孤児院から養子として、ある一家に迎え入れられた少女エスターが巻き起こす恐怖を描いたホラー「エスター」のシリーズ第2弾。エスターが孤児院に入る前の前日譚が描かれる。
裕福な一家、オルブライト家の一人娘で6歳のエスターが行方不明になってから4年の月日が流れた。ある日、エスターが見つかったという朗報が警察から届けられる。父、母、兄は数年振りの再会という奇跡にこの上ない喜びを感じ、10歳に成長したエスターを迎え入れる。再び4人そろって幸せな生活を送ることができる。家族の誰もがそう思っていたが、4年ぶりに戻ってきたエスターは何かが変わってしまっていた。
2009年製作の前作では当時12歳で同年代のエスターを演じたイザベル・ファーマンが、25歳で少女エスター役を再び演じるほか、ジュリア・スタイルズ、ロッシフ・サザーランド、マシュー・アーロン・フィンラン、ヒロ・カナガワらが脇を固める。監督は「ザ・ボーイ 残虐人形遊戯」のウィリアム・ブレント・ベル。(映画.comより)
<2023年4月2日 劇場鑑賞>
前作を見た時はかなりの衝撃でした。まさかあの作品の続編が来るとは。お話は前日譚となっているわけですが、エスター自身の怖さは前作のほうが勝ると思いました。今回は、彼女ももちろん怖いのですが、彼女を引き取った名家(アメリカ独立当初から続く名家と言ってました)の方が、ある意味怖いように思いました。
1作目が当たったから続編を作ったのか。それにしては、細かいところが前作を踏襲していて、よくつながっています。やっぱり最初から壮大なお話が存在していたのかもしれません。さて、今回の副題が「ファーストキル」となっていますが、そんなことはありません。後に”エスター”と名乗るリーナは、その外見を利用していろんな家族に取り入ったようで、窃盗や暴力だけではなく、殺しもやったと明言されていました。それゆえまるで刑務所のような精神病院に入れられ、最も危険な存在とみなされていたのです。そんな彼女は、看守を誘惑したり、他の精神患者を操ったりして施設を抜け出し、人の好さそうな心理士の車に乗り込んで、まんまとロシアに逃げおおせるのです。そこから、自分に似た失踪少女エスターを見つけてなりすましてゆくのですね。
それにしても、リーナが凶暴すぎました。あんなに小さいのに、あの腕力。なんなのでしょうね。特殊な鍛え方でもしたのでしょうか。油断していたとはいえ、大の男である看守もあっという間に片付け(こんな施設で、危険とわかっている女の誘惑の乗るものでしょうか。少女のふりしてるけど大人だってことはわかっていたはず)、その後も、女性とは言え大人の心理士さんにも手をかけるし、とにかく簡単に人を殺してしまえるのです。素早い身のこなしと強い腕力。天性のものでしょうか。
一作目でも、養父に言い寄り拒否されていましたが、今回も父親(本当は違うが)に対する思慕を隠していないようです。見た目が子供で、性的な満足を得られないという、病気に起因する境遇には同情しますが、それならもっと違うアプローチで男性を探すべきです。1作目はまだ養父とわかっていましたが、今回は自分の娘だと信じている父親。しかも、失踪していた娘が戻って元気を取り戻しているお父さんなのです。本気で誘惑できると思っていたのでしょうか。ちょっと信じられないです。
今回は、もちろんエスターもサイコですが、”良家の人々”の方がサイコでした。ジュリア・スタイルズ演じるお母さんは、旧家を守るため必死だったのでしょうが、芸術家のお父さん(ちょい意志弱い感じ)、わがまますぎる息子、どんなに守っても、いずれ滅びたんじゃないかなぁって感じです。いっそエスターに継いでもらったら栄えたかもしれません。不謹慎なことをすみません。ただ、個人的には1作目の方が怖かったかな、と思います。まさか3作目も来るとか?
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