ヒロシマ、ナガサキの原爆は先程言いましたように一瞬ですね。そんなにダラダラと3日も4日も浴び続けていたわけではない。ホンの一瞬、大量に。そういうのは一時被曝といいますけども、まあ、“いっときひばく”と言いますけども、一時でエネルギーを受け取ってしまった場合どうなるか。それが体の一部だったらどうなるか、全身だったらどうなるか。で、一部だったらというのは、ヒロシマ、ナガサキの経験では、そんなにないんですけども、私たちは日々、皆さんは先程、そのエックス写真とかいう話をしますけども、部分であれば被曝することを経験しています。

よく、今回の事故でも、CTと比べてとか、エックス線胸部写真と比べて、とかっていうのと同じです。あれは部分でしか浴びていない。胸部写真というのは胸しか当たっていませんし、頭部の頭のCTと言えば頭だけしかエックス線は当たらない。で、ヒロシマ、ナガサキの原爆の場合にはそんな当たり方はしていないんです。全身で、浴びちゃっている。それを表にしたのがこれです。全身で浴びると、まあ、私の両親でもあるんですけども、線量はグレイという単位。これはエネルギーなんで、そのまま測れる量です。シーベルトと同じというふうに考えてもらってよいのですけど。0.1グレイ、まあ、今の言い方で100ミリグレイ、100ミリシーベルトですね。それだけ浴びると人間のからだは染色体を調べると、確かに放射線を浴びたということが分かる。それより少ない量だと分からないんです。浴びたかどうかは。で、0.5グレイ、500ミリシーベルトだと、これは普通に採血して、血液を調べているとリンパ球が減っているということで分かります。で、1シーベルトとか、全身で浴びると一部の人は気持ちが悪いとか、吐き気がするとか、いうような状態になります。で、3シーベルト浴びると、これは半分ぐらいの人が亡くなります。2ヶ月くらいの間にですね。半分の方が。で、10シーベルト全身で浴びると、ほぼ全員が3週間ぐらいの間に死んでいる、15シーベルトも浴びると、これは1週間以内にほぼ全員が亡くなります。ところが、これは全身で浴びた時なんですね。からだの一部だったら、それよりももっと多い量、25シーベルトとか浴びても、浴びた皮膚の部分が、一時的な潰瘍、ちょっとまあぐずぐずした状態ですね。潰瘍を作る。これは治ります。で、50シーベルト浴びると、これは、ちょっと治りにくい。私の経験で言うと50シーベルトでも永久的な潰瘍にはならないかな、と思われます。が、言われているのは永久的な潰瘍。治らないタイプの潰瘍です。ずっとそれを抱えることになります。で、500、ベラボーな量ですけども、500シーベルトだとこれは皮膚の一部、浴びたところは死んでしまう。壊死ということ。部分で浴びたのと、全身で浴びたのとこんなに違うんです。人間の体はうまくできているんです。浴びていないところがあったら、そこでなんとか他の部分を助けてやろうという仕組みが、人間の体にはあります。その場合にですけども、たとえば、死んでくれるかなと、これくらい(放射線を)掛けたら死んでくれるかな、というのが1.5グレイという、1.5シーベルトという量なんですけども。

熱量に換算すると850キロカロリー、確実に死ぬぞという量でも、大盛りのご飯一杯くらい。熱量というのは、これを全身に放射するという形で浴びせると死んじゃったり、ということになります。まあ、影響の出方については確率的影響とか、確定的影響とかいうのがあるというふうに言われていて、まあ、これも皆さんもご存じとは思いますけれども、確定的というのは、何が確定しているかというと、病気が、その疾患が、そういう症状が起こらないことが確定している。

それより少ない線量では。起きることが確定しているのではない、起こらないことが確定している。ま、それが確定的影響です。例えば男性の永久不妊というのは、人によっても違うけれども、6グレイくらいまで。それを超えて浴びると、これは部分でいうんですけども、永久不妊になるぞと。それよりも少ない線量ではならない。ところが、最近、いまでもよくご存じのガン。ガンに代表されるようなのは、ならないことが確定していないんです。どんなに少ない線量でも、それが起こる可能性があるというふうに考えておこうというのが、今、共通認識。少なくとも日本中の共通認識。共通認識じゃない人もいるんですけども、少なくとも今、日本ではこの考え方に基づいて法律とかは作られている。まあ、分かっているのは、ヒロシマ、ナガサキの不幸な経験から分かっているのは、120シーベルトとか、よりも多い量だと直線的にガンが増える。ある一定の線量に比例してガンが起こる確率が増えるということは分かっている、それより小さいところでは分かっていないわけです。もしかしたら、ずっと少ないかもしれないし、もしかしたら多いかもしれない。

