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先月観て大いに感銘を受けた鴨志田穣の自伝小説の映画化作品「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」と同じエピソードを元妻である西原理恵子ことサイバラ視点から描いた家族の物語。
観ているあいだ、どうしても東陽一作品と比較してしまいがちだったけれど、今回の作品、もともとサイバラ自身の漫画が原作となっているためか、特に前半部分はとことん明るく、しっちゃかめっちゃかで、バタバタと物語が進んでいき、そうした描き方はそれはそれで良いのだけど、単に面白エピソードの積み重ねてつなぎ合わせているように思え、いささか単調になり過ぎた印象も少なからずあったのだ。
ただ、深刻で重苦しくなりがちな話を軽いタッチで、まるでサイバラ家で繰り広げられていたであろう日常そのままにあっけらかんと描いていく背景には、やはり肝の据わった女性ならではの目線がそこには感じられたのでありました。
そしてそんな肝っ玉母さん演ずる小泉今日子のまるで等身大に見える演技は、まさに適役というか、水を得た魚のように生き生きとして、サイバラワールドに見事にフィット。
加えて今回もまた子役の二人が何とも堪らない演技を見せてくれて、特に妹のフミちゃん( ← なんとキュートなことか!)にはすっかりやられてしまい、正直言って映画的にはそこそこ程度の印象しかなかったものの、子育ての終焉期を迎えつつあるものにとってはそれを上回って余りあるものをどうしたって感じさせ(ウルッ)、そういった意味では何ともずるい映画でありました。
正直言って「深み」と言った意味では、「酔いがさめたら~」のほうが個人的にははるかに観応えがあったように思えるのだけど、それは原作者と同性の意気の上がらない男目線によるものからかも知れないなあとも思ったりして、とにかく女性は逞しくて強いなあと当り前のことを今更ながら考えさせられたりもしたのでした。
そしてまったくの蛇足ながら2作品ともに光石研がそれなりに存在感のある役どころで出ていたのはご愛敬。
ただそれ以外のキャスト、特にサイバラのママ友あたりの安直なキャスティングはなんとも頂けなかったのでした。ンナロー
ともあれ一つの作品の中でそれぞれ違った視点で描く映画はこれまでにも何本かあったけれど、こうして別の作品として製作されほぼ同時公開されるという、ある意味とても珍しいこの2作品、機会があれば併せての鑑賞をオススメであります。
今日の1曲 “ ケサラ Che Sara ” : 木村充揮
そしてエンディングにいきなり木村くんの歌声が流れてきてビックリ。
ホセ・フェルシアーノのもと歌は大好きだけど、木村くんのこの曲のこれでもか的な大仰なアレンジはちょっとだけいかがなものかと思わないこともないけれど(あ~、まどろっこしい)、映画の〆にある意味相応しい楽曲となっちょりました。
ということで、ためてためて歌う木村くんバージョン、ご一聴あれ!
先月観て大いに感銘を受けた鴨志田穣の自伝小説の映画化作品「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」と同じエピソードを元妻である西原理恵子ことサイバラ視点から描いた家族の物語。
観ているあいだ、どうしても東陽一作品と比較してしまいがちだったけれど、今回の作品、もともとサイバラ自身の漫画が原作となっているためか、特に前半部分はとことん明るく、しっちゃかめっちゃかで、バタバタと物語が進んでいき、そうした描き方はそれはそれで良いのだけど、単に面白エピソードの積み重ねてつなぎ合わせているように思え、いささか単調になり過ぎた印象も少なからずあったのだ。
ただ、深刻で重苦しくなりがちな話を軽いタッチで、まるでサイバラ家で繰り広げられていたであろう日常そのままにあっけらかんと描いていく背景には、やはり肝の据わった女性ならではの目線がそこには感じられたのでありました。
そしてそんな肝っ玉母さん演ずる小泉今日子のまるで等身大に見える演技は、まさに適役というか、水を得た魚のように生き生きとして、サイバラワールドに見事にフィット。
加えて今回もまた子役の二人が何とも堪らない演技を見せてくれて、特に妹のフミちゃん( ← なんとキュートなことか!)にはすっかりやられてしまい、正直言って映画的にはそこそこ程度の印象しかなかったものの、子育ての終焉期を迎えつつあるものにとってはそれを上回って余りあるものをどうしたって感じさせ(ウルッ)、そういった意味では何ともずるい映画でありました。
正直言って「深み」と言った意味では、「酔いがさめたら~」のほうが個人的にははるかに観応えがあったように思えるのだけど、それは原作者と同性の意気の上がらない男目線によるものからかも知れないなあとも思ったりして、とにかく女性は逞しくて強いなあと当り前のことを今更ながら考えさせられたりもしたのでした。
そしてまったくの蛇足ながら2作品ともに光石研がそれなりに存在感のある役どころで出ていたのはご愛敬。
ただそれ以外のキャスト、特にサイバラのママ友あたりの安直なキャスティングはなんとも頂けなかったのでした。ンナロー
ともあれ一つの作品の中でそれぞれ違った視点で描く映画はこれまでにも何本かあったけれど、こうして別の作品として製作されほぼ同時公開されるという、ある意味とても珍しいこの2作品、機会があれば併せての鑑賞をオススメであります。
今日の1曲 “ ケサラ Che Sara ” : 木村充揮
そしてエンディングにいきなり木村くんの歌声が流れてきてビックリ。
ホセ・フェルシアーノのもと歌は大好きだけど、木村くんのこの曲のこれでもか的な大仰なアレンジはちょっとだけいかがなものかと思わないこともないけれど(あ~、まどろっこしい)、映画の〆にある意味相応しい楽曲となっちょりました。
ということで、ためてためて歌う木村くんバージョン、ご一聴あれ!
エンディングで木村さんバージョンを聴きながら決壊していました。
誰と比べる事もない、出会いと別離、人生・・
なんだか大事なものに触れたような気がした作品でした。
何となく違和感を持ってしまったのですが、
見続けるうちに、この作品ならではの良さがどんどん伝わってきました。
そしてやっぱり、フミちゃんの「おとしゃん」に涙、でした。