俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「人のセックスを笑うな」

2008年03月29日 10時08分28秒 | 時系列でご覧ください
「会えなければ終わるなんて、そんなもんじゃないだろう」 ---- フム

自由奔放な20歳近く年上の女性に恋をして翻弄される青年の切なくも瑞々しい姿を描き、第41回文藝賞受賞し、第132回芥川賞候補作にもなった山崎ナオコーラのデビュー作を永作博美、松山ケンイチ主演で映画化した恋愛ストーリー。

印象的な構図を考え抜きフィックスされた絵作り、どこか柳町光男あたりの自主映画が持っていた音の世界を想起させる同時録音、そして確信犯的台詞の聞き取りにくさと度を越えるギリギリの長回し、さらにはドンピシャなキャスティングによるリアルな演技…。



正直言って、それらのすべてがすべて有機的に成功に結びついているかといえば、いささか疑問が残らないでもないけれど、等身大の恋愛映画として心に響くことは請け合い。
ただ、その独特のリズム感からか、冗漫に思えるところもあって、個人的にはいささか長すぎた。



それにしても「寒いね~、寒いな、寒い寒い、あー寒い」と甘えつつ「おー、いぇ~す!」と主導する、いかにもどこかにいそうな男心をくすぐるユリを演じる永作博美と「こっどもだなぁ」と言いつつマジで惚れてます的リアルパワー全開の松山ケンイチという主演の二人の演技はさておき(苦笑)、それよりも何よりもマツケンに惚れる同級生を演じた蒼井優がまっこと素晴しい。

忍成修吾からの突然のキス攻撃で見せてくれる照れくささ、泥酔状態のマツケンと過ごすホテルの一室でのピョンピョン跳ねて見せてくれる切なさ、あるいは二人で乗った観覧車でのときめき。

すべてを包む飄々としたユリの旦那に扮したあがた森魚ともども、大いに心惹かれたのでありました。



今日の1曲 “僕は天使ぢゃないよ ” : あがた森魚


林静一の漫画「赤色エレジー」をあがた森魚自身が映画化した作品の主題歌。
音楽:ティン・パン・アレー、松本隆 、蜂蜜ぱい 挿入歌:あがた森魚、大瀧詠一、友部正人
そして出演があがた森魚、斉藤沙稚子、緑摩子、桃井かおり、岡崎二郎、ゲスト出演に大滝詠一、泉谷しげる、下田逸郎、山本コータロー、友部正人、中川五郎、横尾忠則、岡本喜八という、何ともすごい作品で、機会があったら是非見てみたい一作だったりするのであります。
興味のある人はコチラを是非


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2 コメント

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行って来ました~。 (mimia)
2008-04-15 00:11:36
ロングランなので後回しにしていたら
もう終わりそうで焦りました。

>そして確信犯的台詞の聞き取りにくさと・・・

ほんとにそうです。
私は耳がいいので聞き取りにくければにくいほど躍起になっちゃうのでダメですねぇ、イラつきます。
二人の会話より温水洋一先生の授業の方に集中してしまったり(笑)

蒼井優はWOWOW「camouflage 四つの嘘」もなかなかなもの、今がまさしく旬な女優さんですね。

 
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◇ mimia さん (nikidasu)
2008-04-17 08:51:28
昨日シネモンドへ「ぜんぶ、フィデルのせい」を観にいった時、
支配人の上野くんから聞いたのですが、4週間にわたっての公開
ながら、ずっとヒットしていてナント立ち見が出る回もあるとか。

で、ヒットの一番の要因はやはりキャッチーな作品タイトルだと
個人的には強く思っているのですが…(苦笑)。
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