北京2022冬季オリンピック・パラリンピックで開閉会式の総監督を務めたことでも注目を集めた巨匠チャン・イーモウ監督が、映画をめぐるさまざまな思いを描いた人間ドラマ。1969年、文化大革命下の激動の中国。造反派に抵抗したことで強制労働所送りになった男は、妻に愛想を尽かされ離婚となり、最愛の娘とも親子の縁を切られてしまう。数年後、「22号」という映画の本編前に流れるニュースフィルムに娘の姿が1秒だけ映っているとの手紙を受け取った男は、娘の姿をひと目見たいという思いから強制労働所を脱走し、逃亡者となりながらフィルムを探し続ける。男は「22号」が上映される小さな村の映画館を目指すが、ある子どもが映画館に運ばれるフィルムの缶を盗みだすところを目撃する。フィルムを盗んだその子どもは、孤児の少女リウだった。「最愛の子」「山河ノスタルジア」のチャン・イーが主人公の男を演じ、少女リウ役を本作でデビューを飾ったリウ・ハオツン、村の映画館を仕切るファン電影役を「道士下山」などで知られるファン・ウェイが演じる。(映画.comより)
<2022年5月21日 劇場鑑賞>
チャン・イーモウ監督の作品、久しぶりかも。一時はよく見たけれど。コン・リーとチャン・ツィイーが好きでした。でも、今回の作品も舞台は文革時代。主人公は、造反派に抵抗し喧嘩した罪で強制労働所送りになった男。当然妻には捨てられ娘にも会えてません。しかし、知人が”おまえの娘が有名映画の前ぶりのニュース画像に映ってるぞ”と手紙で教えてくれたのです。娘見たさに強制労働所を脱走した男。映画が上映されている村を探して追いかけるのですが、夜に着いて上映が終わっていたり、次の上映は離れ~た村で3週間後だったりするのです。それでも、追いかけるしかないとおとなしくしてるのに、なぜか、見るからに貧乏そうな女の子がフィルムを盗むのを目撃。当然追いかけるのですが、この女の子がしつこくて意志が強い。男のことも、本能的にヤバい立場だとわかるのか、翻弄しまくります。手に負えないですね~、私ならこの手の女の子には勝てないと思うので諦めますが、男も娘を一目見たい一心で諦めません。そうこうしているうちに、どの人にもいろんな事情があることがわかって来ます、女の子にも、劇場の支配人にも。切ないですね。人生には、自分の力ではどうやっても抗えないことも多々あるのです。でも、頑張るしかない。ここで皆がもっと手を携えられれば、世の中はもっと住みやすくなるかもしれませんね。
フィルム愛溢れる映画です。素人たちが劇場支配人の号令一つで、ボロボロになったフィルムを修復してゆくのですから。洗ったり乾かしたり、巻き取ったり。こんなこと、本当に可能なのかな。さすがに上映された映像は傷だらけだったけど、こんなことして上映機は傷まないのかな。
ラスト近くで(二年後との表示)、例の少女が大きくなっておさげ髪で出てきます。なんと「初恋の来た道」のチャン・ツィイーに瓜二つ!監督もアップで長回しし、意味なくしばらく映します(笑)。監督、好みなんだね。でも、とってもかわいいかった。
いい映画だったけど、DVDでもいいかも。
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