写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

取扱説明書

2017年12月27日 | 生活・ニュース

 先日、奥さんがスマホデビューをした。電器店に買いに行ったとき、メールのアドレスを決めておいた。ちょうど1年前には、私自身のスマホを買って使っているが、ネットの検索以外には携帯電話として使っているだけで、メールとしては全く使っていない。メールはパソコンでやっているだけである。

 奥さんは毎夜スマホを触って、1日に1つは新しい機能を覚えるのだといって、思っていた以上に研究熱心である。そんなことをしているとき早速、長男の嫁からメールが入ってきた。さあ、大変。返事の書き方、返信の仕方など、おいそれとは分からない。

 頼りにされている私だって、スマホでのメールのやり取りをしたことはなく、「パソコンと似たようなことをやればいいんだろう」と、突き放していた。しばらくしても埒が明かない。「よしっ、『先ず隗より始めよ』だ」といって、私が自分のスマホでメールを始めてみることにした。

 とはいっても、紙に書いた取扱説明書はない。パソコンで取扱説明書をダウンロードしても、細かな手順のようなものは書いていない。検索して出てきた情報を見てどうにかメールの設定を終えた。奥さんのスマホも同じようなことを施して、私のスマホとの間でメールのやり取りをした結果、何とかうまく出来るようになった。

 とはいっても、アドレスはどこに保存したらいいのか、メールの画面の細かな操作方法は、逐一体験しながら覚えるしかない。しかし、パソコンにしてもスマホにしても、取扱説明書は、読んでみてもよく分からない点が多い。単語が理解できなくても、せめて手順が明快に書いてあればいいが、それも不親切なところが多い。

 それでも使っている内に、自然と分かるようになる辺りは、結婚したことと似ていなくもないようである。初めは奥さんの取り扱い方法が全く分からなかったが、今となっては、以心伝心、何でも分かってもらえるばかりか、何でもお見通しされるようになっている。何ごとも「習うより慣れろ」は、しっかりと活きている。