では、真ん中を取って、まっすぐにしておけばいいんだと。いうことになるんですけども、中を取って真っ直ぐにしてみたらですね。たまたま、被曝が全くなかったとき。つまり、直線で伸ばしていって、縦軸にぶつかったところ、それが自然のガンの発生率ですね。起こる時の発生率とほぼ同じ。だから直接でいいかと。いうのが、多くも少なくも無く直線を延ばしておけばいいんだと、直線敷位置なし仮設、LNT仮説というふうに言いますけども。これが今普通に採用されている考え方なんです。ま、私も全体的に賛成のわけではないんですけども、ICRPというところが、日本の法律の下になっているICRPというところが、採用していて、勧告をしているのがこの考えなんです。で、日本もこれを採用しているということです。これは確定的影響も確率的線量もそうなのですが、少ない線量をずっと浴び続けたらどうなるかと言うのは分かっていない。分かってはいないんです。ICRPもそれについては何のコメントを出してはいないんです。ただ、あとでご紹介しますけども、ICRPというのはそもそも、ただのなんとか組合と、そんなに変わらない団体なんです。偉そうな名前がついていますけれども。ざっと言えばこの会が放射の~子どもを守ろう安中の会と、そんなに変わりまないんです。ICRPは、任意の団体で、別に国際…WTOの下部機関という話でもないし、ただの団体でしかないんです。まあ、そこで採用している考え方が、まあ、そういうことなんですけども、それに情報提供している、ちゃんとしたアメリカの機関とかはあるんです。米軍という機関ですけども。その報告ではいろいろ、その、持続定性量の被曝についての影響も報告はされてはいます。ICRPが採用しないだけなんですけども。で、そういう放射線を浴びると何かになるぞ、ということは確定的影響であれ、確率的影響であれ、人間の体に影響がありそうだというのは確かなわけですから、浴びないほうがよかろうと。とくに確率的影響でいったら、浴びる量が少なければ少ないほど影響が少ないことが分かっているのだから、じゃ出来るだけ少なくしましょうと。被曝の仕方、放射線の浴び方には2通りあって、外から、人間のからだの外から、放射線を浴びる浴び方と、いわゆる内側から浴びる方、浴びる浴び方と言うのも変ですけども、そういう方法があります。

方法と言うのも変ですが、そういう経路があります。で、外からの場合には結構簡単なんです、それを防ぐのは。出来るだけ、その危険なものと接触する時間を短くしましょうと。それから、出来るだけ、遠くから、にしましょうと。間に何か障害物を置きましょうと。ガンマ線は確かに、モノを透過する力はあるんですけども、全くエネルギーを置かないわけじゃないから、特に先程言いましたように、鉛とか重い金属であれば、エネルギーをそこそこ置いていってくれていっているんで、間にある程度、障害物を置いてやれば、人間の体に当たる量は少なくなる。そんなことが分かっているので、時間と距離と遮蔽。この3つをうまく組み合わせてガンの放射線から被曝を少なくしましょう。例えば、ここに書いてあるセシウムはガンマ線660キロエレクトロボルトという単位ですけども、これを半分にするのに、鉛だと1センチ。1センチの鉛の厚さがあると半分になる。コンクリートで5センチ、水で13センチ。ところが、べータ線の方は、これは空中で、1mちょっと飛びますけども、水だと3ミリですね。ガンマ線だと13センチで半分になるんですけども、ベータは3ミリであれば全部止まってしまうんです。5ミリ先にはベータ線は届かない。ですから、ベータ線を防ごうと思ったら、本当に単純に、ちょっと距離を置いてやれば、相手になにか置いてやれば防げる。ガンマ線はなかなかそうはいかないですね。1センチで半分になるのですから、2センチで4分の1、3センチで9分の1、4センチで16分の1、5センチで32分の、かれこれ3%。そういう感じで減っていきます。ところが、からだの中に放射線を発生するものがある場合、これは防げないんです。今言ったように放射能を防ぐには、時間と距離と遮蔽。

