田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(The Killing of a Sacred Deer)

2024年03月12日 15時47分45秒 | 日記

Prime Video:The Killing of A Sacred Deer

Movie review: No one above suspicion in 'The Killing of a Sacred Deer'

映画『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』のフォトギャラリー | Vogue Japan

 「ロブスター」「籠の中の乙女」のギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、幸せな家庭が1人の少年を迎え入れたことで崩壊していく様子を描き、第70回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したサスペンススリラー。郊外の豪邸で暮らす心臓外科医スティーブンは、美しい妻や可愛い子どもたちに囲まれ順風満帆な人生を歩んでいるように見えた。しかし謎の少年マーティンを自宅に招き入れたことをきっかけに、子どもたちが突然歩けなくなったり目から血を流したりと、奇妙な出来事が続発する。やがてスティーブンは、容赦ない選択を迫られ……。ある理由から少年に追い詰められていく主人公スティーブンを「ロブスター」でもランティモス監督と組んだコリン・ファレル、スティーブンの妻を「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマン、謎の少年マーティンを「ダンケルク」のバリー・コーガンがそれぞれ演じる。(映画.comより)

 

 

<2024年2月17日 劇場鑑賞>

 こんな少し前の映画がなんで上映されていたのでしょうね。2017年の映画です。「哀れなるものたち」公開記念?ともかく、都会へ出た限りはたくさん見たかった私は、時間的につなげて見れる映画を同じ日に片っ端から見たのでした。未見で時間が合ったこの映画、結論から言うと見れてよかった。本当に、本当に怖かったけれど、つじつまの合わない不条理劇だけれども、見応えがありました。

 冒頭、コリン・ファレル医師が心臓手術を行うシーン。よくわからないけれど「名医なんだろうな」って雰囲気です。そう、ハンサムな彼は、美しい眼科医の妻(ニコール・キッドマン)と娘、息子と瀟洒な一軒家に住み、身なりも常にこぎれいな”成功している男”です。しかし、時々バリー・コーガン演じる”裕福そうでない青年”にこっそりと優しくしている場面が挿入されるので、私は最初「若い彼氏がいるのかな」と思っていました。社会的に結婚していても、若い男性にも興味があるのかと。

 しかし、次第にそうでないことがわかってきます。どうやら、過去に手術に失敗して死なせてしまった患者の息子のようで、コリンの主張によると「どのみち助からなかった」患者らしいのですが、そうであったとしても、どうやらお酒を飲んで執刀したようなのです。それはいけませんね。自分では「大した量でない。意識ははっきりしているし、いつも通り執刀できた」と思っているかもしれませんが、そんなこと、わかりません。昔の日本での飲酒運転と同じで、得てして大丈夫と思っているのは自分だけだったりするのです。

 青年バリーも、最初こそ遠慮がちな言動をとって、腕時計を買ってもらったりと、その優しさに甘える感じでしたが、徐々に本性を現すようになってきます。考えると、そりゃそうです。父親を殺されたのですから。そして、現実にはあり得ないと思うのですが、コリンの子供たちがある日突然歩けなくなったり、何も食べれなくなって寝込んでしまったりするのです。体中くまなく検査しても、どこも悪くない。コリンとニコールも途方にくれます。バリーになぜそんな「呪いの能力」があったのかは説明されないし、見ているほうもわかりません。ただただ不条理なだけです。そして彼に「同じように、家族のだれか一人が犠牲となって死なないと、解決しない」と言われてしまい、現実にそうなってゆくのですね。医学ではまったくわからなかったのです。

 この映画、いろんな意味で本当に怖かった。あり得ないと思いつつも、戦慄しました。怖すぎでした。あ、そうそう。久しぶりにアリシア・シルバーストーンにお目にかかれて感動しました。バリー・コーガンの母親でした。

 

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