田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

告白小説、その結末(D'apres une histoire vraie)

2018年08月06日 21時37分55秒 | 日記

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「戦場のピアニスト」「ゴーストライター」の鬼才ロマン・ポランスキー監督が、「毛皮のヴィーナス」以来4年ぶりに手がけた監督作。フランスの女性作家デルフィーヌ・ドゥ・ビガンの小説「デルフィーヌの友情」を原作に、ふたりの女性が織り成す危うい関係を軸に描いたミステリー。自殺した母親との生活をつづった私小説がベストセラーとなったものの、その後はスランプに陥ってしまった作家デルフィーヌの前に、熱狂的なファンを自称する女性エルが現れる。本音で語り合えるエルに信頼を寄せ、共同生活を始めたデルフィーヌだったが、エルが時折みせるヒステリックな一面や不可解な言動に次第に翻弄されていく。やがてエルの壮絶な身の上を知ったデルフィーヌは、その話を小説にしようとするのだが……。デルフィーヌ役はポランスキー監督の妻でもあるエマニュエル・セニエ、エル役は「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」などハリウッドでも活躍するエバ・グリーン。「パーソナル・ショッパー」「アクトレス 女たちの舞台」などで知られるフランスの名監督オリビエ・アサイヤスが、ポランスキー監督とともに脚本を執筆した。(映画.comより)

 

 

 

 最近は滅多に都会に出れないから、どの作品を鑑賞するか、最後まで迷いました。単館上映の作品はどれも魅力的で、多分どれを選んでも失敗はないのです。この作品は、監督がロマン・ポランスキーだったこと、エマニュエル・セリエを久しぶりに見たこと、などが由縁となり、選びました。

 一度は成功したベストセラー作家(エマニュエル・セリエ)がスランプに陥り、泥沼状態。その人生から、いかにしてカムバックしてくるかが描かれた本作。アウトラインだけ見ると、とてもよくあるお話なのですが、彼女のベストセラー作品が「母の自殺」を扱った自叙伝だったことから、よくあるお話とは一線を画します。

 作家は「亡くなった人をダシに儲けるのか」とか、「私生活を売り物にするようになったら終わり」とか、いろんな陰口も叩かれ、マジでスランプなのが描かれます。サイン会ではファンが長蛇の列を作り、本当は喜ぶべきなのでしょうが、途中でネを挙げてしまいます。そんな中、”エル”と名乗る若く美しい女性が現れます。これがエヴァ・グリーン。彼女も本気でファンのようで、作家に厳しい助言を与えたり作業を手伝ったりと、献身的な態度を見せるので、エマニュエル・セリエ扮する女流作家もだんだん心を許していきます。

 

 

 

<ここからネタバレ>

 でもね、結論から言うと、早々に話が透けて見えてしまうのです。だって、おかしすぎるんですもの、この二人の関係が。結局エヴァは作家の自己投影(あるいは幻影)に過ぎないのですが、「ミザリー」も真っ青なほど、壮絶な世界が展開します。日本とフランスでは文化が違うので、感じ方も違うのかもしれませんが、硬軟取り混ぜてまるで人となりが掴めないエヴァと、どんな目に遭っても”自分が優位に立っている”と思い込んでいる女流作家は、バカか変人にしか見えません。これがポランスキーの作品だなんて。で、わりと長いんです。私たち鑑賞者は、延々幼稚な自己啓発を見せられ続けることになります。

 しかしながら、体当たり演技を見せたエマニュエル・セリエは素晴らしかった。エヴァ・グリーンはいつものエヴァ・グリーンだったけど(笑)。作家の夫役でヴァンサン・ペレーズ、久しぶりに見ました。あと、エヴァの家?作家の別荘?がこじんまりしていておしゃれでした。絵になるお家というか。しかし、「作家でいつづけること」がこれほど壮絶だなんて。やくざな仕事ですなぁ。

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