市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

知事公舎の愛人宿泊と違法改修等無断支出問題の住民訴訟で、争う姿勢を見せた群馬県知事からの答弁書

2012-07-07 09:04:00 | オンブズマン活動
■公金で建てられ整備され運営されている群馬県知事公舎に、40回以上も愛人を宿泊させていたのに、記者会見でそのことを質問されても「意味が分からない」ととぼけた我らが群馬県知事・大澤正明ですが、知事公舎の目的外使用料や、愛人の連れ込み状況を周囲の目から遮るために知事公舎を管理する県管財課やその上層部の幹部職員らが知事の都合を慮って勝手に公舎を改造したことについて、市民オンブズマン群馬のメンバー2名が平成24年6月1日に、知事・大澤に損害賠償請求を行うよう、群馬県知事に対して促すための訴状を前橋地裁に提出してから、早くも1ヶ月が経過しました。

 来る7月11日(水)午前11時から前橋地裁2階の法廷で開かれる第1回口頭弁論をまえに、7月5日、群馬県の起用した顧問弁護士から次の答弁書が届きました。

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平成24年(行ウ)第10号 損害賠償請求事件
原  告  鈴木庸 外1名
被  告  群馬県
          答 弁 書
                   平成24年7月4日
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
 〒371-0855 群馬県前橋市問屋町一丁目1番地の1
        新井博法律事務所(送達場所)
             被告訴訟代理人弁護士 新  井      博
             電 話 027-253-7833
             FAX 027-253-7832
第1 本案前の答弁
 1 原告らの請求を却下する。
 2 訴訟費用は、原告らの負担とする。
 との裁判を求める。
第2 請求の趣旨に対する答弁
 1 原告らの請求をいずれも棄却する。
 2 訴訟費用は、原告らの負担とする。
 との裁判を求める。
第3 請求の原因及び原告準備書面田に対する認否、反論
 次回までに詳論するが、被告の認否及び被告の主張の概要は以下のとおりである。
1 請求の原因第1は認める。
2 同第2の(1について(公舎の目的外使用)
 (1) 住民訴訟の要件不備
  ①原告らの請求は、地方自治法第242条の2第1項第4号を根拠とすると考えられる。その請求が上記条項で規定している損害賠償か不当利得かどうかが不明であるが、いずれにしろ、本件では損害も不当利得も該当する余地はない。
  ②更にこの請求は、同法第242条第1項に定める[違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得・・・等」に該当しないのであり、住民訴訟の対象とされていないのであって、却下すべきである(最高裁、H10.6.30)。
 (2) 目的外使用との主張について
  ①本件公舎は「県に勤務する職員の居住に供する目的をもって設置した施設」であり(群馬県公舎管理規則第2条)、その使用形態が日的に沿っているかどうかは、知事が居住に供しているかどうかで判断される。
   そして、本件では、知事が公舎に居住していることは明らかであり、原告らもこのことは争っているとは思えない。よって、原告らの目的外の使用との主張を前提とする請求は失当である。
  ②ちなみに、原告らが述べていることは公舎を使用する際の遵守事項に関するものでしかない、しかも、原告らの主張をみても上記規則第8条第1項で禁止されている行為に該当する事項すら存在しない。
3 同第2の(2)について(公舎の改修について)
 (1) 原告らが指摘する各改修工事は、規則等に基づく手続きを経て、その必要性に応じて実施したものであり、その詳細は追って主張する。
   原告らが何を根拠に「不正」と主張するか不明であるが、「公舎の使用目的外のための甚だしい無駄遣jと表現している主張は根拠のないものである。
 (2) 原告準備書面(1)について
  ①原告らが住民監査請求をしたのは、平成24年2月23日なので(甲1)、平成23年2月22日以前の行為に関する監査請求はできず、その請求は却下すべきである。
  ②また、原告らが指摘している工事は、県からの請負代金の支払いがされているものの、これに応じた対象物の資産価値は増加しているのであり、代金全額を損害とするのは不合理である。
  ③1ないし24の工事に関する原告の主張には誤りがあるが、その詳細な認否は次回までにする。
   尚、訴状のP5の(3)の上には、支出項目No.19からNo.29までについて返還を求めるとあるが、上記準備書面はこれと合致していない。
4 同第2の収について(公舎の衛生費等の支出)
 (1) 認否
  ①平成22年4.月からの自己負担分か16,700円であることを認める。
  ②平成20年2月以降平成22年3月まで自己負担ゼロとの主張を否認する。毎月16,700円の支払いをしている。
  ③6ページ3行目の「その後も」から7行目の「越えてしまっている」は、金額が異なるので次回詳論する。
 (2) 被告の主張
   知事公舎は知事の私生活の場として利用されるだけでなく、その職務の特殊性から公務のため利用されることも多い。そこで、その維持管理に必要な費用のうち、私生活に要する部分を知事個人が負担し、公務に関する部分は県の負担としている。これは群馬県公舎管理規則第9条に規定している「持別の事情」に該当するものであり、手続き上何ら問題はない。他県でも同様にしているのが一般的であり、群馬県でも歴代この方法がとられている。
   その負担分の決定方法は、それぞれの費用を目的別に一々区分けをして算出するのは困難であるため、知事の負担額について定額制を導入している。
  その金額は一般的な家計調査等の数値を基準として算出されたものであり、合理的である。
5 同第3について
  上記のとおり。
6 第4は争う。
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■驚きました。ラブホテル代節約のため公舎を目的外使用しても、地方自治法の損害若しくは不当利得、ひいては違法不当な公金支出や財産取得等には該当しない、というのです。これを知事が自分で自分のしたことに対して、平気で、答弁書で言いのけるのですから、呆れ果ててしまいます。このような倫理観の人物に、群馬県の公金の使途をゆだねていると思うと、納税意欲が減退します。

