田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ニトラム NITRAM(Nitram)

2022年11月08日 15時04分05秒 | 日記

Nitram (2021) - IMDb

Film review: Nitram | The Week UK

Amazon.co.jp: ニトラム/NITRAM(字幕版)を観る | Prime Video Nitram – Golden Age Cinema and Bar

 1996年4月28日、オーストラリア・タスマニア島の世界遺産にもなっている観光地ポートアーサー流刑場跡で起こった無差別銃乱射事件を、「マクベス」「アサシン クリード」などで知られるオーストラリアの俊英ジャスティン・カーゼル監督が映画化。事件を引き起こした当時27歳だった犯人の青年が、なぜ銃を求め、いかに入手し、そして犯行に至ったのか。事件当日までの日常と生活を描き出す。1990年代半ばのオーストラリア、タスマニア島。観光しか主な産業のない閉鎖的なコミュニティで、母と父と暮らす青年。小さなころから周囲になじめず孤立し、同級生からは本名を逆さに読みした「NITRAM(ニトラム)」という蔑称で呼ばれ、バカにされてきた。何ひとつうまくいかず、思い通りにならない人生を送る彼は、サーフボードを買うために始めた芝刈りの訪問営業の仕事で、ヘレンという女性と出会い、恋に落ちる。しかし、ヘレンとの関係は悲劇的な結末を迎えてしまう。そのことをきっかけに、彼の孤独感や怒りは増大し、精神は大きく狂っていく。「アンチヴァイラル」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが主人公ニトラムを演じ、2021年・第74回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。(映画.comより)

 

 

<2022年11月5日 レンタル鑑賞>

 いつも独特の存在感を放っているケイレブ君。最初に彼を認識したのは「アンチヴァイラル」。あの映画では、線の細~い青年でしたね。サラ・ガドンがとても美しかった。あれからいくつかの映画で目にしたけれど、端役でも目に付く独特の雰囲気、好きでした。で、この映画。都会でしか公開されなかった映画だけれど、縁があってレンタルできました。

 さすがのケイレブ君も少し歳を取り、そして役作りなのか、そういう体型になっちゃてるのかわからないけれど、少々太り気味。子役で繊細だったけど、その後・・・のエドワード・ファーロングをちょっと思い出しました。

 で、やっぱりほんのちょっと普通から外れちゃった青年。ハマるんですね、こういう役が。でも別に、人を殴ったり殺めたりするわけではなくて、何かのトラウマ(?)でしょっちゅう花火をしたり(これが案外騒音だったりするんだけど)、憧れて眺めているだけでちっとも挑戦しないのに、サーフボードを買ったり、仕事もせずにぶらぶらしているだけだったり、そんな感じです。ちゃんと自立して欲しい両親は、やきもきしながら見ているわけですが、母親からはつい小言も出たりします。当たり前です。でも、私個人的には、この母親が彼の特性を一番理解しているんだろうな、という印象を受けました。

 で、サーフボードのお金が欲しかった彼は、お金持ちそうなおうちに「お庭の芝刈りを請け負います」などと売り込んで仕事を得、結局その家に住む独身の年上女性に気に入られて同居するのです。この辺の手管はさすがだと思いました。どこかで学ぶ機会でもあったのか、天性なのか。直接の性的場面などはないのですが、まぁ奉仕していたのでしょうね。車を買ってもらったり、あちこちにお出かけしたりと、それなりに楽しく過ごすのですが、やっぱりケイレブ君の狂気が災いして、大事故。パトロンであった彼女を失ってしまいます。もちろん、彼女はすべてを彼に残してくれましたから、生活の心配はなかったのです。それでも、また徐々に自分がわからなくなってくるケイレブ君。自分に対する蔑称「ニトラム」と呼ばれたことも、嫌な記憶を呼び戻しました。どうあがいても、皆みたいになれない。どうして僕はいつもこうなんだろう。そして「嫌いだからその呼び名はやめてくれ」と言ってるのに、なんでみんなは面白がってそう呼ぶのだろう。

 だんだん追い詰められた彼は、有り余るお金で銃を買いあさり(扱いは上手だったみたい)、とうとう蛮行に及んだのです。無差別銃乱射事件で亡くなった人は35人、負傷者23人。オーストラリア史上に残る惨劇となりました。

 映画自体は、わりと静かな映画です。それだけに怖いですね。ご両親だって、ごくごく普通の人たちですし、なんでそういうことになってしまったのか・・・。深く考えてしまいました。

 

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