ヘザーという名の3人が集まった、お嬢さまグループ“ヘザース”に苛められ、灰色の学園生活を送っているベロニカ。そこへ現れた型破りな転校生JD。ベロニカは彼の協力を得て“ヘザース”をやっつけようとするが、JDの行動は次第に常軌を逸し始める……と書くと学園が舞台のサスペンス・スリラーに思えるだろうが、これはかなりぶっとんだブラック・コメディ。いわゆる“ストレンジ・テイスト”って奴に溢れた快作である。その辺を一手に引き受けているのが若いクセにヘンな芝居を喜々としてこなす“ハリウッドの萩原聖人”ことC・スレイター。これが監督デビューのM・レーマンはこの後にも「アップルゲイツ」やら「ハドソン・ホーク」やらのヘンな作品を作り続けている。要注意の監督だ。W・ライダーのいじめられっぷりも見もの。(allcinemaより)
今頃すみません。録り置きの消化です。話題作だと言う評判を聞くばかりで、今まで見ずに来てしまいましたが、「こんな映画だったのか~」というのが正直な感想です。
なんと言うか・・・こう・・・クリスチャン・スレイターとウィノナ・ライダーというエキセントリックな二人が揃っているのだから、もっと玄人好みな、というか、なんだかわからないような青春映画かと予想していました。
いや、確かにぶっ飛んだ青春映画なのですが、どちらかと言うとサイコな感じになっていて、「えぇぇっ」って感じでした。そっかぁ、これが当時カルトな人気を誇った映画なのね。ふむふむ。
基本はよくある学園モノ。お金持ちできれいな「ヘザー」と呼ばれる3人のお嬢さん方が学園を牛耳っていて(混乱するけど3人ともヘザーと言う名前みたいです)、みんなヘザーには辟易してるけど、面倒くさいから逆らわずに適当に従っている世界。
そんな中、ウィノナ扮するベロニカは勉強ができるとか、人の筆跡をまねるのがうまいとか、とにかく使い勝手がいいので、彼女たちに利用されています。学園内で彼女たちに逆らうことはできないので、ウィノナもいつも従っています。ヘザーたちは精神的にも強いのでしょうね。ウィノナに「あなた、嫌われているわよ」と言われても、「嫌われるのも人気のうちよ」などと返します。なるほどね。「嫌われる」ということは、「人々の意識にのぼる」ということだと考えれば、確かにそうかもしれません。
ところで、学園内には、最近越して来たクリスチャン・スレイター扮するちょっとおマセな転校生がいます。彼は、どこかクールで、ウィノナには少し大人に見えます。そして、やがて二人は仲良しに。他の生徒とは違うクリスチャンに、ウィノナもどんどん惹かれて行きます。
あるとき、あまりなヘザーの扱いに、「ヘザーなんか死んじゃえ」と言うウィノナ。「じゃ、そうしよう」と笑うクリスチャン。冗談だと笑い飛ばしていたら、本当に殺しちゃったのです、彼は。
期せずして彼の計画に乗っかってしまったウィノナ。彼女の筆跡をまねて遺書を作成し、事なきを得ます。しかし、彼の暴走はこれで終わらなかったのです。
同時に学校では、自殺に対する憧憬や死人に対する賛辞のような追悼が溢れだし、だんだん収拾がつかなくなってきます。そして、次々に人が亡くなってゆくのです。
そして、クリスチャンが最終的に企んでいたこととは。
<ここよりネタバレ>
「誰も俺に構わない」と言い出したクリスチャン。「そんなことで?」と思わないでもないですが、とにかく学校中に爆弾を仕掛け、自らも体に爆弾を巻いて、すべてを亡きものにしようとしていた彼は、最終的にはウィノナに阻止され、自分だけが爆死することになります。あるいはそれが望みだったのかもしれません。
正当防衛とはいえ、クリスチャンを殺しちゃったウィノナ。自分もずたずたになりながら、タバコを吸っていたラストシーン。果たして彼女はこれからどうなってゆくのでしょうか。明るくない終わり方だったと思うのですが、そこがウケたのかもしれませんね。
カラフルなファッションは新鮮でした。今着ると人目を引くかもしれませんが、映画の中では素敵でした。カラータイツが鮮やかでした。
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