劇場公開から早や1年、いろんな人から面白いよと言われながらついつい見逃していたのが、この作品。
原作者の久保ミツロウ(実は女性らしいけれど、そんなことも知らなかった)自ら書き下ろした劇場版のオリジナル・ストーリーとなっているとのことだけど、原作は未読だし、テレビドラマシリーズも未見ながら(だからこそかも知れないけれど)、冒頭のまるでインド映画を思わせるハイテンションな神輿シーンからミュージックビデオテイストたpっぷりな画像処理された言葉の映像化シーンへとテンポ良く進む才気を感じさせる演出にのっけからすんなりと入ることが出来、とにかく思っていた以上に楽しんで観ることが出来たのだ。
とにかくこの映画、音楽の使い方が秀逸。
まるでジョセフ・ゴードン=レヴィットの『(500)日のサマー』がごとく、主人公が喜びを表すシーンで生パヒュームとともに歌にのせて群衆ダンスを見せてくれるかと思えば、突然大江千里の「格好悪いふられ方」が歌詞とともに流れたり、竹内まりやの「カムフラージュ」を主人公の妄想ソングとして使ったり、はたまたくるりの「東京」でまんまその世界観を具現化したりと、とにかく観ていて面白いこと、面白いこと。
個人的には麻生久美子絡みでの切なさいっぱいのシーンで流れるジュディマリの「 LOVER SOUL 」、そして牛丼をかっ食らうところでの岡村靖幸の「カルアミルク」がツボだったし、他にもフィッシュマンズや rei harakami、TOKYO No.1 SOUL SET、N’夙川BOYS などなど、ホンマ盛りだくさんなんだけど、それぞれがちゃんと機能した使われ方をしていることに感心。
そしてそんな音楽の使い方以上にピカピカと眩しいばかりに光っていたのが、気弱でサブカル好きでどうしようもなくへタレな主人公の周りに登場してくる女性に扮する、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子といった4人の女優たちの存在だ。
とにかくまさに適材適所とでも言おうか、彼女たちそれぞれが持つ際だった魅力がビックリするほど巧く引き出されいて、そんな彼女らの姿を観ているだけでも大いに見応えがあり、特に長澤まさみに至ってはもう犯罪的にキュートで、はじめて本当の彼女の魅力に接した気がするほどだったのでありました。
ともあれ良い意味で 「 後に何にも残らない映画 」 ではあるのだけど、スチャダラパー featuring 小沢健二の「今夜はブギー・バック」が流れる神聖かまってちゃんのPV的な時代性を感じさせるエンドロールまで、内容ぎっしり直球勝負の恋愛ムーヴィーとして大いに楽しませてくれる作品だったのであります。
それにしてもへタレであろうが、主人公の真っ直ぐでひたむきな姿にキュンとくる懐かしさは覚えるものの、決して戻ることの出来ない中年オヤジにとって、「彼氏がいない女と付き合うにはライバルは無限にいるが、彼氏がいる女と付き合うにはライバルは1人しかいない」なんてわかったようなことを言ってしまうリリー・フランキーこそがある意味、我が心の友だったりするんだろうなぁ(苦笑)
ということで、まだ未見の方は是非。かなりかなりオススメなのであります。
今日の1曲 “ 東京 ” : くるり
この映画の中から1曲ということになると何だかんだ言いつつもやはり、くるりの1998年メジャーデビューとなったこの作品。
実は眼鏡をかけた主人公と岸田くんとの見た目の姿があまりに近く、この歌の世界観も通底したところを感じ、もしかしてこの曲にインスパイアされて原作は生まれたのではないかとすら思ったりすらするのであります。
またよろしくです♪
「放課後ミッドナイターズ」という映画が気になってるんですが、観ました?
こちらこそよろしくお願いします
音楽の使い方、そしてキャスティングの妙に心惹かれたわけで、
はっきり言って好みは分かれる映画かもしれません。
でもやっぱり、大きな期待はさておいて観ることをオススメしてしまいます。
実はこっちか!みたいな。
「奇跡」とかじゃ、ちょっと物足りなかったんだけどね。
最近読んだ木爾チレンさんのR-18作品みたいなやつの方が
あってるような気がする。
ちなみに木爾チレンさんてだれ?ということなら、
http://www.birthday-energy.co.jp
が詳しい・・・(なんかすごい詳しい)。
同じ誕生日でも、やってる事違うから、その差が出て逆に面白いな。