
寒の戻りで金沢でも過ぎゆく季節に名残りを感じさせる雪が降った先週のとある日、先月に続いて再び 「 三統 」 さんにお邪魔し、穏やかなひと時を過ごすことが出来たのでありました。

この日は、雪が降ったかと思うと、いきなり晴れ間になったりと、金沢らしい目まぐるしく天気が変わる日だったのですが、浅野川に面した部屋から上流を望むとこうした風景が広がり、それだけでご馳走なのであります。

そして金沢の桃の節句は旧暦にあわせて4月3日とすることが多いということで、料理には雛祭りをイメージしたものがあれこれ。

黒米を使うことによってほんのりピンク色となった 黒米甘酒。

三春という季語を持つ、これからが旬の サヨリ も加わった 造りの盛り合わせ。

相変わらず素敵な器に置かれた適度な食べ応えの 胡麻豆腐。

空豆 に ホタルイカ に 蕗の薹 と春を感じさせる食材が揃ったミニ八寸。
桃の花のあしらいもまた節句を感じさせてくれます。

蕗の薹味噌 がのった豆腐もまた乙な焼き物。

前回に続いて しんじょう もまたちょうどい塩梅で落ち着きます。

そしてこの日一番美しさを感じた 鯛の道明寺蒸し 。
前回の 蓮蒸し に勝るとも劣らない美味しさなのであります。

かつて茶懐石を行なっていたこともあり、柔らかめに炊かれた御飯もここならではです。

この日のデザートは小さな ぜんざい ということでしたが、これがまたちょうど良い甘さと量で、大いに満足です。

それに合わせての お抹茶 は、大樋長左衛門の抹茶茶碗で…。

というわけで、この日もまたとてもとても美味しくて楽しい食事だったのですが、改めて女将に話を聞くと、先代がなくなって 11年の間、店を閉めていたものの、子育てもひと段落し、ならばと先代とともに厨房に立っていた経験を持つ妹さんが料理を担当し、姉妹で店を再開したとのこと。

ちなみにびっくりするほどお手軽に頂ける料理のほうは前日までの予約が必要ですが、喫茶のほうは営業時間内ならいつでも大丈夫とのことで、場所的にひがし茶屋街にも近いこともあり、金沢に来る知人、友人を誘うにはもってこいのお店だと思うので、機会があれば是非! なのであります。



今日の1曲 “ My Love Will Never Die ” : Eric Kaz
昨日のガレタッソは若き友人が京都から久々にやって来てくれて、おかげでアナログ盤三昧。
そしてエリック・カズを知っている人はやっぱり好いなぁと実感だったのであります。
コピーライター忘年会よりさらにひと昔前、三統さんの娘さんとご縁ができまして、一度お食事をしたことがあります。
記憶に間違いがなければ、先代は違うお仕事から料理の道に入られたと聞きました。
最後まで飽きずに食べられるように、だったか、最後のお茶の味を堪能してもらえるように、だったか、お料理の塩加減に相当の心配りがされていましたが、「ときどき、今日は塩味が強かったって、お母さんに叱られるんだよ」なんて話を、娘さんが楽しそうにしていたのを覚えています。
復活、ご紹介してくださってありがとうございます。ま佇まいやお部屋のしつらえも趣がある三統さん、まずは喫茶の時間帯に行ってみようと思います。
先代は教職にあったと、FB友達から知らせれていましたが、やっぱりそうだったんですね。
ともあれ、長いブランクを感じさせないお店となっていますので是非、是非!