これ以外に方法はないんですから、時間、これはからだの中に入ったら外に出て行くのを早める、それ以外にない。距離、これは取っていく量がない。人間の中には、至る所に細胞がありますから、そのからだのなかに入ってしまったら、そのすぐ隣に必ず細胞がある。3mmしか飛ばないようなベータ線。3ミリ先には必ず細胞があるんです。ですから、からだの中に入ってしまうと、ベータ線を防ぐことはできない。それから遮蔽、これももっと無理ですね。細胞との間に何かモノを置いてやりましょうと。これはまあ無理な話。ですから、内部被曝を減らすとしたら、これは最初に時間。からだの中にいる時間を出来るだけ短くしてやる。か、最初からからだの中に入れないか。この2つにひとつ。それしかない。もう入ってしまったら、距離と、それから遮蔽は無理です。

で、とくに、あのう、放射線を出す、放射線物質については、去年問題になった最初のヨウド。これは甲状腺に集まることで知られていて、で、セシウムについては筋肉に集まる。それからストロンチウムは骨に集まると。これは、その原子がそれを好きなので、しょうがないんですね。他の物を好きになれと言われても、“いや私はそこが好きです”というんで、そこに行っちゃう。どこから入ってもそこに行ってしまうんです。傷口から入ったとしても、食べたとしても、空気で吸い込んだとしても、そこに行ってしまう。で、行っちゃうと、なかなか居心地が良くて、なかなか出て来ない。まあ、生物学的半減期という言い方をしますけれども、セシウムとかが筋肉に沈着すると、まあ、大体3、4カ月。半分に減るのは2、3、4カ月。ストロンチウムは骨についてしまうと、これは何年という単位で体のなかに居続けることになります。ですから取り込まないことが一番。で、からだの中に入ってしまった場合の影響ですけれども、さきほどシーベルトというのは体調によっても違う、人によっても違うぞと言いましたけれど、大人と子供とでは大きく違うことが分かっている。

どこが違うか。まあ、先程の教育長さんも、“子どものことが”、というふうにおっしゃってくださいましたけれども、子どもは全身にこれ見て、ですね。赤いところが子どもの方が多い、ということに気付いて頂ければ、と思うんですけれども、赤色骨髄というふうに言われる骨髄。これは血を造る臓器です。赤色骨髄というのが、子どもの場合では、殆ど全身の骨にあります。大人になると全身の骨にはないんです。頭はスッカラカンになっちゃう(笑い)。それから、長い骨、腕とか、足とかも、長い骨の真ん中ほどには殆どないんです。端っこの方にちょっとあるだけ、大人になると。でも、子どもの場合はほぼ全身にあります。そうしますと、先ほど言った、その、まあ、これは問題になったヨウドといって、ヨウ素131。これは甲状腺に集まるんですけれども、甲状腺の障害の問題だけじゃないんです。まあ、甲状腺の障害を問題にしている、甲状腺の検査をしようという話がいろいろあったりしますけども、甲状腺だけじゃないんです。大人の場合は、首の骨には殆ど赤色骨髄はないんです。でも、子どもの場合は、首の骨にもあるんです、たっぷり。そうすると骨髄もやられちゃんですね、子どもは。それからもう一つは、子どもの場合、甲状腺が問題なのは、ヨウ素っていうのが、ヨードというが、元々成長ホルモンを造るのに必要な原子、元素なんです。で、大人はもうそんなに成長しないから、成長ホルモンをそんなに必要ないんです。でも、子どもはたっぷり必要なんです。そうすると、そもそもヨウ素を甲状腺に沢山必要として、沢山集めようとするのが子どもで。で、集まった挙句に赤色骨髄に被曝してしまうのが子どもなんです。こういうことなんです。それからまあ、元々生物学的に分裂が盛んな細胞とか、未分化な細胞、子ども、放射線の感受性の高い、とにかく、放射線の影響を受けやすいと言うのが分かる。子どもは分裂が盛んです。ですから子どもの細胞は、別に甲状腺ではなくても、全身の細胞がそもそも放射線にセンシティブ、感受性豊かなんですね、感じやすいんです。そんなこんなでガンになり易いというと、大人の大体3倍から5倍、子どもはですね。

これは実際にチェルノブイリの影響で報告されていることですけども、白抜きが0歳から、まあ被曝した時にですね。チェルノブイリの事故が起きた時に、0歳から4歳の子ども、真ん中が5歳から9歳、その隣が10歳から14歳です。で、ああ、確かに子どものガンが増えたんだなというふうに見てもらってもいいんですけども、それよりは、やはり0歳から4歳、小さい子どもほど影響が大きい。ということに目を向けて頂ければと思います。小さい子どもほど影響が大きい。このガン症例数と書いてありますが大部分は甲状腺なんです。

【ひらく会情報部・この項つづく】

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