写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

疑惑解消

2014年11月17日 | 生活・ニュース

 居留守とは、家にいながら不在を装うことをいうが、意図せずに居留守と間違えられるようなことが今までに何度かあった。また、宅配便が来てインターホンが鳴らされたことに気がつかず、不在通知表が置いてあるようなこともあった。

 この原因は、玄関の入口に取り付けてあるインターホンを押したとき、「ピンポーン」と鳴る子機がダイニングルームにあるため、隣の居間にいて何かに夢中になっているようなときには、呼び出し音が聞こえなかったからである。

 何とかしなければと思っていたが、宅配便の不在通知表が置いてあることが何度か続いたのを機に、対策を取ることにした。取り付けてあるインターホンの機種を確認した後、ネットで「増設子機」を注文する。3日後に届いたものの設置場所を決め、ダイニングルームの子機と細い電線でつないだ。

 早速、奥さんに玄関先のインターホンを押してもらうと、期待していた通りの音が居間の中で鳴った。理屈は単純な配線工事ではあったが大成功だ。「単純な配線工事」とはいっても、肉体的にはやや大変な工事ではあった。脚立の上に立ち、目立たないように天井の隅を這うようにきれいに取り付けて行かなければいけない。配線が部屋をまたぐときには、ドアの開閉に支障をきたさないようにうまい具合に隙間を見つけて配線をした。 

 その甲斐あって、まずは無事に工事を完了し、居留守疑惑対策は一件落着となった。時あたかも年の瀬が近い。借金返済の取り立てがやって来たときには、そうはいってもやっぱり伝家の宝刀で「居合抜き」ならぬ「居留守」を使うしかない。それがばれたときには「最近、どうも耳が遠くなったようで……」などと、年のせいにして弁解することにしよう。