写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

1日遅れのスーパームーン

2016年11月15日 | 季節・自然・植物

 1週間ばかり前の新聞に、「11月14日の夕方17時過ぎから、朝方6時過ぎまで大きな月・スパームーンを見ることが出来る」という記事が載っていた。スーパームーンとは、月の軌道が最も地球に近づくのと満月が重なるタイミングの月のことをいい、今回のように地球に大接近するのは1948年以来である。

 月が近づいたり遠ざかったりするのは、月が地球を回る軌道が真円ではなく、楕円になっているからであり、普段の満月よりも14%も大きく見え、明るさも30%増しているが、月の明るさは大気の条件の方が効くので、肉眼でそれに気づくことはないという。

 そうはいいながら、どれほど大きく見えるのかを楽しみに待っていたが、ここ岩国は14日はあいにくの雨で期待していたスーパームーンを見ることはできなかった。明けて15日は快晴で、東の空から殆んど満月と変わらないまん丸い月が出てきた。辺りがすっかり暗くなってきた8時前に、コンパクトデジカメとはいいながら、光学ズームとデジタルズームを合わせれば焦点距離3000mm相当で倍率は120倍の望遠レンズの能力を持っている優れものを持って外に出た。

 ネットで調べてみると、満月を撮るには絞りはF8、シャッター速度は1/800、フイルム感度はISO400が良いと書いてある。それらをマニュアルセットし、望遠を最大にして構えるが、手ぶれのため狙った月が直ぐに画面から逃げて行く。
 三脚を取りに帰り、逃げて行った月をやっと捕まえて、そっとシヤッターを押すが、その時、三脚が少し動くのでまた月が逃げる。この対策は、自動シャッターにすることで解決させた。

 全くの素人写真家にとっては、それなりの問題があったものの、何とかスーパームーンをカメラに収めることが出来た。取った写真を見ると、思った以上のいい出来栄えだったことに自信を持ち、自慢のカメラを持っている2人の仲間にこのことを電話で伝えた。

 私の電話を受けて、早速2人とも写真を撮ってみるという。今宵の1日遅れのスーパームーンを巡って、3人の素人写真家のカメラ自慢ではなく腕自慢の火ぶたが切って落とされた。ライバル2人のどんな写真が見られるか、楽しみである。