いまさらなんでエクソシスト??と思わないでもなかったのですが、実話だというところと、アンソニー・ホプキンスに惹かれて見に行きました。
アンソニー演じるルーカス神父は、高名なエクソシストという設定。でも、最初に登場する悪魔祓いのシーンはやっぱりどこかでみたような感じ。ハナから神様を信じていない若者の視点から描かれているのは新鮮だったけれど、せっかくいちいち論理的に反論していた若者に、後半は「悪魔はいるんだぞぉ~~」と言わんばかりに超常現象が押し寄せる。
そんなバカな(笑)。
それに、今回の悪魔は多弁だ。誰に対してもうだうだと説教くさい。取材目的でこの若い神父(マイケル)に近づいた女性に対しても「精神病院に入れられた弟は・・・」と、それは悪魔憑きだったことを明かす。もちろん、そうかもしれない。でも、そんなこと、どうやって区別するの。
マイケルに対しても、「おまえの父親は・・・」とか「おまえの家庭は・・・」とかいろいろあげつらうんだけど、どこの家庭にもいざこざや不和の一つや二つはあるだろうに(親との確執なんて、当たり前なんじゃ・・・)、こんなこと言われて「へぇ!悪魔だ」なんて思うのかな、と思ってしまった私でした。
で、プロだったはずのルーカス神父は少女を悪魔からとうとう守ってやれず、おなかの赤ちゃんともども亡くならせてしまう。何度悪魔祓いしてもまた取り憑かれ、「何年もかかることもある」などとのたまっていたルーカス神父。
それなのに、いざ神父さん自身が取り憑かれたときは、新米エクソシスト(?)マイケルのたった1回の悪魔祓いですっかりよくなってしまうのだ。笑える。
まぁ、普段の修行の成果なのかもしれませんが・・・。
じゃ、悪魔が存在しないアジアの国々はどう?悪魔憑きはすべて精神病とされているってこと?わからないですねぇ。
私がこの映画でもっとも怖かったのは、師である神父(ルーカスではない)がマイケルを追おうとして「マイケル!」と声をかけた途端、つまづいてころんでしまうシーン。その彼をよけようとした若い女性の乗った自転車が、向かいから来た車に轢かれてしまいます。画材道具を持っていた、未来あるはずの若い女性が(マイケルのお祈りを得られたとはいえ)亡くなってしまい、神に仕え、人を救うはずの神父たちが生き残る。その後、つまづいた年輩の神父は「頭から離れない。私のせいだ。修道女の平均年齢を知ってるか。63歳だ」と言うのです。
つらい場面ですねぇ・・・。私のような凡人は「神様なんて、いないな」と思う瞬間です。
ともかく、映画自体はよくできていたとは思うのですが、「エクソシストって、宗教って、なんなんだろうな」と思っただけでした。
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