 しかも、知事は、目的外使用との指摘についても否定しています。知事の言い分は「知事公舎には、とにかく知事・大沢が居住に供していればいい」としており、中で知事・大澤が愛人といちゃつこうと何をしようと、さしつかえない、と主張しているのです。

■また、知事は、知事・大澤が知事公舎での愛人との居住を、県民の眼から逸らすために、公舎を管理する管財課が勝手に植え込みやフェンスを増設したり、その他、愛人との居住の便宜を図るために行った数々の改修工事に伴う出費について、「規則等にもとづく手続を経て、必要だから行ったもので、なんら問題ない」と主張しています。

 しかも、住民訴訟の前置条件となる原告らの住民監査請求についても、「平成24年2月22日に住民監査請求が為されたのだから、その1年以上前の支出行為すべてについては、問答無用で却下すべきだ」と、知事自身の違法行為を自らもみ消そうという意図がありありです。これは極めて悪質です。

 さらに、目的外使用をしていた知事・大澤に、光熱費等を公金で規定以上に補填してやったことについても、全然罪の意識がありません。これもきちんと住民訴訟の裁判を通じて、知事や知事・大澤本人に自覚を促してゆく必要があります。

■ところで、今回のハレンチ事件の住民訴訟に対して、知事が訴訟代理人として誰を起用してくるかについて、関心が集まっていましたが、前橋市問屋町の新井博弁護士が起用されました。市民オンブズマン群馬としては、同弁護士とは平成20年10月21日に「会計検査院が見つけて指摘した県の不正経理に関する一切の資料」で③知事や副知事の言う“個人的流用はなく全て職務で使用した”④同じく“知識が十分でなく処理が不適切だった”ことを説明できる一切の文書、について県知事から不存在通知が出て来た際に、異議申立をした時の公文書開示審査会会長でした。直接会ったことはありませんが、ネット上で調べると、群馬県行政にどっぷりつかっているようです。

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~・~新井博法律事務所~・~
弁護士
新井 博(群馬県弁護士会所属)
≪主な取り扱い業務≫
■民事
民事全般、訴訟、契約等文書の作成・チェック、契約締結交渉、示談交渉、調停、債務整理、債権回収、売買、賃金、不動産、リース、立替業務、ゴルフ会員権、破産手続、保全命令申立事件(仮差押、仮処分)、強制執行、交通事故、学校事故、建築・内装紛争、借地借家関係、慰謝料、損害賠償請求事件、医療過誤、名誉毀損、欠陥住宅、借地・借家
■家事
家事全般、離婚、財産分与、慰謝料、親権・養育費、親子・親族間紛争、後見、扶養、相続・遺言、遺産分割、高齢者財産管理
■商事
商事全般、コンプライアンス、会社更生、破産、債務整理、税務、合弁事業、M&A、役員会・株主総会の指導・立会い、会社紛争の処理、手形小切手関係、独占禁止法、労働法、不正競争の差止・賠償請求
■刑事
刑事全般、訴訟、捜査段階の刑事弁護、公判段階の刑事弁護・控訴・上告、告訴・告発手続、保釈手続
■その他業務
少年事件、行政事件、知的財産権、生命保険、損害保険、国際法務、金融法務、電話相談可、メール相談可、インターネット相談可(←URLもないのにどうやって相談するの?)
◎弁護士報酬やその他の費用は、できる限り明確に計算し、必要な場合にはお見積書を作成します。
◎お気軽にお電話ください。027-253-7833

所在地:〒371-0855群馬県前橋市問屋町1丁目1-1
TEL:027-253-7833
FAX:027-253-7832
URL:なし(検索サイトを見ると紹介先として次のURLがある。しかし内容は住所と電話番号のみ)
http://www.kigyou.net/company/0272537833/%E6%96%B0%E4%BA%95%E5%8D%9A%E6%B3%95%E5%BE%8B%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80
主な取り扱い業務:債務整理・相談、借金返済・相談、自己破産・相談・手続、民事再生、特定調停、任意整理、弁護士事務所
営業時間など:平日 09:00~17:30休業日 土曜、日曜、祝日
駐車場:有
アクセス:(最寄駅)○JR上越線・両毛線・新前橋駅、(その他)NF第二ビル3F
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 具体的に揚げると、新井博弁護士は、現在、「第39期群馬県労働委員名簿」に任期:平成23年3月30日~平成25年3月29日として掲載されています。この労働委員会で、同弁護士は。「第38期公益委員」として、平成21年3月26日に就任しており、同時に、「あっせん員候補者」として、平成21年3月26日に名簿に登載されています。

 さらに前述の通り、同弁護士は、平成22年10月15日から平成24年10月14日まで、「群馬県公文書開示審査会」の会長として、就任中です。昨年も群馬県に対して情報公開をしていますが、別の審査会だったため、同弁護士がメインの審査会の会長だったことは知りませんでした。

 この他、民間企業の顧問弁護士として、株式会社エヌディーイーや、前橋市営の千代田町二丁目立体駐車場・5番街立体駐車場・城東町立体駐車場の指定管理者の株式会社エヌ・エフ地所(平成19年破産申請)を管理していたノグチグループなどと関係があるようです。

 7月11日の第1回口頭弁論に向けて、準備を進めてまいりますので、引き続きこの件にご注目ください。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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