秋晴れの日曜日の朝10時、5人の仲間が、それぞれが何か口に入るものを持ってやって来た。2週間前に、 生パスタを作って食べてもらう会を開催することを約束していた。メンバーは知り合いの女性3名と時遊塾の男性2名と我が夫婦の総勢7名である。
ひょんなことで、我が家に生パスタを作る器械があることを話したことをきっかけに「いつかやって見せて下さい」という要請に応えることになっていた。前日、数年ぶりに器械を取り出して問題のないことを確認して置くやら、レシピの再確認、材料の調達をしておいた。
勢揃いした後、裏庭でいよいよ生パスタ作りの開始だ。粉を扱う作業は屋外に限る。部屋の中でやると部屋中が真っ白になって後始末が大変だから。2人前の材料は、強力粉に薄力粉を混ぜて250グラム、これをボウルに入れて卵を2個、オリーブオイル大さじ3杯と塩を少々入れてよく練ったあと10分間寝かせる。この要領で7人分を作った。
このあとは製麺である。イタリア・アンピア製のパスタマシンをテーブルに固定し、まずは寝かしておいたものを包丁で小分けしてパスタマシンのローラーに掛けて薄く伸ばしたあと、今度は異なるローラーに掛けて細い麺にしていく。卵の黄身の美しい色をした麺が面白いようににゅるにゅると出てくる。あっという間に製麺が完了する。
それまでが男の仕事で、後は女性陣が茹でた後、頃よく温めて置いた市販のパスタソースをかければもう出来上がり。「生パスタって初めてだけど、こんなに簡単に作れておいしいっ」と言いながら11時半に早めのランチとなった。女性陣だけは左手に缶ビール。男性は車で来ているのでアルコール抜きという逆転現象もたまにはいい。
ランチのあとはみなさん持参のケーキやお団子、手作りのシュークリームと食べるものばかりであったが、この会、なんと夕方5時まで続いた。延々と7時間、秋の爽やかな風がそよぐ庭で、久しぶりに話に花が咲いた午後であった。